JPS6039953B2 - 流し込み施工用型枠の位置決め方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は熔融金属容器の側壁を不定形耐火物で流し込
み施工する時に設置する型枠の位置決め方法に関する。

この発明でいう熔融金属容器とは、溶鋼のような高温落
陽を移動あるいは反応処理するために収容する容器例え
ば取鍋、出銑（鋼・蓬）樋、溶鉄鍋、タンデイシュ、真
空脱ガス客器其他高温処理容器をいう。これらの容器は
側壁および底部（一般に敷という）ともにその内面は耐
火物で内張り（ラィニング）されており、そのラィニン
グは第１図の取鍋の縦断側面図の例で示すように側壁パ
ーマラィニングー、側壁ワークラィニング２、敷パーマ
ラィニング３、敷ワークラィニング４のように構成され
ている。またラィニング用の耐火物は、各容器の種類お
よびライニングの位置によって多品種の耐火煉瓦もしく
は不定形耐火物を使い別けて使用されている。さて例え
ば取鍋においては、使用中高温溶鋼や溶連によって、ラ
ィニングは溶融、磨耗、亀裂発生または剥離を生じ４の
副〜５の司の熔鋼の受入れ、排出によって第２図５，６
，７に示すような溶損状況を呈する。

こ）で重要な点は、各ラィニングは平均に溶損はせず、
５は出鋼側溶損部、６は排達側港損部、７は敷ワーク港
損部を示し、側壁においては排達側が特に溶損程度が激
しいためこれが原因で取鍋の修理入りとなることが多い
。従ってラィニングの補修施工にあたっては予め排蓬側
の側壁ワークラィニング２を反排蓬側より厚くして溶損
バランスをとることが求められている。ところで最近側
壁のワークラィニングは不定形耐火物による流し込み施
工法が多く用いられる様になり、第２図に示すように流
し込み施工用の型枠８を取鍋内に設置し、側壁パーマラ
ィニング１の内側と型枠８の外壁との間隙部に流し込み
用耐火物を落下させて側壁ワークラィニング２を補惨す
るようになった。この際、側壁ワークラィニングの残存
部分（未溶損部）が取り酸わされて側壁パーマラィニン
グ１が露出しており、さらに敷の敷ワークラィニング４
の補修を終っておれば、露出した側壁パーマライニング
１の内側を基準にして型枠８の位置を調整して、敷ワー
クラィニング４の上に設置することができる。しかし前
記側壁ワークラィニングの残存部分を残したま）補修す
るいわゆる継ぎ足し補修と称する不定形流し込み施工で
は基準となるパーマラィニングが露出していないので基
準とするものがなく型枠８の位置決めは極めて困難で、
第２図に示すように取鍋の中央部に正しく設置すること
はできないのであり、さらに第３図に示すように側壁ワ
ークラィニング２の厚さをアンバランスにする、即ち排
律側のラィニング厚さを反対側より厚くしようとする場
合は型枠８の位置決めはさらに困難となる。従来は型枠
８の周囲４ケ所に測定用の小穴を設けて、側壁パーマラ
イニング１の内側と型枠の外壁間の巨雛を実測しながら
型枠の吊下げ位置を調整して位置決めを行っていた。

この際ノン−マライニングが露出していない時はワーク
ライニング２を部分的に壊す必要があり煩雑な作業とな
る。他の方法としては型枠を一定の位置に固定しておき
取鍋を所定の位置に移動させる方法があるが、１００〜
１２仇の取鍋を動かすための大規模な設備が必要である
。何れの方法によっても型枠を所定の位置に位置決めす
るとは、熟練と長時間を要するだけでなく位置決めに１
０〜２仇舷の誤差が生ずるのはさげられない。特に、円
形の鍋と型枠を第３図のように偏心位置に数側程度の誤
差で正確にセットする要求に対しては、熟練した技能と
長時間を要しても殆んど不可能であった。この発明は以
上の問題点に鑑み、極めて簡単な手段で正確に型枠の位
置決めを行い、正確なラィニング厚さの施工を可能とす
ることを目的とするもので、その要旨は溶融金属容器の
耐火物内張り流し込み施工用型枠の設置位置決めに際し
、該容器の敷パーマライニング上の互いに対象位置とな
る四隅に、前記敷パーマラィニングの耐火物と異なる耐
火煉瓦を予め埋設し、該耐火煉瓦を基準として前記型枠
の位置決めを行うことを特徴とする熔融金属容器の流し
込み施工用型枠の位置決め方法にある。

この発明で「敷パーマラィニングの耐火物と異る耐火煉
瓦」（以下異種煉瓦という）とは、具体的には■溶損度
の異なるもの■明確に色の異るもの■形状の異るもの等
をいい、敷パーマラィニングの耐火物が容器の使用中一
部溶損、地金差込み、あるいは加熱による発色の変化、
亀裂剥離等が生じても、周囲の煉瓦と容易に識別がつく
耐火煉瓦を総称する。

この発明を図面で説明すると、第４図において９は敷パ
ーマラィニングに埋め込まれた異種煉瓦の位置を示す縦
断面説明図であり、第５図は第４図のＡ−Ａ′線の横断
平面説明図である。

異種煉瓦９の外側の端部は側壁パーマラィニング１から
一定の巨雛にある如くし、また敷パーマラィニング４の
平面において異種煉瓦９は互いに対象位置の四隅に埋込
まれている。この場合異種煉瓦の内１個は取鍋の排蓬側
の位置に埋込むのが好ましい。次に型枠８の位置決めの
作業について説明すると、敷パーマラィニング３の上部
には敷ワークラィニング４が耐火煉瓦または不定形耐火
物で築造されているので、敷／ぐ−マラィニング３に埋
込まれている異種煉瓦９の位置を敷ワークラィニング４
の上に転写しなければならない。

側壁を補修する工事則ち型枠を設置するのは敷の補修工
事と同時に行うので、第５図の敷内張り４の耐火物張替
えの際、パーマライニング３に埋込まれた異種煉瓦９と
同一表面積の耐火物マーク（不定形ブロックまたは耐火
煉瓦）をその真上に固定しておいて敷ワークラィニング
４を施工する方法によって異種煉瓦埋込みの位置は正確
に敷ワークラィニング上に確定される。次に型枠８を取
鍋の中央に設置するのかあるいは排達側から何肋偏心し
た位置に設置するかによって、前記の敦ワークラィニン
グ上に転写した異種煉瓦の位鷹を基準にして敷の上に型
枠を鷹〈べき位魔の目印をマークする。

型枠８はクレーンで吊下げながら徐々に取鋼内に挿入し
所定の位置に戦贋する。また第６図に示すように側壁ワ
ークラィニングを敷パーマラィニング３から直接立設す
る場合は、側壁施工用の型枠の位置は直接異種煉瓦９を
基準にして確定できるので簡単である。以上の方法によ
れば型枠を所定の位置に５肋以内の誤差で正確にセット
することができる。この発明は以上述べたような方法で
あるから特別な設備を必要とせず、位置決めにあたって
いちいち寸法を測定したり、側壁の内張耐火物を取壊す
必要もなく、また側壁のライニング厚さのアンバランス
も所定寸法通り正確に施工することが可能となる型枠の
位置決め方法である。

次にこの発明の方法で実施した結果を第１表に示す。

第１表は取鍋において、側壁のワークラィニングの施工
厚さを排律側と反排蓬側とアンバランスにする場合、そ
のアンバランスの程度が取鍋の使用后の残存厚さおよび
耐用寿命に与える影響について実績をとりまとめた結果
である。第１表 ※洋：従来法の位置決めにおいて、８Ｅ淫側のラィニン
グ厚が厚くなるよう型枠を適宜ズラしていたので２度渦
の平均値として上表のような結果となった。

上表で明らかな様に型枠の設置を常に正確に保ち、ラィ
ニング厚さを所定のアンバランス方法に正確に施工する
ことによって、取鍋の側壁ラィニングの均一港損が実現
でき片減りによる疹理入りがなくなり、平均使用寿命が
３回延長された。

また熔損のアンバランスの差が大きくなる取鍋の場合は
、この方法の効果はさらに大きくなる。この発明は以上
説明した様に、型枠の位置決めが正確に容易にできるだ
けでなく、その結果所要のラィニング厚さを正確に施工
できるので、溶損のアンバランスを解消し、取鍋の使用
寿命を延長する効果がある。この発明は取鍋に限らず型
枠を使って流し込み施工をする他の溶融金属容器にも適
用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は取鍋のラィニング流し込み施工后の状況を示す
縦断側面説明図、第２図は取鍋の使用后のラィニング溶
損状況と型枠を中央に設直した場合を示す縦断側面説明
図、第３図は型枠を偏心して設置した場合を示す縦断側
面説明図。 第４図〜第６図はこの発明の実施例で、第４図は縦断側
面説明図、第５図は第４図のＡ一Ａ′線横断平面図、第
６図は他の実施例の縦断側面説明図である。第１図〜第
６図において、１・…・・側壁パーマフィニング、２・
・・・・・側壁ワークラィニング、３・・・・・・敷パ
ーマラィニング、４……敷ワークラィニング、５……反
排蓬側熔損部、６・・・・・・排樺側溶頚部、７・・・
・・・敷ワ−ク溶頚部、８・・・・・・型枠、９…・・
・異種煉瓦。第１図 第２図 第３図 第４図 第５図 第６図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 溶融金属容器の耐火物内張り流し込み施工用型枠の
   設置位置決めに際し、該容器の敷パーマライニング上の
   互いに対象位置となる四隅に、前記敷パーマライニング
   の耐火物と異なる耐火煉瓦を予め埋設し、該耐火煉瓦を
   基準として前記型枠の位置決めを行うことを特徴とする
   溶融金属容器の流し込み施工用型枠の位置決め方法。