JPS6035805Y2 - トラクタ等における湿式多板ブレ−キ - Google Patents

トラクタ等における湿式多板ブレ−キ

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JPS6035805Y2
JPS6035805Y2 JP1978013177U JP1317778U JPS6035805Y2 JP S6035805 Y2 JPS6035805 Y2 JP S6035805Y2 JP 1978013177 U JP1978013177 U JP 1978013177U JP 1317778 U JP1317778 U JP 1317778U JP S6035805 Y2 JPS6035805 Y2 JP S6035805Y2
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brake
pressure plate
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braking force
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康一郎 富士崎
潤一郎 市川
重夫 原田
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株式会社神崎高級工機製作所
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Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、トラクタ等の農用作業車或はホイールロー
ダ等の土建車輌等において、走行制動用のブレーキとし
て汎用されている湿式多板ブレーキに関するものである
この種の湿式多板ブレーキに自己サーボ効果を有せしめ
ブレーキ操作力を軽減するように図ることは、例えば特
開昭52−68673号公報に開示されているように、
既に公知である。
そして上記公報のものは、車輌の前進時と後進時とでは
被制動軸の回転方向が互に逆となるのに対し、車輌の前
進時にも後進時にも自己サーボ効果が生じるようにすべ
く、湿式多板ブレーキにおける摩擦板と相手板間を圧接
させるプレッシャープレートの回転変位方向が車輌の前
進時と後進時とでは互に逆方向となるように、ブレーキ
操作機構を構成している。
ところで要求される制動力は車体の慣性力によって決定
されるのに対し、トラクタ等の車輌では前進時より後進
時の方が車速を小さくされるから、前進中の車輌を制動
するためには大きな制動力を必要とするも、後進中の車
輌を制動するためには小さな制動力であってもよい。
したがって実際上、車輌前進中にブレーキを作動させた
場合にのみ自己サーボ効果が生じることとしておくこと
で、ブレーキ操作力の軽減目的は十分に遠戚され、上記
公報のもののように車輌後進中のブレーキ作動時にも自
己サーボ効果が生じるように操作機能を構成することは
、該操作機構の構造が複雑化する点でむしろ、好ましく
ない。
しかしそうかといって、車輌前進中の制動時にのみ自己
サーボ効果を生じさせることとした場合であって該サー
ボ効果を大きく高めた場合には、車輌後進中の制動時に
おける制動力がそれだけマイナスされるから、車輌後進
中に必要な制動力でもってブレーキを作動させるための
操作力が高められることとなる。
すなわち、ブレーキ操作力を一定とすると湿式多板ブレ
ーキの基本制動力は、摩擦保合面の数及び大きさ等によ
って決定され、自己サーボ効果を有するブレーキでは該
基本制動力にサーボ効果に基づく制動力がプラスされる
わけであるが、上記のように車輌前進中の制動時にのみ
自己サーボ効果が生じるように湿式多板ブレーキを構成
するときは、車輌後進中における制動時の制動力が基本
制動力からサーボ効果に基づく制動力分だけマイナスさ
れた値のものとなる。
したがってその場合、自己サーボ効果を大きく高めたと
すると上記のように車輌後進時におけるブレーキ操作力
が高められることとなるのである。
そして、前記したように前進中の車輌を制動するために
必要な制動力は大きく後進中の車輌を制動するために必
要な制動力は小さいのに対し、車輌の前進中にも後進中
にも同一のブレーキ操作力でもってその都度の必要な制
動力が得られるのが、理想的である。
前記した特開昭52−68673号公報のものは、前後
進何れの場合にも自己サーボ効果が生じることとしてい
るから、車輌前進時に必要な制動力を得るためのブレー
キ操作力の方が車輌後進時に必要な制動力を得るための
ブレーキ操作力よりもずっと大きくなるものと、なって
いる。
この考案は、上記したような事実に鑑み、ブレーキ操作
力を軽減する自己サーボ効果を有する湿式多板ブレーキ
であって、車輌前進中の制動時にのみ自己サーボ効果を
生じさせることとしてあって操作機構の構造を複雑化せ
ず、しかも車輌の前進中にも後進中にもほぼ同一のブレ
ーキ操作力でもってその都度の必要な制動力が得られる
ようにすることが容易である、トラクタ等における新規
な湿式多板ブレーキを、提供しようとするものである。
図示の実施例について、この考案に係るトラクタ等にお
ける湿式多板ブレーキの構成を説明すると、第1図に示
すように、機体前部にエンジン1を塔載し、このエンジ
ン1の動力を、それぞれ機体の一部を構成しているクラ
ッチハウジング2とミッションケース3とリヤハウジン
グ4との内部を経て、走行駆動車輪である左右の後輪5
へと伝達して機体の走行を行なわせると共に機体後部へ
連結される作業機(図示せず)へ伝動するPTO軸6へ
と伝達して作業機駆動を行なわせるように、構成された
農用トラクタであって、機体の操向を、乗用座席7に座
乗せる作業者が操作バンドル8により左右の前輪9を旋
回操作して行なうように、構成された農用トラクタにお
いて、この考案は、次のように実施されている。
すなわち、左右後輪5へと伝達される走行動力について
の変速は、上記のミッションケース3内にて行なわれ、
上記のリヤハウジング4内には、機体回行時に左右の後
輪5に所要の回転差を附与するための差動装置(図示せ
ず)が設けられており、この差動装置の左右の出力軸1
0を、第2図に示すように、該軸10上に小径歯車11
を後輪車軸5a上の大径歯車12と噛合せることで、左
右の後輪車軸5aと減速連動連結して、左右後輪5への
伝動径路が完成されているのであるが、この考案に係る
湿式多板ブレーキBは、左右の後輪5を制動するための
左右のブレーキとして、次のように設置されている。
すなわち、第1−3図に示すように、リヤハウジング4
の各側外面には、固定具13(第3図)により固定して
ブレーキケース14を装着してあり、第2図に示すよう
に、各出力軸10をその先端部でこの各ブレーキケース
14内に臨ませである。
そして出力軸10先端部上には、内面のスプラインにて
スプライン嵌合し舌片き座金15及び締付ナツト16に
て位置固定して、スプライン筒17を設けてあり、この
スプライン筒17外面のスプラインを利用して複数枚の
摩擦板18を、軸10と相対回転不能ではあるが軸10
の軸線方向に沿い摺動自在に設けである。
そして、これらの複数摩擦板18に対し圧接させる複数
枚の相手板19が、通例のように摩擦板18と交互に配
して設けられており、これらの摩擦板18と相手板19
との集合体は、該集合体の外面側においてブレーキケー
ス14内に設けられたプレッシャープレート20であっ
て後述するように軸線まわりでの回動変位によりカム手
段にて上記集合体方向に押されるプレッシャープレート
20にて、該プレッシャープレート20とブレーキケー
ス14内の受圧板21との間で圧接せしめられることと
されている。
以上のようであるが、第2,3図に示すように、プレッ
シャープレート20には、その外周面上に円周方向にお
いて間欠的に形成せる突出部にブレーキ軸線方向に沿う
ピン嵌合穴20aを形威してあり、この各ピン嵌合穴2
0aに基端部を嵌合支持させたピン22を設けて、相手
板19のうちのプレッシャープレート20側に位置する
複数(図示の場合には2枚)の相手板19にブレーキ軸
線方向に沿わせ穿けたピン挿通穴19aに該ピン22の
先端部を挿通し、もってこれらのピン22を介して上記
の相手板19をプレッシャープレート20に対し相対摺
動自在ではあるが相対回転不能に支持させているのであ
る。
第2,3図から明らかなように相手板19及び受圧板2
1はその外周面上に、プレッシャープレート20の上記
突出部同様の突出部を有するものに形威されており、上
記した相手板19のピン挿通穴19aは該突出部に穿設
されている。
そしてピン22を介しプレッシャープレート20に相対
回転不能に支持させた相手板19を除いた残りの相手板
19と受圧板21とは通例のように、上記した外周面上
の突出部を、第3図に示すようにブレーキケース14の
内周面上に円周方向に沿い間欠的に形威した突出部間に
臨ませることによって、ブレーキケース14により回転
変位範囲と外周方向への変位とを規制するのみで摺動及
び回転自在に設けられている。
なお第2図において23は、ブレーキ軸線方向に沿う小
径ガイド杆24上に配設せるリターンスプリングである
次に、図示のブレーキBの他の部分の構成を説明してお
くと、プレッシャープレート2Gを摩1板18及び相手
板19圧接方向に変位させるためのカム手段は、次のよ
うな構成のものとされている。
すなわち、プレッシャープレート20には摩擦板18及
び相手板19の反対側の面において、円周方向に沿い間
欠的に溝穴25を有する突部を形威してあり、各溝穴2
5に1個宛収容して複数個(例えば6個)のボール26
が、その略半部をプレート20から突出状に、円周方向
に沿い間欠配置されている。
またブレーキケース14の側端間口は、該ケース14に
固定されるケース蓋14aにより閉塞されるようになさ
れているが、このケース蓋14aの内面には、円周方向
に沿い間欠的に肉厚部を形威して該肉厚部において溝穴
27を形成してあり、この各溝穴27内に嵌合装着して
、次のようなカム金物28を設けである。
すなわちこのカム金物28には、ボール26に対向位置
するカム溝29を形威して、各ボール26の一部を各カ
ム溝29内へと臨ませてあり、各カム溝29はその内底
面に、通例のように、プレッシャープレート20とボー
ル26との円周方向に沿う変位でボール26に作用し、
該ボール26を介しプレッシャープレート20を摩擦板
18及び相手板19方向に押圧変位させるカム斜面29
aを有するものとされているが、図示の場合には特に、
第4図に明瞭に示すように、該カム溝29の中央に溝穴
29bを形威し、後述のような作用を得るように図っで
ある。
なお第2図において、3oはケース蓋14aの内面に円
周方向に沿い間欠的に形成せる突出部でプレッシャ−プ
レート20内周面を支承する機能のもの、31はケース
蓋14aに支持させカム金物28背面に先端を当てた調
節ボルトでカム金物28位置をブレーキ軸線方向に沿い
調節可能とするものである。
プレッシャープレート20を軸線まわりで回動変位させ
るための操作機構は、次のように構成されている。
すなわち、第2図に示すように、ケース蓋14aには操
作軸32を、軸線まわりで回動自在に支持させてあり、
ブレーキケース14内においてこの操作軸32に基端で
固定して回動アーム33を設け、この回動アーム33の
自由端部に操作軸32軸線方向に沿わせて作動ピン34
を固定すると共に、第2,3図に示すように、プレッシ
ャープレート20に円周方向の一部で係合溝35を形成
して、上記作動ピン34をこの係合溝35内に臨ませ、
もって操作軸32の軸線まわりでの回動変位で回動アー
ム33を該操作軸32まわりで回動変位させ、これによ
り作動ピン34を介しプレッシャープレート20を軸線
まわりで回動変位させるものとされている。
そして操作軸32には、ブレーキケース14外において
作動アーム36を固定してあり、この作動アーム36を
第1図に示すように、リンク手段37を介して左右の各
ブレーキペダル38へと連動連結して、各ブレーキペダ
ル38の踏込み操作で各ブレーキBを制動作用させるよ
うになされている。
第1−4図に図示の湿式多板ブレーキBは、以上に述べ
たように構成されているから、ブレーキペダル38の踏
込みによりプレッシャープレート20を軸線まわりで回
動変位させると、該プレッシャープレート20と共に円
周方向に変位するボール26がカム溝29のカム斜面2
9aに押され、これによりボール26を介してプレッシ
ャープレート20が摩擦板18及び相手板19方向に押
圧変位せしめられて、該摩擦板18と相手板19の互い
間を圧接係合させると共にその全体を受圧板21へ押付
けて、軸10を回転不能に拘束し、所要の制動作用が得
られるのであるが、一部の相手板19を前記のようにピ
ン22を介しプレッシャープレート20に相対回転不能
に支持させであることから、特に次のような作用が遠戚
される。
すなわち、摩擦板18は相手板19に対し、該両板18
,19間の摩擦係合で該相手板19を摩擦板18と共に
回転させようとする力を作用させるから、この力が相手
板19からピン22を介してプレッシャープレート20
へと伝達されて、該プレッシャープレート20にも摩擦
板18から回動力が作用せしめられる。
そしてこのようにプレッシャープレート20が回動せし
められることにより、カム手段26.29にて該プレッ
シャープレート20が摩擦板18と相手板19間の圧接
方向に変位せしめられることとなるから、ペダル38踏
込みにより人為的に得られる制動力F1に加えていわば
自己サーボ効果による制動力Fが自動的に生ぜしめられ
ることとなる。
つまり、このようにプレッシャープレート20と相手板
19間を相対回転不能とすることで自己サーボ効果を有
せしめたことよりして、このような自己サーボ効果を有
しない従来のこの種ブレーキよりも、ブレーキペダル3
8の同一踏力に対しても、該踏力により得られる制動力
をF□とすると、従来のものが、 W:Fl ・・・・・・(1
)といった制動力しか得られなかったのに対し、W=F
□十F ・・◆・・・(2)とい
った、自己サーボ効果による制動力F分だけ大な制動力
が得られるのである。
このことは、逆に言うと、同一制動力を必要とする場合
で比較すれば、本案に係るブレーキBは従来のものと比
較して、より小さなペダル38踏力で該同一制動力が得
られることを意味し、したがってこの考案に従った湿式
多板ブレーキBは、その操作力を軽減された、軽快に操
作を行ない得るものとなっているのである。
そして容易に理解されるように、上述の自己サーボ効果
が生じるのは軸10の回転方向がプレッシャープレート
20の回転変位方向と等しい場合であり、この種のブレ
ーキにおいて通例であるようにブレーキペダル38の踏
込みにより回転変位せしめられるプレッシャープレート
20の回転変位方向はこれを車輌前進時における軸10
の回転方向と一致させであるのに対し、軸10がプレッ
シャープレート20の回転変位方向とは逆の方向に回転
せしめられる車輌後進中のブレーキ作動時には、軸10
上の摩擦板18から相手板19及びピン22を介しプレ
ッシャープレート20へと伝達される回転力がブレーキ
操作方向とは逆方向をとるから、このような逆サーボ効
果で得られる制動力W′は、 W’=FニーF ・・・・・・(
3)となる。
ところで図示のブレーキBでは、複数枚設けられている
相手板19の全てをプレッシャープレート20に相対回
転不能に支持させているのではなく、一部の相手板19
(図示の場合には2枚の相手板)のみを、ピン22を介
してプレッシャープレート20に相対回転不能に支持さ
せ、他部の相手板19(図示の場合には1枚の相手板1
9)及び相手板19同様に機能する受圧板21はこれを
、プレッシャープレート20とは相対回転自在に設けて
いる。
したがってブレーキペダル38の踏力により摩擦係合し
て基本制動力F□を与える摩擦係合面の面数よりも、軸
10側からプレッシャープレート20方向に回転力を伝
達するように摩擦係合して自己サーボ効果に基づく制動
力Fを附与する摩擦係合面の面数の方が、少なくなって
いる。
このため、図示の場合と異なり全ての相手板19をプレ
ッシャープレート20に相対回転不能に支持させ該全て
の相手板19をサーボ作用に関与させた場合に得られる
、自己サーボ効果に基づく制動力F′と比較して、図示
ブレーキBの自己サーボ効果に基づく前記制動力Fは小
さくなっている。
すなわち、F<F’ ・・
・・・・(4)である。
そして図示ブレーキBにおける自己サーボ効果に基ツ<
制動力Fはこれを、プレッシャープレート20に相対回
転不能に支持させる相手板19の枚数をブレーキの設計
に際し変更することで変更できることとなっている。
すなわち基本制動力F1の値と比較しての自己サーボ効
果に基づく制動力Fの値を、容易に変更可能である。
したがって車輌前進中のブレーキ作動時における制動力
Wが前記の式(2)のようであり車輌後進中のブレーキ
作動時における制動力W′が前記の式(3)のようであ
って、車輌前進中に車輌制動を得るために必要な制動力
の方が車輌後進中に車輌制動を得るために必要な制動力
よりもδWだけ大であるとすると、式 %式%(5) が満足されるように制動力Fを設定すれば、同一のペダ
ル踏力により車輌の前進中にも後進中にも必要な制動力
を確保できることとなるのに対し、そのような自己サー
ボ効果に基づく制動力Fを、プレッシャープレート20
に相対回転不能に支持させる相手板19の枚数の選択で
式(5)がほぼ満足されるように設定できることとなっ
ている。
すなわち、この考案に従った図示ブレーキBは、車輌の
前進中にも後進中にもほぼ同一のブレーキ操作力でもっ
てその都度の必要な制動力が得られるように、ブレーキ
の具体構造を設計することが容易であるものとなってい
る。
また図示の場合には、カム溝29に前記のような溝穴2
9bを形成しであるから、第4図から明らかなように、
ボール26の端面が該溝穴29bを抜出すまでの距離d
の間は、プレッシャープレート20の回転変位量と該ボ
ール26を介してのプレッシャープレート20の摺動変
位量とが等しくなり、プレッシャープレート2oが迅速
に摩擦板18及び相手板19方向に変位せしめられるこ
ととなると共に、以後は、プレッシャープレート20の
回転変位量をX、カム斜面29aの傾斜角度をθとする
と、プレッシャープレート20の摺動変位量yは、 y=X tan θ となり、プレッシャープレート20がゆっくりと摩擦板
18及び相手板19方向に変位せしめられることとなる
すなわち、ブレーキB操作中に、操作力をあまり要しな
い初期の間はプレッシャープレート20が迅速変位せし
められ、係合状態に入り操作抵抗を増す終期には該プレ
ッシャープレート20のゆっくりとした変位が得られて
、迅速且つ容易なブレーキ操作が達成されることとなっ
ている。
次に第5図に図示の他の実施例について説明すると、こ
の実施例では、相手板19の外周位で該相手板19方向
に延出させた支筒体40を、プレッシャープレート20
に一体的に形成腰この支筒体40の内周面にブレーキ軸
線方向に沿う複数溝穴40aを、円周方向に沿い間欠的
に形成して、一部の相手板19の外周端に円周方向に沿
い間欠的に突出形威せる爪19bを該溝穴40a内に臨
ませることで、該一部の相手板19のみをプレッシャー
プレート20に、相対摺動自在ではあるが相対回転不能
に支持させている。
この他の実施例の作用及び長所とするところは、先の実
施例について説明したのと同様である。
以上の実施例の説明から明らかなように、この考案のト
ラクタ等における湿式多板ブレーキは、ブレーキケース
14内に摺動及び回転変位自在に設けたプレッシャープ
レート2oと固定受圧面との間で、被制動伝動軸10に
相対摺動自在ではあるが相対回転不能に支持させた複数
枚の摩擦板18と摺動自在な複数枚の相手板19とを交
互に配して設け、ブレーキケース内面と上記プレッシャ
ープレートとの間に、プレッシャープレートの円周方向
に沿って傾斜するカム斜面29aを有するカム溝29に
収容されプレッシャープレート20に接当させであるボ
ール26を備えたカム手段を配設すると共に、上記プレ
ッシャープレートを車輌前進時における上記被制動伝動
軸の回転方向と同一方向に回転変位させるための操作手
段を設けである、トラクタ等における湿式多板ブレーキ
であって、前記した複数枚の相手板19のうちの一部の
相手板19のみを前記プレッシャープレート20に、相
対摺動自在ではあるが相対回転不能に支持させ、残りの
相手板19はブレーキケース14により回転変位範囲と
外周方向への変位とを規制するのみで摺動及び回転自在
に設けたことを、特徴としてなる構成のもので、次のよ
うな長所を備えている。
すなわち、この考案の湿式多板ブレーキは、相手板19
をしてプレッシャープレート20に上記のように支持さ
せであることから、大きな制動力を必要とする車輌前進
時におけるブレーキ操作力が軽減される自己サーボ効果
を有するものとなっているが、複数枚設けられた相手板
19の全てをプレッシャープレート20に支持させるの
ではなくそのうちの一部の相手板19のみをプレッシャ
ープレート20に支持させていることから、先に詳述し
たように、基本制動力を与える摩擦係合面の面数よりも
サーボ効果に基づく制動力の附与に関与する摩擦係合面
の面数の方が少なく、後者の摩擦係合面の面数をプレッ
シャープレート20に支持させる相手板19の枚数の選
択により変更して、基本制動力の値と比較しての自己サ
ーボ効果に基づく制動力の値を調整し、車輌の前進中に
も後進中にもほぼ同一のブレーキ操作力でもって必要な
制動力が得られるようにブレーキの具体構造を設定する
ことが容易なものとなっている。
またこの考案の湿式多板ブレーキは、車輌後進中の制動
時における逆サーボ効果による制動力低下、したがって
ブレーキ操作力の増大を、プレッシャープレート20に
支持させない相手板19によっていわば抑制したものと
なっていて、ブレーキ操作機構を複雑化することなく車
輌後進中のブレーキ操作も軽快に行なえることとするも
のとなっている。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例を装備した農用トラクタの
概略側面図、第2図は同実施例の縦断面図、第3図は第
2図の■−■線に沿った一部省略断面図、第4図は同実
施例の一部材の断面展開図、第5図は他の実施例の縦断
面図である。 B・・・・・・湿式多板ブレーキ、10・・・・・・差
動装置出力軸、14・・・・・・ブレーキケース、17
・・・・・・スプライン筒、18・・・・・・摩擦板、
19・・・・・・相手板、19a・・・・・イン挿通穴
、19b・・・・・・爪、20・・・・・・プレッシャ
ープレート、20a・・・・・イン嵌合穴、21・・・
・・・受圧板、22・・・・・ゼン、26・・・・・・
ボール、28・・・・・・カム金物、29・・・・・・
カム溝、32・・・・・・操作軸、33・・・・・・回
動アーム、34・・・・・・作動ピン、35・・・・・
・係合溝、36・・・・・・作動アーム、38・・・・
・・ブレーキペダル、40・・・・・・支筒体、40a
・・・・・・溝穴。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 ブレーキケース内に摺動及び回転変位自在に設けた
    プレッシャープレートと固定受圧面との間で、被制動伝
    動軸に相対摺動自在ではあるが相対回転不能に支持させ
    た複数枚の摩擦板と摺動自在な複数枚の相手板とを交互
    に配して設け、ブレーキケース内面と上記プレッシャー
    プレートとの間に、プレッシャープレートの円周方向に
    沿って傾斜するカム斜面を有するカム溝に収容されプレ
    ッシャープレートに接当させであるボールを備えたカム
    手段を配設すると共に、上記プレッシャープレートを車
    輌前進時における上記被制動伝動軸の回転方向と同一方
    向に回転変位させるための操作手段を設けである。 トラクタ等における湿式多板ブレーキであって、前記し
    た複数板の相手板のうちの一部の相手板のみを前記プレ
    ッシャープレートに、相対摺動自在ではあるが相対回転
    不能に支持させ、残りの相手板はブレーキケースにより
    回転変位範囲と外周方向への変位とを規制するのみで摺
    動及び回転自在に設けたことを、特徴としてなる湿式多
    板ブレーキ。 2 前記した一部の相手板を前記プレッシャープレート
    に、プレッシャープレートに基端で支持させて相手板方
    向に延出させたピンであって該一部の相手板に形成せる
    貫通穴に挿通させたピンを介し支持させであることを特
    徴としてなる、実用新案登録請求の範囲第1項に記載の
    トラクタ等における湿式多板ブレーキ。 3 前記した一部の相手板を前記プレッシャープレート
    に、プレッシャープレートから一体的に相手板外周位で
    該相手板方向に延出させた支筒体であって前記した一部
    の相手板外周面上の爪が臨む溝穴を円周方向に沿い間欠
    的に形成された支筒体を介し支持させであることを特徴
    としてなる、実用新案登録請求の範囲第1項に記載のト
    ラクタ等における湿式多板ブレーキ。
JP1978013177U 1978-02-03 1978-02-03 トラクタ等における湿式多板ブレ−キ Expired JPS6035805Y2 (ja)

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