JPS6031751Y2 - パチンコ機における複式施錠装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はパチンコ機における複式施錠装置に関し、パチ
ンコ機の機体前面側よりシリンダー錠に挿し込む鍵の時
計方向又は反時計方向への回転操作によって、表枠とガ
ラス扉枠の随時な解錠による扉枠の開成動を可能ならし
めたものである。

在来散見されるパチンコ機の施錠装置は、表枠開成用と
ガラス扉枠開成用の二種の施錠装置を機体前面側からみ
て左右別々に装設し、当該両枠体を機体前面側や機体裏
面から夫々相反方向へ開成せる手段を採用するか、或は
、表枠の開閉側裏面にシリンダー錠を共通にする表枠と
ガラス扉枠の施錠装置を装設し、鍵の時計方向（右方向
）又は反時計方向（左方向）への回転操作、若しくは二
段錠を使用して鍵の挿し込み位置又は押し込み位置での
時計方向への回転操作によって、当該両枠体を同一方向
へ開成せる手段を採用したものとに大別できる。

ところが、前者の方式に依れば、二種の相異った施錠装
置を機体裏面に夫々取付ける必要がある為パチンコ機毎
への取付作業が二重手間となり、また数多くの構成部品
を組立製作する必要がある為、作業の省力迅速化の要請
に反し、且つ装置全体のコストダウンに貢献し難く、ま
たパチンコ機への取付後の使用の際には両枠体を相反方
向へ開閉成させる為、操作の迅速性にも欠けるものであ
った。

然るに、後者の方式に依れば、シリンダー錠を共通にし
て表枠とガラス扉枠の同一方向への随時な開成をなし得
る利点が認められるも、表枠開成用の施錠装置の外に、
該装置本体と連関係合せる位置にガラス扉枠開成用の補
助的な施錠装置を別途設けたたものであった。

従って、前者の方式と同様に二種の相異った施錠装置の
取付作業を要し、また数多くの構成部品を組立製作する
必要がある為、作業の省力迅速化や装置全体のコストダ
ウンの要請に未だ不充分なものであった。

殊に現今パチンコ機の自動化の普及に伴ない機体裏面に
は数多くの機器が詰め込み様にびっしりと装設される関
係上、表枠の開閉側裏面の狭小な部所に限って縦設し得
る表枠開成用の施錠装置を除き、前記補助的な施錠装置
の取付可能なスペースを機体裏面側に見い出し得す、実
際上実用化に難点の認められるものであった。

その為、表枠への取付板機能を併有する縦長な基枠体を
ベースとし、該基枠体に組み込まれ上下端に鉤片を有す
る被動部材の適所に掛止腕を固着し、これによって表枠
とガラス扉枠を同時に解錠せんとしたものが案出される
に到っている。

然し乍ら、斯る施錠装置に依れば、必要に応じて表枠又
はガラス扉枠のいずれか一方の枠体のみを解錠させるこ
とができないものであった。

例えば、機枠に枢支せる表枠の開成のみを所望する場合
に、開成不要なガラス枠に枢支せるガラス扉枠をも解錠
させる為、当該ガラス枠とガラス扉枠との係合状況が弛
緩し、特に、表枠やガラス扉枠の弛緩状況を看過すれば
、その優生な隙間より不正な行為や不正な開成を行なう
余地を与えることと相威るものであった。

その為、表枠の閉成時には別途ガラス扉枠をガラス枠に
挿し込みて再施錠しなければならず、二重手間と相成り
操作性に欠けるものであった。

而して、本考案では斯る在来手段に鑑みて案出したもの
であって、実開昭４８−１４３８５号公報、実公昭５２
−７５２Ｎ公報等に開示するパチンコ機における表枠の
施錠装置の基本的な構成を変えることなく、それを略そ
の儂利用して新たに爪部材を有するガラス扉枠開成用の
被動部材を基枠体に組み込み、即ち、基枠体に独立別個
に作動する二種の基枠開成用の被動部材とガラス扉枠開
成用の被動部材を装設し、別途機枠とガラス扉枠に夫々
装設せる掛止部材と関連係合し得る複式施錠装置を提供
し、構成部品の効率的な利用と装置全体のユニット化、
簡素化による単体商品としての有用性を発揮せしめ、併
せて組立、取付作業の省力迅速化の要請に対処し、また
円滑迅速な施錠、解錠作動をも確保せんとしたものであ
る。

本考案の実施態様を添付図面に従って説明するに、Ｓは
パチンコ機における複式施錠装置であって、パチンコ機
の機枠１に枢接せる表枠２とガラス枠３に枢設せるガラ
ス扉枠４の施錠解錠機能を具有し、当該表枠２とガラス
扉枠４を同一方向へ開閉成すべくなしている。

複式施錠装置Ｓの本体部は、表枠２への取付板機能を併
有する縦長な基枠体りをベースとして形成され、該基枠
体りに独立別個に相反方向へ作動する二重の上方鉤片５
と下方鉤片６を有する表枠開成用の被動部材Ｍと、爪部
材７を有するガラス扉枠開成用の被動部材Ｎを装設し、
該装置本体を第２図に示す如く機枠１の内壁面とパチン
コ機盤８、中桟９端面の狭小な箇所で、表枠２の開閉側
裏面に縦設固定せしめ、別途機枠１に設けた掛止部材１
０と前記上方鉤片５、下方鉤片６とを、またガラス扉枠
４に設けた掛止部材１１と前記爪部材７とを夫々関連係
合すべく配置構成している。

基枠体りは適宜厚の金属製板素材から所要の位置に孔、
溝、切欠、突起などの構成部を形成して所要の外形に打
抜き、前面板部１２、側面板部１３、後面板部１４から
なる縦長な一本物として略り字状ないしコ字状の平断面
形状に折曲形成している。

１５は基枠体りの表枠２への取付固定側となる前面板部
１２に取着したシリンダー錠であって、前面板部１２の
中央上部に形成した錠孔ａにかしめ固定される。

１６はシリンダー錠１５の後端に取着した円盤状の回転
部材であって、具体的にはシリンダー錠１５の内筒１７
より後端方へ突成した錠軸１８にかしめ固定され、機体
前面側からシリンダー錠１５に挿し込む鍵にの時計方向
Ｘ又は反時計方向ｙへの回転操作と一体的に関連動する
。

１９．２０は回転部材１６の前後面の上下相反位置に突
成したピン状の係合部であって、一方の係合部１９は表
枠開成用として、また他方の係合部２０はガラス扉枠開
放用として夫々設けられている。

このとき、保合部１９．２０を突出ビン状とすることな
く、切り起し状又は膨出突起状に一体成型したり、また
回転部材１６も円盤状とすることなく矩形盤状の如き任
意形状に変えることができる。

而して、基枠体りに組み込み形成した一方の被動部材Ｍ
を有する表枠開成用の作動系イは、シリンダー錠１５、
係合部１９を有する回転部材１６、起立状の被係合部２
１を有する連結杵２２、その上下端に取着した上方鉤片
５と下方鉤片６、及び被動部材Ｍを施錠方向へ付勢する
スプリング２３とからなっている。

詳説すれば、略り字状に打抜かれ基部と鉤部とからなる
上方鉤片６は、後面板部１４の下端部に形成した切欠開
口ｄを介しての切欠溝ｂ′と、前面板部１２の上端内壁
面に突成した案内突起Ｃ′との間に嵌挿係合される。

当該上方鉤片５と下方鉤片６は、側面板部１３の上方部
と下方部に打抜き形成した案内長孔ｅに挿通したピン２
４を介して連結杵２２の上下端に取着される。

連結杵２２の略中央上部には、起立状の被係合部２１が
形成され、上方鉤片５と下方鉤片６に夫々切り起し形成
した突起部ｆと、前面板部１２の上下内壁面に夫々切り
起し形成した突起部ｆ′の間には、スプリング２３が掛
架支持され、被動部材Ｍを施錠方向へ付勢せる当該スプ
リング２３によって前記連結杵２２の被係合部２１と回
転部材１６の係合部１９とを常時関連係合せしめている
。

従って、上方鉤片５と下方鉤片６を有する被動部材Ｍは
、鍵にの時計方向Ｘへの回転操作によって基枠体りに案
内規制されて上昇動し、別途機枠１に設けた掛止部材１
０との係合状況を解放する。

次に、基枠体りに組み込み形成した他方の被動部材Ｎを
有するガラス扉枠開放用の作動系口は、シリンダー錠１
５、保合部２０を有する回転部材１６、起立状の被係合
部２５を有する昇降杆２６、その端部に設けた爪部材７
、及び被動部材Ｎを施錠方向へ付勢するスプリング２７
とからなっている。

詳説すれば、被動部材Ｎを構成する昇降杆２６は、前面
板部１２の略中央壁面に突成した案内突起Ｃ″と側面板
部１３との間に嵌挿され、また爪部材７は側面板部１３
の後端部で基枠体りに沿って形成した案内長孔ｅ′に嵌
挿係合される。

昇降杆２６に起立形成した突起部ｆ″と前面板部１４の
略中央内壁面に形成したピン状の突起部ｆ″′との間に
はスプリング２７が掛架支持され、被動部材Ｎを施錠方
向へ付勢せる当該スプリング２７によって昇降杆２６の
被係合部２５と回転部材１６の係合部２０とを常時関連
係合せしめている。

従って、爪部材７を有する被動部材Ｎは、鍵にの反時計
方向ｙへの回転操作によって基枠体りに案内規制されて
下降動し、別途ガラス扉枠４に設けた掛止部材１１を押
下動させ、これによってガラス扉枠４との施錠を解放す
る。

これは、ガラス扉枠４自体に装設された施錠機構の如何
によって任意に変え得るものである。

。例えば、第２図に示す如くガラス扉枠４に直接鉤片２
８の如き掛止部材１１が取着されたような場合には、前
記爪部材７による掛止部材１１の押下動によって第７図
すや第８図の位置から解錠される。

このとき、前面板部１２の後面側に突成せるシリンダー
錠１５の内筒１７下方部には切落面２９が形成され、該
切落面２９の存在によって側面板部１３との間には被動
部材Ｎが作動するに充分な隙間が形成され、係合部２５
を有する回転部材１６の円滑な作動を確保している。

けだ腰基枠体りの大きさは、表枠裏面の狭小な取付部所
との関係上極めて限定される為、前面板部１２の板幅の
拡大がなし得す、取付の実際上を考慮して内筒１７に切
落面２９を設けたのである。

第６〜第８図はガラス扉開成用の被動部材Ｎの第１〜第
３実施例を示腰第６図は爪部材７をＺ方向に降下動せし
めることによって別途ガラス扉枠４に設けた掛止部材１
１を押下動し、これにてガラス扉枠４をガラス枠３より
解錠せしめる方式を示し逆に第７図は爪部材７をＺ方向
へ作動せしめることによって別途ガラス扉枠４に設けた
掛止部材１１を構成する鉤片２８を押下動し、これにて
ガラス扉枠４を解錠せしめる方式を示している。

このとき、第６図ａ、第７図ａに示す如く爪部材７を昇
降杆２６と一体物とすることなく、図す、 ｃに示す如
く昇降杆２６と別体の起立状の突出部３０を設け、該突
出部３０に爪部材７をかしめ固定し、ダンボール箱など
への収納運搬時には図Ｃに示す如く前記爪部材７を基枠
体り内へ折り畳み、表枠２への取付時に図すに示す如く
側方へ突成しておけば、ダンボール箱内へ施錠装置Ｓの
本体を多数個収納、梱包するも、電歪ることなくコンパ
クトに整列して収納し得、且つ運搬時においても良好で
ある。

また、第８図には昇降杆２６の上下端方に形成した突出
部３０に二重の爪部材７を枢設固定し、当該被動部材Ｎ
を施錠方向へ付勢してガラス扉枠４に設けた掛止部材１
１と関連係合せしめ、これによりガラス扉枠４を解錠す
る方式を示している。

また、第９図ａｔ ｂ、 Ｃは回転部材１６としてシリ
ンダー錠１５の後端の錠軸１８にカラー３１を介して、
二重の表枠開成用のカム突起３２を有する回転片３３と
ガラス扉枠開放用のカム突起３４を有する回転片３５を
ダブルカム方式に取着し、且つ表枠開成用の被動部材Ｍ
の連結杵２２にカム突起３２を、またガラス扉枠開成用
の被動部材Ｎの昇降杆２６にカム突起３４を夫々関連係
合せしめ、シリンダー錠１５に挿し込む鍵にの時計方向
Ｘ又は反時計方向Ｙへの回転操作によって回転片３３．
３５を相反方向へ一体回動せしめ、これによって、表枠
２とガラス扉枠４の随時な解錠をなしている。

尚、３６は爪部材７の上端に設けたストッパー突起であ
る。

また基枠体りの前面板部１２の上下には表枠２への取付
用通孔ａ′が打抜き形成される。

本考案は前記の如く表枠への取付板機能を併有する基枠
体に独立別個に作動する二種の表枠開成用の被動部材と
ガラス扉枠開成用の被動部材とを装設し、別途機枠とガ
ラス扉枠に夫々設けた掛止部材と関連係合すべくなした
ので、構成部品の効率的な利用と装置全体のユニット化
、簡素化による単体商品としての有用性を発揮し、且つ
組立取付作業の省力迅速化や複式施錠装置としての円滑
な作動をも期待し得る。

また、回転部材の前後面に表枠開成用の被動部材とガラ
ス扉枠開成用の被動部材と関連係合する係合部或いは当
該回転部材を二重の回転片によるダブルカム方式とした
ので、構成部品の効率的な利用や組立取付作業が簡単に
行ない得、且つ確実な関連作動を期し得る。

また、本考案ではシリンダー錠に挿し込む鍵の時計方向
又は反時計方向の回転操作によって表枠開成用又はガラ
ス扉枠開成用のいずれか一方の被動部材のみを独立別個
に作動し得るようにしたので、ガラス扉枠の開成時は無
論のこと表枠開成時における鍵の回転操作が軽快且つ小
さな操作力で行え、円滑且つ迅速な解錠操作に有用であ
る。

また、昇降杆の上下両端部と上方鉤片、下方鉤片とを係
合支持しない為、装置全体の組立作業が容易で量産性に
も優れる。

またガラス扉枠開放用の被動部材に爪部材を枢設したの
で、ダンボール箱内への収納に際して格別高張るこをも
なくコンパクトに梱包し得、運搬の際にも便宜である。

しかも、シンプルな構成であるので市場に廉価に提供で
きる等の諸効果を齋らす。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示し、第１図は施錠装置本
体の斜視図、第２図は施錠装置のパチンコ機への取付状
態を示す要部平断面図、第３図は施錠装置本体の上半部
を示す拡大側面図、第４図ａ、 ｂは第３図のＡ−Ａ線
、Ｂ−Ｂ線断面図、第５図はシリンダー錠の取付部にお
ける回転部材と被動部材の係合状態を示す要部断面図、
第６図〜第８図はガラス扉枠開成用の被動部材の実施例
を示し、第６図ａ、 ｂ、 ｃは第１実施例、第７図ａ
、 ｂｔ ｃは第２実施例、第８図は第３実施例を夫々
示す斜視図、第９図はａ、 ｂ、 ｃは回転部材として
二重の表枠開成用の回転片とガラス扉枠開放用の回転片
とをダブルカム方式に取着固定した場合の第２実施例を
示し、図ａは第５図と同位置における断面図、図す、
ｃは図ａのＣ−Ｃ線、Ｄ−Ｄ線断面図である。 Ｓ・・・・・・複式施錠装置、Ｌ・・・・・・基枠体、
Ｍ・・・・・・表枠開成用の被動部材、Ｎ・・・・・・
ガラス扉枠開成用の被動部材、２・・・・・・表枠、４
・・・・・・ガラス扉枠、５・・・・・・上方鉤片、６
・・・・・・下方鉤片、７・・・・・・爪部材、１０．
１１・・・・・・掛止部材、１５・・・・・・シリンダ
ー錠、１６・・・・・・回転部材、１９，３０・・・・
・・係合部、２１．２５・・・・・・被係合部、２２・
・・・・・連結杵、２３゜２７・・・・・・スプリング
、２６・・・・・・昇降杆、２９・・・・・・切落面、
３３，３５・・・・・・回転片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機枠１に枢設せる表枠２とガラス枠３に枢設せるガラス
   枠４とを同一方向へ開閉成するパチンコ機を設け、前記
   表枠２の開閉側裏面には所要の位置に孔、溝、切欠、突
   起などの構成部を形成した基枠体りを縦設し、該基枠体
   りの表枠２への固定側にシリンダー錠１５を固着し且つ
   その後端に回転部材１６を取着腰前記基枠体りとその構
   成部を介して上方鉤片５．連結杵２２、下方鉤片６から
   なる表枠開成用の被動部材Ｍを嵌挿係合せしめ、当該被
   動部材Ｍと前記基枠体りとの間に連結杵２２を施錠方向
   へ付勢せるスプリング２３を掛架支持し、該スプリング
   ２３を介して前記回転部材１６，３３の係合部１９，３
   ２と連結杵２２の被係合部２１とを付勢係合せしめ、前
   記上方鉤片５、下方鉤片６と機枠１に取着した掛止部材
   １０とを係合し得るように構成したパチンコ機の施錠装
   置において、前記基枠体りとその構成部を介して爪部材
   ７と昇降杆２゛６からなるガラス扉枠開成用の被動部材
   Ｎを嵌挿係合し、昇降杆２６に爪部材７を枢設し、前記
   被動部材Ｎと前記基枠体りとの間に昇降杆２６を施錠方
   向へ付勢せるスプリング２７を掛架支持し、昇降杆２６
   の上下両端部と前記上方鉤片５、下方鉤片６とを保合支
   持することなく、該スプリング２７を介して前記回転部
   材１６．３３の係合部２０．３４と昇降杆２６の被係合
   部２６とを付勢係合せしめ、前記爪部材７とガラス扉枠
   ４に取着した掛止部材１１とを係合し、前記シリンダー
   錠１５に挿し込む鍵にの時計方向Ｘ又は反時計方向ｙの
   回転操作によって、前記表枠開成用又はガラス扉枠開成
   用のいずれか一方の被動部材Ｍ、 Ｎのみを独立別個に
   作動し得るように構成したことを特徴とするパチンコ機
   における複式施錠装置。