JPS6039550Y2 - 作動間隙自動調整装置付ドラムブレ−キ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はブレーキシュー作動間隙自動調整装置（以下単
にオートアジャスタという）付ドラムブレーキに関し、
特にベルクランク形式のパーキングレバーを有し、且つ
ストラット部材に固定の支持アームに枢支されたアジャ
ストレバーを備えたドラムブレーキに関するものである
。

一般に、車両用ドラムブレーキにおいては、作動機構が
できる限り外周部に寄せて配置されており、中心部にお
ける車軸の挿通及び車軸管等非回転部材への取付けが容
易であることが必要である。

本考案はこの前提条件を満しつつできる限り調整精度の
高い調整装置を備えたドラムブレーキ、即ちアジャスト
レバーが他部材の配設を最も妨げない位置に配設されて
いながら、ストラット部材自体によって枢支されて、そ
の回動量がパーキングレバーと第一ストラット部材の相
対移動量のみで決まり、間隙調整精度が高い調整装置を
備えたドラムブレーキを提供することを目的とするもの
である。

この目的を達成するために、本考案にかかるドラムブレ
ーキは、回転するブレーキドラムと、該フレーキトラム
の内周面に対向して配設された第−及び第二のシューと
、該シューを移動可能に保持するバッキングプレートと
、ベルクランク状をなし、一端が前記バッキングプレー
トの開口から前記ブレーキドラム内に挿入されて前記第
一シューに作動的に係合させられたパーキングレバーと
、スターホイールを備えたアジャストスクリューによっ
て長さ調節可能に連結された第−及び第二のストラット
部材を有し、該第−ストラット部材が前記パーキングレ
バーに、該第ニストラット部材が前記第二シューに夫々
係合させられたストラットと、前記第一ストラット部材
から前記第一シューのウェブに平行に突設された支持ア
ームと、該支持アームに前記第一シューのウェブとほぼ
平行な平面内て回動可能に取付けられるとともに自由端
の歯送り部において前記スターホイールに係合させられ
、かつ中間部において前記パーキングレバーの前記一端
に係合させられたアジャストレバーと、該アジャストレ
バーを常時−回動方向に付勢するスプリングとを含み、
前記パーキングレバーの回動に基づく該パーキングレバ
ーと前記第一ストラット部材との相対移動量が増大して
、前記アジャストレバーの回動量が予め定められた一定
値を超えたとき、前記スターホイールが回転させられて
前記ストラットが伸張させられ、以てシューの作動間隙
が自動調整されるように構成されるのである。

以下、本考案の実施例を示す図面にもとづいて詳細に説
明する。

第１図乃至第３図において、バッキングプレート１上に
固定さたれホイールシリンダ２およびアンカーブロック
（図示せず）の間に、一対の円弧状の第一シュー３およ
び第二シュー４が装着されており、引張ばね５によって
常時収縮する方向（両シューが互いに接近する方向）に
付勢されている。

そして、ベルクランク形状をなすパーキングレバー６は
、その一端６ａが前記バッキングプレート１の開口部１
ａ（第２図）からブレーキドラム８内に挿入され、且つ
第一シュー３のウェブ３ａの切欠３ｂに係合させられて
おり、バッキングプレート１の外側において他の一端６
ｂがブレーキケーブル７に接続されている。

前記パーキングレバー６の中間部（ブレーキドラム８内
にしてバッキングプレート１の開口部１ａの近傍）に設
けられたピン６ｃと第二シュー４のウェブ切欠４ｂとの
間にはストラット１０が装架されている。

このストラット１０は第一および第二のストラット部材
１１．１２とそれを連結する連結部材１３からなり、連
結部材１３は中間部にスターホイール１３ａを有する断
面円形の棒状体であって、一端部に雄ねじ部１３ｂ（ア
ジャストスクリュー）が設けられ他端は丸棒１３ｃのま
まとされている。

前記第一ストラット部材１１は一端の丸穴１１ａにおい
て前記丸棒１３ｃに回転自在に嵌合させられ、他端部で
パーキングレバー６の中間部にピン６ｃにより枢着され
るとともにバッキングプレート１に支持されている。

第一ストラット部材１１、パーキングレバー６及び第一
シュー３がバッキングプレート１に直角な一平面内にお
いて作用し合うようにされているのである。

また前記第ニストラット部材１２は一端の雌ねじ部１２
ａにより前記連結部材１３の雄ねじ部１３ｂに螺合させ
られ、他端部で第二シュー４のウェブ切欠４ｂに係合さ
せられている。

また、第一ストラット部材１１には、第一シュー３のウ
ェブ３ａに平行に、第一ストラット部材１１の軸心にほ
ぼ直角に、且つバッキングプレートの中心から遠ざかる
方向に、支持アーム１４が突設されている。

そして支持アーム１４の先端にはアジャストレバー１５
が一端１５ａにおいてピン１６及び止め輪１７により枢
着されており、且つウェブ３ａに平行な平面内を揺動可
能とされている。

またアジャストレバー１５には一端部（自由端部）に歯
送り部１５ｂが設けられ、これが一定の弾性力をもって
前記スターホイール１３ａの歯部１３ｅに押圧されてい
る。

そしてこのアジャストレバー１５の中間部から突設され
た突部１５Ｃとウェブ３ａとの間には引張ばね１８が張
設されており、アジャストレバー１５を第１図において
反時計方向へ回動させるように、すなわち、アジャスト
レバー１５の右側縁部分（第１図において）１５ｅをパ
ーキングレバー６の一端６ａに常時当接させるように付
勢している。

上述の構成のドラムブレーキにおいて、ブレーキシュー
３，４のライニング３ｃ、４ｃが摩耗した場合には、パ
ーキングブレーキの作動時にブレーキ間隙の調整が自動
的に行なわれる。

すなわち、第２図においてパーキングレバー６はその端
部６ｂが下方に引かれれば、ピン６０回りに時計方向に
回動させられ、他端部６ａにて第一シュー３が拡張させ
られる。

この第一シュー３の反力カピン６ｃからストラット１０
に伝達され、この力が更に第二シュー４を拡張すること
となる。

このとき、上記ピン６Ｃはバッキングプレート１の板面
に平行に第１図において左方向に移動させられ、ストラ
ット１０も同様に移動させられるので、支持アーム１４
に立設されたピン１６も、これに枢支されているアジャ
ストレバー１５の一端１５ａも同方向に移動させられる
。

一方、パーキングレバー６の一端６ａは逆方向（第１図
において右方向）に移動させられるので、これに当接し
ているアジャストレバー１５の右側縁部分１５ｅも右方
向に移動を許容される。

従って、アジャストレバー１５は第１図において反時計
方に回動させられる。

この回動量はブレーキ間隙に応じて変化するため、ライ
ニング３ｃ、４ｃが摩耗すればそれだけアジャストレバ
ー１５の回動量が増大する。

アジャストレバー１５の歯送り部１５ｂはスターホイー
ル１３ａの歯部１３ｅに一定の弾性力で押圧されつつ摺
動するが、上記回動量が一定以上増大すると、ついに歯
送り部１５ｂの縁部が歯部１３ｅに係合するに至り、パ
ーキングレバ６の作動時に引張ばね１８の作用によりス
ターホイール１３ａが回動させられる。

従って雄ねじ部１３ｂも回動し、ストラット１０の長さ
が雄ねじ部１３ｂの送り量だけ増大して、ブレーキ間隙
が調整されるのである。

本実施例は、以上詳述したようにアジャストレバー１５
が外周部に寄せて第一ストラット部材１１に突設された
支持アーム１４に枢支されているために、中心部に大き
な空間が形成され、車軸の挿通や非回転部材への取付け
に何等支障となることなく、その取付けが極めて容易且
つ確実となる。

また、アジャストレバー１５が第一ストラット部材１１
自体によって枢支されているため、アジャストレバー１
５の回動量はパーキングレバー６と第一ストラット部材
１１の相対移動量のみで決まり、従来のように第一シュ
ー３の移動には関係がないために、間隙調整の精度が極
めて高くなるのである。

更にまた本実施例は第３図に示すようにパーキングレバ
ー６、ストラット１０及びアジャストレバー１５がシュ
ーから独立したサブアッセンブリとして組立可能である
ため、組立作業が容易となるという利点をも有している
。

上述の実施例では、ブレーキ間隙の調整はパーキングレ
バー６の作動時に引張ばね１８の引張り力により実施さ
れる最も確実で好ましい例を示したのであるが、本考案
は必ずしもこれに限定されるものではなく、パーキング
レバー６の戻り時に引張ばね１８の張力に抗して実施さ
れても何等差支えない。

この外にも本考案はその趣旨を逸脱しない範囲において
適宜変形、改良を加えた態様で実施し得ることは言うま
でもない。

以上詳述したように、本考案は、ドラムブレーキの作動
機構をできる限り外周部に寄せて配置することができ、
中心部における車軸の挿通及び非回転部材への取付けが
容易となるのみならず、間隙調整の精度を高くすること
ができ、更に調整装置の殆んど全体を予め独立したサブ
アッセンブリとして組立てて組立作業を容易とし得る優
れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例であるドラムブレーキのアジ
ャストレバー周りの正面図であり、第２図は第１図にお
ける■−■断面図、第３図は第１図のパーキングレバー
、ストラット及びアジャストレバーのサブアッセンブリ
を示す斜視図である。 １：バッキングプレート、３：第一シュー、４：第二シ
ュー ６＝パーキングレバー ８ニブレーキドラム、１
０ニストラツト、１１：第一ストラット部材、１２：第
ニストラット部材、１３ａニスターホイール、１３ｂ：
雄ねじ、１４：支持アーム、１５ニアジヤストレバー
１５ｂ：歯送り部、１８：引張ばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 回転するブレーキドラムと、 該ブレーキドラムの内周面に対向して配設された第−及
   び第二のシューと、 該シューを移動可能に保持するバッキングプレートと、 ベルクランク状をなし、一端が前記バッキングプレート
   の開口から前記ブレーキドラム内に挿入されて前記第一
   シューに作動的に係合させられたパーキングレバーと、 スターホイールを備えたアジャストスクリューによって
   長さ調節可能に連結された第−及び第二のストラット部
   材を有し、該第−ストラット部材が前記パーキングレバ
   ーに、該第ニストラット部材が前記第二シューに夫々係
   合させられたストラットと、 前記第一ストラット部材から前記第一シューのウェブに
   平行に突設された支持アームと、該支持アームに前記第
   一シューのウェブとほぼ平行な平面内で回動可能に取付
   けられるとともに自由端の歯送り部において前記スター
   ホイールに係合させられ、かつ中間部において前記パー
   キングレバーの前記一端に係合させられたアジャストレ
   バーと、 該アジャストレバーを常時−回動方向に付勢するスプリ
   ングと、 を含み、前記パーキングレバーの回動に基づく該パーキ
   ングレバーと前記第一ストラット部材との相対移動量が
   増大して、前記アジャストレバーの回動量が予め定めら
   れた一定値を超えたとき、前記スターホイールが回転さ
   せられて前記ストラットが伸張させられ、以てシューの
   作動間隙が自動調整されるように構成されたことを特徴
   とする作動間隙自動調整装置付ドラムブレーキ。