JPS6032286Y2 - フオ−ム層付貼着床材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は貼り替え作業性優れたフオーム層付貼着床材に
係るものである。

一般にニードルパンチカーペット、タフテッドカーペッ
ト等のカーペット類あるいはゴムタイル、ビニルタイル
、等が粘着剤によって、床面に全面粘着使用されている
。

又従来この種床材ではクッション性、あるいは防音性向
上の目的をもって、その裏面（床への粘着面）にフオー
ム層を設けたものがある。

（本考案においては、これら床材をフオーム層付貼着床
材と呼ぶ。

）これらフオーム層付貼着床材は、その汚染や破損の場
合あるいは室内ムードを変える目的の場合等に床面から
剥し取り、新しいフオーム層付貼着床材と貼り替え使用
されるものである。

ところがこの貼り替え施工の剥し作業において、フオー
ム層が完全に床面から剥れず、その断片が床面に多量に
残るという欠点がある。

つまり、粘着剤によって床面に全面密着されたフオーム
層の粘着力、すなわち剥離抵抗力が面抵抗力であるがた
め、その力はフオーム層の層間破断力（層間剥離力）に
勝り、よってフオーム層付貼着床材の床面からの剥し作
業に際してフオーム層が破断しそのフオーム層断片が床
面に残るものである。

したがって、フオーム層床材を剥がして後、さらに床面
に残ったフオーム層断片を適当な方法で別途剥し取らね
ばならず、この作業はきわめて煩雑困難なものであり、
貼り替え施工の能率向上を防げ、コスト高をまねく等、
大きな問題としてその解決が強く望まれていた。

又剥し作業者には面抵抗力に抗してのきわめて大きな引
張り力が要求され作業者の疲労度は大きい。

本考案者は、フオーム層付貼着床材における成上のごと
き問題点を解消すべく、種々研究の結果本考案を完成し
たものである。

すなわち、本考案は床への貼着面（裏面）にフオーム層
を設けてなるフオーム層付貼着床材において、フオーム
層面に粗目シートを積層し、当該粗目シートを床面への
粘着面としたフオーム層付貼着床材である。

ところで、フオーム層付貼着床材の貼り替え施工時の前
述のごとき問題点すなわち、フオーム層の破断という問
題は例えば合成樹脂フィルムのごとく床面から剥離抵抗
に耐え得るだけの強度を持ったものをフオーム層全面に
積層し、このものの面を床面への粘着面とすれば一応解
決を見ることはできる。

しかしながら、この合成樹脂フィルムの積層にあっては
フオーム層の破断は防止されるものの、フオーム付貼着
床材は依然として床面に全面密着されるものであるため
、やはり剥離抵抗は面抵抗として現れ、それはかなり強
＜、シたがって剥し作業者に要求される引張り力は従来
に比べてほとんど軽減されず、作業者の疲労度は緩和さ
れない。

本考案は、フオーム層全面にわたって、いわゆる粗面シ
ートを積層し、この粗目シート面を床面に貼着すること
により、フオーム層付貼着床材を貼着施工するものであ
る。

したがって、本考案のフオーム層付貼着床材を貼着施工
した場合は、従来のごとくフオーム層面を直接床面に貼
着施工せしめた場合のごとく床面への密着部がフオーム
層の全面にわたるのとは異り、床面への密着部は線条、
つまり粗目シートを構成する糸あるいはテープ等の線条
であって、フオーム層面自身の床面への貼着はきわめて
弱＜、シたがってフオーム層面自身による剥離抵抗はほ
とんどなく、施工時の剥し作業においてフオーム層が破
断されて、その断面が床面に残るようなことは一切ない
、又その剥離抵抗のほとんどは線抵抗であるがゆえにき
わめて小さく、よって小さな引張り力のみによって、剥
し作業が可能という二重の効果を発揮するものである。

ところで、本考案で云う粗目シートとしては、網及び目
の粗い編織布が用いられ、網の場合にはその目の粗さが
４０〜２４０メツシユであり、父日の粗い編織布の場合
にはカバーファクターが１．５〜４．５の範囲のものを
選択使用するものである。

カバーファクターとは、一般に織物の手密度（本数／ｃ
ｍ） Ｄと番手Ｎとによって、Ｋ＝Ｄ／ｊＮとしてたて
糸、よこ糸それぞれについて表わされるものである。

本考案のカバーファクターはたて糸のカバーファクター
に１とよこ糸のカバーファクター瘍との和Ｋｔ＝Ｋｔ＋
Ｉ”；を表わすものである。

図面に従って本考案の構成をさらに詳細に説明する第１
図は従来のフオーム層付貼着床材１のフオーム層２の面
（第１図ａ）を、床面３に直接貼着（密着）シ（第１図
ｂ）、次いでこれを床面３から剥し取る（第１図Ｃ）一
連の作業を順次示す断面模式図である。

第２図は本考案に係るフオーム層付貼着床材５を（第２
図Ａ）そのフオーム層２に積層された粗目シート６の面
をもって床面３に貼着しく第２図Ｂ）次いでこれを床面
３から剥し取る１の作業（第２図Ｃ）を順次示す断面模
式図である。

すなわち、本考案の構成になるフオーム層付貼着床材を
使用した場合には第１図Ｃに示すごとき、フオーム層２
の破断（層間剥離）によるフオーム層断片４の床面３へ
の残留は全く起らずしたがってフオーム層断片４を別途
剥し取るという煩雑困難な作業を必要とせず、きわめて
スムーズに床材の剥し取り作業を行うことができるもの
である。

第３図は本考案の構成になるフオーム層付貼着床材を粗
目シート６側（裏面側）から見た平面図である。

第４図は粗目シート６面を床面３に貼着し、これを第３
図に示すＸＹ線で切断した場合の断面模式図である。

この第４図に示すごとく、本考案のフオーム層付貼着床
材１を床面３に貼着した場合床面３への密着部は粗目シ
ートを構成する線条素材７であって、この線条素材７に
よって構成された目の間に存在するフオーム層面８は床
面３には貼着しないか（この状態を非接着と呼ぶ）ある
いはごく一部が浮いた様に軽く貼着する（この状態を浮
接着と呼ぶ）だけである。

ところで粗目シートの目の間に存在するフオーム層の床
面への非接着あるいは浮接着の状態を保持せしめるには
、目の粗さが４０〜２４０メツシユである網か、あるい
はカバーファクターが１．５〜４．５である編織布をフ
オーム層面に積層すべき粗目シートとして用いられなけ
ればならない。

すなわち、４０メツシユ以下の網あるいはカバーファク
ター１．５以下の編織布を用いた場合には、線条素材の
間隔、つまり、目が粗すぎるため第４図に従って説明し
たごとき、目の間に存在するフオーム層面が粗目シート
の目の間隙を通して床面に全面密着してしまうため、全
面接着状態となり、目の間に存在するフオーム層部分の
あわゆる非接着あるいは浮接着の状態が形成され得す、
したがって本考案の目的を遠戚することができないので
ある。

一方目の粗さが２４０メツシュ以上の網あるいはカバー
ファクターが４．５以上の遍織布を用いた場合には目が
密になり過ぎ床面への接着面積が広くなって、面接着に
近づくため好ましくないのである。

なお粗目シートの目の間に存在するフオーム層面の床面
への非接着あるいは浮接着の目的をより満足に達成する
ためには、目の粗さの他に粗目シートを構威する線条素
材の太さがｌＯ〜５幡手であることがより好ましい。

本考案で云う粗目シートとは糸、細ひもあるいは細巾テ
ープ等の線条素材によって網目様の粗い目を構威し、こ
の粗目の集合によって一枚のシートを構成する物の全て
を含むものであり、例えば、紗（寒冷紗）絽、あるいは
、菱目、角目、亀目などの目をもった網シート類、その
他のメツシュ生地等がある。

又線条素材としてはスフ、綿、レーヨン、ナイロン、ポ
リエステルなど特に限定するものではない。

なお、フオーム層面への粗目シートの積層は接着剤によ
る方法、あるいは熱圧着による方法等その手段を特に限
定するものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフオーム層付貼着床材の貼着剥しの一連
の作業を示す断面模式図、第２図は本考案のフオーム層
付貼着床材弐貼着刺しの一連の作業を示す断面模式図、
第３図は本考案のフオーム層付貼着床材の床面への貼着
状態を示す断面模式図、第４図は本考案のフオーム層付
貼着床材を床面に貼着した状態を示す断面模式図である
。 １・・・・・・従来のフオーム層貼着材、２・・・・・
・フオーム層、３・・・・・・床面、４・・・・・・フ
オーム層残留断片、５・・・・・・本考案のフオーム層
付貼着床材、６・・曲粗目シート、７・・・・・・線条
素材、８・・・・・・フオーム層面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床への貼着面にフオーム層を設けてなる貼着床材におい
   て、フオーム層面に、目の粗さが４０〜２４０メツシユ
   である網あるいは、カバーファクターが１．５〜４．５
   である編織布を積層し、当該粗目シートを床面への粘着
   面としたことを特徴とするフオーム層付貼着床材。