JPH07317512A - 弁座およびその製造方法 - Google Patents

弁座およびその製造方法

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JPH07317512A
JPH07317512A JP10989194A JP10989194A JPH07317512A JP H07317512 A JPH07317512 A JP H07317512A JP 10989194 A JP10989194 A JP 10989194A JP 10989194 A JP10989194 A JP 10989194A JP H07317512 A JPH07317512 A JP H07317512A
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valve seat
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Tokumasa Aoki
木 徳 眞 青
Hiroshi Ishii
井 啓 石
Yutaka Mabuchi
渕 豊 馬
Makoto Kano
納 眞 加
Akira Fujiki
木 章 藤
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Nissan Motor Co Ltd
Resonac Corp
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Hitachi Powdered Metals Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 座面での高温耐摩耗性が良好であると共に、
弁座とシリンダーヘッド間の熱伝達性に優れていて放熱
特性も良好である弁座を提供する。 【構成】 座面2sを有する内側部材2と外側部材3と
が冶金的に接合しており、内側部材2が鉄系焼結合金か
らなると共に、外側部材3が銅または銅合金の焼結材料
からなる弁座1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車エンジンの弁座
に関し、とくに、自動車エンジンを構成するアルミニウ
ム合金製シリンダーヘッドに組み込んで使用される弁座
に関し、さらにはこの弁座を製造するのに好適な弁座の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンの弁座には、一般に、鉄
系焼結合金が用いられている。
【0003】この合金は、耐熱性および耐摩耗性に優れ
たもので、エンジンの要求性能や吸気弁か排気弁かによ
っても異なるが、Ni,Cr,Mo,W,V,Co等の
元素を含有した炭化物を含む鉄合金や、さらに金属間化
合物を分散したもの、あるいは前記のような合金の気孔
中に鉛を溶浸した合金等である。
【0004】一方、エンジンの高性能化,高出力化によ
って、エンジンの弁座温度はますます高温にさらされる
ようになっている。このため、弁座を含む動弁系が高温
にならないように、燃焼室の熱をいかに効率よく冷却水
に伝達させるかの技術が重要となっている。この場合、
弁座とシリンダーヘッド間の熱伝達性を向上させること
もそのひとつである。
【0005】このような弁座とシリンダーヘッド間の熱
伝達性についての提案は以前からあり、例えば、特開昭
52−153018号公報記載のように、焼結材からな
る弁座本体の外周面に銅めっきを施して弁座とシリンダ
ーヘッド間の熱伝達性を改善する技術が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、焼結材
からなる弁座本体の外周面に銅めっきを施した弁座は、
製法上では、めっき液が焼結材からなる弁座本体の気孔
内に入るため腐蝕の原因となり、また、めっき厚を約
0.1mm以上に形成することが困難で、しかも密着性
が十分でないため、弁座とシリンダーヘッド間の熱伝達
性を向上させることができるように弁座外周とシリンダ
ーヘッド内周との圧入代を大きくすると、シリンダーヘ
ッドに弁座を圧入する際に、めっき層が削られたり剥離
したりすることがあり、弁座とシリンダーヘッド間の熱
伝達性も願望するほどは改善できるものではなかった。
そのため、普及するには至っていないというのが実情で
あり、座面での高温耐摩耗性および弁座とシリンダーヘ
ッド間の熱伝達性に優れた弁座の開発が望まれていると
いう課題があった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上述した従来の課題にかんが
みてなれたものであって、動弁機構部分の高温化と放熱
対策の必要性に対応することができるように、バルブ当
接面である弁座の高温耐摩耗性を良好に維持しつつ弁座
とシリンダーヘッド間の熱伝達性に優れる弁座を提供す
ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる弁座は、
座面を含む内側部材と外側部材とが冶金的に接合してお
り、内側部材が鉄系焼結合金からなると共に、外側部材
が銅または銅合金の焼結材料からなることを特徴として
いる。
【0009】そして、本発明に係わる弁座の実施態様に
おいて、外側部材の銅または銅合金の焼結材料は、肉厚
が0.3mm以上であり、硬さがアルミニウム合金製シ
リンダーヘッドを構成するアルミニウム合金の硬さより
も軟らかく、熱膨張係数がアルミニウム合金製シリンダ
ーヘッドを構成するアルミニウム合金よりも小さくかつ
内側部材の鉄系焼結合金よりも大きいものとすることが
できる。
【0010】また、内側部材は、その全体が同一の鉄系
焼結合金からなるものとしたり、あるいは、この内側部
材は、その座面を含む部分が耐摩耗性等により優れた高
級な鉄系焼結合金からなると共にその他の部分がより安
価な低級な鉄系焼結合金からなるものとすることができ
る。
【0011】そして、本発明に係わる弁座の製造方法に
おいては、鉄系合金粉末の圧粉体を焼結して、座面を含
みかつ鉄系焼結合金からなる内側部材を製作したのち、
前記内側部材および該内側部材と同径の治具部材を粉末
成形型内に軸方向に並べて設置し、内側部材および治具
部材と粉末成形型との間で外側部材の肉厚に対応するキ
ャビティを形成したのち、キャビティ内に銅または銅合
金粉末を充填して圧縮することにより内側部材の外周に
外側部材の圧粉体を形成し、その後外側部材の圧粉体の
焼結温度で焼結して外側部材を銅または銅合金の焼結材
料からなるものにすると共に内側部材と外側部材とを冶
金的に接合するようにしたことを特徴としている。
【0012】また、同じく、本発明に係わる弁座の製造
方法は、鉄系合金粉末の圧粉体を焼結して、座面を含み
かつ鉄系焼結合金からなる内側部材を製作したのち、前
記内側部材の外周に銅または銅合金粉末を溶射して、内
側部材の外周に外側部材の肉厚に対応する溶射層を形成
し、その後外側部材の溶射層の焼結温度で焼結して外側
部材を銅または銅合金の焼結材料からなるものとすると
共に内側部材と外側部材とを冶金的に接合するようにし
たことを特徴としている。
【0013】本発明に係わる弁座において、内側部材
は、従来の弁座材料と同様に耐摩耗性鉄系焼結合金を用
いることができ、また、外側部材は、純銅,銅燐合金,
銅モリブデン合金,銅ニッケル合金,銅亜鉛合金,銅ア
ルミニウム合金,銅錫合金,銅クロム合金などの銅また
は銅合金の焼結材料を用いることができる。
【0014】そして、図1の(a)に示す弁座1のよう
に、バルブ当接面である座面2sを含む内側部材2と外
側部材3とが冶金的に接合している弁座において、内側
部材2は、その全体が同一の耐摩耗性鉄系焼結合金から
なるものとしても良く、また、図1の(b)に示す弁座
1のように、内側部材2は、バルブ当接面である座面2
sを含む部分は耐摩耗性等により優れた高級な鉄系焼結
合金2aよりなるものにすると共にその他の部分はより
安価な低級な鉄系焼結合金2bよりなるものとすること
ができる。
【0015】そして、弁座1を製造するに際しては、従
来の方法で鉄系合金粉末を用いてリング状の焼結体より
なる内側部材2を製作し、この焼結体よりなる内側部材
2を図2の(a)に示すようなコアロッド5aと内側下
パンチ5bと外側下パンチ5cとダイス5dと上パンチ
5eをそなえた粉末成形型5に入れ、内側部材2と同じ
径を有する筒状の治具部材6を挿入してこの内側部材2
および治具部材6と粉末成形型5との間で形成される外
側部材の肉厚に対応するキャビティ7内に、銅または銅
合金粉末を充填して上パンチ5eにより圧縮し、図2の
(b)に示すように、焼結体よりなる内側部材2の外周
に外側部材3の圧粉体を形成する。次いで、この2層リ
ングを外側部材3の焼結温度で焼結して、内側部材2と
外側部材3とを冶金的に接合し、その後、所定寸法形状
に切削加工することにより弁座1を得る。
【0016】また、他の製造方法として、焼結体よりな
る内側部材2の外周に銅または銅合金粉末を溶射して、
内側部材2の外周に外側部材3の肉厚に対応する溶射層
を形成したのち、外側部材3の溶射層の焼結温度で焼結
して、外側部材3を銅または銅合金の焼結材料からなる
ものにすると共に内側部材2と外側部材3とを冶金的に
接合し、その後所定寸法形状に切削加工することにより
弁座1を得る。
【0017】
【発明の作用】本発明に係わる弁座は、座面を含む内側
部材と外側部材とが冶金的に接合しており、内側部材が
鉄系焼結合金からなると共に、外側部材が銅または銅合
金の焼結材料からなるものとなっており、外側部材の銅
または銅合金は、一般に熱伝導性が良いので、弁座およ
びその周辺の熱をシリンダーヘッドに伝えやすいものと
なる。但し、銅合金の中には、例えば、Cu−5重量%
Ti合金のように、鉄系焼結材料よりも熱伝導率が低い
ものがあり、これは適していない。
【0018】そして、銅または銅合金の焼結材料からな
る外側部材は、鉄系焼結合金からなる内側部材よりも融
点の低い金属であることから、鉄系焼結合金よりなる内
側部材の外周に銅または銅合金粉末の圧粉体を設けてか
ら圧粉体の焼結温度で焼結することにより、内側部材と
外側部材とは冶金的に接合するものとなる。
【0019】このように、外側部材は内側部材と焼結接
合されており、冶金的に接合されているので、単なる嵌
合や付着したもののように熱膨張・収縮による部材間の
隙間を生じることはない。
【0020】外側部材の厚みは、0.3mm以上とする
のが望ましく、厚みの上限は、座面を含む内側部材の肉
厚ができるだけ薄くなるようにすること、そしてまた、
シリンダーヘッドのスペースに収まること、を考慮して
決定される。そして、厚さが0.1mm程度では、圧入
による密着性,弁座とシリンダーヘッド間の熱伝達性の
改善を安定して得ることがむつかしい。これは、内側部
材とアルミニウム合金製シリンダーヘッドとの熱膨張係
数の差が大きいことが理由のひとつである。外側部材の
厚みは0.3mm以上で効果が認められ、0.5〜1.
5mm程度が望ましい。一方、4バルブエンジンで弁座
の内径寸法が24mmの場合を例にとると、4個の弁座
をシリンダーヘッドへ配置できる弁座の最大外径寸法は
約32mmであり、従って、2層弁座の肉厚の最大は4
mmであるから、外側部材の最大肉厚は1.7〜2mm
程度となる。
【0021】外側部材は適度な硬さが必要で、アルミニ
ウム合金製シリンダーヘッドに圧入されたとき、密着性
が良くなり、弁座とシリンダーヘッド間の熱伝達性を良
くする。外側部材の硬さは、シリンダーヘッドのハウジ
ングを疵付けないように、ハウジングと弁座の密着性を
良くするために、シリンダーヘッドの硬さよりも軟らか
い材料が選定される。通常の熱処理されたアルミニウム
合金は、Hv100程度の硬さであるから、弁座の外側
部材はHv80程度以下が好ましく、更に好ましくはH
v60〜70である。
【0022】外側部材の熱膨張係数は、内側部材とシリ
ンダーヘッドのアルミニウム合金との中間とすることに
より、全体的に熱膨張係数が順次に傾斜した状態とな
り、加熱または冷却によるストレスや隙間の発生を緩和
する。熱膨張係数は、アルミニウム合金が約23×10
−6−1であり、鉄系焼結合金が約11×10−6
−1であるから、銅合金の熱膨張係数は銅と同じ17×
10−6−1前後が好ましい。
【0023】上述のような硬さ,熱膨張係数を満足する
銅合金としては、二元合金の場合、それぞれの添加元素
がP:2重量%以下、Mo:20重量%以下、Ni:3
5重量%以下、Zn:45重量%以下、Al:10重量
%以下、Sn:10重量%以下、Cr:0.6重量%以
下の銅合金等が挙げられる。
【0024】また、鉄系焼結合金としては、特公平5−
55593号公報に記載の合金を用いることができる。
すなわち、全体組成が、重量比で、Ni0.3〜2.9
%、Mo1.7〜9.8%、Co8〜22%、C0.4
〜1.2%、Cr0.3〜2.3%、Si0.1〜0.
7%およびFe残部で、且つNi0.5〜3%、Mo
0.5〜3%、Co5.5〜7.5%、C0.6〜1.
2%およびFe残部の基地中に、Mo26〜30%、C
r7〜9%、Si1.5〜2.5%およびCo残部の硬
質相が5〜25%分散した組織を呈する高温耐摩耗性焼
結合金またはこの合金の空孔内に鉛が溶浸されている高
温耐摩耗性焼結合金を用いることができ、あるいは、全
体組成が、重量比で、Ni0.3〜2.9%、Mo2.
1〜11.3%、Co7〜22%、C0.4〜1.2
%、Si0.1〜3%およびFe残部で、且つNi0.
5〜3%、Mo0.5〜3%、Co5.5〜7.5%、
C0.6〜1.2%およびFe残部の基地中に、Mo3
3〜36%、Si4〜12%およびCo残部の硬質相が
5〜25%分散した組織を呈する高温耐摩耗性焼結合金
またはこの合金の空孔内に鉛が溶浸されている高温耐摩
耗性焼結合金を用いることができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。
【0026】弁座の鉄系焼結合金からなる内側部材は、
組成が、重量比で、Co:6.5%、Ni:1.5%、
Mo:1.5%、C:0.8%、残部Feからなる基地
中に、Mo:28%、Cr:8.5%、Si:2.5
%、残部Coからなる硬質相15%が分散したリング状
焼結体よりなるもので、密度は7.2g/cmのもの
である。
【0027】この焼結体を図2の(a)に示すように、
粉末成形型5の内部に装填し、焼結体と同じ内外径のリ
ング状治具部材6を乗せることによって粉末成形型5と
の間でできたキャビティ7に、表1に示す各種組成の銅
系粉末(ただし、試料6はアルミニウム系粉末)を充填
し、上下パンチ5e,5cで圧縮して外側部材3に対応
する圧粉体に成形した。この外側部材3に対応した圧粉
体の密度比は95%(密度が約8.4g/cm前後)
である。
【0028】次に、このようにして得られた2層リング
をアンモニア分解ガス中において圧粉体の焼結温度で焼
結したのち、銅合金の焼結材料からなる外側部材3の肉
厚を所定の寸法となるように切削加工して試験用の弁座
1とした。
【0029】また、前記した各外側部材用粉末だけを圧
粉成形および焼結して、熱膨張係数などの物性測定試料
も製作した。
【0030】表1に各外側部材用混合粉末の配合割合
と、焼結温度を示す。なお、粉末成形のために用いた潤
滑剤はいれずれもステアリン酸亜鉛0.5%である。
【0031】また、比較例として、前記鉄系焼結体その
ままの試料(試料7)と、前記鉄系焼結体に膜厚0.1
mmの銅電気めっきを施した試料(試料8)を製作し
た。
【0032】これらの試料を用いて測定した外側部材の
硬さ,熱膨脹係数,熱伝導率と、放熱性試験による排気
バルブの傘表部温度および弁座部温度を表2に示す。
【0033】放熱性試験は、まず、それぞれの弁座を直
列4気筒DOHCガソリンエンジン仕様のアルミニウム
合金製シリンダーヘッドの排気側にこのシリンダーヘッ
ドを150℃に加熱した状態で温間で圧入した。圧入代
は80μmである。
【0034】このようにして製作したシリンダーヘッド
をエンジンに組み込み、組み立てられたエンジンを、無
鉛ガソリンを燃料として、回転数6400rpm、集合
部排気ガス温度920℃の条件で運転し、排気バルブの
傘表部温度および弁座部温度を測定した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1に示すように、本発明に係わる実施例
試料を用いたものの温度は、他の試料に比べてどれも低
い。
【0038】一方、比較試料4は、外側部材の硬さがア
ルミニウム合金製シリンダーヘッドより高いものである
が、弁座とシリンダーヘッドの弁座装着孔との密着性が
悪いため、温度が高くなったものと考えられる。
【0039】また、比較試料5は、外側部材の熱膨脹係
数が小さいものであり、アルミニウム合金製シリンダー
ヘッドの弁座装着孔の膨脹に追従できなく、隙間ができ
る傾向を示すために温度が高くなったものと考えられ
る。
【0040】さらに、比較試料6は、外側部材がアルミ
ニウム合金のものであるが、温度は低い値を示してい
る。しかし、試験後にシリンダーヘッドから弁座を抜き
出す時の荷重を測定したところ他の試料が1000kg
f以上を示したのに対して、本試料は550kgfであ
り、好ましくない外側部材ということができる。これ
は、熱膨張量が多いために、加熱中にシリンダーヘッド
の弁座装着孔を押し拡げているものと考えられる。
【0041】さらにまた、比較試料7の鉄系焼結体のま
まの試料は、最も温度が高いことが判る。
【0042】さらにまた、比較試料8の銅めっきしたも
のは、銅めっき層による効果は僅かである。
【0043】さらにまた、参考試料9は外側部材の肉厚
が不十分で、焼結時の拡散により不均一組織となり、ま
た、成分変化も大きく、本発明の特徴とする良好な弁座
とシリンダーヘッド間の熱伝達性を満たすに至らないも
のであった。
【0044】次に、試料2の弁座を直列4気筒DOHC
ガソリンエンジン仕様のアルミニウム合金製シリンダー
ヘッドに前例と同様に温間で圧入して組み立てられたエ
ンジンを、回転数6400rpmで100時間運転し、
運転時の状況および運転した後の動弁機構部を観察した
が、異常は認められなかった。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による弁座
は、座面を含む内側部材と外側部材とが冶金的に接合し
ており、内側部材が鉄系焼結合金からなると共に、外側
部材が銅または銅合金の焼結材料からなる構成としたか
ら、弁と当接する内側部材の部分は鉄系焼結材料からな
っていて耐摩耗性に優れていると共に、外側部材の部分
は弁座とシリンダーヘッド間の熱伝達性に優れる銅また
は銅合金の焼結材料からなっていて弁および弁座の冷却
能率が高いものとなるので、動弁機構部分の高温化と放
熱対策の必要性に対応することが可能となって、エンジ
ンの性能向上に有効なものになるという著しく優れた効
果がもたらされ、本発明に係わる弁座の製造方法によっ
て、上記した耐摩耗性および弁座とシリンダーヘッド間
の熱伝達性の優れた弁座を製造することが可能であると
いう著しく優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる弁座の構造例について(a)図
と(b)図の2種類を示す各々片側断面説明図である。
【図2】本発明に係わる弁座を成形する状態を上下パン
チによる圧縮前を示す(a)図と上下パンチによる圧縮
後を示す(b)図とに分けて説明する断面図である。
【符号の説明】
1 弁座 2 内側部材 2s 座面 3 外側部材
フロントページの続き (72)発明者 馬 渕 豊 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 加 納 眞 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 藤 木 章 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 座面を含む内側部材と外側部材とが冶金
    的に接合しており、内側部材が鉄系焼結合金からなると
    共に、外側部材が銅または銅合金の焼結材料からなるこ
    とを特徴とする弁座。
  2. 【請求項2】 外側部材が肉厚0.3mm以上の銅また
    は銅合金の焼結材料からなることを特徴とする請求項1
    に記載の弁座。
  3. 【請求項3】 外側部材の銅または銅合金の焼結材料
    は、硬さがアルミニウム合金製シリンダーヘッドを構成
    するアルミニウム合金の硬さよりも軟らかく、熱膨張係
    数がアルミニウム合金製シリンダーヘッドを構成するア
    ルミニウム合金よりも小さくかつ内側部材の鉄系焼結合
    金よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記
    載の弁座。
  4. 【請求項4】 内側部材は、その全体が同一の鉄系焼結
    合金からなることを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れかに記載の弁座。
  5. 【請求項5】 内側部材は、その座面を含む部分が耐摩
    耗性等により優れた高級な鉄系焼結合金からなると共に
    その他の部分がより安価な低級な鉄系焼結合金からなる
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
    弁座。
  6. 【請求項6】 鉄系合金粉末の圧粉体を焼結して、座面
    を含みかつ鉄系焼結合金からなる内側部材を製作したの
    ち、前記内側部材および該内側部材と同径の治具部材を
    粉末成形型内に軸方向に並べて設置し、内側部材および
    治具部材と粉末成形型との間で外側部材の肉厚に対応す
    るキャビティを形成したのち、キャビティ内に銅または
    銅合金粉末を充填して圧縮することにより内側部材の外
    周に外側部材の圧粉体を形成し、その後外側部材の圧粉
    体の焼結温度で焼結して外側部材を銅または銅合金の焼
    結材料からなるものにすると共に内側部材と外側部材と
    を冶金的に接合することを特徴とする弁座の製造方法。
  7. 【請求項7】 鉄系合金粉末の圧粉体を焼結して、座面
    を含みかつ鉄系焼結合金からなる内側部材を製作したの
    ち、前記内側部材の外周に銅または銅合金粉末を溶射し
    て、内側部材の外周に外側部材の肉厚に対応する溶射層
    を形成し、その後外側部材の溶射層の焼結温度で焼結し
    て外側部材を銅または銅合金の焼結材料からなるものに
    すると共に内側部材と外側部材とを冶金的に接合するこ
    とを特徴とする弁座の製造方法。
JP10989194A 1994-05-24 1994-05-24 弁座およびその製造方法 Pending JPH07317512A (ja)

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