JPS6039867B2 - 可変ベンチユリ気化器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野〉 この発明は可変ベンチュリ気化器において吸入空気量に
応じてサクションチャンバを進退するサクションピスト
ンがスロットルバルブ上流側ベンチュリ部を開閉すると
共にそのベッドに設けたメータリングニードルがメータ
リングジェツトと計量した燃料をメインノズルより噴出
するようにした可変ベンチュリ気化器に関する発明であ
り、特に、該サクションピストンのヘッドがスロットル
バルブ側で斜功されて傾斜面を形成され、燃料が付着し
ないようにされ、更には該傾斜面に対し非干渉裡にスロ
ットルバルブが全開し得るようにミキシングチヤンバ内
に枢支されると共にメインノズルの直下位置に設けられ
てスロットルボアに対する燃料付着をも防止し機高を低
くするようにした可変ベンチュリ気化器に係る発明であ
る。

＜従来技術＞周知の如く、自動車等のエンジンに付設さ
れている気化器には固定ベンチュリ気化器と可変ベンチ
ュリ気化器があるが、後者は前者に対して種々の面で優
れている性能を有している。

即ち、該可変ベンチュリ気化器は構造が簡単であって、
第１図に示す様に、サクションチャンバ１内を吸入空気
量に応じて進退するサクションピストン２がベンチュリ
部３を開閉すると共にそのヘッド４に延設したメータリ
ングニードル５がメータリングジェット６と協働して１
部分でのみ燃料計算するため、所謂つなぎ域が無く、メ
インジェット、スロージェット等を有する固定ベンチュ
リ気化器に比し基本的に過渡応答性が優れている等の利
点があり、したがって、近時の排気対策上極めて好まし
い気化器である。

さりながら、該可変ベンチュリ気化器にも改善されるべ
き種々の点があり、その一つに次の如くアイドル不安定
の問題が生ずる。

即ち、可変ベンチュリ気化器は全開時の出力を有効に保
持するためにシングルバレルのスロットルボア７の径が
大径にされており、そのため、アイドル時のような極め
て燃料消費量の少し、状態、換言すれば、吸入空気量の
少し、軽負荷の状態ではメータリングジェツト６からの
燃料がその直下位置では気流に乗らず、即ち、ミキシン
グが不完全で図示する様にフィルム状のＡの様な状態と
なってバレル８内面に付着流下し、その後流下気流の乱
れによって付着燃料は付着状態を維持し、即ち、霧化エ
ネルギーを付与されず、スロットルボア７内面に所々に
燃料溜りＢ，Ｂ・・・・・・を付着形成し、そのままス
ロットルバルプ９上端面に滴下するようになる場合があ
る。

一方、サクションピストン２のヘッド４により掻きとら
れた付着燃料は該サクションピストンヘッド４の先端下
部エッジ１川こ燃料溜りＣとして付着して該スロットル
バルブ９の上端面に滴下する。

＜発明が解決しようとする問題点＞ したがって、上述の付着燃料の滴下状態は該スロットル
バルブ９上面での付着燃料分布が均一でなく、むらを生
ずるという不具合があり、又、その分布も不安定である
という不都合さがあり、そのため、図示態様では、ミキ
シングチャンバ１１のマニホルド負圧が高く、スロット
ルバルブ９の端緑を流下する空気が音速流であっても、
混合気流が不安定化することが透明樹脂気化器モデル等
の実験により確認されている。

そのため、第４ａ図に示す様に、アイドル空燃比が不安
定化し、又多気筒エンジンの場合、気筒間での混合気分
酢も変動してエンジンの稼動安定性を著しく悪化させる
欠点があった。

而して、自動車エンジン等でアイドル安定性は極めて重
要な問題であるので、これに対処するに例えば、アイド
ル時のエンジン回転数を高く設定することも行われてい
たが、例えば、アイドルアップでは交差点での停止を反
復して行なうような低速の市街地走行等で燃費悪化が避
けられない難点がある。

又、これに代替してスロー通路を別設してアイドル安定
性を図るようにした技術も開発されてはいるが、アイド
ル安定性は得られはするものの、他方においてスロー通
路を設けることにより、逆にスロー系からメイン系への
所謂「つなぎ現象」が発生し、過渡時の空燃此特性が悪
化して可変ベンチュリ気化器としての前記優れた過渡特
性のメリットが削減されるというデメリットがあった。

この発明の目的は上述従釆技術に基づく可変ベンチュリ
気化器の燃料液滴付着の問題点を解決すべき技術的課題
とし、基本的にサクションピストンのスロットルバルプ
側エッジ部分を斜切して頃斜面を形成し、該斜切面での
燃料液瓶付着を防止し、気流分配も良くし、又、それに
伴ってスロットルバルブを可及的に上流側に付設してメ
インノズルの直下位置に設け、該メインノズルよりの流
下燃料をスロットルバルブに当ててアイドル安定を図る
ことが出来るようにし、車両産業におけるエンジン利用
分野に益する優れた可変ベンチュリ気化器を提供せんと
するものである。＜問題点を解決するための手段・作用
＞ 上述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とするこの発
明の構成は、前述問題点を解決するために可変ベンチュ
リ気化器のアイドル状態でのサクションピストンのアイ
ドル姿勢において、メインノズルから噴出した燃料がバ
レル壁面をフィルム状に付着流下するプロセスで該サク
ションピストンの先端の下流側部分と斜切して傾斜面に
形成してあることにより、該部に燃料液滴が付着するこ
となく、したがって、該付着燃料が不安定にスロットル
バルブに滴下することもなく、それによるアイドル空燃
比変動もなくなるようにし、更にサクションピストン先
端下端部分を斜切面に形成することよりスロットルバル
ブの全開状態の非干渉姿勢が形成出来、そのためスｏッ
トルバルブがミキシングチャンバ中に於いて可及的に上
位に松支出来て機高を低くすることが出来ると共にメイ
ンノズル直下位置に設けられてアイドル状態では前記フ
ィルム状の流下燃料がスロットルボアに流散する前にス
ロットルバルプに当てて該スロットルバルプ周部より急
速霧化して安定したアイドル作動を行うことが出来るよ
うにした技術的手段を講じたものである。

＜実施例−構成＞ 次にこの発明の１実施例を第２図以下の図面に基づいて
説明すれば以下の通りである。

図示実施例の可変ベンチュリ気化器１２はェアダンパ式
の態様であり、ロッドガイド１３を後部から一体内延す
るサクションチャンバ１４はバレルー５の一側に併設固
定され、該バレル１５に進退してブリッジ１６に付設さ
れて作動するサクシヨンピストン１７のフランジ１８と
の間にダンパスプリング１９を介袋している。

而して、該フランジ１８はラピリンスシール２０を形成
され、又、ヱアホーン２１からの通気孔２２に接続する
大気室２３に挿設されると共にスロットルボア２４に併
設されたオープナ。

ツド２５の基部に当援可能にされている。又、該サクシ
ョンピストン１７の内延ロッド２６は上記サクションチ
ャンバ１４のロッドガイド１３に摺接可能に支承され、
該ロッド２６先端に圧入固定されたホルダ２７に一体固
定前延するメータリングニードル２８はメインノズル２
９を挿通して対応するメータリングジェツトにセンタリ
ングして該サクションピストン１７と一体的に進退動す
るようにされている。

３０はウエルであり、サクシヨンチヤンバ１４に対向し
てバレル１５に固談され、フロート室３１の燃料３２に
臨ませたサクションピストン３３を有している。

３４はフロートである。

而して、この発明の要旨を成すところの前記サクション
ピストン１７のヘッド３５の前記ロッド２６を装着して
いる基部の下部下流表面は図示する様に斜切されて傾斜
面３６が形成され、サクションホール３７が貴設されて
いる。

３８はスロットルバルブであり、上記傾斜面３６の形成
によりその全開姿勢がとられている姿勢状態でもリフト
アップして後退するサクションピストン１７に干渉しな
いようになり、したがって、スロットルシヤフト３９の
従釆のものより上流側に枢支され、そのため、アイドル
時の該スロットルバルブ３８の上流側端緑はその分だけ
メインノズル２９の接近し、その直下位置にあるように
され、噴出燃料のフィルム状流下城にあるようにされて
いる。

又、該スロットルシヤフト３９にはスロットルボア２４
外側にてカムが固設され、前記オープナロッド２５の内
端に当按係合されるようにされている。

尚、４１はミキシングチヤンバであり、４２はその上流
のベンチュリ部である。

＜実施例‐作用＞ 上述構成において、サクションピストン１７はスロット
ルバルブ３８の開閉により吸入空気量の変動に応じ、サ
クションホール３７からのサクシヨンチヤンバ１４とサ
クシヨンピストン１７とによって形成される内部の導入
員圧、及び、ダンパスプリング１９と大気室２３の大気
圧により前後に進退敷し、ベンチュリ部４２を開閉し、
当該吸入空気量に応じメータリングニードル２８はメー
タリングジヱットと協働してフロート室３１からの燃料
３２を計量してメインノズル２９より噴出する。

而して、第２，３図に示すスロットルバルブが全閉より
僅かに開いている傾斜姿勢のアイドル時においては吸入
空気量が少いため、サクションピストン１７のヘッド３
５はブリッジ１６に接近し、ベンチュリ部４２は設定量
だけ僅かに開いている。

そのため、サクションパイプ３３を介して吸引導出され
るメータリングジェットから燃料は、第３図に図示する
様に、スロットルボア２４ではミキシングされず、該メ
ータリングジェットより噴出された後該スロットルボア
２４の壁面をフィルム状Ａにて流下する。

さりながら、前述の如く、リフトアップするサクション
ピストン１７に干渉するおそれのないスロットルバルプ
３８はスロットルボア２４で上流位置に枢支されている
ためアイドル時の上端縁は該メインノズル２９の直下に
臨まされることになり、該フィルム状燃料Ａはベンチュ
リ部４２を流下する空気により側方に流れたり、分割さ
れる前に該スロットルバルブ３８に直ちに当り、均一に
分散され、その間、音速状の流下空気により霧化されて
混合気○となりミキシングチヤンバ４１に吸引されてい
く。

したがって、スロットルボア２４内に分溜燃料液滴の付
着やその滴下もない。

又、サクションピストンＩＴの煩斜面３６はエッヂがな
いためと空気が拡散流下ガイド機能を有するため、該傾
斜面３６、ヘッド３５に燃料液滴が付着せず、したがっ
て、スロットルバルプ３８上に滴下せず、そのため、上
記作用が相換ってアイドル空燃比はほとんど定し、第４
ｂ図に示す様に、変動することがない。

そして、急加速するに際し、スロットルバルフ３８を第
２、３図の傾斜姿勢の状態から一方向の設定方向に回転
して急開した場合、スロットルシヤフト３９端のカム４
０を介してオ−プナロツド２５が機械的にサクションピ
ストン１７のフランジ１８を介しダンパスプリング１９
に抗し該サクションピストン１７は強制的に退行され、
そのため、スロットルバルブ３８は華立姿勢にされても
該サクションピストン１７、競中、そのヘッド３５、煩
斜面３６に干渉することなく全開状態にスムースに移行
する。

而して、上述実施例はサクションピストン１７の先端部
下流側の傾斜面３６に対応してスロットルバルブ３８を
スロットルボア２４中で可能な限り上設枢支した態様で
あり、当該態様においては従来タイプに比し、スロット
ルバルブ３８を通常のものより上流側に設けた分だけ磯
高が低く出来るが、他の実施例として該スロットルバル
ブ３８を従来通りにはるかに下流側に位置して松支させ
ても良く、又、それらの中間に位置して枢支ごせても良
いｏかかる実施例においては多少スロットルポア２４部
にフィルム状燃料Ａが側方流下する頃向も生ずるが、サ
クションピストン１７が在来態様のようなエッジを有さ
ずに煩斜面３６を有しているため、該サクションピスト
ン１７に燃料液滴が付着しない作用は上述実施例と同様
であり、その分だけアイドル空燃比の不安定は除去され
、又、該傾斜面３６に沿って流過拡散する空気によりス
ロットルボア２４内でのフィルム状燃料Ａが額『方流下
する場合も分流せず、可及的に均一な液需れ状を現出し
てスロットルバルブ３８に当るようにされ、したがって
、空燃比は安定するようにされる。

尚 この発明の実施態様は上述実施例に限定されるもの
ではなく、例えば、図示する様にサクションヘッドの下
流側傾斜面に段部を形成して空気の流れを制御したり、
スロットルバルブとサクションピストンの相関作用、及
び、位置関係を最適にする等種々の態様が採用可能であ
る。

又、この発明はオイルダンパタイブの可変ベンチュリ気
化器にも適用可能である。

く発明の効果＞ 以上この発明によれば、可変ベンチュリ気化器において
、サクションチャンバに進退勤すると共に先へッド‘こ
メータリングジヱットと協働するメータリングニードル
を有するサクションピストンがヘッドのスロットルバル
ブ側に斜切部の額斜面を形成したことにより、基本的に
アイドル時の低空気吸入量によるメインノズルからの噴
出燃料が従来の如くサクションピストンのヘッドの下流
側のエッジに付着し滴下することなく、したがって、ス
ロットルバルプ上に不安定に滴下する燃料によってアイ
ドル空燃此が変化しないという優れた効果がある。

又、該斜切部の煩斜面によりスロットルボア内を流下す
る空気が流下を生ずることなく流過するため、スロット
ルバルブ上側壁にて付着燃料液に分流現象が発生せず、
確実に均一な分布がスロットルバルブ周縁に形成されて
ィンテークマニホルド負圧により霧化されることになり
、その点からもアイドル空燃比が安定化され、スロー系
を持たない可変ベンチュリ気化器の過渡良特性維持が図
れる効果もある。

更に、上述の如くサクションピストンのヘッドの下流側
にエッジがないようにして斜切部の額斜面を設けること
によりスロットルバルブがそれによってサクションピス
トンに対し全開状態で、或は、全開状態以降のプロセス
で干渉することが避けられるため、それだけスロットル
ボア内で上流側の位置で枢支させることが出来、したが
って、アイドル時、スロットルバルブ上端縁はメインノ
ズルの直下位置に臨まされることが可能となり、その限
り、噴出フィルム状燃料液が流下ヱアにより拡散され分
流する前に直ちにスロットルバルブに当り均一に吸引霧
化され、安定したアイドル空燃比とすることが出来ると
いう優れた効果があり、特に、気筒間分配に際しては変
動のない空燃比によるエッジの安定した動作を得ること
が出来る優れた効果が奏される。

加えて、上述の如く、スロットルバルブの上流側に設置
して枢支されることによりそれだけバレル長さが短かく
なり、そのため、機高が低くなり、その分だけ重量を軽
減されるメリットもある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術に基づく可変ベンチュリ気化器のアイ
ドル時燃料噴出断面図、第２図以下はこの発明の１実施
例の説明図であり、第２図は全体概略断面図、第３図は
作動断面図、第４ａ，４ｂ図は従来及びこの発明のアイ
ドル空燃比対比グラフ図である。 １４…サクシヨンチヤンバ、１７…サクシヨンピストン
、３５…ヘッド、２９…メインノズル、２８…メータリ
ングニードル、３８…スロットルバルブ、４２・・・ベ
ンチュリ部、１２・・・可変ベンチュリ気化器、３６・
・・鏡斜面、２４・・・スロットルボア。 第１図 第２図 第３図 第４ａ図 第４ａ図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ サクシヨンチヤンバに進退動するサクシヨンピスト
   ンがそのヘツドにメインノズルに臨むメータリングニー
   ドルを有すると共にスロツトルバルブ上流のベンチユリ
   部に該ヘツドを臨ませている可変ベンチユリ気化器にお
   いて、該ヘツドのスロツトルバルブに臨む側がボア軸方
   向に対して傾斜する斜切部の傾斜面に形成され、又サク
   シヨンピストンが後退しスロツトルバルブが一方向に回
   転した全開状態ではスロツトルバルブの上流側縁が上記
   傾斜面に干渉せず近接する状態で、又、アイドル状態で
   は該スロツトルバルブの上流側縁がスロツトルボア内で
   吸入空気流に関してメインノズルの直下位置に設けられ
   ていることを特徴とする可変ベンチユリ気化器。