JP2725430B2 - バルブシート用焼結合金 - Google Patents

バルブシート用焼結合金

Info

Publication number
JP2725430B2
JP2725430B2 JP6796690A JP6796690A JP2725430B2 JP 2725430 B2 JP2725430 B2 JP 2725430B2 JP 6796690 A JP6796690 A JP 6796690A JP 6796690 A JP6796690 A JP 6796690A JP 2725430 B2 JP2725430 B2 JP 2725430B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
valve seat
alloy
sintered alloy
oxide film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6796690A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03267354A (ja
Inventor
博之 村瀬
武 中小原
公彦 安藤
攝人 ▲もと▼▲ざ▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP6796690A priority Critical patent/JP2725430B2/ja
Publication of JPH03267354A publication Critical patent/JPH03267354A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2725430B2 publication Critical patent/JP2725430B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は自動車内燃機関のバルブシート用焼結合金に
関する。
[従来の技術] 自動車エンジンの動弁系の断面図は第1図に示す通り
であって、インテークバルブ7のフェース部16は、バル
ブの上下運動によってバルブシート9と接触する。この
インテークバルブの作動温度は100〜450℃であり、従来
から作動温度での軟化抵抗が大で、耐食性、疲労強度と
併せて高温強度の大きいSUH1、3、4、11が使用されて
いる。
最近、自動車エンジンにおいて、高出力、高回転化、
排出ガス浄化対策、あるいは燃費向上対策に対する改善
要求が一段と高まっている。このため、自動車エンジン
におけるエンジンバルブ、バルブシートに対しては、従
来にも増して厳しい使用環境条件に耐えることが不可避
となってきている。
かかる厳しい使用環境に対応するため、耐摩耗性に優
れ高温における硬さと高温腐食に対する抵抗の高いCo基
またはNi基の盛金合金を弁フェース部に溶着するハード
フェーシングが採用されてきた。しかし、このハードフ
ェーシングは高価な盛金を使用するため、高価であり、
そのためコストダウンの要請からフェース部の盛金を廃
止したインテークバルブが使われることも多くなってき
た。
また、従来のバルブシート材料としては、Fe−C−Co
−Ni基材料、Fe−C基材料に耐摩耗性の向上を狙ってフ
ェロモリブデン(Fe−Mo)、フェロクロム(Fe−Cr)等
の金属間化合物またはFe−C−Cr−Mo−V合金等を添加
したものが使用されている(特開昭56−154110号公
報)。また、CrおよびMoを含有するFe−C基地組織中
に、Cr、Mo、V等からなる鉄系の硬質粒子を分散させ耐
摩耗性と相手攻撃性を改善した焼結合金(特開昭60−22
4762)、Pb合金等を含浸させたFe−C−Co−Ni系基地組
織中にFe−C−Cr−Mo−V合金からなる硬質粒子を分散
させた焼結合金(特開昭60−251258)等が開示されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] ところで、エンジンの吸排気バルブシートは、それ自
体の耐摩耗性を改善する必要があるが、さらに相手材す
なわちバルブに対する相手攻撃性の少ないことが要求さ
れる。バルブシート材料の耐摩耗性向上策としては、基
地組織に分散する硬質粒子の量を多くしたり、粒子径を
大きくしたり、あるいはマクロ硬さを硬くしたりする。
しかし、このようにしてバルブシート材料の耐摩耗性
を向上した場合、相手攻撃性が高くなり、バルブが摩耗
するという問題点がある。そのため、バルブシート材料
の相手攻撃性を下げる方策として、硬さをHv1000以下に
下げた硬質粒子を使い、相手攻撃性を下げるということ
が行なわれている。
それでも、最高回転数が1万回に近付いた場合や、使
用寿命が10万km以上になると、従来技術ではバルブおよ
びバルブシートの摩耗を防ぐことができない。また、バ
ルブシート表面にできる酸化膜は、バルブとの金属接触
を防止して、耐摩耗性を向上させるが、Feの酸化物では
密着性が弱く、作動中に剥がれてしまい、酸化膜が無い
ためバルブとの間で凝着が発生し、バルブシートが摩耗
していくという問題点がある。
例えば、前記特開昭60−224762号公報の発明では、基
地強化および耐熱性向上のためのCoが含有されておら
ず、高温の厳しい条件では高温硬さおよび耐酸化性が不
足し、Feの厚い酸化膜ができ、この層が剥離し易いた
め、バルブシートが摩耗するという問題点がある。
また、前記特開昭60−251258号公報の発明では、Coを
含有し耐熱性に優れるものの、Coが酸化しないため、表
面に酸化皮膜層ができにくく、低温雰囲気時(バルブシ
ート温度が100℃程度)の場合、特にバルブシート表面
が酸化されず、凝着を伴う摩耗が発生することがある。
本発明はバルブシート用焼結合金の前記のごとき問題
点を解決すべくなされたものであって、耐摩耗性を保持
しながら相手バルブに対する攻撃性が低く、かつ強固な
酸化皮膜が形成されて摩耗が発生しないバルブシート用
焼結合金を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明のバルブシート用焼結合金は、重量比で、C;0.
4〜2.0%、NiまたはCoの1種または2種;1.0〜20%、Y
またはCeの1種または2種;0.2〜3%、Al;0.5〜15%を
含有し、残部がFeおよび不純物元素からなる基地組織
に、FeMo、FeCr、FeW、FeNbまたは重量比でCr;4〜18
%、V;0.1〜0.5%、Mo;0.2〜2%、C;0.8〜2%を含有
し、残部がFeおよび不純物元素からなるFe系合金粉末か
ら選ばれた1種または2種以上からなる、粒径が20〜20
0μmの硬質粒子を3〜20重量%均一に分散させた焼結
合金に、Pb、Cu、Snまたはそれらの合金を5〜25重量%
溶浸させたことを要旨とする。
[作用] 本発明のバルブシート用焼結合金は、NiおよびCoに含
有するFe−C系基地組織に、酸化し易いAlを含有させて
表面にち密で薄いAl酸化皮膜を形成すると同時に、Yお
よびCeを含有させて酸化皮膜と基材を強く結びつけて、
酸化皮膜の剥離を防止したものである。
また、FeMo、FeCr、FeW等からなる硬質粒子を基地組
織に分散させて耐摩耗性の確保を図ると共に、その硬質
粒子の分散量、粒径を規制することにより、相手バルブ
に対する攻撃性を低下させている。さらに、Pb合金等の
溶浸合金を溶浸したので、耐摩耗性が向上し、被削性が
改善された。
次に、本発明のバルブシート用焼結合金の基地組織を
形成する成分の組成範囲の限定理由について説明する。
CはFeと反応してオーステナイト組織とパーライト組
織の混合組織からなる基地組織中に固溶し、焼結反応を
促進させるが、0.5%以下では前記効果が充分でなく、
2.0%以上では、セメンタイト組織が多量に析出し、焼
結体を脆化することから、その組成範囲を0.5〜2.0%と
した。
CoとNiは同じ効果を持ち、一方または両方を合わせて
含有させても同じ作用をする。CoおよびNiは基地組織中
に固溶し、基地組織を強化するとともに、耐熱性を改善
するので有効であるが、1.0%未満では前記効果が充分
でなく、20%を越えて含有させても前記効果が飽和して
コスト高となるので、これら元素の含有量は1.0〜20%
に限定した。
Pb、Pb合金、Cu,Cu合金、Sn、Sn合金は、焼結処理後
に焼結合金に溶浸させ、その潤滑作用により耐摩耗性を
向上させ、封孔作用によって被削性を改善するために有
効である。これら溶浸金属の溶浸量が5%未満である
と、その効果が充分でなく、溶浸量が25%を越えると、
焼結合金の強度低下が著しくなることから、これら溶浸
金属の溶浸量は5〜25%に限定した。
Alは酸化し易いため、早期に薄いAlの酸化皮膜を形成
し、バルブとの凝着を防止して耐摩耗性を向上させる。
Al含有量が0.5%未満ではバルブシート表面に酸化物層
が形成されにくい。また、15%以上含有させると、フェ
ライトまたはオーステナイト量が増加してしまい、基地
組織の硬さを低下させるため、Al含有量は0.5〜15%に
限定した。
YとCeは基地とAl酸化物層の間で酸化層を形成してAl
酸化物を基地に密着させるのに有効である。Yおよび/
またはCeの含有量が0.2%未満は充分な酸化物層が形成
されず、3%を越えて含有しても、前記効果の向上が望
めないので、その組成範囲を0.2〜3%に限定した。
FeMo、FeCr、FeW、FeNbまたはFe系合金粉末からなる
硬質粒子は、基地組織中に均一に分散されバルブシート
材料の耐摩耗性を向上する。硬質粒子の大きさが20μm
未満では耐摩耗性の向上が得られず、200μmを越える
と相手攻撃性が大きくなるため、硬質粒子の粒径は20〜
200μmに限定した。また、硬質粒子の添加量は3%未
満では耐摩耗性の向上がみられず、20%を越えると、相
手攻撃性が大きくなるので、硬質粒子の添加量は3〜20
%に限定した。
[実施例] 本発明の実施例を比較例とともに説明し、本発明の効
果を明らかにする。
第1表に示す組成からなる基地組織用合金粉末に、第
1表に示す組成および粒径からなる硬質粒子を、第1表
に示す割合で調合し、これに黒鉛粉末および潤滑剤とし
てステアリン酸亜鉛を混合した後、この混合粉末を金型
内に充填して、成形圧7t/cm2で成形してφ40mm×8mmの
圧粉成形体を得た。なお、第1表において、番号1〜6
は本発明材であり、番号7〜9は基地組織にAl、Yおよ
びCeを含有しない比較材である。
この圧粉成形体をアンモニア分解ガス雰囲気中で1150
℃の温度にて、60分間焼結して焼結体を得た。次にこの
焼結体をPb等と接触させて、再度アンモニア分解ガス雰
囲気中で1050℃の温度にて30分間加熱して焼結体中に第
1表に示した割合でPb等の溶浸合金を溶浸した。
得られた焼結体を排気バルブシート状に加工して排気
量2000cc、4気筒のエンジンに装着し、無鉛ガソリンを
用い、回転数5000rpm、全負荷で1000時間の台上耐久試
験を実施し、バルブ沈み量およびバルブシート表面酸化
膜厚さを測定した。なお、バルブ沈み量は第2図のエン
ジンの部分断面図に示したように、試験前のバルブのア
ップダウン幅Tから試験後のバルブのアップダウン幅t
を差し引いたものによっ示した。
得られた結果は第2表に示した。
第2表に示した結果より明らかなように、比較材のバ
ルブに沈み量が0.20〜0.33μmであるのに対して、本発
明材は0.05〜0.08μmであって、本発明のバルブシート
用焼結合金は、耐摩耗性に優れているとともに、相手バ
ルブに対する攻撃性の低いことが確認された。
また、バルブシートの表面酸化膜は、比較材について
は2〜3μmと薄いものであるか、または15μmのもの
では浮き上がって剥離部があるのに対し、本発明材では
表面酸化膜が8〜12μmと厚いものであって、浮き上が
りや剥離が観察されず、本発明材では強固な酸化膜の形
成により、凝着により過大摩耗が防止できることが確認
された。
[発明の効果] 本発明のバルブシート用焼結合金は、NiおよびCoを含
有するFe−C系基地組織に、酸化し易いAlを含有させて
表面にち密で薄いAlを酸化皮膜を形成すると同時に、Y
およびCeを含有させて酸化皮膜と基材を強く結びつけ
て、酸化皮膜の剥離を防止したので、バルブとバルブシ
ートとの接触が酸化層を介して行なわれ、凝着による過
大摩耗が防止される。また、FeMo、FeCr、FeW等からな
る硬質粒子を基地組織に分散させて耐摩耗性の確保を図
ると共に、その硬質粒子の分散量、粒径を規制したので
相手バルブに対する攻撃性を低下することができた。そ
のため、バルブおよびバルブシートの寿命を著しく向上
する。さらに、Pb合金等の溶浸合金を溶浸したので、耐
摩耗性が向上し、被削性が改善された。
【図面の簡単な説明】
第1図は自動車エンジンの動弁系の断面図、第2図はバ
ルブ沈み量を説明するエンジンの部分断面図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比で、C;0.4〜2.0%、NiまたはCoの1
    種または2種;1.0〜20%、YまたはCeの1種または2
    種;0.2〜3%、Al;0.5〜15%を含有し、残部がFeおよび
    不純物元素からなる基地組織に、FeMo、FeCr、FeW、FeN
    bまたは重量比でCr;4〜18%、V;0.1〜0.5%、Mo;0.2〜
    2%、C;0.8〜2%を含有し、残部がFeおよび不純物元
    素からなるFe系合金粉末から選ばれた1種または2種以
    上からなる、粒径が20〜200μmの硬質粒子を3〜20重
    量%均一に分散させた焼結合金に、Pb、Cu、Snまたはそ
    れらの合金を5〜25重量%溶浸させたことを特徴とする
    バルブシート用焼結合金。
JP6796690A 1990-03-16 1990-03-16 バルブシート用焼結合金 Expired - Fee Related JP2725430B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6796690A JP2725430B2 (ja) 1990-03-16 1990-03-16 バルブシート用焼結合金

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6796690A JP2725430B2 (ja) 1990-03-16 1990-03-16 バルブシート用焼結合金

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03267354A JPH03267354A (ja) 1991-11-28
JP2725430B2 true JP2725430B2 (ja) 1998-03-11

Family

ID=13360223

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6796690A Expired - Fee Related JP2725430B2 (ja) 1990-03-16 1990-03-16 バルブシート用焼結合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2725430B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3191665B2 (ja) * 1995-03-17 2001-07-23 トヨタ自動車株式会社 金属焼結体複合材料及びその製造方法
CA2518424C (en) 2003-03-10 2012-08-21 Mitsubishi Materials Corporation Iron-based sintered alloy having excellent machinability

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03267354A (ja) 1991-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4127021B2 (ja) 硬質粒子、耐摩耗性鉄基焼結合金、耐摩耗性鉄基焼結合金の製造方法及びバルブシート
JP3596751B2 (ja) 焼結合金配合用硬質粒子、耐摩耗性鉄基焼結合金、耐摩耗性鉄基焼結合金の製造方法及びバルブシート
JPH0313299B2 (ja)
JP2001050020A (ja) 内燃機関用の弁装置
JPH0798985B2 (ja) 高温耐摩耗性焼結合金
JPH1112697A (ja) 内燃機関用バルブシート
JP3614237B2 (ja) 内燃機関用バルブシート
JP4467013B2 (ja) 焼結バルブシートの製造方法
JP2725430B2 (ja) バルブシート用焼結合金
JP2684774B2 (ja) バルブシート用鉄系焼結合金
JPS60258449A (ja) バルブシ−ト用鉄系焼結合金
JP3226618B2 (ja) バルブシート用鉄基焼結合金
JPH0555591B2 (ja)
JP2833116B2 (ja) バルブシート用焼結合金
US20110284792A1 (en) Steel-base sintering alloy having high wear-resistance for valve seat of engine and manufacturing method thereof, and valve seat of engine
JPH05171372A (ja) インテークバルブシート用焼結合金
JP3068127B2 (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金およびその製造方法
JPH0561346B2 (ja)
JPH04298616A (ja) インテークバルブシート用焼結合金
JP3264092B2 (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金およびその製造方法
JPH08291376A (ja) 鉄基焼結合金バルブシート材と耐熱耐摩耗合金バルブフェース材との組合せ
JPH10280108A (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金
JPS6296661A (ja) バルブシ−ト用鉄系焼結合金
JPH0559982B2 (ja)
JPH07109024B2 (ja) 内燃機関の弁座用焼結合金

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees