JPS6036986Y2 - ガス絶縁機器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は柱状絶縁スペーサーを用いたガス絶縁機器に関
するものである。

管路気中ケーブルや、遮断器と断路器間等の如き機器間
接続母線などのガス絶縁機器は、シース又は筐体内に所
定間隔毎に配置された絶縁スペーサーにより導体が支持
され、通常ＳＦ６ガス等が圧入されている。

従来この絶縁スペーサーには、コーン形および柱状形が
ある。

コーン形絶縁スペーサーは、第１図に一例の縦断面を示
すような形状のもので、コーン形絶縁スペーサー３は、
曲線状の円錐側面形状よりなる、例えばエポキシ樹脂注
型品で、金属製リング４（例、アルミリング）を介して
導体１を支持し、シース又は筺体２の所定間隔毎に設け
られたフランジ５により、シース又は筐体２に固着され
ている。

この方式では、スペーサー側面がガス絶縁機器の軸方向
に垂直な面に対し傾斜しているため、沿面距離が長く、
表面閃絡（Ｆ、Ｏ，）特性がすぐれており、又外力によ
り材料（エポキシ樹脂）内部に加わるストレスが小さい
長所があるが、スペーサーの重量が大で、かつ取付けに
フランジ５が必要となり、構造が複雑になるので１．高
価で、重くなる欠点があった。

一方、柱状形絶縁スペーサーは、第２図に一例の縦断面
を示すような形状のもので、柱状形絶縁スペーサー６は
、例えばエポキシ樹脂より戒り、ガス絶縁母線の軸方向
に垂直な方向の脚７を有し、一端には環状部を有し、金
属製リング４を介して導体１が嵌挿され、他端はシース
又は筐体２の内面にねじ等で固着されている。

この方式では、スペーサーの脚７がガス絶縁機器の軸方
向に垂直であるため、沿面距離が短かく、Ｆ、Ｏ，特性
はコーン形に比べ劣っており、又外力により材料（エポ
キシ樹脂）内部に加わるストレスが大きい欠点があるが
、スペーサーの重量が軽く、かつコーン形に比べ、取付
けが簡単であるので、安価で、軽い長所がある。

本考案は、上述の従来の問題点に鑑み戊されたもので、
ガス絶縁機器における柱状絶縁スペーサーの脚を軸方向
で交互に反対方向に傾斜させることにより、上述の従来
の両者の長所を組合せると共に欠点を解消し、絶縁スペ
ーサーのＦ、Ｏ０特性が良く、機械的破壊強度が大で、
取付けが容易なガス絶縁機器の構造を提供することが目
的である。

本考案は、シース又は筐体内に、形状が柱状であり、軸
方向に垂直な方向に対し傾斜した脚部を有する絶縁スペ
ーサーを、同一直線状に所定間隔毎に配置し、前記脚部
の傾斜方向を交互に反対にしたことを特徴とするガス絶
縁機器である。

第３図は本考案の実施例を示す縦断面図で、図において
、第１図および第２図と同一の符号はそれぞれ同一の部
分を示す。

８は形状が柱状である柱状形絶縁スペーサーで、その脚
部９はガス絶縁機器の軸方向に垂直な方向に対し傾斜し
ており、一端には環状部１０が形成され、金属製リング
４を介して導体１が嵌挿支持される。

他端はシース又は筺体２の内面にねじ等により固着され
ている。

複数個の柱状形絶縁スペーサーは８は、同一直線状（軸
方向に一列）に配置され、所定間隔毎、例えは６ｍ毎に
配置され、各のスペーサーの脚部９の傾斜方向は、交互
に反対の方向にしてあり、このようにすると、絶縁スペ
ーサ−８にかかるガス絶縁機器の軸方向又はそれに垂直
な方向の力に対してより安定して支持しうる効果があり
、より好ましい。

又コーン形絶縁スペーサーと組合せて使用する作合には
、所定間隔毎に柱状絶縁スペーサー８をコーン形を交互
に配置し、その傾斜方向を交互に反対にすると、上述と
同様により好ましい。

なお図では、脚部９が１本の場合について示したが、本
考案はこれに限られるものではなく、脚部が軸方向に垂
直な面内に配置された２本又は３本などの複数本であっ
ても良い。

このような柱状形絶縁スペーサー８は通常モールド成型
により、例えばエポキシ樹脂を注型し、金属製リング４
と一体にして成型される。

上述のように構成された本考案のガス絶縁機器は次のよ
うな効果がある。

（イ）使用する絶縁スペーサーは、形状が柱状であり、
ガス絶縁機器の軸方向に垂直な方向に対し傾斜した脚部
を有するため、脚部が第３図に示す電界方向１１と斜め
に交わるから、沿面距離が、従来の柱状形絶縁スペーサ
ーに比べ長いので、表面閃絡（Ｆ、Ｏｏ）特性がすぐれ
ており、又柱状構造のため、エポキシ樹脂量が少なくて
すみ、軽量、安価であり、かっシース又は筐体への取付
けが容易である。

なお沿面距離が長いことは、特に絶縁スペーサーの表面
汚染時の絶縁保持に有効である。

（ロ）又絶縁スペーサーが、上述のように脚部が傾斜し
ているから、外力がかかった場合、材料（エポキシ樹脂
）内部に加わるストレスが小さいので、スペーサーの内
部破壊強度大きく、外力による破損が防止されると共に
、スペーサーを同一直線状に配置し、その脚部の傾斜方
向を交互に反対にしであるから、スペーサーにかかるガ
ス絶縁機器の軸方向又はそれに垂直な方向の力に対して
より安定にして支持しうる効果がある。

従って本考案は、電気的、機械的特性にすぐれ、安価で
、製造容易なガス絶縁機器を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ従来のガス絶縁機器の構
造を示す縦断面図で、第１図はコーン形絶縁スペーサー
を、第２図は柱状形絶縁スペーサーを使用したものを示
す。 第３図は本考案の実施例を示す縦断面図である。 １・・・・・・導体、２・・・・・・シース又は筐体、
３・・・・・・コーン形絶縁スペーサー、４・・・・・
・金属製リング、５・・・・・・フランジ、６，８・・
・・・・柱状形絶縁スペーサー、７・・・・・・脚、９
・・・・・・脚部、１０・・・・・・環状部、１１・・
・・・・電界方向。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シース又は筐体内に、形状が柱状であり、軸方向に垂直
   な方向に対し傾斜した脚部を有する絶縁スペーサーを、
   同一直線状に所定の間隔毎に配置し、前記脚部の傾斜方
   向を交互に反対にしたことを特徴とするガス絶縁機器。