JPS6032069Y2 - リンク部分を折たたんで格納可能なダブルリンク式引込みクレ−ン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はダブルリンク式引込クレーンに関するものであ
る。

ダブルリンク式クレーンはその形状の特質から通常折た
たむ事が不可能であるが、浮クレーンとして使用する場
合は、その移動に際し姿勢を低くし、安定性を増すこと
が必要である。

本考案はこの問題を解決すべく考案されたものであって
、引込装置を切離すことなく、又引込装置架台を倒すこ
となくリンク部分をウィンチ１台で折たたむ事を可能に
したものである。

以下添付図面を参照して実施例について説明する。

第１図は本考案に係る引込クレーンの作業時（実線位置
）と非作業時（一点鎖線位置）及び格納時（二点鎖線位
置）の状態を示す。

１は前部リンクである。

前部リンク１は中間体１ｂと、該中間体の上部に上部ヒ
ンジ４と上方に折曲可能に枢着された先端部１ａと中間
体の下部に下部ヒンジ５で先端部１ａと反対側に折曲可
能に枢着され、基部が旋回柱Ａの中程に枢着された下端
部１ｃを有している。

そしてこれら上下部ヒンジ４と５で前部リンク１は逆２
字状に折曲げ可能である。

当然のことであるが、作業時には前部リンク１の上下ヒ
ンジ部４，５はボルト（図示せず）で折曲不能にセット
され直伸状態となっている。

上部ヒンジ４で上方に折曲可能な先端部１ａはその先に
ジブ１１が回動可能に取付けられ、該ジブ１１は上部リ
ンク１４によって旋回台Ａの頂部に支持されている。

２は前部リンク１の中間体１ｂの上部（土部ヒンジ４の
稍下部）にその一端が固定されたロープで、旋回柱Ａの
頂部に取付けられたシーブ１５、ウェートロの上部に取
付けられたシーブ６ａを経て再びシーブ１５を介して旋
回柱Ａの基部に設置されたウィンチ７によって巻取・巻
戻可能である。

１３はウェートロのガイド面である。８はストッパで、
旋回柱Ａの前部中央に突出して固着されている。

９は前部リンク１の引込ロッドで、一端が前部リンクを
構成する下端部１ｃの上部に枢着され、他端は旋回柱Ａ
の中程に回動自在に設けられたナツト９ａと螺合してい
る。

ナツト９ａを回すことにより引込ロッド９を伸縮し、前
部リンク１の旋回半径を小さくして起立させることがで
きる。

１０は前部リンクの支持台で浮きＢ上で旋回柱Ａと離れ
た位置に設置されている。

１２は旋回柱Ａのウェートガイド面１３の下部にとりつ
けられたウェートロの固定装置である。

以上の構造の引込クレーンは次の順序で支持台１０上に
前部リンク１を折た）んで格納する事ができる。

１ 旋回柱Ａを旋回して支持台１０方向にクレーンを旋
回し、ナツト９ａと螺合する引込ロッド９をナツト９ａ
を回すことによって最少作業半径状態に前部リンク１を
引込み、前部リンク１の下端部ＩＣをストッパ８に当て
ておく。

２ ジブ１１を回動させ、前部リンクの上端部１ａの上
部ヒンジ４の反対側に設けられている固定装置３で前部
リンク１の上端部１ａとジブ１１を固定する。

３ ウィンチ７を作動してロープ２を繰出し、ウェート
ロをウェートガイド面１３の下端に下して、ウェートロ
の固定装置１２によってウェートロを固定する。

４ 前部リンク１の上部ヒンジ部４と下部ヒンジ部５を
固定しているボルトを外し、上下部のヒンジ部を解放し
、上下ヒンジ部４，５を節として前部リンク１を折曲げ
可能とする。

５ ウィンチ７を作動し、ロープ２を更に送り出すと、
前部リンク１の上端部１ａと下端部１ｃは夫々ヒンジ部
４，５を節として逆２字状に折れ曲り、リンク全体が前
方に倒れ前部リンク１は逆２字形となる（第２図）。

６ 前部リンク１の中間体１ｂの端が支持台１０上に接
した時、ウィンチ７を停止し、第２図の状態でクレーン
は格納される。

７ 作業状態に戻すには以上の逆の動作で行うことがで
きる。

本考案によれば、前部リンク１に上下２ケ所のヒンジ部
４，５を設け、かつ下部のヒンジ部５が引込ロッド９の
固定部より上の位置にあるので、引込ロッド９を外すこ
となく前部リンク１を重心が低く安定した状態に折り曲
げることができる。

なお成上の説明では本考案がフローディングクレーンに
設置されたダブルリンク式クレーンについて説明した。

しかしこれを陸上用としても応用することも勿論可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るダブルリンク式引込クレーンを示
す。 第２図は格納時の状態を示す。図において；Ａ・・・・
・・旋回柱、Ｂ・・・・・・浮き、１・・・・・・前部
リンク、１ａ・・・・・・先端部、１ｂ・・・・・・中
間体、１ｃ・・・・・・下端部、２・・・・・・ロープ
、３・・・・・・固定装置、４・・・・・・上部ヒンジ
部、５・・・・・・下部ヒンジ部、６−−−−−−ウエ
ート、６ａ・・・・・・シーブ、７・・・・・・ウィン
チ、８・・・・・・ストッパ、９・・・・・・引込ロッ
ド、９ａ・・・・・・（引込ロッドのねじ部と螺合する
）ナツト、１０・・・・・・支持台、１１・・・・・・
ジブ、１２・・・・・・固定装置、１３・・・・・・ウ
ェートガイド面、１４・・・・・・上部リンク、１５・
・・・・・シーブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中間体と、該中間体の上部に上部ヒンジ部で枢着され、
   上部ヒンジ部の反対側にジブ固定装置を有し、かつ旋回
   柱の上部に一端を支持された上部リンクで支持されたジ
   ブが枢着された先端部、及び下部ヒンジ部で枢着され、
   下端が旋回柱の下部に枢着された下端部とからなる前部
   リンクを備え、該前部リンクは上・下部ヒンジ部を固定
   した直伸状態と、前記ヒンジ部を自由にして逆２字形の
   折曲状態に変換可能であり、前記下部ヒンジ部より下の
   下端部には一端を該下端部に枢着され、旋回柱の中程に
   とりつけられたナツトと螺合する引込ロッドが取付けら
   れ、ナツトを回すことによって生ずる引込ロッドの伸縮
   によって前部リンクが起倒可能となっており、一方前部
   リンクの中間体の上部にはロープの一端が固定され該ロ
   ープは前記旋回柱の頂部に設けたシーブによって案内さ
   れ、さらに旋回体に対し固定装置によって固定・切離し
   が可能なウエート上のシーブ及び再び旋回柱上のシーブ
   を介しウィンチに巻取・巻戻し可能であり、引込ロッド
   の引込により前部リンクは旋回体の中間部に設けられた
   ストッパに突当るまで起立できるようになっており、さ
   らに格納時には前部リンクは折曲げられて前記旋回柱と
   離れた位置に立設された支持台上に中間体の先端を支持
   されるようにしたことを特徴とするリンク部分を折りた
   たんで格能可能なダブルリンク式引込みクレーン。