JPS6039105A - カムシヤフト及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、シャフト部の外周に粉末焼結材からなるカム
部を嵌合、固定してなるカムシャフト及びその製造方法
に関する。

最近、内燃機関等のカムシャフトにおいては、粉末焼結
材からなるカム部をシャフト部の外周に嵌合、固定して
構成されたものが多用されている。

この種のカムシャフトでは、カム部を多孔質の粉末焼結
材によって構成しているから、それに潤滑油を含浸させ
ることによって油切れを防止し、カム部の寿命向上を図
ることができるという利点が得られる。

ところで、カム部をシャフト部に固定する方法としては
、カム部をシャフト部に圧入して固定する方法、カム部
をシャフト部に嵌合させた後、ろう付けして固定する方
法、またシャフト部として鋼管を用いる場合には、シャ
フト部のカム部に対応した部分を膨出させることにより
、そこをカム部内周に圧接させて固定するバルジ加工に
よる固定方法等が採用されている。これらの方法にあっ
ては、いずれもカム部をシャフト部の外周に嵌合させる
必要があることから、カム部の内径精度が良好であるこ
とが要求される。

ところが、従来のカムシャフトにおいては、カム部の硬
変を上げてより一層の寿命向上を図るために、カム部の
材質として、クロム（Ｃｒ）、マンガン（Ｍｎ）、そリ
ブデン（Ｍｏ）等を比較的多量に含有し、しかも密変比
が９０係以上の粉末焼結材が甲いられている。この種の
粉末焼結材は、周知のように、焼結時における収縮量の
バラツキが非常に大きいものである。したがって、カム
部を焼結したままの状態でシャフト部に固定しようとす
ると、収縮量が過大であった場合には、バルジ加工によ
る固定法にあってはそれ程問題とならないが、ろう付け
による固定法および圧入による固定法にあっては、カム
部をシャフト部に嵌合することができなくなるという問
題があり、他方収縮量が過小であった場合には、ろう付
は不良、圧入における圧入代の不足、シャフト部の膨出
量過多による破損という問題がある。

このため、一般的にはカム部を焼結した後、その内周を
仕上げ加工している。ところが、前述したように、カム
部を硬変の高い粉末焼結材によって構成しているため、
切削加工によって仕上げ加工するには切削工具の寿命が
極く短くなってしまうという問題があり、また研削加工
によって仕上加工するには、収縮量にバラツ′キがある
ため、研削代が多くなりすぎ、非能率的であるという問
題がある。

本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので。

カム部の焼結時における収縮量のバラツキを抑えること
ができると共に、製造工程が簡略化でき、しかもカム部
とシャフト部との間の結合強度の信頼性が高いカムシャ
フトおよびその製造方法を提供するととを目的とする。

以下本発明の詳細な説明する。

図面は、本発明によるカムシャフトの一実施例を示すも
ので、本発明のカムシャフトも、従来のカムシャフトと
同様にシャフト部１とカム部２とから構成されている。

前記シャフト部１は、この場合鋼管によって構成されて
いるが、鋳物または粉末焼結材からなる管材または中実
棒材によって構成してもよい。

一方、前記カム部２は、従来のカム部のように全体が１
種類の粉末焼結材によって構成されているのではなく、
互いに組成の異なる外層部２１と内層部２２とによって
構成されている。外層部２１は、従来のカム部を構成す
る鉄系焼結摺動材と同様な組成の粉末焼結材、つｔｂ鉄
（Ｆｅ）を主成分とし、クロム（Ｃｒ）、マンガン（Ｍ
ｎ）、モリブデン（ＭＯ）、炭素（Ｃ）等を多量に含有
する粉末焼結材によって構成されている。したがって、
外層部２１はその硬さが非常に高くなり、これによって
外周に形成されたカム面２３の寿命向上が図られている
。

また、内層部２２は、鉄を主成分とする点で外層部２１
と同様であるが、鉄を主成分とし、銅および銅合金のう
ちのいずれか一方または両方を、５〜６０重量％の割合
で含有する鉄系焼結材料を焼結して形成されている。こ
のような粉末焼結材が上記のような成分を有することに
より、内層部２２は硬度が外層部２１に比して低く、シ
かも焼結時の収縮量のバラツキが極〈小さなものとなっ
ている。

なお、上記カム部２は、後に詳述するように外層部２１
と内層部２２とをそれぞれ焼結材料により成形（−！た
は成形後仮焼結）した後、これらの成形体（または仮焼
結体）をシャフト部１に嵌合した状態で同時に焼結され
ている。このため、焼結と同時に内層部２２に含まれる
銅または銅合金同時に内層部２２に含まれる銅または銅
合金の一部が、シャフト部１に対するぬれ性が良いため
にカム部２とシャフト部１との間を満し、これによって
カム部２はシャフト部１に対し、て強固に接合している
。

次に、上記カムシャフトの製造方法について詳しく説明
する。

この製造方法では、まずカム部の外層部と内層部とをそ
れぞれ焼結材料により成形する。外層部を形成する焼結
材料としては、摺動材用に適した鉄系焼結摺動＾用いる
ととができる。この材料は、従来のカムシャフトのカム
部に用いるものと同様なものであって、鉄を主成分とし
、クロム、マンガン、モリブデン、炭素等を含む焼結材
料である。この外層部用の焼結材料として、上記の成分
に加えてリン、ホウ素等を含有略せた液相焼結材料を用
いると、焼結後の外層部と内層部との結合を更に強固な
ものとし、かつ外層部の焼結に伴う収縮により内層部を
シャフト部に強く締め付け、シャフト部とカム部との結
合強度を一層高めることができる。

また、内層部を形成する焼結材料としては、鉄系の焼結
材料に、銅及び銅合金のうちの一方もしくは両方を混合
した粉体状の焼結材料を用いることができる。前記銅合
金は、銅を含有し、焼結後に銅合金となる組成物（例え
ばＣｕ−Ｎｉ、　ｃｕ−ｓｎ等）でもよい。前記録およ
び／または銅合金の混合割合は、前記焼結材料と銅およ
び／または銅合金との含量に対して５〜６０重量％、よ
）好ましくは１０〜４０重ｉｉ係である。

混合割合が５重ｉｌ係未満であると、焼結時にシャフト
部が銅（または銅合金）により充分にぬれず、シャフト
部と内層部との接合強度を充分に高めることができ逢い
。一方６０重量係を越えると、焼結時に余剰の銅ｔたは
銅合金が侵出して不適当である。

上記の各焼結材料は、それぞれプレス成形等の通常の粉
体成形方法により成形されて、外ｒ一部成形体及び内層
郭成形体が形成される。これらの各成形体は、それぞれ
別個に成形されるか、または前記各材料で一体的に同時
成形される。これらの成形体を同時成形すれば、外層部
と内層部との嵌合工程等を省略して製造工程の簡略化及
び短縮化を図ることができる。

次いで前記外層部成形体及び内層郭成形体を。

成形後そのまま、または必要に応じて仮焼結した後にシ
ャフト部に嵌合し、その状態で同時に焼結する。焼結及
び仮焼結は、アンモニアクラッキングガス中や減圧下等
の非酸化性雰囲気で行なうことが必要である。また、焼
結温度は、通常行なわれている鉄系焼結材の焼結と同様
に、１０００〜１２２０℃程度である。

しかして、上記のように外層部成形体（またはその仮焼
結体）と内層郭成形体（またはその仮焼結体）とをシャ
フト部に嵌合して同時に焼結すると、内層部に含有され
た銅（ｔ７１ｃは銅合金）が毛細管現象により外層部中
に拡散、侵透し、焼結粒子間の間隙相となって内層部と
外層部とが強固に結合する。更に、内層部中の銅または
銅合金は。

焼結に伴ってシャフト部と内層部との間の接合部を充た
し、焼結後において内層部とシャフト部とが強固に結合
する。

以上に詳述したように、本発明のカムシャフトは、カム
部が内層部と外層部とからなるカムシャフトにおいて、
内層部を特定量の銅または／および銅合金を含む鉄系焼
結材により形成し、シャフト部と内層部及び内層部と外
層部との間の結合を焼結による銅または銅合金の液相に
より図ったものであるから、カム部の外層部と内層部と
が高い強度をもって一体的に結合し、かつカム部とシャ
フト部とが密接して強固に接合しており、その結合強廣
の信頼性も高いものである。また１本発明の製造方法に
よれば、シャフト部に対するカム部の嵌合、固定を、カ
ム部の焼結と同時に行なうようにしたから、製造工程を
短縮化し、かつ簡略化することができ、また内層部中の
銅および／または銅合金の液相発生温扉を考慮して焼結
条件を選択し、外層部への銅または銅合金の含浸量を調
整することによってカム部の熱伝導性を向上させること
ができ、従って使用時に発生する摩擦熱の放散性が良好
で耐久性の高いカムシャフトを得ることができる。更に
は、焼結により内層部の銅または銅合金を外層部のカム
ノーズ部分まで含浸させ、機械的ななじみ性の高いカム
シャフトを得るととができる等の利点が得られる。

次に実施例を示して本発明を更に具体的に説明する。

〔実施例〕

カム部の内層部と外層部とをそれぞれ表中に示す組成を
もった焼結材料を用い、成形圧力４〜７ｔ／ｃｒｎ２で
同時または別個に成形した。得られた成形体を鋼製（Ｓ
ＣＭ２１製）のパイプからなるシャフト部に嵌合させ、
アンモニアクラッキングガス庫または減圧下において１
０００〜１２２０℃の所定温度で焼結し、試料番号１〜
１０の１Ｏｆｌｌｉのカムシャフトを各々３０個製造し
た。

また、比較試料として１表中の外層部の欄に示す組成を
もつ焼結材料によシ一体的なカム部を成形、焼結し、前
記シャフト部にロウ付けしてカムシャフトを製造した。

上記の試料及び比較試料について、カム部とシャフト部
との接合状態及び位置ずれ等の不具合を調べた。その結
果を表中に合わせて示した。

また、本発明による試料番号７のカムシャフトと比較用
のカムシャフトとをそれぞれジーゼルエンジンに絹み込
み、劣化油中、スプリング荷重１２０＃、回転数２００
Ｏｒｐｍ　で４００時間運転した後、ロッカアーム摩耗
量とカム摩耗量とを測定したところ、表中に示す結果を
得た。

（１漕 ２２ 表中に示すように１本発明に係るカムシャフトは、いず
れも良好な接合状態をもって製造され、位置ずれ等の不
具合も全く生じなかった。また、摩耗試験の結果大きな
耐摩耗性を有し、かつ相手攻撃性が小さいことが分かっ
た。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明の一実施例を示す断面図である。 １・・・・・・シャフト部、２・・・・・・カム部、２
１・・・・・・外層部、２２・・・・・・内層部、２３
・・・・・・カム・ノーズ部。 ｔＳ ２３−

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、シャフト部の外周に粉末焼結材からなるカム部を嵌
   合、固定してなるカムシャフトにおいて、前記カム部は
   、前記シャフト部の外周に接合する内層部と、この内層
   部の外周をとシ巻き、外面がカム面として形成された外
   層部とからなシ、 前記内層部が銅または／および銅合金を含有する鉄系焼
   結材によシ形成され、 前記外層部が鉄系焼拵摺動材により形成され、これら内
   層部と外層部とが同ｖＦ焼結によシ結合されてなること
   を特徴とするカムシャフト。 ２、前記内層部を形成する鉄系焼結材が、銅または／お
   よび銅合金を５〜６０重量係含有する粉末焼結材料から
   焼結されてなる特許請求の範囲第１項記載のカムシャフ
   ト。 ３、シャフト部の外周に、粉末焼結材からなり外面にカ
   ム面を有する外層部と、この外層部の内周部に嵌合され
   た内層部とからなるカム部を嵌合、固定してなるカムシ
   ャフトを製造するにあたって、 銅または／および銅合金を５〜６０重ｔｔｓの割合で含
   有する粉末焼結材料で、内層前成形体またはこれを仮焼
   結した内層部仮焼結体を形成すると共に、 鉄系焼結摺動材料で外層郭成形体またはこれを仮焼結し
   た外層部仮焼結体を形成し、前記シャフト部に、前記内
   層前成形体または内層部仮焼結体と、前記外層郭成形体
   または外層部仮焼結体とを嵌合し。 これら内層前成形体または内層部仮焼結体、及び外層郭
   成形体ｔたは外層部仮焼結体を非酸化性雰囲気中で焼結
   して内層部と外層部とを形成すると同時に、内層部を前
   記シャフト部に接合することを特徴とするカムシャフト
   の製造方法。 ４、前記内層部成形体と外層郭成形体とを同時成形する
   ことを特徴とする特許請求の範囲第３項記載のカムシャ
   フトの製造方法。