JPS6032727B2 - オ−プンエンド精紡機等における糸条のワキシング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は繊維機械、特にオープンエンド精紡機に好適な
糸条のワキシング装置に関するものである。

，一般にオーブンエンド精紡機、糸条巻
取機等の繊維機械においては、糸条にワックスを塗着し
て平滑性を与える種々のワキシング装置が使用されてい
る。

そして、これらのワキシング装置に要求される性能とし
て、第一にワックスが消費される過程で糸条に対するワ
ックスの俊圧力が常に均等に作用してワキシングが斑な
く行なわれることであり、第二には機台を運転したまま
ワックスの交換が行なえる等、操作性が良いということ
であり、第三には構造が簡単で、装置がコンパクトであ
り保守等が容易に行なえるということがあげられる。と
ころが、従来のワキシング装置はいずれも一長一短があ
って、前述した三つの条件を満足させるものはなく、全
ての条件を満たす装置が従来より切望されていた。

本発明の目的は糸条の走行経路に近い位置で同経路とほ
ぼ直交するように前方へ向けて配設した支持軸上に糸条
の案内板と、同案内板の前面に圧接されるワックスと、
同ワックスの前面に当援される押圧部村とを回転可能に
順次支承するとともに、前記支持軸の後方に配設した引
張バネの前端には加圧棒の後端を連結し、同加圧棒の前
端を前記押圧部材に係脱可能に当接し、さらに前記引張
バネのバネ力を前記ワックスの重量減少に比例して小さ
くなるように設定し、糸条に対するワックスの加圧力を
常に一定にすることにより、ワックスの塗着作用を斑な
く行なうことができるとともに、ワックスの交換等の操
作性を良くすることができ、さらに構造を簡素化するこ
とができるオ−プンェンド糟紙機等における糸条のワキ
シング装置を提供することにある。

以下、本発明をオープンエンド精織機に具体化した手段
の一実施例を図面について説明すると、このオープンエ
ンド糟織機は概略的にみて、機枠１の前面に装設された
スラィバを紙糸するための紡糸室を有するユニット２と
、そのユニット２より紙出された糸条Ｙを上方へ引き出
すための糸引き出し機構と、前記ユニット２と糸引き出
し機構との間の糸条走行位置に配設されたワキシング装
置と、前記糸引き出し機構により引き出された糸条をト
ラバースしながら巻取るための糸巻取機構（図示略）と
からなっている。

そこで、本発明の主要部であるワキシング装置の説明に
先立って、糸引き出し機構を第１図及び第２図について
説明すると、機枠１１こは全錘共通の回転軸４が機台長
手方向に沿って回転可能に支承され、適宜の駆動機構（
図示略）により第１図の矢印方向に回転される。

この回転軸４には前記ャーンパイプ３から糸条Ｙを引き
出すための多数の引き出し。ーラ５が各鐘ごとに舷合固
定されている。前記回転軸４の上方において同軸４と平
行するように機枠１に固定された固定軸６上には、、こ
とに多数の支持アーム７が回動可能に取付けられ、それ
らの先端には前記引き出しローラ５の周面に転勤接触す
るトップローラ８がそれぞれ回転可能に支持されている
。又、これらのトップローラ８の一側周縁の一部には、
第２図に示すようにャーンパィプ３から導出された糸条
を引掛けて前記引き出しローラ５とトップローラ８との
間に導くための糸引掛け部８ａが切欠形成されている。
前記引き出しローラ５とトップローラ８との接触部の前
下方において、同ロ−ラ５と平行するように、機枠１に
全鍵共通のトラバースロッド９が軸線方向への移動が可
能に支承され、その外周には各錘ごとに糸条を係止して
トラバースするための多数の糸ガイド溝ｇａが形成され
ている。

従って、ャーンバィプ３から導出された糸条Ｙがトップ
ローラ８の糸引掛け部８ａに引掛けられて、このトップ
ローラ８と引き出しローラ５との間に導かれると、その
糸条はトラバースロッド９の糸ガイド溝９ａによって第
２図に示すように−定の幅Ｗでそれぞれトラバースさせ
ながら、前記トップローラ８と引き出しローラ５とによ
って上方へと引き出され、図示しない糸巻取機構によっ
て巻取られる。前記紙糸ユニット２と糸引き出し機構と
の間の糸条走行位置には各錘ごとにワキシング装置が設
けられ、糸条にワックスが塗着されるようになっている
。

このワキシング装置の−錘分の一実施例を説明すると、
前記機枠１の前面には支持ブラケット１０がボルト１１
により縦付固定されている。この支持ブラケット１０の
水平支持面１０ａ端部には鋼製円筒部材の一部を長さ方
向に切欠いて半径方向へ拡がる弾性を付与し得るスプリ
ングピン１２が上向きに楯設され、このスプリングピン
１２により短円柱状の旋回プラケット１３が同ピン１２
を中心に支持面１０ａ沿って水平方向への回動が可能に
支持されている。同旋回ブラケツト１３の底面には第１
，３図に示すようにストップピン１４が下向きに楯設さ
れ、同ストップピン１４が支持ブラケット１０の後端面
１０ｂに当接すると、旋回ブラケット１３が定位層（後
記ワックス２３の作用位置）に停止されるようにしてい
る。前記旋回ブラケット１３の上面には鉄合溝１３ａが
前後方向に刻設され、この豚合溝に対し後記引張バネ２
５の収納ケース１５が前後方向へのスライドが可能に鉄
合され、旋回ブラケット１３に対し鉄合溝１３ａと直交
するように螺入したストップボルト１６により同ブラケ
ツト１３に固定されている。

前記収納ケース１５の前端面１５ａにはワックス支持軸
１７の基端部が挿入され、同ケ−ス１５の先端下面から
上向きもこ螺入したストップボルト１８により固定され
ている。前記支持軸１７の後端部にはスリーブ１９が回
転可能に被恢され、前記収納ケース１５の前端面１５ａ
と支持軸１７に鉄合したストップリング２０‘こよって
前後方向に位置規制されている。

前記スリーブ１９の前半部には糸条Ｙの案内面２１ａを
有する案内板２１が同スリーブ１９と一体回転可能に鉄
合固定されている。この案内板２１の外周緑にはワキシ
ング装置を退避位置（第３図二点鎖線）から作用位置（
第３図実線）へ移動させるときに、糸条Ｙを案内板２１
の案内面２１ａとワックス２３の作用面２３ａの間に導
くための案内斜面２１ｂが後方ほど大径となる横円錘台
形状に一体形成されている。一方、前記支持軸１７の先
端部寄り‘こは押圧部材２２が回転可能に支承され、こ
の押圧部材２２の後端外周に一体形成した横短円筒状の
取付筒部２２ａに対し肉厚機円筒状のワックス２３の一
端を競入して片三侍支持し、同ワックス２３の先端作用
面２３ａを前記案内板２１の案内面２１ａに接触させて
いる。

次に、前記案内板２１の案内面２１ａに対しワックス２
３の作用面２３ａを常に一定の圧力で押圧し得るように
した定圧機構について説明すると、前記収納ケース１５
の側面にはその長手方向にガイド溝１５ｂが同ケース１
５の中空部１５ｃと蓮適するように形成されている。

前記収納ケース１５の中空部１５ｃには平面］状をなす
加圧棒２４の後端がガイド溝１５ｂに沿って前後方向移
動可能に挿入され、同加圧棒２４の前端に形成した係合
環部２４ａは前記支持軸１７に舷合されている。

又、前記収納ケース１５の中空部１５ｃには引張バネ２
５が収容され、その前端部は鶏止金具２６を介して前記
加圧棒２４の後端に連結され、後端部は収納ケース１５
の後端面に係止される掛止金具２７に止着されている。
従って、前記引張バネ２５の力Ｐは加圧棒２４を介して
押圧部材２２に伝えられ、同押圧部村２２によりワック
ス２３が後方へ押圧され、ワックス２３の作用面２３ａ
と、案内板２１の案内面２１ａとの間に挟持され一定幅
Ｗ′（第３図参照）でトラバースされながら上方へ向っ
て走行中の糸条に圧力を付与し糸条Ｙにワックスの塗着
作用を行なう。こののワキシング作用中においては糸条
Ｙの上方への走行によって案内板２１、ワックス２３及
び押圧部材２２は支持軸１７を中心として第２図時計回
り方向に回転され、従ってワックス２３は均一に摩耗す
る。ところで、前記案内板２１に対するワックス２３の
押圧力（糸条接触面の圧力）をＦ、引張バネ２５の力を
Ｐ、支持軸１７部の摩擦係数を仏、ワックス２３と押圧
部材２２の重量をＷとすると、Ｆ；ＰームＷの関係が成
立するが、この実施例においては前記圧力Ｆが常に一定
になるように引張バネ２５の力Ｐを設定している。

すなわち、ワキシング作用の経過にともなってワックス
２３の重量が減少して前記重量Ｗが小さくなるのに比例
してバネ力Ｐが小さくなり圧力Ｆは一定となるように引
張バネ２５を設定している。第２図に示すように前記加
圧榛２４の係合環部２４ａには、支持藤１７の先端部に
形成した小怪部１７ｂが丁度出入りし得る程度の切欠部
２４ｂが設けられている。

従って、ワックスの交換を行なうときには、前記加圧棒
２４を引張バネ２５の力に抗して前方へ引張り、係合環
部２４ａを支持軸１７の大径部１７ａから小径部１７ｂ
まで移動させた状態で前記切欠部２４ｂから小径部１７
ｂを抜くようにして係合環部２４ａを小径部１７ｂから
離脱させ、この状態で押圧部材２２を使用済みのワック
ス２３とともに支持軸１７から外し、新しいワックスを
押圧部材２２の取付筒部２２ａに俵合した後再び孫合環
部２４ａを支持軸１７に鉄め押圧部材２２に押圧すれば
よい。一方、オープンエンド精織機では、糸継ぎが行な
われるが、この際ワキシング装置が邪摩になるため、支
持軸１７の先端小蓬部１７ｂをもって同支持軸１７、収
納ケース１５、旋回ブラケット１３、ワックス２３等を
スプリングピン１２を中心に第３図反時計方向へ回動し
糸継ぎに支障のない位置に退避させる。

糸継ぎが完了すれば支持軸１７の小径部１７ｂをもつて
元の位置へ回動すると、糸条Ｙは案内板２１の案内斜面
２１ｂに沿って案内面２１ａとワックスの作用面２３ａ
の間に自動的に挟入される。そして、旋回ブラケット１
３に止着したストッパー４が支持ブラケット１０の後端
面１０ｂに当接した状態でワックス２３が正規の作用位
置に停止される。前述したようにして前記ワキシング装
置により糸条Ｙのワキシングが行なわれるが、本発明実
施例においてはワックス２３の重量減少に比例して引張
バネ２５の力が弱くなり案内板２１に対するワックスの
押圧力が常に一定になるように前記引狼バネ２５を設定
したので、ワキシング作用を斑なく行なうことができる
。

又、本発明実施例においては加圧榛２４の係合環部２４
ａを支持軸１７に豚合して押圧部村２２に押圧するよう
にしたので、係合環部２４ａの係脱を機台前方から簡単
に行なってワックスの交換を迅速に行なうことができる
。

さらに、本発明実施例においては、ワックス２３を案内
板２１に常に一定の押圧力で圧接させるための機構が、
収納ケース１５、引張バネ２５及び加圧棒２４という３
つの少ない部材によって構成されているので、装置全体
の構造を簡素化して保守を容易に行ないコストダウンを
図ることができる。

なお、本発明は次のような実施例で具体化することもで
きる。

‘１｝ オープンエンド精紡機以外に、糸条巻取機等の
繊維機械に具体化すること。

糸継ぎが不要な繊維機械において旋回ブラケットを省略
し、収紬ケ−ス１５を支持ブラケット１０あるいは機枠
１に固定すること。｛２１ 収納ケース１５に対し掛止
金具２７を前後方向の位置調節可能に装着すること。

以上詳述したように本発明はワックスの塗着作用を斑な
く行なうことができるとともに、ワックスの交換等の操
作性を向上することができ、さらに構造を簡素化するこ
とができる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のワキシング装置をオープンエンド精級
機に具体化した一実施例を示すワキシング状態の縦断面
図、第２図は同じく正面図、第３図はワキシング装置の
拡大縦断面図である。 支持ブラケット１０、旋回ブラケツト１３、収納ケース
１５、支持軸１７、案内板２１、押圧部材２２、ワック
ス２３、加圧様２４、引張バネ２５。第３図 第１図 第２図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 機枠に対し糸条の走行経路とほぼ直交するようにか
   つ前方へ向けて支持軸を配設し、同支持軸の基端部には
   糸条の案内板を定位置において回転可能に支承するとと
   もに、同じく同支持軸の中間部及び前端部には筒状のワ
   ツクス及び押圧部材をそれぞれ回転可能にかつ同支持軸
   の長さ方向への移動を可能に支承し、一方前記案内板の
   後方には引張バネを配設して同引張バネの前端部に加圧
   棒を連結し、同加圧棒の前端部を前記押圧部材の前面に
   係止して前記ワツクスを案内板の前面に形成した案内面
   に押圧するようになし、この案内面に対するワツクスの
   押圧力をＦ、前記引張バネの力をＰ、前記支持軸部の摩
   擦係数をμ、ワツクスの重量と押圧部材の重量をＷとす
   ると、Ｆ＝Ｐ−μＷ 上式のＦがほぼ一定になるように前記引張バネを設定し
   たことを特徴とするオープンエンド精紡機等における糸
   条のワキシング装置。 ２ 前記加圧棒の前端部には切欠部を有する係合環部が
   形成され、支持軸の前端部には前記切欠部より小さい直
   径の小径部が形成され、前記係合環部はこの小径部を前
   記切欠部に通すようにして支持軸の大径部に嵌合係止さ
   れている特許請求の範囲第１項記載のオープンエンド精
   紡機等における糸条のワキシング装置。 ３ 引張バネは収納ケースに内蔵されており、同ケース
   の前端には支持軸が取付けられている特許請求の範囲第
   １項記載のオープンエンド精紡機等における糸条のワキ
   シング装置。