JPS6017855B2 - オ−プンエンド精紡機等における糸条のワキシング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はオープンエンド糟織機等における糸条のワキシ
ング装置に関するものである。

一般にオープンエンド精紙機、糸条巻取機等の繊維機械
においては、糸条にワックスを塗着して平滑性を与える
種々のワキシング装置が使用されている。

この一例として実開昭５２−１５８１３８号公報に示す
ようにオープンエンド精紙機の紡糸室により織糸されて
上方へ引き出される糸条の後方において、上下方向の煩
勤可能に軸支した案内ピンにカバーを鉄合固定するとと
もに、ワックスを回転可能にかつ前記カバーに向って移
動可能に支承し、さらに前記ワックスとカバーとの間に
糸条を挟んでワキシング作用を行なうようにし、糸継ぎ
時等ワキシング装置が邪摩になるときには前記ワックス
及びカバーを案内ピンとともに上方へ反転させて退避位
置に保持するようにしたものが提案された。ところが、
上記ワキシング装置には退避位置への反転時にワックス
とカバーが上方へすなわち糸条に沿って移動されるもの
で、ワックスとカバーの間隙から糸条を抜くためにはワ
ックスをカバーから離間させしかも糸条をカバーの側方
へ引張って前記間隙から外す必要があり、従って反転操
作が面倒で迅速性を要求される糸継ぎ作業の障害となつ
ていた。

本発明の目的はワックスの支持軸を糸条の走行経路とほ
ぼ直交するようにかっこの直交状態で糸条に接近・離間
するように額勤可能に支持し、前記支持鞠の頬動中心を
同支持軸の中心軸線から前記糸条と対する側へ一定距離
偏位させ、さらに支持軸に欧合した糸条の案内板の外周
には糸条を案内板とワックスとの間に導くための案内斜
面を設けることにより、ワキシング装置を糸継ぎ時等に
おいてワンタッチで至極簡単に作用位置と停止位置に交
互に反転でき糸継ぎ作業等を迅速に行なうことができる
とともに、糸条への過度な張力付与をなくして糸質を均
一に保持することができるオープンエンド糟絞機等にお
ける糸条のワキシング装置を提供することにある。

以下、本発明をオープンエンド糟紡機に具体化した手段
の一実施例を図面について説明すると、このオープンエ
ンド精紡機は概略的にみて、機枠１の前面に装設された
スラィバを紙糸するための紙糸室を有する紡糸ユニット
２と、その薮糸ユニット２より織出された糸条Ｙを上方
へ引き出すための糸引き出し機構と、前記紙糸ユニット
２と糸引き出し機構との間の糸条走行位置に配議された
ワキシング装置と、前記糸引き出し機構により引き出さ
れた糸条をトラバースしながら巻取るための糸巻取機構
（図示略）とからなっている。

そこで、本発明の主要部であるワキシング装置の説明に
先立って、糸引き出し機構を第１図及び第２図について
説明すると、機枠１には全錘共通の回転軸４が磯台長手
方向に沿って回転可能に支承され、適宜の駆動機構（図
示略）により第１図の矢印方向に回転される。この回転
軸４には前記ャーンパィプ３から糸条Ｙを引き出すため
の多数の引き出しローラ５が各錘ごとに鉄合固定されて
いる。前記回転軸４の上方において同軸４と平行するよ
うに機枠１に固定された固定軸６上には、各錘ごとに多
数の支持アーム７が回敷可能に取付けられ、それらの先
端には前記引き出しローラ５の周面に転動接触するトッ
プローラ８がそれぞれ回転可能に支持されている。又、
これらのトップローラ８の一側周縁の一部には、第２図
に示すようにャーンパィプ３から導出された糸条を引掛
けて前記引き出しローラ５とトップロｍラ８との間に導
くための糸引掛け部８ａが功欠形成されている。前記引
き出しローラ５とトップローラ８との接触部の前下方に
おいて、同ローラ５と平行するように、機枠１に全錘共
通のトラバースロッド９が軸線方向の移動可能に支承さ
れ、その外周には各錘ごとに糸条を係止してトラバース
するための多数の糸ガイド溝９ａが形成されている。

従って、ャーンパィプ３から導出された糸条Ｙがトップ
ローラ８の糸引掛け部８ａに引掛けられて、このトップ
ローラ８と引き出しローラ５との間に導かれると、その
糸条はトラバースロッド９の糸ガイド溝９ａによって第
２図に示すように一定の幅Ｗでそれぞれトラバースされ
ながら、前記トップローラ８と引き出しローラ５とによ
って上方へ引き出され、図示しない糸巻取機構によって
巻取られる。

前記紡糸ユニット２と糸引き出し機構との間の糸条走行
位置には各鏡ごとに１７キシング装置が設けられ、糸条
にワックスが塗着されるようになっている。

このワキシング装置の一錘分の一実施例を説明すると、
前記機枠１の前面には支持ブラケツト１０がボルト１１
により締付固定されている。この支持ブラケツト１０の
水平支持面１０ａ織部には鋼製円筒部村の一部を長さ方
向に切欠いて半径方向へ拡がる弾性を付与し得るスプリ
ングピン１２が上向きに楯設され、このスプリングピン
１２により短円柱状の旋回プラケット１３が同ピン１２
を中心に支持面１０ａに沿って水平方向の回動可能に支
持されている。同旋回ブラケット１３の底面には第１，
３図に示すようにストップピン１４が下向に楯設され「
同ストップピン１４が支持プラケット１０の後端面１０
ｂに当綾すると、旋回ブラケット１３が定位暦（後記ワ
ックス２３の作用位置）に停止されるようにしている。
前記旋回ブラケット１３の上面には鉄合溝１３ａが前後
方向に亥９設され、この競合溝に対し後記引張バネ２５
の収納ケース１５が前後方向のスライド可能に競合され
、旋回ブラケット１３に対し鉄合溝１３ａと直交するよ
うに螺入したストップボルト１６により同ブラケット１
３に固定されている。前記収納ケース１５の前端面１５
ａにはワックス支持軸ｉ７の基端部が挿入され、同ケー
ス１５の先端下面から上向きに螺入したストップボルト
１８により固定されている。前記支持軸１７の後端部に
はスリーブ１９が回転可能に被欧され、前記収納ケース
１５の前端面１５ａと支持軸１７に鉄合したストップリ
ング２０１こよって前後方向に位置規制されている。

前記スリーブ１９の前半部には糸条Ｙの案内面２１ａを
有する案内板２１が同スリーブ１９と一体回転可能に豚
合固定されている。この案内板２１の外周縁にはヮキシ
ング装鷹を退避位置（第３図二点鎖線）から作用位置（
第３図実線）へ移動させるときに、糸条Ｙを案内板２１
の案内面２１ａとワックス２３の作用面２３ａの間に導
くための案内斜面２１ｂが後方ほど大径となる横円錘台
形状に一体形成されている。一方、前記支持軸１７の先
端部寄りには押圧部材２２が回転可能に支承され、この
押圧部村２２の後端外周に一体形成した横短円筒状の取
付筒部２２ａに対し肉厚横円筒状のワックス２３の一端
を鉄入して片時支持し、同ワックス２３の先端作用面２
３ａを前記案内板２１の案内面２１ａに接触させている
。

次に、前記案内板２１の案内面２１ａに対しワックス２
３の作用面２３ａを常に一定の圧力で押圧し得るように
した定圧機構について説明すると、前記収納ケース１５
の側面にはその長手方向にガイド溝１５ｂが同ケース１
５の中空部１５ｃと蓮適するように形成されている。

前記収納ケース１５の中空部１５ｃには平面Ｕ状をなす
加圧棒２４の後端がガイド簿１５ｂに沿って前後方向移
動可能に挿入され、同加圧棒２４の前端に形成した係合
環部２４ａは前記支持軸１７に欧合されている。

又、前記収納ケース１５の中空部１５ｃには引張バネ２
５が収容され、その前端部は掛止金具２６を介して前記
加圧棒２４の後端に連結され、後端部は収納ケース１５
の後端面に係止される掛止金臭２７に止着されている。
従った、前記引張バネ２５の力Ｐは加圧棒２４を介して
押圧部村２２に伝えられ、同押圧部材２２によりワック
ス２３が後方へ押圧され、ワックス２３の作用面２３ａ
と案内板２１の案内面２１ａとの間に挟持され一定幅Ｗ
′（第３図参照）でトラバースされながら上方へ向って
走行中の糸条に圧力を付与し糸条Ｙにワックスの塗着作
用を行なう。このワキシング作用中においては糸条Ｙの
上方への走行によって案内板２１、ワックス２３及び押
圧部材２２は支持軸１７を中心として第２図時計回り方
向に回転され、ワックスは均一に摩耗される。ところで
、前記案内板２１に対するワックス２３の押圧力（糸条
接触面の圧力）をＰ、引張バネ２５の力をＦ、支持軸１
７部の摩擦係数を仏、ワックス２３と押圧部材２２の重
量をＷとすると、ＰニＦ−仏ＶＶの関係が成立するが、
この実施例においては前記圧力がＰが常に一定になるよ
うに引張バネ２５の力Ｆを設定している。

すなわち、ワキシング作用の経過にともなってワックス
２３の重量が減少して前記重量Ｗが小さくなるのに比例
したバネ力Ｆが小さくなり圧力Ｐは一定となるように引
張バネ２５を設定している。第２図に示すように前記加
圧棒２４の係合環部２４ａには、支持軸１７の先端部に
形成した小径部１７ｂが丁度出入りし得る程度の切欠部
２４ｂが設けられている。

従って、ワックスの交換を行なうときには、前記加圧棒
２４を引張バネ２５の力に抗して前方へ引張り、係合環
部２４ａを支持軸１７の大蓬部１７ａから小窪部１７ｂ
まで移動させた状態で前記切欠部２４ｂから小径部１７
ｂを抜くようにして係合環部２４ａを小軽部１７ｂから
離脱させ、この状態で押圧部材２２を使用済みのワック
ス２３とともに支持軸１７から外し、新しいワックスを
押圧部材２２の取付筒部２２ａに鉄合した後、再び係合
環部２４ａを支持軸１７に鉄め押圧部材２２に押圧すれ
ばよい。一方、オープンエンド精紡織では、糸継ぎが行
なわれるが、この際ヮキシング装置が邪摩になるため、
支持軸１７の先端小蓬部１７ｂをもって同支持軸１７、
収納ケース１５、旋回ブラケット１３、ワックス２３等
をスプリングピン１２を中心に第３図反時計回り方向へ
回動し糸継ぎに支障のない位置に退避させる。

糸継ぎが完了すれば支持軸１７の小軽部１７ｂをもって
元の位置へ回動すると、糸条Ｙは案内板２１の案内斜面
２１ｂに沿って案内面２１ａとワックスの作用面２３ａ
の間に自動的に挟入される。そして、旋回ブラケット１
３に止着したストッパ１４が支持ブラケット１０の後端
面１０ｂに当接した状態でワックス２３が正規の作用位
置に停止される。ところで、前記ワックス２３の作用面
２３ａと案内板２１の案内面２１ａの間を走行する糸条
Ｙは第３図に示すように一定の幅Ｗ′でトラバースされ
るが、本発明実施例では支持軸１７の煩動中心○（スプ
リングピン１２）を同支持軸１７の中心軸線Ｌ−Ｌから
前記トラバース幅Ｗ′と対応する側へ一定距離Ｄだけ偏
位させ、前記煩動中心○を通る中心軸線Ｌ−Ｌと平行な
直線〆が前記トラバース幅Ｗ′の外端Ｐを通るようにし
ている。従って、糸継ぎ時に支持軸１７、収納ケース１
５及びワックス等を煩動させて第３図実線のワキシング
位置と同図二点鎖線の退避位置とで交互に位置切換えを
行なうときに、支持鞠１７の煩動中心○が糸条Ｙのトワ
バース幅Ｗ′へ偏位した分だけ案内板２１に形成した案
内面２１ａ及び案内斜面２１ｂの前後方向の振幅が小さ
くなり糸条Ｙに作用する張力変動が少なくなる。すなわ
ち、仮に支持軸１７の額動中心○を第４図に示すように
中心軸線Ｌ−Ｌ上の○′点に位置させると、案内斜面２
１ｂの回動軌跡Ｔは、煩勤中心を○点に位置させたとき
の回転軌跡Ｔよりも前後方向の偏位が大きくしかも同じ
長さの斜面２１ｂであっても回動軌跡ｒの幅ｎ′の方が
軌跡Ｔの幅ｎよりも小さくなり、従って支持軸１７の煩
動中心○を偏位させた方が、糸条Ｙの前後方向の振れを
少なくでき、斜面２１ｂの長さも小さくできるのである
。さて、本発明実施例においては、糸条Ｙとほぼ直交す
るようにかっこの直交状態のまま同糸条Ｙに接近・離間
する方向へ頬勤可能に配設された支持軸１７に対し、案
内板２１及びワックス２３を支承して、退避位置からワ
キシング位置へ懐勤するときに、糸条Ｙを案内板２１と
ワックス２３の間隙に導くための案内斜面２１ｂを前記
案内板２１に形成したので、機台を運転したままワキシ
ング装置を作用位置から退避位置に又その逆の方向へワ
ンタッチで簡単に切換えることができる。又、本発明実
施例においては支持軸１７の額勤中心○を糸条Ｙのトラ
バース幅Ｗ′と対応する方向へ橘位させたので、ワキシ
ング装置の前記位置切換え動作時に案内板２１の前後方
向の振幅を少なくして糸条Ｙに対する張力変動を少なく
して糸質低下を防ぐことができる。なお、本発明は次の
ような実施例で具体化することもできる。

｛１） 前記実施例では支持軸１７の額動中心○を通る
同支持軸１７に平行な直線夕が糸条Ｙのトラバース幅Ｗ
′の外端Ｐを通るように偏心距離Ｄを設定したが、これ
をトラバース幅Ｗ′内部の任意の位置に前記直線１が通
るように距離Ｄを設定すること。

又、前記外端Ｐよりも外側の位置であってワックス２３
の外周よりも内側の位置と対応するように前記便動中心
○を設定すること。■ オープンエンド糟織機以外に、
例えば糸条巻取機等の繊維機械に具体化すること。

以上詳述したように本発明は繊維機械を運転したままワ
キシング装置を作用位置から退避位置へ又その逆の位置
切換えをワンタッチで至極簡単に行なうことができると
ともに、この位暦切換時における糸条に対する案内板の
振幅を小さくした糸条の張力変動を少なくし糸質低下を
防ぐことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のワキシング装置をオープンエンド糟紡
機に具体化した一実施例を示すワキシング状態の縦断面
図、第２図は同じく正面図、第３図はワキシング装置の
縦断面図、第４図はワキシング装置の位層切換動作時の
糸条に対する案内板の作用を説明する略体平面図である
。 支持ブラケット……１０、旋回ブラケット……１３、収
納ケース……１５、ワックス支持軸……１７、案内板・
・…・２１「押圧部材・・・・・・２２「 ワックス・
…・’２３Ｌ加圧棒……２４、引張バネ…・・・２５、
支持軸１７の中０軸線…・・・Ｌ−Ｌ、支持軸１７の煩
勤中心…・・・０、額動中心０の偏心距離…・・・Ｄ、
直線・…・・１、糸条のトラバース幅・・・・・・Ｗ′
。 第４図第１図 第２図 第３図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 機枠に対し糸条の走行経路とほぼ直交するようにか
   つ前記走行経路に接近・離間するように支持軸をその一
   端部において傾動可能に装設するとともに、同支持軸上
   には糸条の案内板を定位置で回転可能に支承し、同じく
   前記支持軸上には筒状のワツクス及び押圧部材をそれぞ
   れ回転可能にかつ前記案内板に向つて移動可能に支承し
   て、弾性手段により前記押圧部材をワツクスに押圧させ
   てワツクスと案内板との間を走行する糸条にワキシング
   作用を行なうようにしたオープンエンド精紡機等の繊維
   機械において、前記支持軸の傾動中心を同支持軸の中心
   軸線から糸条の走行経路と対応する方向へ一定距離偏位
   させるとともに、案内板の外周に対し糸条を案内板とワ
   ツクスとの間に導くための案内斜面を設けたことを特徴
   とする糸条のワキシング装置。 ２ 支持軸の基端部は機粋に対しスプリングピンにより
   同ピンを中心として傾動可能に装着されている特許請求
   の範囲第１記載のオープンエンド精紡機等における糸条
   のワキシング装置。