JPS6040805Y2 - エンジンのオイルサブタンク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、エンジン潤滑用のオイルサブタンクに関する
。

一般にエンジンの潤滑システムとしては、クランクケー
スの底部にオイルパンを設けこのオイルパン内のオイル
をオイルポンプで汲み上げて、エンジン各部にオイルを
圧送し、潤滑を行うようにしである。

そしてエンジン各部の潤滑を終ったオイルはオイルパン
に滴下し、再度オイルポンプに汲み上げられて、各部に
送られる。

一般的にオイルパン以外にサブタンクを設ける技術やオ
イルパンを区画する技術は知られており、例えば特公昭
５２−１６７９５号公報、実公昭４７−２６７５３号公
報、実開昭５３−４７４３（）ｌ公報等に提示されてい
る。

しかしながら、いずれの公知技術もオイルパン内の全容
量オイルが潤滑用に使われているので、寒冷時の始動に
際して全量のオイルを加熱する必要があるので、暖機運
転に比較的長時間を要するという欠点があった。

暖機運転時を短くするためにはオイル量を少なくすれば
よいが、それでは通常運転時にオイルの減少によるトラ
ブルの発生の原因を作ることにより、所定量のオイルは
エンジンに対して必要なものである。

したがって、本考案の目的は、所定のオイル量は保持し
、しかも暖機運転時間を短くすることのできるエンジン
のオイルサブタンクを提供するにある。

本考案によるエンジンのオイルサブタンクは、エンジン
のクランクケースの座部に設けるオイルパンにオイル溜
りを形成し、そのオイル溜りの容量はオイルパン全体の
容量に比べて小さく形成され、そのオイルパンとは別体
にオイルサブタンクを設け、そのサブタンクの上面板は
オイルパンの油面より高い位置に存し、かつサブタンク
の油面の上部には空気が存在しており、オイルパンとサ
ブタンクとの間は断面積の小さい通気管および断面積の
小さいオイル連絡路で液相および気相が互いに連通され
ている。

したがって、暖機運転時は比較的に容量の小さいオイル
溜りのオイルがオイルポンプによって汲み上げられて潤
滑後にはオイル溜りに戻されるので、オイルの加熱に要
する暖機運転時間は短くなる。

そして通常運転時にオイル溜りの油面が低下した場合は
、オイルサブタンクからオイル連絡路を介してオイルが
供給されるので、潤滑油の不足は生じない。

オイルサブタンクには通気管を通って潤滑後のオイルが
はいろうとするけれども、通気管はその断面積が小さい
ので、実質的に潤滑後のオイルははいりにくく、そのた
めに暖機運転時間は短縮される。

オイル溜りの油面とオイルサブタンク内の油面とは上部
の気相が通気管で互いに連通し、下部の液相（オイル）
がオイル連絡路で連通しているので両者の油面ば等しく
なる。

したがって実質的にオイルの量はサブタンクも含まれる
ので、充分であるが、潤滑に使用されるオイルはオイル
溜り内のものであるから、前記の目的を達成できる。

このようにサブタンク内のオイルはオイル溜りへ断面積
の小さいオイル連絡路を通ってゆっくりと流れることが
できるので、暖機時間が短くなる。

したがって本明細書でいう断面積の小さい通気管および
断面積の小さいオイル連絡路とは、暖機運転時にサブタ
ンクからオイル溜りへの潤滑油の移動量が少なく、暖機
運転がすみやかに完了する程度の断面積を意味している
。

以下図面により本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案の実施例によるエンジンの概要を示すも
のであって、クランクケース１の底部にはオイルパン２
が取付けである。

このオイルパン２にはオイル溜り３が形威されているが
、このオイル溜り３の容量はオイルパン全体の容量に比
べて小さく形威しである。

そして、このオイル溜り３の中にオイルポンプ５の吸油
パイプ４が挿入されていて、エンジンの始動とともにオ
イルポンプ５が回転すると、オイル溜り内のオイルＬ１
は吸油パイプ４から汲み上げられてエンジンの各部に圧
送される。

一方、このオイルパン２に隣接してオイルサブタンク６
が設けであるが、このオイルサブタンク６とクランクケ
ースのオイルパンとは、上部に設けた断面積の小さい通
気管７と、下部に設けた断面積の小さいオイル連絡路８
とで互いに連結されている。

オイルサブタンク６の上部は図示の如く上面板１０で閉
塞されており、そしてその上面板１０はオイルパンの油
面より高い位置に存腰かっサブタンク６の上部には空気
Ａが存在している。

この上面板１０にはオイルキャップ９があって、オイル
サブタンク内にオイルを補充できるようにしである。

オイルパンとオイルサブタンクとはその気相（空気Ａ）
と液相（オイル）とがそれぞれ断面積の小さい通気管７
と断面積の小さいオイル連絡路８とで連通されているの
で、オイルパン内のオイルＬ１とサブタンク内のオイル
Ｌ２の油面は略同−レベルである。

本装置は以上のように構威しであるので、今、エンジン
を始動してオイル溜り３内のオイルＬ１がエンジン各部
に送られるとき、オイル溜りの容量は比較的小さいので
、オイル温度の上昇が早く、エンジン各部のフリクショ
ンロスを低減シて燃費の向上を図ることができる。

又振動の多いクランクケース底部のオイル溜りの表面積
を減すことにより騒音の低減を図ることもできる。

そしてオイル溜り内のオイルＬ１とサブタンク内のオイ
ルＬ２とはオイル連絡路８を通じて極くゆっくりと交換
されてオイル劣化の平均化が行われるので、エンジンオ
イルの交換時期を長くすることができる。

次に第２図に示す本考案の他の実施例においては、第１
図の実施例と同様に、オイルパン２に隣接してオイルサ
ブタンク６を設けである。

オイルパン２のオイル溜り３とオイルサブタンク６とは
、下部で断面積の小さいオイル連絡路８で結ばれ、上部
で断面積の小さい通気管７ａで結ばれてイルが、この通
気管７ａのクランクケース側の端部は上方に曲げられて
滴下オイル捕集器１０が取付けである。

そこで、エンジン各部の潤滑を終ったオイルがオイルパ
ン２に滴下する際に、滴下オイルＬ３の一部は、オイル
捕集器１０で捕集され、サブタンク６内に戻される。

従ってオイルサブタンク内のオイルＬ２とオイル溜り３
内のオイルＬ１とは確実に徐々に交換され、オイル劣化
の均一化が行われる。

上述した第１図、第２図に示すものは、いずれもオイル
サブタンクをオイルパンとは別体に設けたものであるが
、第３図に示す実施例ではオイルパンとサブタンクを一
体に形成したものである。

すなわち、オイルパン２の内部を画成してサブタンク２
１を形成してあり、断面積の小さいオイル通路２２でオ
イルパンと連通させている。

そしてこのオイルサブタンク２１の上面２０は油面の上
方に位置し、その油面の上に空気Ａが存在している。

オイルサブタンク２１の頂部には空気管２３があってク
ランクケース内に開口しているので、オイルパン内のオ
イルＬ１とサブタンク内のオイルＬ２のレベルは同一に
保たれる。

そして通路２２を介してオイルパン内のオイルとサブタ
ンク内のオイルとが極めてゆつ（りと交換される。

本考案は以上のように、表面積を小さくしたオイルパン
と、オイルサブタンクとを組合せることによって、エン
ジン始動時の油温の上昇を早め、騒音の低減を図るとと
もに、エンジンオイルの交換期間を延長できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す断面図、第２図は本考案
の他の実施例を示す断面図、第３図はサブタンクの他の
実施例を示す断面図である。 １・・・・・・クランクケース、２・・・・・・オイル
パン、３・・・・・・オイル溜り、４・・・・・・吸油
パイプ、５・・・・・・オイルポンプ、６・・・・・・
オイルサブタンク、７・・・・・・通気管、８・・・・
・・オイル連絡路、１０・・・・・・オイル捕集器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンのクランクケースの座部に設けるオイルパンに
   オイル溜りを形成し、そのオイル溜りの容量はオイルパ
   ン全体の容量に比べて小さく形成され、そのオイルパン
   とは別体にオイルサブタンクを設け、そのサブタンクの
   上面板はオイルパンの油面より高い位置に存し、かつサ
   ブタンクの油面の上部には空気が存在しており、オイル
   パンとサブタンクとの間は断面積が小さい通気管および
   断面積の小さいオイル連絡路で液相および気相が互いに
   連通されていることを特徴とするエンジンのオイルサブ
   タンク。