JPS6040332Y2 - 車両用シ−トの一部前倒し装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両シートにおいて、シートバックの一部が前
方に倒れるようになされた、一部前倒し装置に関するも
のである。

従来、第１図に示す車両の座席配置において、第１列Ａ
１第２列Ｂ１第３列Ｃが配置されている場合、第３列Ｃ
席の乗降用として第２列Ｂ席のシートバックＢ′が前傾
可能なリクライニングアジャスターにより前傾させ、開
口ａをａ′に広げていた。

したがって第２列Ｂ席に３人座っているときは３人共一
時立上らないと第３列Ｃ席に乗降することはできないと
いう欠点があった。

この欠点を除くため、第２列Ｂ席に折畳みできる補助席
を設け、ドア開口部す側の席を折畳むようにしたものが
考えられたが、操作が繁雑であり、又、補助席をリクラ
イニングすることは困難であった。

しかも、補助席のシートバックを薄く形してかさ張らな
いようにする必要があるため、掛は心地が悪いという問
題があった。

そこで本考案は前述の従来の問題点に鑑みてなされたも
のであって、リクライニングアジャスター付シートのシ
ートバックの一部を前倒し可能にし、その後方の座席に
乗降するとき、該乗降が容易に行うことができると共に
、前記シートに座っている乗員全部が立上る必要のない
シートの一部前倒し装置を提供することを目的とするも
のである。

そのために本考案では該シートの一部前倒し装置ヲ、シ
ートクションの後部両側にリクライニングアジャスター
が取付けられ、該両リクライニングアジャスターは連動
ロッドにより連動可能に連結され、かつ、該両リクライ
ニングアジャスターにはそれぞれリクライニングアーム
が傾動可能に設けられ、該両リクライニングアームのう
ちいずれか一方のリクライニングアームには、２分割さ
れたシートバックの一方の分割シートバックの一側が取
付けられ、他方のリクライニングアームには他方のシー
トバックの一側が取付けられ該一方の分割シートバック
の他側と他方のりクライニングアームとが連結棒で連結
され、さらに、該連結棒に他方の分割シートバックが枢
着されていると共に、前記両分割シートバックの間に、
該両分割シートバックを互いに係脱可能にするロック機
構が設けられている構造とすることにより所期の目的を
遠戚するようにしたものである。

以下、本考案を図示せる実施例に随って説明する。

１はシートクションであって、該シートクション１の後
端にはリクライニング可能なシートバックが取付けられ
、該シートクション１とシートバックとで車両用シート
が構成されている。

シートバックは２分割され、分割されたシートバックの
うち一方の分割シートバック２を構成するフレーム２′
の一側には、シートクション１の後部−側に取付けられ
た一方のリクライニングアジャスター４のリクライニン
グアーム４ａが傾動可能に取付けられている。

該リクライニングアジャスター４にはシートクション１
の後部に横設された連動ロッド３の一端が連結され、該
連動ロッド３の他端は、シートクション１の後部他側に
取付けられた他方のリクライニングアジャスター４′に
連結され、したがって、両リクライニングアジャスター
４，４′は連動ロッド３により左右が連動可能になされ
ている。

又、前記一方の分割シートバック２のフレーム２′の他
端には連結棒５の両端に取付けられた取付片６，６′の
一方の取付片６が連結されている。

又、他方の取付片６′は他方のリクライニングアジャス
ター４′に傾動可能に取付けられたリクライニングアー
ム４′ａに連結されている。

該リクライニングアーム４’ａは後述する他方の分割シ
ートバック７のフレーム７′に取付けられている。

又、２分割された他方の分割シートバック７を構成する
フレーム７′には、前記連結棒５に嵌合させる切欠き８
，８′が設けられ、該切欠き８゜８′が設けられ、該切
欠き８，８′を前記連結棒５に嵌合させてホルダー９，
９′を用いて該フレーム７′を連結棒５に枢着させる。

前記一方の分割シートバック２のフレーム２′の他方の
分割シートバック７側の上部にロック金具１０が取付け
られ、又、他方の分割シートバックのフレーム７′の一
方の分割シートバック２側にストライカ−ピン１３が取
付けられ、該ロック金具１０とストライカ−ピン１３と
で両分割シートバック２，７を互いに係脱可能にするロ
ック機構が構成されている。

前記ロック金具１０は、前記フレーム２′を取付けるた
めの取付用穴１９が設けられた取付片１５と、該取付片
１５に装置され、ストライカ−ピン１３に係脱可能な掛
止鉤１２と、該掛止鉤１２を操作するためのノブ１１と
、掛止鉤１２をストライカ−ピン１３にロックさせる方
向に付勢するスプリング１６とを有している。

そして、通常は掛止鉤１２をストライカ−ピン１３にロ
ックさせ、ロック時は両分割シートバック２，７が一緒
に動くようになされている。

したがってリクライニングアジャスター４又は４′のい
ずれか一方を操作することにより両分割シートバック２
，７を一緒にリクライニングさせることができる。

尚、前記掛止鉤１２をストライカ−ピン１３にロックさ
せるとき、ノブ１１を操作しな（でも、他方の分割シー
トバック７を起す動作によってスプリング１６に抗して
押された後、逆止的にロックするように形成しておくと
ロック作業がしやすい。

又、前記ロック金具１０のノブ１１はピン１４により取
付片１５に枢着され、該取付片１５とノブ１１との間に
前記スプリング１６が装着されている。

前記ピン１４は取付片１５の隆起部１５′の内側におい
てブツシュ１７が嵌込まれ、その周りにはパンパラバー
１８が詰められている。

２０．２０’はリクライニングアジャスター４゜４′の
ノブ、２１はノブ１１のストッパーである。

以上述べたように本考案によれば、２分割された両分割
シートバックをロック金具により連結したので、両リク
ライニングアジャスターのいずれか一方のノブを操作す
ることにより両分割シートバックを一緒にリクライニン
グすることができる。

又、後部座席に乗員が繁降する際は、ロック金具１０の
ノブを操作してロックを外すことにより他方の分割シー
トバックは自由になるので連結棒を中心に該他方の分割
シートバックのみを前に倒すことができる。

したがって、一方の分割シートバック側に着座している
乗員に支障なく容易に乗降することができる。

要するに本考案においては、簡単な操作により、シート
バックの一部だけを前により、シートパックの一部だけ
を前に倒して間口を広げ後方座席への乗降を円滑に行な
い、又、例えば３人座っている場合でも内１人だけ立上
り、他の２人には全く影響がない。

従って乗降に便利である。更にその構成も至極簡単で部
品点数も少なく、そして軽くでき、一方のシートバック
が前に倒れている場合でも他方のシートバックはリクラ
イニングできる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車両用座席配置の一例を示す正面図、第
２図は本考案による車両用シートの一部前倒し装置を示
す斜視図、第３図は分解斜視図、第４図は本考案に用い
るロック金具の正面図、第５図は同上の縦断側面図であ
る。 １・・・・・・シートクション、２，７・・・・・・分
割シート、バック、２′、７′・・・・・・フレーム、
３・・・・・・連動ロンド、４，４′・・・・・・リク
ライニングアジャスター、４ａ、４ａ′・・・・・・リ
クライニングアーム、５・・・・・・連結棒、１０・・
・・・田ツク金具、１１・・・・・・ノブ、１３・・・
・・・ストライカ−ビン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクションの後部両側にリクライニングアジャスタ
   ーが取付けられ、該両リクライニングアジャスターは連
   動ロッドにより連動可能に連結され、かつ、該両リクラ
   イニングアジャスターにはそれぞれリクライニングアー
   ムが傾動可能に設けられ、該両リクライニングアームの
   うちいずれか一方のリクライニングアームには、２分割
   されたシートバックの一方の分割シートバックの一側が
   取付けられ、他方のリクライニングアームには他方のシ
   ートバックの一側が取付けられ、該一方の分割シートバ
   ックの他側と他方のリクライニングアームとが連結棒で
   連結され、さらに、該連結棒に他方の分割シートバック
   が枢着されていると共に、前記両分割シートバックの間
   に、該両分割シートバックを互いに係脱可能にするロッ
   ク機構が設けられていることを特徴とする車両シートの
   一部前倒し装置。