JPH0110085Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は圧延機ワークロールが軸方向へ移動し
ないよう固定する装置に関する。

例えば、第１図に示すごとく、圧延材Ｓに長手
方向へ延びる突起ａを設ける場合があるが、この
ような突起ａを付する場合には、ワークロールが
軸方向へ移動しないようにすることが製品品質の
点から重要である。

斯かる突起を付けるための圧延機としては、ワ
ークロールが軸線方向へ移動しないようにするた
め、ワークロール軸を、該ワークロール軸段部や
スペーサにより軸受に固定し、軸受を圧延機ハウ
ジングに昇降自在に取付けたワークロールチヨツ
クに嵌合、固定したものがあるが、該圧延機では
ワークロールチヨツクがワークロール軸方向に多
少移動するため、第１図に示す圧延材Ｓの突起ａ
が真直ぐになりにくく、又突起ａの寸法精度もあ
まりよくならない。

又、上記圧延機でワークロールチヨツクを圧延
機ハウジングに固定し、軸方向へ移動しないよう
にしたものもあるが、固定位置が軸受中心から外
れた位置であるため軸受に偏荷重が掛かつて壊れ
易い。

本考案は従来手段の有する前述の欠点を除去
し、精度のよい製品を得ることができると共に軸
受寿命も長くなる圧延機ワークロールの軸方向固
定装置を提供することを目的としてなしたもの
で、ワークロールを支持するワークロールチヨツ
クの一方に、ワークロールを支持する軸受が軸方
向に移動しないよう弾撥体を設け、該弾撥体を設
けたワークロールチヨツクの前後で平面から見て
前記軸受中心部近辺に係合部材を設け、前記ワー
クロールチヨツクを配設した側に設けたガイドの
係合部材に、該ワークロールチヨツクが昇降し得
るよう前記ワークロールチヨツクの係合部材を係
合せしめ、前記ガイドを設けた側に、ワークロー
ルを軸方向へ移動し得前記ワークロールチヨツク
の係合部材をガイドの係合部材に固定し得るよう
にしたスラスタを設けたことを特徴とするもので
ある。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

圧延機ハウジング１一側の上下方向略中央部近
辺にブラケツト２を固着し、該ブラケツト２に軸
方向が後述のワークロールの軸方向と平行な２組
の流体圧シリンダ３を配設し、前記ブラケツト２
の前後に、前記流体圧シリンダ３の軸線に対し略
内側面が近接するようガイド４を固着する。

ガイド４の内側面に、該ガイド４に対し上下に
摺動し得る上ワークロールチヨツク６と下ワーク
ロールチヨツク６′を嵌合せしめ、該上下ワーク
ロールチヨツク６，６′のガイド４に対し摺動す
る面に突起７，７′を固着し、該突起７，７′を前
記ガイド４先端のフツク部に係合せしめる。又ガ
イド４と上下ワークロールチヨツク６，６′の間
の間隙部に、流体圧シリンダ３により上下ワーク
ロールチヨツク６，６′をガイド４先端のフツク
部に押付けるためのスラスタ８を嵌合せしめ、該
スラスタ８をガイド４及び上下ワークロールチヨ
ツク６，６′側面によりガイドし得るように形成
する。

上下ワークロールチヨツク６，６′内に、上下
ワークロールチヨツク６，６′に固着した突起７，
７′中心を結んで形成される直線ｌを基準に左右
対称となるよう軸受９，１０を嵌合せしめ、軸受
１０の外側方に軸受１０と並んでスラスト軸受１
１，１２を配設し、スラスト軸受１１，１２内に
つば１３がスラスト軸受１１，１２間に挾持され
たスペーサ１４を嵌入し、スラスト軸受１２と上
下ワークロールチヨツクの蓋１５との間に各軸受
間の軸方向のがた付きをなくすため弾撥体１６を
装着する。

上下ワークロールチヨツク６，６′を設けたと
は反対側の圧延機ハウジング１に、上下に摺動可
能な上下ワークロールチヨツク１７，１７′を嵌
合せしめ、上下ワークロールチヨツク１７，１
７′内に軸受１８，１９，２０を嵌合せしめると
共に軸受１８，１９，２０が軸方向に移動しない
よう軸受２０のアウターレースを蓋２１により固
定し、蓋２１の内側に軸受２０のインナーレース
と当接するスペーサ２２を嵌入する。

上ワークロールチヨツク６，１７の軸受９，１
０，１１，１２，１８，１９，２０及びスペーサ
１４，２２内に上ワークロール２３の軸部を嵌入
せしめ、上ワークロールチヨツク６側軸段部を軸
受９に当接せしめると共に他の軸段部をスペーサ
１４に当接せしめ、スペーサ１４から蓋１５側へ
突出した軸部に、スペーサ１４に当接するナツト
２４を螺着して上ワークロール２３を上ワークロ
ールチヨツク６に固定し、上ワークロールチヨツ
ク１７側軸段部を軸受１８に当接せしめると共に
軸部の蓋２１より外方に突出した部分にナツト２
５を螺着してスペーサ２１を固定することによ
り、上ワークロール２３を上ワークロールチヨツ
ク１７に固定する。

下ワークロール２３′の下ワークロールチヨツ
ク６′，１７′への取付部構造は、上ワークロール
２３の上ワークロールチヨツク６，１７への取付
部構造と全く同一である。

なお、図中２６，２７は上下ワークロールチヨ
ツク６，６′，１７，１７′の何れかに設けられ中
心が直線ｌ，l′上に位置するようにしたスプリン
グ取付用の孔である。

上記圧延機により圧延を行う場合には、図示し
てない圧下スクリユーにより上下ワークロール２
３，２３′間の間隙を圧延材の板厚に対応した所
要の間隙とし流体圧シリンダ３によりスラスタ８
を押し、しかして突起７，７′をガイド４のフツ
ク部に固定することにより上下ワークロールチヨ
ツク６，６′を固定する。そうすると、上下ワー
クロール２３，２３′も軸方向に固定されて移動
し得なくなる。従つて斯かる状態で圧延を行うと
圧延材に付する長手方向の突起（第１図参照）は
精度よく圧延される。

なお、本考案は上述の実施例に限定されるもの
ではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内で
種々変更を加え得ることは勿論である。

本考案の圧延機ワークロールの軸方向固定装置
は前述のごとき構成であるからワークロールが軸
方向へ移動することがなく、従つて製品品質が向
上し、又軸受に偏荷重が作用しないため軸受が壊
れにくくなり、寿命が延びる、等種々の優れた効
果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は圧延材の説明図、第２図は本考案の横
断面図、第３図は第２図の正面図である。 図中１は圧延機ハウジング、３は流体圧シリン
ダ、４はガイド、６，６′は上下ワークロールチ
ヨツク、７，７′は突起、８はスラスタ、９，１
０，１８，１９，２０は軸受、１４，２２はスペ
ーサ、２３，２３′は上下ワークロールを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワークロールを支持するワークロールチヨツク
   の一方に、ワークロールを支持する軸受が軸方向
   に移動しないよう弾撥体を設け、該弾撥体を設け
   たワークロールチヨツクの前後で平面から見て前
   記軸受中心部近辺に、係合部材を設け、前記ワー
   クロールチヨツクを配設した側に設けたガイドの
   係合部材に、該ワークロールチヨツクが昇降し得
   るよう前記ワークロールチヨツクの係合部材を係
   合せしめ、前記ガイドを設けた側に、ワークロー
   ル軸方向へ移動し得前記ワークロールチヨツクの
   係合部材をガイドの係合部材に固定し得るように
   したスラスタを設けたことを特徴とする圧延機ワ
   ークロールの軸方向固定装置。