JPS6038063Y2 - 内燃機関点火装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は内燃機関点火装置の改良に関するものである
。

従来、この種の装置として第１図に示すものがあった。

図において、１は、図示しない磁石発電機に配置された
点火兼発電コイルであり、１ａは、点火コイルの１次コ
イルを兼用した発電コイルで、機関の回転に同期して交
流出力、詳細に言えば第４図に示す如く一方向ａと他方
向すの起電力を発生する。

この起電力ａ、 ｂは、磁石発電機構造が各々２個の磁
石及びポールにより構成されている為第４図１点鎖線に
示す様に各々の最大値は異なるものである。

１ｂは、この発電コイル１ａに鉄心を介して磁気結合さ
れた点火コイルの２次コイル、２は発電コイル１のａ方
向の通電々流を断続して点火電圧を発生させる開閉素子
である第１のトランジスタ、３は第１のトランジスタ２
をオン、オフ制御する第２のトランジスタ、４は第１の
トランジスタ２にベース電流を流すためのレジスタ５，
６は、第２のトランジスタ３の動作点を決定する分圧し
ジスタである。

次に動作について説明する。

内燃機関に同期して回転する磁石発電機内に設けられた
発電コイル１ａには実線ａ及び点線すに示す起電力が発
生する。

今、機関の点火刻時に際し発電コイル１ａにａ方向起電
力が発生すると、第１のトランジスタ２は、レジスタ４
を通じて、ベース電流が流れてオン状態となり発電コイ
ル１ａのａ方向の通電々流は第１のトランジスタ２を通
じて短絡される。

そして、機関の点火時期となり、分圧レジスタ５．６に
より分圧されたレジスタ６の端子電圧が所定値に上昇す
ると、第２のトランジスタ３はベース電流が流れてオフ
からオン状態に反転するため、レジスタ４を通じて流入
していた第１のトランジスタ２のベース電流が第２のト
ランジスタ３を通じて側路され、そのため、第１のトラ
ンジスタ２は、オフ状態に急激に反転して発電コイル１
ａの通電々流を遮断する。

この急激な電流変化によって２次コイル１ｂには点火電
圧が発生し、この点火電圧を受けて図示しない点火プラ
グに火花放電する。

ここで、本点火装置を４サイクル機関に適用する場合を
考察してみると、第４図において、Ａ点は、上述の点火
時期に点火火花を発生させるａ方向出力であり、Ｂ点は
、磁石発電機を４極構造としている為に発生するａ方向
出力であるが、４サイクル機関においては、吸入及び圧
縮行程となり、点火火花を発生してはならない区間であ
る。

前述のように磁石発電機は、第４図の１点鎖線に示す様
に各々大きさの異なる起電力を発生する様構成されてい
るが、機関の回転の上昇に伴ない、起電力も戒長する為
、Ｂ点における起電力も戒長し、点火装置が動作する様
になり、点火火花が発生する為４サイクル機関には適用
できなくなるという欠点があった。

この考案は、上記のような従来のものの欠点を除去する
ためになされたもので、機関の吸入から圧縮工程の期間
は点火装置の点火機能を阻止することにより、４サイク
ル機関にも適用できる内燃機関点火装置を提供すること
を目的としている。

以下、この考案の一実施例を第２図について説明する。

図において、７は分圧５，６の接続点レジスタと第２の
トランジスタ３のベースとの間に接続されたダイオード
、８は、分圧レジスタ６に並列接続されたサイリスク、
９はレジスタ１１、ダイオード１２を介して、発電コイ
ル１ａの点火に寄与しないｂ方向の起電力を受けて、コ
ンデンサ１０を充電するダイオード、１３はコンデンサ
１０の充電々圧をサイリスタ８のゲートに与えるレジス
タである。

次に動作を説明するに、点火動作は、第１図と同様であ
るので省略し、第４図におけるＢ点の動作について説明
する。

Ｂ点の直前の起電カイは、点火に寄与しないｂ方向であ
り、磁石発電機の構成上、大きな起電力を発電している
。

今、Ｂ点の直前のｂ方向起電カイはダイオード９、コン
デンサ１０、レジスタ１１、ダイオード１２の回路を通
電し、このためコンデンサ１０は図示極性に所定の電圧
に充電される。

次に、Ｂ点において、ａ方向起電力が発生すると、コン
デンサ１０の充電々荷は、サイリスタ８のゲート、カソ
ード、レジスタ１３を通じて放電を始め、サイリスタ８
はオンし、発電コイル１のａ方向起電力をレジスタ５を
通じて側路する。

機関の回転が高くなり、Ｂ点におけるａ方向起電力が戒
長し、分圧レジスタ５，６の設定電圧は上昇するが、第
２トランジスタ３の動作電圧を決定するレジスタ６には
、既にオン状態にあるサイリスタ８が並列接続されてい
る為、分圧点は、サイリスタ８のオン電圧に抑制される
。

第２のトランジスタ３のベース端子と、分圧点には、こ
のオン電圧を補償するダイオード７が接続されている為
、第２のトランジスタ３にはベース電流が流れず、オフ
状態を継続し、従って第１のトランジスタ２はオン状態
を継続し点火コイルの通電々流は遮断されることはなく
、点火電圧は発生しない。

又、Ａ点の直前のｂ方向起電力口は、Ｂ点の直前のｂ方
向起電カイに比べて充分小さくなるよう、磁石発電機が
構成されているので、Ａ点においては上述の動作が行な
われず、サイリスタ８はオフ状態にあるため第２のトラ
ンジスタ３はサイリスタ８に影響されず、正常な点火動
作を行なつ。

尚、上記実施例では制御サイリスタ８を、第２ａトラン
ジスタ３のベース、エミッタに接続して制御したが、第
３図に示す実施例にても同様の効果が得られる。

このものにあってはサイリスタ８は、発電コイル１に直
接並列接続され、点火に不要なり点におけるｂ方向起電
カイを第１のトランジスタ２に通電することなく直接側
路するものである。

又、サイリスタ８に直列にレジスタ１４を接続しても同
様の効果を有する。

この場合、サイリスタ８の通電々流がレジスタ１４によ
って制限される為、サイリスタ８の電流容量は小さいも
のでも良く、このトランジスタ１４の電圧降下によって
第２のトランジスタ３が動作し、第１のトランジスタ２
が遮断して点火電圧が発生しても、レジスタ１４、サイ
リスタ８の直列回路が点火コイル１に並列接続されてい
る為、低いインピーダンスに設定されたレジスタ１４に
よって点火電圧は吸収される為、２次側には点火電圧が
発生することはない。

また、発電コイル１ａは、点火コイルの１次コイルを兼
用しない独立したコイルを用いることも可能である。

また、サイリスタ８はトランジスタ等の他の半導体開閉
素子に置換してもよく、更に、４サイクル機関について
説明したが、２サイクル機関に適用しても同様の効果が
得られる。

以上のように、この考案によれば、機関の１回転に少な
くとも２サイクルの各々波高値が異なる一方向出力と他
方向出力とを各々発生する発電コイルを有するものにお
いて、発電コイルに発生する交流出力のうち機関点火時
期に対応する波高値の大なる一方向出力を断続して点火
コイルに高電圧を発生させると共に、交流出力のうち機
関点火時期前に発生する波高値の大なる他方向出力を受
けて機関点火時期前に発生する波高値の小なる一方向を
側路することにより正規点火火花以外の不要な火花を確
実に阻止でき機関を好適に点火できる実用上顕著なる効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来例を示す点火回路図、第２図は、この考
案の一実施例を示す点火回路図、第３図はこの考案の他
の実施例を示す点火回路図、第４図は、発電コイル１ａ
の起電力波形図である。 図において、１ａは、発電コイル、１ｂは、２次コイル
、２，３は、トランジスタ、４，５゜６．１１，１３．
１４はレジスタ、？、９．１２はダイオード、８はサイ
リスタ、１０はコンデンサである。 尚、各図中、同一符号は同一または、相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機関の１回転に少なくとも２サイクルの各々波高値が異
   なる一方向出力と他方向出力とを発生する発電コイル、
   この発電コイルに発生する交流出力のうち機関点火時期
   に対応する波高値の大なる一方向出力を断続して点火コ
   イルに高電圧を発生させる半導体開閉回路、及び上記交
   流電力のうち上記機関点火時期前に発生する波高値の大
   なる他方向出力を受けて上記機関点火時期前に発生する
   波高値の小なる一方向出力を側路する開閉回路を備えた
   内燃機関点火装置。