JPS6034404Y2 - 移動可能スリ−ブ付圧延ロ−ル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、圧延幅方向に移動可能のスリーブを有する圧
延ロールに関する。

冷間圧延工程等において、板のクラウン、エツジ・ドロ
ップの減少等をねらって、例えば板幅に応じてロール胴
長を変えるかわりにスリーブを軸方向に移動させて同等
の効果を得る可動スリーブ圧延ロールが適用されている
。

この圧延ロールの支軸部には、冷却水やスケールの浸入
を防止する軸封機構が必要とされる。

この軸封機構はロールチョックとスリーブ側端面との間
に固定状に挿設されている。

したがって、上述のようにスリーブを可動構造にした場
合には、軸封機構の片側の支えがなくなってしまう結果
となり、したがって軸封機能に重大な悪影響を与える不
都合があった。

本考案の目的は、このような従来の問題点に対処するこ
とであり、ロール面に依存させずに保持部を構成した軸
封機構を有する移動可能スリーブ付圧延ロールを提供す
ることにある。

本考案の主眼は、軸封部の存在に関係なくスリーブを移
動可能に構成たことであるが、最大の特徴は、スリーブ
を移動可能にしたにもかかわらす軸封効果を低下させな
いようにした軸封機構の構成にある。

本考案の要部をなす軸封機構５は、第１図に示すように
、可動スリーブ２とロール・チョック３との間にスリー
ブ位置に関係なく固定状に設けられて、アーμ１と軸受
４との接合部を全周囲方向からシールするようになされ
ている。

軸封機構に使用される各部材は、すべてアーμ１の外側
に嵌合される環状体であって、最もスリーブ寄りの位置
に間座５１が設けである。

この間座５１は金属製のリングであってアーμ１の所定
の位置に固定装着され、周縁側の先端にはロール・チョ
ック側に向いた受面５１１が形成しである。

ロール・チョック３側にはシール・リテーナ５２を圧接
させてあり、このシール・リテーナ５２と間座５１の受
面５１１との間にスケールシール５３を圧挿してシール
外面を形成しである。

さらに、シール・リテーナ５２とアーμ１との間にはネ
ック・シール５４を介装してシール・リテーナを支え、
また、ネック・シール５４とシール外面とが形成する内
側空隙部にはエクステンション・リング５５を介装し、
さらにエクステンション・リング５５と間座５１との間
にはウォータシール・リング５６を介挿して軸封機構全
体が形成される。

可動スリーブ２の軸長は、ロール胴長よりも短く形成さ
れ、さらに可動スリーブ２の端面の軸側には、スリーブ
移動量を最大限とする目的で軸封機構５に対する逃げの
ための切欠き２１を設けである。

これによって、可動スリーブ２がロール・チョック３の
端面に近接する位置まで移動できるようにしである。

第２図に示すように、スリーブ２は油圧シリンダ６によ
ってアーμ１上を移動可能に構成されているが、中央セ
ット位置からの移動方向は常に片方向であり、したがっ
て上下のロールは逆位置に組合わされてその間に圧延材
を受入れる。

可動スリーブ２においては、さらに第３図にも示すよう
に、スリーブ端面の外角部に、ロール面にそって緩やか
な曲面形状部２２を設ける。

この曲面形状部２２はスリーブ２の両端に同様に形成す
るものであって、付設幅Ｓは５ｏｒｒｒＩＩｔ位、落込
みｈは０．４ｒｍｎ程度、曲率Ｒは３５００ｒｒｙｔ程
度が適当であり、圧延時のスポーリング防止と、鋼板ダ
ルむらの防止に効果を発揮する。

本考案の圧延ロールにおいては、軸封部のシール機能を
憂慮することなくスリーブを移動させて、各種板幅の圧
延材に適したスライド量を設定することができる。

第４図には、板幅最大（スリーブ軸長に対応する）を基
準にしてスリーブ軸長をＩＯ−ピッチで変化させたとき
の各ケースの板幅対応範囲の一例を示す。

スリーブに切込み２１を設けない場合（従来法と称す）
と比較して本考案の場合は各ケースごとの板幅対応範囲
が大きく向上することがわかる。

例えば、６００〜１５５ｏｒｒｒＩｆｔの範囲を１５５
−基準で、１２００〜１５５０ｒＩｒ！ＩＬ（幅差３５
０ｍｍ）をＡで示す。

１２５０ｍｍ基準で、６００〜１２５０ｍｍ （幅差６
５−）をＢで示す。

本考案ではこの２種類のスリーブ長さをもったロールで
対応できる。

このように、本考案の移動可能スリーブ付圧延ロールに
よれば、形状及び板クラウン制御を可能にする対象板幅
の範囲を拡大させることができるのでロールの経済性が
一段と向上する。

しかも、スポーリングやダルむらの防止にも有効である
ので、歩留や成品品質の向上にも有効となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ロールの要部をなす軸封機構の断面図。 第２図は本考案ロールの概略的な全体図。 第３図はスリーブ端面の部分図。第４図は本考案ロール
と従来のロールの板幅適用範囲を比較した図面。 １：アーμ、２：可動スリーブ、３：ロール・ｒチョッ
ク、４：軸受、５：軸封機構、６：油圧シリンダ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）ロール胴長よりも短いロール・スリーブをアーμ
   に密嵌し油圧シリンダによって軸方向に移動可能に構成
   したスリーブ付圧延ロールにおいて、アーμの所定位置
   に嵌合固定されて外周縁を張出した環状皿形の金属製の
   間座を設け、周縁の一部をロール・チョックに圧接させ
   た環状のシール・リテーナを設け、前記間座とシール・
   リテーナと、の間に環状のスケール・シールを圧挿して
   シール外面を形成した軸封構造部と有し、前記軸封構造
   部に対する逃げのための環状切欠きをスリーブの端部軸
   側に形成したことを特徴とする移動可能スリーブ付圧延
   ロール。
2. （２）スリーブの端部外角部をロール面にそって緩やか
   な曲面に形成したことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第（１）項記載の移動可能スリーブ付圧延ロール。