JP6431649B1 - 多層マスキングシート - Google Patents

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Abstract

本発明は、隅出しマスキング作業の回数を減ずることが可能となると共に、隅出しマスキングの際の作業性を良好に保ち、且つ剥離の際の作業が容易なマスキングシートを提供するもので、マスキングシート基材1と粘着剤層2とを含む四角形の単層マスキングシートを複数積層した多層マスキングシートであって、各単層マスキングシートが、マスキングシート基材の第1の辺aと対向する第2の辺cの外縁に沿って粘着剤層2が設けられ、第1及び第2の辺と異なる第3の辺bから対向する第4の辺dに向かって中央部に無粘着領域Bを設けたことを特徴とする隅出し用多層マスキングシートを用いる。

Description

本発明は、道路床版の補強工事等の際に使用する多層構造のマスキングシートに関する。より詳細には、床版下面を帯状の補強シートを格子状に形成する際などに、格子部の隅出しマスキングを行う際の多層マスキングシートに関する。また、本発明は該多層マスキングシートを用いた床版の補強方法に関する。
従来、道路床版の補強方法として、強化繊維(炭素繊維やアラミド繊維等)と樹脂(エポキシ樹脂等)から構成される連続繊維シートを床版下面の全面に接着する方法が知られている。
しかし、この方法では、連続繊維シートの使用量が多くなることから、施工コストが高くなるという問題があるほか、床版全面を連続繊維シートで覆うため、自動車が繰り返し走行する際に生じ得る床版のひび割れ等の不具合を施工後に観察できないという問題があった。更には、床版上面からの浸透水が床版下面におけるコンクリートと連続繊維シートとの間に滞留し、床版の寿命を低下させる等の問題があった。
そこで、床版の下面に配置する連続シートを格子状に設置する方法が提案されている(特許文献1)。この方法によると、床版下面に連続繊維シートが被わない露出部が形成されるため、コンクリートのひび割れ等の状況を容易に観察することができ、かつ、当該露出部の存在により床版上面からの浸透水が床版下面におけるコンクリート部と連続繊維シートとの間に滞留することを防止することが可能となる。
連続繊維シートを格子状に設置する際、例えば、特許文献1には、図6のフローシートに示すような施工法が例示されている。
まず、床版下面のケレン(コンクリート表面全体を削る下地処理)(S1’)を行い、次に下地にプライマーを塗布する。格子部の隅出し(仕上げの位置を構造体などに印すこと)マスキング(S2’)を行い、更にプライマー処理(S3’)を行って、不陸修正(凹凸等を埋める作業)を行うことにより下地を形成する。この上に連続繊維シートの設置(貼り付け)を行う。例えば、1層目隅出しマスキング(S5’)を行い、樹脂(下塗り)を塗工後に、その上に1層目強化繊維を張り付けて(S6’)、樹脂(上塗り)を塗工し含浸した後(S7’)、1層目マスキングシートを除去する(S8’)。次いで、2層目隅出しマスキングを行い(S9’)、樹脂(下塗り)を塗工後に、その上に2層目強化繊維を貼り付け(S10’)、樹脂(上塗り)を塗工し含浸して(S11’)、2層目マスキングシートを除去する(S12’)。このように格子状に1層目及び2層目の強化繊維を接着した後、養生する(S13’)。
また、従来、多層に積層されたマスキングテープが知られており、塗装分野において下塗り塗装と仕上げ塗装との見切りをきれいに仕上げるために用いられている(特許文献2)。特許文献2は、下側に粘着剤を塗布したマスキングテープ基材と、該マスキングテープ基材の上側に、粘着剤を塗布し上側に積層したマスキングテープカバー基材よりなり、上記マスキングテープ基材と上記マスキングテープカバー基材の間の粘着剤の塗布は、マスキングテープ基材幅及びマスキングテープカバー基材幅より小さい幅で塗布され、マスキングテープ基材の幅方向端部及びマスキングテープカバー基材の幅方向端部は、粘着剤が塗布されていない空間を設けることを特徴としている。これにより上層が簡単に引きはがせるとされている。
特開2005−29953号公報 特開2014−173038号公報
特許文献1のように、所望の補強強度を実現するため2層以上の強化繊維を貼り付ける場合、隅出しマスキング作業とマスキングシートの除去作業を複数回繰り返すことが必要になり、施工作業者には過大な作業負担となっていた。
特許文献2のような多層のマスキング材を使用することで、マスキング作業の回数を減ずることができる。
しかしながら、強化繊維による補強工程では、通常の塗装方法に比較して粘度の高い樹脂を含浸する作業が必要になり、特許文献2のような多層構造のマスキング材によっても剥離除去しにくいという問題点も有していた。すなわち、強化繊維シートに樹脂(下塗り及び上塗り)を塗工する際には当該樹脂がマスキングシート周辺部をも覆うため、周辺部に粘着層のない構成でも施工作業員がマスキングシートを掴むことが困難であった。また、特許文献2の多層マスキング材は、2層目の剥離に関しては全く考慮されていない。このような作業効率の低下は、例えば高速道路等における床版のように広大な面積の施工を行う際には、重大な問題といえる。
そこで、本発明の目的は、多層に連続繊維シートを貼り付ける場合であっても、隅出しマスキング作業の回数を減ずることが可能となると共に、隅出しマスキングの際の作業性を良好に保ち、且つ剥離の際の作業が容易なマスキングシートを提供することにある。
本発明では、マスキングシート基材と粘着剤層とを含む四角形の単層マスキングシートを複数積層した多層マスキングシートであって、各単層マスキングシートが、マスキングシート基材の第1の辺と対向する第2の辺の外縁に沿って前記粘着剤層が設けられ、前記第1及び第2の辺と異なる第3の辺から対向する第4の辺に向かって略中央部に無粘着領域を設けたことを特徴とする隅出し用多層マスキングシートが提供される。
また、本発明では、道路床版の下面に、少なくとも帯状の強化繊維を第1の方向に所定の間隔を開けて設置して樹脂含浸し、さらに、前記帯状の強化繊維を前記第1の方向と直交する第2の方向に所定の間隔を開けて設置して樹脂含浸し、格子状の繊維強化樹脂構造体を形成して補強する道路床版の補強方法において、少なくとも前記帯状の強化繊維を前記第1の方向に所定の間隔を開けて設置する前に、上記の隅出し用多層マスキングシートを前記格子状の繊維強化樹脂構造体の非被覆部に配置し、各方向の樹脂含浸後に順次上層のマスキングシート基材を前記無粘着領域を基準に剥離する工程を有することを特徴とする道路床版の補強方法が提供される。
本発明では、マスキングシートを多層化することで、隅出しマスキングの回数を減ずると共に、マスキングシート基材の一端から対向する他端に向かって各層の略中央部に無粘着領域を設けたことにより、マスキングシートの剥離除去が容易となり、作業性が格段に向上する。
本発明の多層マスキングシートに使用する単層シート構成を説明する図。 本発明の多層マスキングシートの一例になる断面図及び平面図。 本発明の多層マスキングシートを用いた補強工程の平面図。 本発明の多層マスキングシートを用いた補強工程の工程断面図。 本発明の多層マスキングシートを用いた補強工程のフローシート。 特許文献1に開示の補強工程のフローシート。
本発明の多層マスキングシートは、図1に示すように、四角形のマスキングシート基材(以下単に基材ということがある)1の第1辺aと対向する第2辺bの外縁に沿って粘着剤層2を設け粘着領域Aを形成し、前記第1及び第2の辺と異なる第3の辺bから対向する第4の辺dに向かって略中央部に粘着剤層2のない領域あるいは粘着防止フィルム3を配置して無粘着領域Bを形成した単層マスキングシート(単に単層シートということがある)を2層以上積層して形成される。貼り合せる単層シートの枚数は必要となるマスキング回数(連続繊維シートの積層数)に応じて適宜選択することができる。(a)では、一枚の基材1に対して粘着領域Aと無粘着領域Bが設けられる例を示している。(b)では、基材1に切り込み部4を入れて2枚とし、それぞれに粘着領域Aと無粘着領域Bを設けている。(c)では分離された単層シートの一方を他方に一部重ねて重ね合わせ部5が設けられている。切り込み部4及び重ね合わせ部5は、無粘着領域B内にその延在方向に沿って形成される。これらの単層シートは任意に組み合わせて多層マスキングシートを形成することができる。3層以上を積層する場合、上記の単層シート以外の公知のシート又は層を有するものであっても構わない。各層を貼り合せる方向は特に限定されないが、(b)又は(c)に示す単層シートを重ねる場合は、無粘着領域Bの延在方向が直交する方向に貼り合せることで、切り込み部4あるいは重ね合わせ部5で分離されることなく多層マスキングシートを形成できる。また、(a)同士を重ね合わせる場合にも無粘着領域Bが直交する方向に貼り合せることができる。
粘着領域Aと無粘着領域Bの幅(辺a−c方向)については、所望の粘着強度が得られる範囲であれば特に制限されないが、例えば、無粘着領域Bの幅は、後工程で単層シートの剥離を容易とする観点から、例えば、5〜60mmとすることができるが、好ましくは10〜50mm、より好ましくは20〜40mmとすることができる。切り込み部や重ね合わせ部を設けた場合には、該部分で基材を分離して把持できる程度の幅を有することが好ましい。また、無粘着領域Bの辺a−c間の位置は略中央部であればよく、本発明の効果を損なわない範囲内で辺a又は辺c寄りに偏在していてもかまわない。更には、無粘着領域Bは辺a及び辺cと平行である必要はなく、略中央部に存在していれば良い。また、粘着剤層2の無粘着領域B側の辺(粘着防止フィルムを配した場合は辺a及び辺cと対向する粘着防止フィルムの辺)は、一直線状である必要はなく、円弧状、波線状、楔状(くの字状やジグザグ状)、コの字状などの様々な形状とすることができる。
図2は、図1(b)の(b1)に示す単層シートを二層積層して形成した多層マスキングシートの例を示す図である。(a1)、(a2)は断面図、(b1)、(b2)は平面図であり、(a1)は(b1)、(b2)のX1−X2断面、(a2)は(b1)、(b2)のY1−Y2断面を示す。同図に示すように剥離ライナーム8上に、多層マスキングシートを各単層シートの無粘着領域が直交する方向に貼り合わせた構成を有する。ここでは、各無粘着領域は、粘着剤層を設けずに空隙部6,7となっている。下層の粘着剤層2−1は、下地コンクリート面に貼り付けするため、上層の粘着剤層2−2に比較して粘着力を強くしている。基材1−1、1−2には、それぞれ切り込み部4−1、4−2が設けられている。
基材1としては、特に制限はないが、従来公知の、紙、布、又は、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、塩化ビニル等の合成樹脂からなるフィルムや不織布などが挙げられる。紙、布、不織布などは、目止め用の樹脂を含浸していても良い。また、これらの基材は単層のみのものでも良く、二層以上を積層したもの(積層基材)でも良い。積層基材の代表例としては、布やポリエチレンフラットヤーンを使用した交織布の片面又は両面にポリエチレン等の樹脂層をラミネートした基材が挙げられる。
また、基材の片面又は両面に、例えば易接着層や離形層のような他の任意の層があっても良い。さらに、基材の一部にマスキングに影響のない範囲でタブを設け、剥離を容易にすることもできる。
基材の厚みは樹脂が下地に浸透することがなく、マスキングシートとしての強度が保てる限りは特に制限はない。例えば、基材の厚みは、5μm〜200μm、好ましくは10〜100μmの範囲とすることができる。最下層のマスキングシートの基材は、多層マスキングシート全体の強度を保つ観点から、他の上層の基材よりも厚い基材を使用することが好ましい。
粘着剤層2としては、特に制限はなく、従来公知の粘着剤、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤などが挙げられる。また、道路床版などコンクリート部材に接する最下層の粘着剤層としては、エポキシ系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルエステル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリマーセメント系粘着剤、アクリル系粘着剤およびポリオレフィン系粘着剤からなる群の中から選ばれる1種又は2種以上の粘着剤から選択することもできる。
粘着剤層の厚みは例えば、5μm〜200μm、好ましくは10〜100μmの範囲の範囲とすることができる。
粘着剤層2はマスキングシート基材の第1の辺(a辺)と対向する第2の辺(c辺)の外縁に沿って設けられるが、「外縁に沿」うとは、必ずしも基材の外縁と粘着剤層との外縁が一致していることのみを意味するものでものではなく、剥離性に影響のない範囲であれば、基材の外縁から粘着剤層2が後退して設けられていても良い。なお、基材の外縁と粘着剤層との外縁が一致していることはより好ましい。
粘着防止フィルム3は、粘着剤層2との接着性に優れ、粘着剤を浸透しない材料であればいずれも使用することができる。例えば、各種樹脂フィルムや金属箔等が使用できる。
剥離ライナー8は、最下層の粘着剤層1−1と容易に剥離できる材料であれば、特に制限なく使用できる。
多層マスキングシートの大きさは、設定される隅出し領域に合わせた大きさであれば良く、特に制限されない。通常は、ある程度規格化しておくことが好ましく、例えば、100mm×100mmの正方形などとすることができる。また、通常は連続繊維シート同士を直交させることにより床版を補強するため多層マスキングシートの形状は正方形などの矩形となるが、例えば、床版上の曲面箇所等連続繊維シート同士を斜交させる場合には、平行四辺形(菱形を含む)、台形等の形状とすることもできる。
多層マスキングシートの製造方法は特に限定されないが、ロールコート、ダイコート、カレンダーコート、リバースコート、グラビアコート、ナイフコート等の方法により長尺の基材上に連続して粘着剤を部分塗工又は全面塗工を行って、塗工された単層マスキングシートを一旦巻き取る。全面塗工を行った単層マスキングシートについては、その粘着面に粘着防止フィルム3を貼り合せて一旦巻き取る。第一のマスキングシート(上層のマスキングシート)を第二のマスキングシート(下層のマスキングシート)の上に積層する。同様の方法で所望の数の単層のマスキングシートを積層して、更に、最下層の単層マスキングシートの粘着面に剥離ライナー8を貼り合せる。その後、所定の形状に打ち抜き加工を行うことにより、多層マスキングシートを製造する。
図3〜4は、本発明に係る多層マスキングシートを用いた連続補強繊維シート(強化繊維)を用いた床版補強における隅出し工程を説明する図であり、図3は平面図、図4は断面図を示す。なお、図4では、本来は、床版の下面に施工を行うため、上下は実際とは逆である。また、図5は、本発明に係る多層マスキングシートを用いた補強工程を説明するフローシートである。
図5に示すように、従来と同様に床版下面のケレン(S1)を行い、次に下地にプライマーを塗布する。格子部の隅出しマスキング(S2)を行い、更にプライマー処理(S3)を行って、不陸修正(S4)を行うことにより下地を形成する。S2のプライマー用の隅出しマスキングは、本発明に係る多層マスキングシートを用いても良いが、ここでは、従来のマスキングを行う例を説明する。プライマー塗布では、プライマー層の厚みが薄いため、従来のマスキング材を用いても作業性は比較的良好である。不陸修正後の断面を図4(a)に示す。床版10上にはプライマー層11が形成され、隅出し部にはプライマー層が形成されていない。
次に、本発明に係る多層マスクキングシートを貼り付け、強化繊維用の隅出しマスキングを行う(図5:S5、図4(b))。次に、樹脂下塗り、1層目強化繊維貼り付け(図5:S6)、樹脂上塗りを行い樹脂含浸する(図5:S7)。1層目強化繊維12は図3(a)のY方向(第1の方向ともいう)に延在して貼り付けを行う。なお、図3のX−Y方向は、図2のX−Y方向と同じである。ここでは、1カ所の隅出し部を示しているが、実際には、特許文献1の図1や図2に示すように、帯状の1層目強化繊維12を複数貼り付け、その間の隅出し部、すなわち、1層目強化繊維12と2層目強化繊維14との交差部に近接して両者が重なり合わない部分(非被覆部という)に隅出し部を設ける。樹脂13含浸後の図3(a)のX1−X2断面を図4(c)に示す。このとき、樹脂13の一部は、辺a、cから下層マスキングシート基材1−1下の空隙6に侵入することがあるが、下層マスキングシート基材1−1に切り込み部4−1を設ける、あるいは図1(c)に示すような重ね合わせ部5を形成しておくことで、後工程での下層マスキングシート基材1−1の除去作業性に影響がない。また、無粘着領域に粘着防止フィルムを貼り付け、空隙6が形成されないようにすることもできる。図4(d)に上層マスキングシート基材1−2を除去した状態を示す。ここでは、粘着剤層2−2が下層マスキングシート基材1−1上に残っている状態を示しているが、粘着剤層2−2は上層マスキングシート基材1−2とともに除去されるように下層マスキングシート基材1−1側の粘着力を低くしても良い。
従来は、図6に示すように、樹脂含浸後にマスキングシートを除去(図6:S8’)して、新たにマスキングシートを貼り付け(図6:S9’)ていたが、本発明では上層のマスキングシート基材1−2を除去(図5:S8)することで、下層のマスキングシート基材1−1が残り、新たなマスキングシート貼り付けが不要となる。また、切り込み4−2から上層のマスキングシート基材1−2を除去するため、通常、樹脂が付着し難い中央部からの剥離が容易となる。切り込み部4−2や重ね合わせ部5が設けられていない基材を上層に用いても、空隙7に施工作業者が指や治具を挿入して基材1−2の剥離除去が容易となる。
続いて1層目強化繊維貼り付けと同様に、樹脂下塗り、2層目強化繊維14の貼り付け(図5:S9)、樹脂上塗りを行い樹脂含浸する(図5:S10)。2層目強化繊維14は、図3(b)に示すように、X方向(第2の方向とも言う)に延在して貼り付けられる。図4(e)は、図3(b)のY1−Y2断面を示す。
その後、下層マスキングシートを除去し(図5:S11)、養生する(図5:S12)。これにより樹脂マトリックス中に強化繊維が配された格子状の繊維強化樹脂構造体(FRP)が形成され、道路床版の下面の補強が可能となる。また、本発明に係る多層マスキングシートを除去した非被覆部は、床版下面のコンクリート面が露出しており、経時的なひび割れ等の観察が可能となり、浸透水の滞留を防止できる。
このように、本発明では2層目強化繊維貼り付けに際して、新たに隅出し用のマスキングシートの設置が不要となる。また、1層目強化繊維の貼り付け後では、隅出し用のマスキングシートを新たに設置することは作業性の点で正確性の確保が難しいが、本発明では、1回の隅出しマスキングを行うのみでよいため正確性も格段に向上する。また、各単層マスキングシートを剥離する際には、無粘着領域を基準に剥離することで剥離作業性が向上する。
さらに、図1(c)のような重ね合わせ部5を有するものや、又は図1(b)のような切り込み部4を有する基材同士を直交する方向で貼り合せたものは、マスキングシート上部に樹脂が付着した場合であっても、床版のコンクリート面まで樹脂が達し難いため、好ましい。
強化繊維を用いた床板補強方法のその他の詳細については、特許文献1等の記載を参考にできる。
以下実施例にて詳細に説明するが、本発明は実施例記載の内容に限定されるものではない。なお、「部」は質量部を示す。
(基材)
ポリエチレンフラットヤーンとポリエステル糸の交織布の両面にポリエチレン樹脂層をラミネートした基材(厚さ125μm)を準備した。
(粘着剤)
2−エチルヘキシルアクリレート97部及びアクリル酸3部を溶媒中で2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)を開始剤として重合し、固形分50%のアクリル系ポリマーを得た。ベースポリマーとしてこのアクリル系ポリマー100部と、イソシアネート系硬化剤(綜研化学社製、商品名L−45)1部を含むアクリル系粘着剤を準備した。
(単層マスキングシート)
上記基材の一方の面にロールコート方式により粘着剤層の厚さが30μm、粘着層がない部分の幅が30mmとなるように上記アクリル系粘着剤を連続して部分塗工を行った。
(積層マスキングシート)
第一の単層マスキングシート(上層のマスキングシート)を第二の単層マスキングシート(下層のマスキングシート)の上の所望の箇所に積層した。更に、最下層の単層マスキングシートの粘着面に剥離ライナーを貼り合せ、寸法100mm×100mmの形状に剥離ライナーのみを残してシール抜き加工(ハーフカット)を行うことにより、多層マスキングシートを製造した。
以上の説明では、道路床版の補強工程に本発明に係る多層マスキングシートを適用した例を説明したが、本発明はこのような床板補強のみに限定されず、多数回の隅出し作業が必要となる塗装工程などの他の分野への適用も可能である。
1 基材
2 粘着剤層
3 粘着防止フィルム
4 切り込み
5 重ね合わせ部
6,7 空隙部
8 剥離ライナー
10 床版
11 プライマー層
12,14 強化繊維
13,15 樹脂
A 粘着領域
B 無粘着領域

Claims (6)

  1. マスキングシート基材と粘着剤層とを含む四角形の単層マスキングシートを複数積層した多層マスキングシートであって、各単層マスキングシートが、マスキングシート基材の第1の辺と対向する第2の辺の外縁に沿って前記粘着剤層が設けられ、前記第1及び第2の辺と異なる第3の辺から対向する第4の辺に向かって略中央部に無粘着領域を設けたことを特徴とする隅出し用多層マスキングシート。
  2. 前記無粘着領域は、前記粘着剤層を設けていない領域である請求項1に記載の隅出し用多層マスキングシート。
  3. 前記無粘着領域は、前記粘着剤層上に粘着防止フィルムを貼り付けた領域である請求項1に記載の隅出し用多層マスキングシート。
  4. 前記無粘着領域内に、前記無粘着領域の延在方向に沿って、前記前記マスキングシート基材に切り込み部、もしくは前記マスキングシート基材の一部が重なった重ね合わせ部を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の隅出し用多層マスキングシート。
  5. 下層の前記単層マスキングシートと該下層の単層マスキングシート上に積層される上層の前記単層マスキングシートの前記無粘着領域の延在方向が互いに直交するように積層されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の隅出し用多層マスキングシート。
  6. 道路床版の下面に、少なくとも帯状の強化繊維を第1の方向に所定の間隔を開けて設置して樹脂含浸し、さらに、前記帯状の強化繊維を前記第1の方向と直交する第2の方向に所定の間隔を開けて設置して樹脂含浸し、格子状の繊維強化樹脂構造体を形成して補強する道路床版の補強方法において、少なくとも前記帯状の強化繊維を前記第1の方向に所定の間隔を開けて設置する前に、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の隅出し用多層マスキングシートを前記格子状の繊維強化樹脂構造体の非被覆部に配置し、各方向の樹脂含浸後に順次上層のマスキングシート基材を、前記無粘着領域を基準に剥離する工程を有することを特徴とする道路床版の補強方法。
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