JPS6037745Y2 - 磁気テ−プカセツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気テープカセットに関し、更に詳しくは、前
記磁気テープカセット内の記録再生部における磁気テー
プの走行安定性を改良した磁気テープカセットに関する
ものである。

近時、カセットテープレコーダーの小型化および軽量化
が進み、これに使用される磁気テープのカセットも小型
化され、さらにそのカセットに収納される磁気テープも
より高密度の記録再生が長時間にわたり可能なものであ
ることが強く望まれるようになってきた。

このような要求を満足させるテープとして、所謂、Ｃ−
１２０ＸＣ−１８時のテープが実用化され、又されつつ
あり、又高密度化のために記録媒体の表面性は益々鏡面
仕上げの必要が生じて来た。

この様に表面性が良く、かつ厚さを薄くした磁気テープ
を内装したころの従来公知のカセットにおけるテープ走
行経路は、第１図に示したように、上部ケース１ａと下
部ケース１ｂを固定部材１ｃで固定して得られたプラス
チック製の中空ケース１に内蔵された一対の巻芯２およ
び３、丸棒状の固定ガイドピン４、回転がイドローラ５
、丸棒状の固定ガイド６、加圧パッド７、丸棒状の固定
ガイドピン８、回転ガイドローラ９、丸棒状の固定ガイ
ドピン１０、さらに前記上部ケース１ａと下部ケース１
ｂの各内側面と前記巻芯２，３の両側の間に挿設したフ
ラットなガイド板１１、から威っていた。

前記巻芯２に巻かれたテープＴは、前記回転ピン４、回
転ガイドローラー５、固定がイドピン６、記録再生用ヘ
ッド（図示せず）にテープＴを押し付けるための加圧パ
ッド７、固定ガイドピン８、回転ガイドローラー９、固
定ピン１０、により順次その反磁性層側が支持案内され
て、前記巻芯３に送られ、しかも、その両エツジ部が前
記ガイド板１１により巾方向に著しくズレないように案
内されて前記巻芯３に巻き取られていた。

特に、記録再生部１２のテープ走行経路を通過する前記
磁気テープＴは、記録再生ヘッド挿入窓１３から記録再
生ヘッド（図示せず）が挿入されると、バネ材に保持さ
れ前記加圧パット７と共に、前記加圧パット７の後方に
配したシールド板１４に向けて押し込められるので、前
記記録再生部１２におけるテープ走行経路の上流及び下
流側に夫々配設した前記丸棒状の固定ガイドピン６及び
８は、その直胴部表面における前記磁気テープＴとの接
触度合を増しながら該磁気テープＴの走行を案内するも
のであった。

しかしながら、従来のカセットは次の如き欠点があった
。

１ プラスチック材から成る中空ケース及びテープ走行
経路部材をビス止め又は超音波接着法、等で組立てるの
で、ひずみが生じ易く、その結果、磁気テープの走行安
定性が損われ、記録再生部における記録再生ヘッドに対
する前記磁気テープの接触状態を不安定にさせていた。

２ 特に、記録再生部におけるテープ走行経路の上、下
流側に夫々配設した丸棒状の固定がイドピンは第２図に
示した如く前記磁気テープと接触する面が垂直であるの
で、その上流又は下流側のテープ走行経路において前記
磁気テープの巾方向の寄りが生ずると、その寄りを修正
する作用はなく、そのま）寄りを前記記録再生部内に伝
え、記録再生ヘッドに対する前記磁気テープの接触位置
のズレ又は接触不良が生じた。

記録再生ヘッドに対する磁気テープの接触位置のズレ又
は接触不良は前記磁気テープの厚さを更に薄くすると一
層顕著となった。

３ 前記１及び２項に記述した位置ズレ又は接触不良が
、磁気テープカセットをデツキに装着したときの装着位
置の変化、例えば、水平から垂直に、又はＡ面操作から
Ｂ面操作、等により誘導され、再生出力や周波数特性等
の電磁変換特性に差異が生じることがあった。

本考案は、前述した従来カセットにおける欠点を解消し
、記録再生ヘッドに対して磁気テープを所定位置に常に
維持して案内することが可能な磁気テープカセットを提
供することを目的とするものである。

本考案のか）る目的は、記録再生部の加圧パッド両側近
傍に、前記磁気テープが摺接する外周面にＶ字状又は彎
曲状の傾斜案内面を有する案内溝を設けた固定ガイドピ
ンを配設して威り、前記固定ガイドピンの案内溝により
磁気テープを巾方向に彎曲させ走行案内することを特徴
とする磁気テープカセットにより遠戚される。

以下、添付した第３図〜第４図に基づいて、本考案カセ
ットの一実施態について詳述する。

本考案カセットは、第１図に示した従来カセットにおけ
る記録再生部１２に配設した２本の固定ガイドピン６．
８を除き、同一の部材即ち前記巻芯２，３、固定ガイド
ピン、４，１０、回転ガイドローラ６．８、加圧パッド
７、からテープ走行経路が形成されている。

前記固定ガイドピン６゜８に代わり、本考案カセットの
記録再生部１２は、第３図に示した如く、磁気テープＴ
と接触する外周面に予めＶ字状の傾斜案内面を有する案
内溝Ｓを設けた硬質プラスチック材例えばポリアセター
ル又は非磁性体の金属材から戒る固定ガイドピン１６，
１Ｂを前記加圧パッド７の両側近傍に配設してテープ走
行経路を形成せしめである。

なお、前記傾斜案内面によって形成される■字形の案内
溝Ｓはその溝巾Ｗを、前記磁気テープＴの金山と略同等
に、又傾斜角度θを前記磁気テープＴの厚さに応じて０
．２〜１０度の範囲に、夫々設定されている。

以上記述した如き固定ガイドピン１６，１８を前記加圧
パッド７の両側近傍に配設した前記記録再生部１２のテ
ープ走行経路に前記磁気テープＴを走行させると、該磁
気テープＴは前記固定ガイドピン１６，１８に予め設け
た前記傾斜案内面に沿って巾方向に彎曲しながら前記記
録再生部１２を通過して行く。

前記記録再生部１２を通過した前記磁気テープＴは前記
回転ガイドローラ５又は９の支持案内面と接触して彎曲
した面が平担に復元されて前記巻芯２又は３に巻取られ
る。

前記固定ガイドピン１６，１８により巾方向に彎曲した
前記磁気テープＴは、前記記録再生ヘッド挿入窓１３か
ら挿入された記録再生ヘッドに対して彎曲化されたこと
により高められた腰の強さくステイツフネス）が作用し
て比較的節目に接触すると共に、前記傾斜案内面により
案内溝Ｓの中心に向けて常にその走行方向の中心線がセ
ンタリングされるので、前記記録再生ヘッドに対する接
触度合及び位置が安定化される。

前記磁気テープＴをＡ面からＢ面に切換え操作するため
に、本考案カセットを反転せしめて、前記巻芯２又３か
ら回転ガイドローラ５又は９間のテープ走行経路内に装
架された前記磁気テープＴが巾方向に寄っても、前記固
定ガイドピン１６゜１８によりその寄りが自動的に修正
され、前記記録再生ヘッドに対する接触状態を良好に保
つことができる。

第４図は前記固定ガイドピン１６，１８の変更例を示し
たものであり、前記磁気テープＴに対する接触面を凹曲
状の傾斜案内面に変更したことを特徴とするものである
。

この傾斜度合及び溝巾も第３図のＶ字状傾斜案内面と略
同等に設定することにより前記Ｖ字状の傾斜案内面と同
等の効果を奏するものであり、特に前記磁気テープＴの
厚さが極めて薄く、そのため再生出力を不安定にするシ
ワ、又は折れシワが発生し易いテープに対しては望まし
い形状である。

以上、前述した本考案カセットは次の如き新規な効果を
奏するものである。

１ 記録再生部における２本の固定ガイドピンの磁気テ
ープ接触面を予めＶ字状又は凹曲状に傾斜せしめたので
、前記磁気テープは前記固定ガイドピン間で巾方向に彎
曲化されて、その腰の強さが高まり、記録再生ヘッドに
対する接触度合が一層安定化すると共に、巾方向の寄り
が自動的に修正され、前記記録再生ヘッドに対する接触
位置を、一定に保つことが可能になった。

２ その結果、カセットの切換え操作に伴い発生し易い
前記磁気テープの再生出力、周波数特性、等の電磁変換
特性の変動を著しくは抑制することが可能なカセットを
比較的廉価で提供することが可能になった。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来カセットのテープ走行経路機構を示す平面
図、第２図は第１図のＩ−Ｉ線に沿って切断した断面図
、第３図は本考案カセットの記録再生部に配設した固定
がイドピンの断面図、第４図は固定ガイドピンの変更例
を示す断面図である。 １２は記録再生部、１６及び１８は固定ガイドピン、Ｓ
は案内溝、Ｗは案内溝巾、θは傾斜角度、Ｔは磁気テー
プである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テープ走行経路が少なくとも固定がイドピン及び回転ガ
   イドローラーから成る磁気テープカセットにおいて、記
   録再生部の加圧パッド両側近傍の磁気テープが摺接する
   丸棒状外周面にｖ字状又は彎曲状の傾斜案内面を有し、
   かつその溝幅が前記磁気テープの幅と略等しく更にその
   溝の最も深い点が溝の中心にある案内溝を設けた一対の
   固定ガイドピン間に装架されている前記磁気テープが前
   記各案内溝により幅方向に彎曲化されてその腰の強さが
   高められると）もに、前記案内溝の中心に常にセンタリ
   ングされることを特徴とする磁気テープカセット。