JPS5940083Y2 - スリ−ブの移動式ロ−ルを備えた圧延機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、スリーブ移動式ロールを備えた圧延機に関す
る。

〔考案の背景〕

従来、板クラウン及び形状制御の目的のために、スリー
ブ式ロールにおけるスリーブをアーバーに対して軸方向
に移動するロールを用いた圧延機が提案されている。

しかし、スリーブをアーバーに対して移動する方式とし
て、アーバーとスリーブ間にスクリュウを切って、この
ロールを４段圧延機のバックアップロールとして使用す
る場合、ワークロールをバックアップロールに接触させ
回転することによりスリーブを軸方向に移動する構成が
開示されているに過ぎない。

しかし、この方式では、通常圧延時にスリーブをアーバ
ーに固定することが困難であり、スリーブの軸方向の位
置決めがむづかしい。

一方、スリーブとアーバーの廻り止めにキーヌはスープ
ラインを使用していることから、スリーブを軸方向に可
動ならしめる為には、アーバーとスリーブ間に当然ギャ
ップが存在する必要があり、これによりスリーブとデー
バー間には、クリープ現象が発生することとなる。

しかもこの際、キーヌはスプラインの存在により、この
クリープ現象が不連続的に発生し、その上スリーブ及び
アーバーにねじり振動が発生してスリーブとアーバーの
嵌合面には、焼付の発生、キー溝には亀裂が発生、又圧
延材にはチャタ−マークの発生を防止することが出来な
いなどの欠点を有する。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、バックアップロールを構成するスリー
ブの円滑な軸方向移動並びに確実な位置決めを行うと共
に、該スリーブとデーバー間にクリープ現象の発生を防
止可能としたスリーブ移動式ロールを備えた圧延機を提
供することにある。

〔考案の概要〕

本考案は、ワークロールと、該ワークロールを支持する
アーバー及び該アーバーの外周に装着されたスリーブか
ら構成されるバックアップロールとを備え、前記アーバ
ーを貫通する流路を通じて加圧流体を導入し該スリーブ
を膨出させる溝部を該アーバーとスリーブとの間に形威
し、前記アーバーの外周で且つ、該スリーブの両端面に
接する位置に夫々軸受部材を設置し、更に前記両軸受部
材に連結され該軸受部材を介してスリーブを軸方向に移
動操作する駆動装置をミルハウジングに取付けたことを
特徴とするスリーブ移動式ロールを備えた圧延機にあり
、そして通常の圧延時にはスリーブ移動式ロールのスリ
ーブとアーバーとにクリープを生じない締代を持たせ、
スリーブを軸方向に移動する場合には加圧流体によりス
リーブを膨張させて上記締代をなくし、アーバーに支承
された軸受部材を介して、ミルハウジングに固定された
スリーブ軸方向移動装置によりスリーブを軸方向に確実
且つ容易に可動ならしめるようにしたものである。

〔考案の実施例〕

次に本考案の一実施例について説明する。

まず、圧延機に用いられるスリーブ移動式ロールにおい
て、圧延時にもクリープ現象の生じないアーバーとスリ
ーブとの間の適切な締代について第１図を用いて以下説
明すると、アーバー９とスリーブ１０とから戊るバック
アップロールのバックチョック８に備えられたロールネ
ックベアリング１５でのト＋＋ 、 ７７ ｖ−１−７
”ｒ ｌ−） ’Ａ？−Ｐ＋”トＰｉ −＝−＝−”
ｃ ４ｑスを満足することである。

ここで直径締代δと締付圧力 料力学より、 ｐの関係は、 以上、式１〜４よりｐとδの関係を求めれば全代表例と
して数値計算すると μ、＝０．０１． ｄｍ＝７００ｍｍ、 Ｄｏ＝１００
０ｍｍ、 Ｐ＝２０００ＸＩＯ３ｋｇ、 μｍ＝０．１
５． Ｂｓ＝１０００ｍｍ、Ｅ＝２．１Ｘ１０’ｋｇ／
ｍｍ”、 Ｄｘ＝９００ｍｍを（５）式に代入すれば、
°、δ＞ １．６６ Ｘ １０ ”ｍｍそこでδ＝０．
０２ｍｍとする。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・（６
）更に、スリーブ１０を軸方向に移動させる場合にスリ
ーブ１０を膨張させるための油圧ｐｈは、これも材料力
学より円筒が内圧ｐｈだけを受ける場合の半径変位■は ただし、ｍ：ポマリシ数＝３．３ 従って、スリーブ１０とデーバー９間にギャップをもた
せるためには、直径締代δとの関連は次の如くなる必要
がある。

２ｖ＞δ 式７，８より これに前述の値を入れて数値計算すると、ｐｈ＞１．２
Ｘ１０−２ｋｇ／ ｍｍ２ ＝１．２ｋｇ／ｃｎｆ 従って比較的小さな油圧の引加によって締代をなくすこ
とが出来る。

上述した思想を４段圧延機のバックアップロールに実施
した場合の例を第２図を用いて説明する。

ワークロール１１を支持するバックアップロールを槽底
するアーバー９と、このアーバー９にとり付けられたス
リーブ１０は、通常の圧延状態ではクリープが発生しな
い程度に締代をもって圧入されている。

合圧延材１３の板巾が変更されたとするとスリーブ１０
の一方の端部を圧延材１３の板巾端部の位置近傍に合致
せしめるべく、回転継手７からアーバー９を貫通する油
路を通じて送入された圧油をアーバー９とスリーブ１０
の間に設けられた環状の油溝６に導入し、スリーブ１０
に内圧を加えることにより上記締代以上に膨張させるこ
とによりスリーブ１０は小さな力でアーバー９に沿って
軸方向に移動可能となる。

そしてスリーブ１０の軸方向両端がアーバー９の外周に
取付けられた各軸受箱１４内に納められた軸受５の端面
と当接されてお・す、この軸受箱１４はアーバー９に沿
って移動可能に配置されていると共に油圧シリンダ４の
ピストンロンドと連結されていることから、ハウジング
１に着脱可能に固定されたフレーム３に取りつけられた
前記油圧シリンダ４の駆動操作により該軸受箱１４と共
に前記スリーブ１０を軸方向の所望の位置まで移動する
ことになる。

これによりアーバー９とスリーブ１０は圧延材１３の圧
延中クリープを生ずることなく、しかもスリーブ１０の
移動に際しては非常に小さな力で、且つ正確に軸方向に
動かすことが可能となる。

尚、スリーブ１０を膨張させる方法としては上述の油圧
によるものの他、減圧或は気圧を用いても良い。

〔考案の効果〕

本考案によれば、バックアップロールを構成スるスリー
ブ移動式ロールを圧延中クリープ現象を発生することな
く、しかもスリーブの軸方向移動に際しては、小さな力
で容易に動かすことが可能となると同時に、スリーブの
位置決めを確実に行なうという効果を奏する圧延機が実
現出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案が適用されるスリーブ移動式ロールに
おけるアーバーとスリーブとの締代の適正値を示すため
の説明図で、第１図ａはロールが装着された状態を示す
正面図、第１図すは第１図ａの側面図、第２図は本考案
の一実施例である４段圧延機の構造を示す断面図である
。 １・・・・・・ハウジング、２・・・・・・圧下装置、
３・・・・・・フレーム、４・・・・・・シリンダ、５
・・・・・・軸受、６・・・・・・油溝、７・・・・・
・回転継手、８・・・・・・バックチョック、９・・・
・・・アーバー、１０・・・・・・スリーブ、１１・・
・・・・ワークロール、１２・・・ワークチョック、１
３・・・・・・圧延材、１４・・・・・・軸受箱。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワークロールと、該ワークロールを支持するアーバー及
   び該アニバーの外周に装着されたスリーブから構成され
   るバックアップロールとを備え、前記アーバーを貫通す
   る流路を通じて加圧流体を導入し該スリーブを膨出させ
   る溝部を該アーバーとスリーブとの間に形成し、前記ア
   ーバーの外周で且つ、該スリーブの両端面に接する位置
   に夫々軸受部材を設置しミ□更に前記両軸受部材に連結
   され該軸受部材を介してスリーブを軸方向に移動操作す
   る駆動装置をミルハウジングに取付けたことを特徴とす
   るスリーブ移動式ロールを備えた圧延機。