JPS6034909Y2 - 燃焼装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、温風風量と燃焼用空気量が比例的に制御され
るようにした燃焼装置に開−構成が簡単で、温風用風量
を制御することにより、燃焼出力調節を可能にした温風
暖房装置等に好適な燃焼装置を提供するものである。

石油等の液体燃料を用いる燃焼器において、燃焼に用い
られる空気は、燃料との割合が化学量論的比率で定めら
れる一定の空燃比となるように供給されなばならない。

しかしながら、従来は定められた供給量を、安定して得
ることは、風などの影響により極めて困難であった。

そのため空気の不足あるいは過剰状態が発生し、燃焼状
態が悪化したり、熱効率を低下せしめたりする欠点があ
った。

このような空燃比の変動による問題は燃料の供給量を変
化させる場合にも生じる。

即ち、燃焼量の調節は、ガンタイプにおいて霧化量、ポ
ット式においては注入量、灯芯式においては気化面積を
調節することによって行うが、いづれの場合も燃焼部へ
の燃料の供給量を調節しているので、一定の空気供給量
であると、空燃比が変動し、前述の問題が生じる恐れが
ある。

従って、燃焼量の調整範囲は空燃比によって限定される
狭い範囲にならざるを得す、調整範囲を広くしようとす
れば最適な空燃比をある程度儀性にしなければならず、
その結果燃焼装置は悪化する。

また、従来は燃焼量の調節が、燃料の供給量を直接加減
することによって行われていたため、調節装置は燃料に
接触せざるを得す、燃料中に混在する水、燃料の変質な
どによる腐食あるいはタール質などの付着による動作不
良等の問題が生じやすかった。

その他に、空燃比を一定に保つために燃料と空気の供給
量をそれぞれ相関をもって機械的なダンパーの開閉制御
手段等にて調節する燃料装置が存在するが、構成が複雑
になるばかりか、空気量が少なくなるにつれて適正な空
燃比に保つための燃料の供給量の変動許容範囲は小さく
、従って、機械的な開閉手段等によるものでは、空燃比
制御が適正でなくなったり、装置の設計や製造に高度の
精密さが要求される等の問題があった。

本考案は上記問題を解決するものであり、１個の送風機
の駆動による温風用空気の流れにより生じる負圧により
、バーナへの燃焼用空気を吸引する構造とし、かつ、燃
焼用空気量の変化に応じて燃料の気化量が変化する構造
のバーナを用い、温風量を制御することにより燃焼量が
自動的に変化し、出力を調節することができる燃焼装置
を提供するものである。

以下、本考案を温風暖房機に適用した実施例について、
図面を用いて詳細に説明する。

第１図において暖房機本体１の下方部には、燃料タンク
２を備え、その上方にバーナ３を備え、さらにその上方
にはプロペラ型の送風機４と、これを駆動するモータ５
とを備でいる。

また、バーナ３は複数の筒状部材で構成し、具体的には
内炎筒７、外炎筒８と、これらの上方に、内部に燃焼室
１８を有する円筒状の燃焼筒９を配置し、さらに、燃焼
筒９の上方を制風板６で閉塞している。

一方、バーナ３の下方は、下端を燃料タンク２内の燃料
１０に浸し、上端部を内炎筒７と外炎筒８との間に露出
させた燃料の蒸発体としての灯芯１１とから構成してい
る。

さらに内炎筒７および外炎筒８には、それぞれ気化用空
気が流れる気化用空気が流れる気化用空気ロアａ、８ａ
と予混合用空気が流れる予混合用空気ロアｂ、８ｂから
戊る一次空気口を有し、内炎筒８上方には、内炎筒７上
方に配した閉止板１７と燃焼筒９との間に、燃焼用空気
の二次空気が流れる二次空気口１２を有する。

空化用空気ロアａ、８ａは灯芯１１の上端部近傍に対向
する位置にあり、その上方に予混合用空気ロアｂ、８ｂ
が位置しているとともに、一次空気と二次空気とが、常
に燃焼に望ましい比率になるよう気化用空気７ａｔ８ａ
予混合用空気ロアｂ、８ｂとから成る一次空気口と二次
空気口１２とが設けられている。

さらに、円筒状の燃焼筒９上端を閉塞するように配した
制風板６は、その中央を送風機４方向へ凸とした略円錐
状とし、その頂部にモータ５の外径より小径な制圧口１
６を設けている。

さらに、この制圧口１６を送風機４の回転中心近傍に臨
ませて燃焼筒９内の燃焼室１８と燃焼筒９外と連通させ
、燃焼室１８内の燃焼ガスが制圧口１６を介して外部へ
流出する構成にしている。

また、内炎筒７の内側通気路１３および燃焼筒９と外炎
筒８との間の通気路１４は暖房機本体１の下方に設けた
燃焼用空気給気口１５を介して外部に開放している。

また、燃焼筒９の外側に燃焼筒９と同心的に配し、送風
機４付近まで上方に延出した外筒１９は送風機４の送風
ガイドの役目を持たすとともに、燃焼筒９との間の通風
路は温風路２０となり、暖房機本体１前面に設けた温風
吐出口２１を介して外部に開放されている。

なお、２２は暖房機本体１上方後面に設けた温風用給気
口を示す。

また、本構成のバーナ３は送風機４による温風用空気流
により燃焼用空気（一次空気と二次空気）が吸引される
ものであり、灯芯１１からの燃料１０の気化量は、気化
用空気？ａ、８ａを通過する気化用空気流量に略比例す
るように構成している。

すなわち、本構成のバーナ３は燃焼用空気流量に対して
燃焼量が略比例するものである。

なお、第１図において実線矢印は温風用空気の流れを、
また一点鎖線矢印は燃焼用空気および燃焼排ガスの流れ
を示す。

上記構成の暖房機のバーナ３を燃焼させた場合の作用を
次に説明すると、モータ５の駆動により送風機４が回転
し、温風用空気給気口２２を介して温風吐出口２１へ温
風用空気（実線矢印）が流れる。

通常、プロペラ型送風機の場合、送風機のごく近傍の下
流側の回軸中心付近は第２図に示すように、負圧領域に
なっており、この負圧領域はモータ５の大きさ等によっ
て左右される状態にある。

−一方、本実施例の場合、燃焼筒１８上部を制風板６閉
塞するとともに、制風板６の中央を送風機４方向へ凸と
し、その頂部に、送風機４の回転中心近傍に臨ませて制
圧口１６を設けているため、丁度制圧ロ１６外が負圧と
なる。

このため燃焼室１８内の空気が前記負圧によって制圧口
１６より送風機方向に吸出される。

従って、制圧口１６を介して燃焼室１Ｂ内が負圧領域に
なるため燃焼用空気給気口１５から通気路１３および１
４を介して燃焼室１８内へ燃焼用空気が吸引され、しか
も負圧の大きさは、温風用空気流量に比例する性質があ
るため、燃焼用空気も温風用空気流量に比例的になる。

第２図は、送風機４下流側の圧力分布を示す特性図で、
横軸に外筒９の半径を、縦軸に圧力を示したものでここ
に見られるように送風機４下流に負圧領域が存在してい
る。

第３図は温風用空気流量と燃焼室内圧との関連を示す特
性図である。

一方、灯芯１１からの燃料１０の気化量は一次空気流量
に比例するとともに一次空気量と二次空気量とは常に燃
焼に望ましい比率になるように気化用空気ロアａ、８ａ
、予混合用空気ロアｂ、８ｂおよび二次空気口１２とを
設定しているため、灯芯１１からの燃料１０の気化量は
温風用空気流量に略比例する。

従って燃焼室１Ｂにおけるバーナ３の燃焼量は送風機４
の送風量を加減することで調節することができる。

さらに本実施例の場合に送風機４としてプロペラ型の送
風機を用いた場合、送風機下流側の負圧領域は、通常、
送風機４によって送気されている主空気流との間の圧力
バランスの関係で、非常に不安定な圧力状態になり、送
風機４の送風能力を低下させるのみか、送風機４による
騒音発生の一原因にもなっている。

そこで、本実施例に示すように制風板６の中央部を送風
機４方向へ突出させることにより、上記圧力の不安定に
なる領域を小さくすることができるため送風機４によっ
て送気される主空気流の一部がこの不安定領域にフィー
ドバックしにくくなって、この結果として負圧は安定し
たものとなって常に燃焼室１８内の排気ガスが制圧口１
６を介して送風機４側に流れるため、上記欠点を大幅に
改良することができるものである。

さらに、燃焼筒９の外周囲を温風路２０とし排気ガスと
プロペラファンによる空気流を混合して通過させる。

すなわち、温度の高い空気流を通過させるため、燃焼筒
を保温する効果を有する。

したがって、燃焼筒内部の火炎等を冷却することがない
ため、燃焼特性の悪化を防止することができる。

以上説明したように、本考案の燃焼装置は燃焼用空気量
に対し燃焼量が略比例するバーナを用い送風機による温
風用空気流量に比例して変化する送風機下流部の負圧に
より燃焼用空気を吸入するようにし、しかも燃焼筒を上
端を、プロペラ型送風機の回転中心側に、突出し、かつ
、その頂部に制圧口を有する制風板で閉塞することで、
送風機の回転中心付近の負圧を利用して燃焼室からの排
気ガスを効果的に排出するため、構造が簡単で極めて安
定した燃焼を維持することができるものである。

また燃焼筒の制圧口をプロペラ型送風機の略回転中心に
対向させているので、燃焼室からの燃焼ガスはその中心
に引かれた後周縁に導かれ、ここで温風用空気と十分に
混合されて均一温度温風となって下流へ流出することと
なり、快適温風暖房が行える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例にかかる燃焼装置の断面図、
第２図は送風機下流側の圧力分布図、第３図は温風用空
気流量と燃焼室内圧との関連を示す特性図である。 ３・・・・・・バーナ、４・・・・・・送風機、６・・
・・・・制風板、９・・・・・・燃焼筒、１５・・・・
・・燃焼用空気給気口、１６・・・・・・制圧口、１７
・・・・・・閉止板、１８・・・・・・燃焼室、１９・
・・・・・外筒、２１・・・・・・温風吐出口、２２・
・・・・・温風用空気給気口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バーナの上方で、かつバーナに対向してプロペラファン
   を配し、前記バーナと前記プロペラファンの外方に外筒
   を配するとともに、前記外筒内に同心的に、前記バーナ
   を取り囲む燃焼筒を配置し、燃焼筒と前記外筒との間を
   温風路とし、前記燃焼筒の上端は、中央をプロペラファ
   ンの回転中心方向に、突出させ、かつ、その頂部に制圧
   口を有する制風板で閉止した燃焼装置。