JPS6037050Y2 - 保温式ガス炊飯器の露受構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （利用分野） 本考案は、ガス火力により炊飯し、炊飯完了後において
は、電熱装置及び保温層により加熱保温する形式の保温
式ガス炊飯器であって、特に、その露受構造に関する。

（従来技術及びその問題点） この種保温式ガス炊飯器として、すでに、実開昭５４−
８７１５６号のものが知られている。

これは筒状の保温層を上部枠に固定してこの保温層の内
周面を構成する内胴の上端を外方に張り出させてつば部
とし、このつば部の外周縁を上部枠の外周縁及びこの上
部枠に被蓋する上蓋の外周縁に一致させたものである。

また、上蓋の内面には、炊飯釜の上端部に内嵌し、且炊
飯釜上端のフランジ部に当接するフランジ筒を形成して
あり、しかも、このフランジ筒によって囲まれる上蓋に
蒸気抜きを形成しである。

このものでは、上蓋の内面への結露はフランジ筒内に限
定されることから、片開き式の上蓋を開いてもこれら結
露水が上記内胴外に流出しない。

フランジ筒の高さが十分高いことから、又、常識的には
上蓋の回動支点が上部枠外面に近接して設けられること
から、上蓋を直角に立てた状態でも、このフランジ筒の
内端が内胴のつば部より内側に位置するからである。

ところが、このものでは、中蓋下端と上蓋上面との間隔
はあまり小さくできない。

フランジ筒が炊飯釜の上端に深く嵌合するものであるか
ら、その分、前記間隔が大きくなるからであり、フラン
ジ筒の高さを低くした場合には、片開き式の上蓋を開く
途中でフランジ筒内に貯溜する結露水が、炊飯釜を収容
する内胴の外部に滴下してしまうこととなるからである
。

（技術的課題） 本考案は、このような片開き式の上蓋を具備する保温式
ガス炊飯器において、上蓋のフランジ筒が極端に短い場
合又はこれがない場合においても中蓋及び上蓋に付着す
る結露水が上蓋開放時に内胴外部に漏出しないようにす
るため、上蓋開放過程でその周縁の下端部が内胴上端の
つば部に囲まれる範囲内において移動するようにするこ
とをその課題とする。

（手段） 上記課題を解決するための本考案の技術的手段は、炊飯
釜５を取出し可能に収容する筒状の保温層４を上部枠１
内に定着して該保温層の内周面を構成する内胴１４の上
端を外方に張り出させてつば部１５となし、該つば部の
外周縁のみを環状の突条１７とするとともにこの突条を
炊飯釜５に被冠する上蓋１６の周縁近傍の垂下舌片１８
より外方に位置させ、炊飯釜５の下方に下部枠の内部装
置を保護する汁受皿３を位置させたことである。

（作 用） 上記技術的手段は次のように作用する。

上蓋の周縁に配設した垂下舌片１８はっは部１５の範囲
内で、しかも、突条１７のさらに内側に位置し、この垂
下舌片が上蓋１６の最下端部となる。

従って、片開き式の上蓋１６を開放するとき、この上蓋
１６が直角に開放するまでの各過程において前記垂下舌
片１８の一部が上蓋の最下端部となり、これがつば部１
５の範囲内で、しかも、突条１７の範囲内で移動する。

従って、結露水は確実にこの突条１７内に集められるこ
ととなる。

（結 果） 結露水は突条１７内に集められるから、結露水が外部に
漏出する心配がない。

既述従来例のように上蓋の内面に設けたフランジ筒によ
って外部への漏出を防止するものではないから、フラン
ジ筒は必要ではなく、その分中蓋と上蓋上面との間隔が
小さくできることとなり、器具の高さを低く押えること
ができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を第１図、第２図に基づいて説明
する。

第１図に於いて、１は上部枠でガス炊飯用諸装置を内蔵
する下部枠２の汁受皿３に外嵌載置され、該上部枠１に
はこれと適宜間隙を置いて内装定着される筒状の保温層
４が配設されると共に該保温層に炊飯釜５が取出し可能
に嵌入定置される。

この為、保温層４の下端からっは部６を張出させてこれ
と炊飯釜５の底部近傍に形成した段部７とが当接するよ
うに戊し、嵌入状態で炊飯釜５底部が下方の燃焼室８に
露出する。

前記燃焼室は炊飯釜５の底部と汁受皿３との間に形成さ
れて主バーナ９の炎孔部１０が該燃焼室に臨んで炊飯釜
５に対向すると共に、該燃焼室８は保温層４と上部枠１
との間に形成される間隙１１を介してその上端の開口部
１２から器具外部に連通ずる。

保温層４は中胴１３と内胴１４とにより構成される環状
空室内に断熱材料を充填したものであるが、前記内胴は
保温層４の上端面を含むつば部１５と一体化されて該つ
ば部の外周縁は上蓋１６の周縁からさらに外方に張出し
、これと上部枠１の上端縁との間が上記開口部１２とな
る。

また、つば部１５の外周側はその適宜範囲にわたって突
条部１７となって巻回し、該突条部の内周側上方に後述
する上蓋１６の周縁近傍の垂下舌片１８が位置する。

上蓋１６は上部枠１に片開き式で支持されて閉塞状態で
はフック等の保合手段でロックされ、これに一体化した
把手１９により炊飯釜５を含む上部枠１を持ち運び可能
にした構造を採り、さらに、炊飯釜５を直接閉塞する中
蓋２０が該上蓋１６とその中央部で第２図に詳記する如
く、連結されてこれらは一体的に開・閉される。

炊飯釜５の上端縁は保温層４の上方に突出しているため
、前記上蓋１６の周縁近傍は適宜量下方に突出して炊飯
釜５の上端部を適宜間隙を置いて包被するようになし、
さらに、該上蓋内に断熱材料を充填して保温層２１を形
成すると共に上蓋下面２２に電熱装置２３を添設し、炊
飯釜５の上方の加熱保温を図っている。

上記した保温式ガス炊飯器では、主バーナ９のガス火力
により炊飯が進行しこの時の燃焼排気は燃焼室８から間
隙１１を介して開口部１２から排出され、炊飯完了後は
保温層４，２１及びこれらに内蔵させた電熱装置２４．
２３により積極的に加熱保温される。

炊飯中等に上蓋１６下面に結露する露滴水はその一部は
中蓋２０上に滴下し、他の一部は周縁近傍の垂下舌片１
８から内胴１４のつば部１５上に滴下する。

前記垂下舌片は予めつば部１５の突条１７より内周側に
位置させであるため、前記滴下水は内胴１４と炊飯釜５
との微少間隙２５内に流れ込み該間隙内に一時的に貯留
される。

該間隙２５の底部はっは部６と段部７との当接により閉
塞されているが、この閉塞状態は完全な気密状態となっ
ておらず、前記貯留水の一部は該部分から汁受皿３上に
滴下し他の一部は最終的には気化されて上Ｍ１６とつば
部１５との間隙から排出される。

通常、前記汁受皿３はステンレス等の耐食性材料により
構成されているが、長期使用により万−該汁受皿に損傷
が生じてもその下方には電装部品は収容されていないた
め漏電等の事故の心配はない。

また、構造的には露受容器等が不要となるため、上部枠
１の構造が大幅に簡略化されて製造上の利点が大である
。

また、内胴１４はつば部１５と胴部が一体化された構造
であるから、突条１７から内側に流れる露滴水がその外
周の保温層４に侵入するおそれがなく、これに内蔵され
る電熱装置等の防水も完全なものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の一部切欠断面図、第２図は中蓋
と上蓋の関係を示す要部断面図であり。 図中、１・・・・・・上部枠、３・・・・・・汁受皿、
４・・・・・・保温層、５・・・・・・炊飯釜、１４・
・・・・・内胴、１５・曲・つば部、１６・・・・・・
上蓋、１７・・・・・・突条、１８・・曲事下舌片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 片開き式の上蓋を具備する保温式ガス炊飯器において、
   炊飯釜５を取出し可能に収容する筒状の保温層４を上部
   枠１内に定着して該保温層の内周面を構成する内胴１４
   の上端を外方に張り出させてつば部１５となし、該つば
   部の外周縁のみを環状の突条１７とするとともにこの突
   条を炊飯釜５に被冠する上蓋１６の周縁近傍の垂下舌片
   １８より外方に位置させ、炊飯釜５の下方に下部枠の内
   部装置を保護する汁受皿３を位置させた保温式ガス炊飯
   器の露受構造。