JPS5853413Y2 - 扉用錠前 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、たとえば引違戸に使用される錠前に関するも
ので、詳しくは、方形状の枠体内に同枠体の内外に回動
できるように取り付けられたフックを、シリンダ錠にお
けるロータの回動操作によって、枠体内を摺動されるロ
ックプレートおよび同ロックプレートと前記コックとを
結合している保合ピンを介して回動させるように構成さ
れた形式の雇用錠前に関するものである。

すなわち、上述の如き形式は従来の雇用錠前は、フック
を方形状の枠体を直接ピンによって取り付ける構造とな
っているのが普通である。

ところが、上記構造のものでは保合ピンと係合している
ロックプレートが枠体の両側壁面に沿って摺動するよう
になっていることから、フックのピン受けは枠体の両側
板以外のたとえば枠体裏板に突設されており、そしてフ
ックのピン受けへの取付けはピンを枠体の側板に設けた
貫通孔を通してピン受けに挿通することによって行われ
るが、しかるにこのようなピン通しおよびとのカシメ等
の作業を方形状の枠体内での限られた狭いスペースで行
うことは熟練者であってもきわめて困難かつ厄介なもの
であった。

そのため、上述の如き不具合を除去することを目的とし
て、予めリテーナにフックおよびロックプレートと係合
すべき保合ピンをそれぞれ取り付けてから、これらのも
のを方形状の枠体内の所定位置に嵌め込み後、リテーナ
を゛ビスや鋲等により枠体に固定するようにして、不慣
れな者でも容易に組付けることができるように構成され
た雇用錠前も提案されている。

しかしながらこの形式のものは前述の従来のものに比べ
て組付性は改善されるものの、部品点数が比較的多く、
そのため製作時の工数が多くコスト高となる欠点があっ
た。

本考案は、上述した不具合を除去して、組付性が良好で
しかも製作が容易でコストの安価な扉用錠前を提供しよ
うとするものである。

以下、本考案の錠前を具体化した図示の実施例にいて詳
述する。

図において１は方形状に形成された枠体であり、その長
手方向端部にはそれぞれビス孔２ａ、２ａをもつ取付片
２，２が折曲形成されており、また枠体裏板１ａには後
述するフック９出入用の開口部３が貫設されている。

４はシリンダ錠を示し、このシリンダ錠４におけるロー
タケース５には２枚の支持板６，６が上方に向って対向
状に一体に突出形成（ダイカスト成形）されている。

両支持板６，６にはフック取り付は用のビン孔７．７と
、保合ピンガイド用の弧状の長孔８，８とがそれぞれ貫
設されている。

なお、保合ピンガイド用の長孔８，８の両端には操作者
がフックの施錠、解錠を後述する保合ピンのアクション
によって確認できるようにするための係止溝８ａ、８ａ
が連続して設けられている。

また、ロータケース５の一端には後述するロックプレー
ト１７の摺動を安定した状態にガイドする案内溝５ａが
形成されている。

９はフックであり、その基部には取り付は用のビン孔１
０と保合ピン用の長孔１１とがそれぞれ貫設されており
、またフック９の基部は二又は形成されている。

しかして、上記のように形成されたフック９はその基部
をロータケース５の支持板６，６間に嵌入した状態にお
いてピン孔７，７および１０に通挿されるピン１２によ
り支持板６，６に対し回動可能に取り付けられ、そして
該ピン１２は必要に応じてカシメにより抜は止めされる
。

一方支持板６．６の係合ピンガイド用の長孔８，８およ
びフック９の長孔１１には、前記方形状に形成された枠
体１の両側板１ｂ、ｌｂの内面間隔と同長または僅かに
短かく形成された係合ピン１３が、その両端を支持板６
，６から外方へ突出するように挿通される。

なお、上記フック９の取り付け、すなわちビン孔７．７
．１０へのピン１２の挿通に際し、該ピン１２にはフッ
ク９の二叉部においてトーションスプリング１４が取り
付けられる。

そしてこのトーションスプリング１４は一端がフック９
の二叉部に形成された係合部１５に掛止されかつ他端が
係合ピン１３の一部に掛止されて該保合ピン１３を常に
外方、すなわち係合ピンガイド用の長孔８，８における
係止溝８ａ、８ａ側に向って付勢している。

上述のようにして、第２図に示す如く組み付けられたロ
ータケース５、フック９および係合ピン１３の３部材は
、枠体１の一端部、すなわちフック９が枠体裏板１ａの
開口部３に対向する位置に収容され、この収容により第
５図に示す如く保合ピン１３の突出端がそれぞれ枠体１
の両側板１ｂ、ｌｂに当接して抜は止めされ、そして斯
る状態においてロータケース５が枠体１の枠体裏板１ａ
にボルト１６により固着される。

１７は枠体１内に摺動可能に内嵌されるロックプレート
であり、このロックプレート１７は所定の間隔（前記支
持板６，６が内嵌できるような間隔）を置いて対向しか
つ上端部には前記係合ピン１３の突出端部と係合する係
合溝１８，１８を有する側板１７ ａ 、１７ ａを相
互に結合するとともに下方に直真に延在されかつ一部に
は前記ロータケース５内に回転可能に収容されたロータ
２０の偏心位置に設けられた保合突起２１と係合する係
合溝１９を有する係合板１７ｂとから構成されている。

なお、係合板１７ ｂの上部にはフック９との干渉を避
けるための進講１７ｂ′が形成されている。

このように構成されたロックプレート１７は、前記ロー
タケース５およびフック９の枠体１への組み付けに際し
、予め枠体１内の所定位置に嵌め込むかまたはロータケ
ース５とフック９とを結合する際に、係合板１７ ｂの
係合溝１９をロータ２０の係合突起２１に係合させると
ともに両側板１７ａ、１７ａの係合溝１８゜１８を係合
ピン１３の突出端部に係合せしめることによって組み付
けられるものであり、この場合ロックプレート１７の係
合板１７ｂはロータケース５の案内溝５ａに嵌入されて
その摺動動作の安定化が図られるものであり、また両側
板１７ ａ 、１７ ａは前記フック９をロータケース
５の支持板６，６に回動自在に支持するピン１２の抜は
止めとして役立つものである。

なお、本実施例においてはシリンダ錠４におけるロータ
２０の１８０°回転でフック９が１０５°回動されるよ
うに設定されている。

なお、図において２２は錠前が取り付けられる一方の扉
の縦框、２３は縦框２２の表面に取ら付けられた化粧板
、２４は化粧板２３に枠体１を固着するビス、２５はキ
ー、２６はフック９が係脱される掛合孔２７をもつ他方
の扉の縦框である。

本実施例の縦前は上述のように構成され、かつ組み付け
られるものであって、キー２５によりシリンダ錠４のロ
ータ２０を１８０°回動せしめることにより、ロックプ
レート１７および係合ピン１３を介してフック９をピン
１２回りに回動させて掛合孔２７に対する係脱動作を行
うことができる。

すなわち、第４図に示す施錠状態において、ロータ２０
を回動すれば、ロックプレート１７が上方へ摺動されそ
れに伴い保合ピン１３が支持板６，６の長孔８，８に沿
って上方へ移動されるため、フック９はピン１２回りに
回動し掛合孔２７から離脱して枠体１内に没入される（
第３図参照）。

なお、上記の解錠動作の末期時において、長孔８，８に
沿って移動する係合ピン１３が同長孔８，８の末端に至
ると、トーションスプリング１４によって付勢されてい
る係合ピン１３が長孔端部の上側の係止溝８ａに落ち込
むため、操作者はこのときの落ち込みの感触によって解
錠が完全になされたことを認知することができる。

また、錠前の施錠はロータ２０を上記とは逆方向へ回動
することによって行い得るものであり、この場合も係合
ピン１３が長孔８，８の下側の係止溝８ａに落ち込むと
きの感触によって施錠が完全になされたことを確認でき
る。

なお、本錠前は引違戸に限らず、片開き戸または両開き
戸（観音開き戸）等にも適用することが可能である。

また、本実施例においてはロックプレート１７の側板１
７ ａ 、１７ ａに係合溝１８，１８を形成して係合
ピン１３に係合させるようにし、かつ係合板１７ｂに係
合溝１９を形成してロータ２０の係合突起２１に係合さ
せるようにしたが、上記の係合溝１８，１８および１９
はそれぞれ保合孔としても差支えない。

ただし、保合孔としたときは、ロックプレート１７はロ
ータケース５、フック９および係合ピン１３の組み付は
時において同時に結合される。

以上の説明からも明らかなように、本考案はシノンダ錠
におけるロータケースに対向する２枚の支持板を一体に
突出形威し、この支持板に対してフックおよび保合ピン
さらに場合によってはロックプレートをそれぞれ取り付
けてから、これらのものを方形状の枠体内に枠め込むと
ともに、前記ロータケースを同時枠に固着することによ
って組み付ける構造としたので、ロータケースの支持板
に対するフックおよび保合ピンあるいはロックプレート
の取り付けを広い場所で行うことができ、かつ枠体への
組み付けはこれらのものを同枠体内に嵌め込んでからロ
ータケースをボルトによって固着するだけで済むため、
組み付は作業が至極簡単となる。

従って、本考案の錠前は方形状の狭い枠体内にフックや
保合ピン等を直接組み付ける構造の従来の錠前に比べて
、組付性が向上され不慣れな者でも迅速かつ確実に組み
付けることができ、製作上有益である。

また、損傷に伴う補修のために部品を交換する場合ある
いは調整のために取り外しを行う場合、本考案のように
構成することによって、とくにフック支持用のピンおよ
び係合ピンをそれぞれロックプレートの側板および枠体
の側板によって抜は止めする構造としたことによって、
錠前の取り外しおよび再組み付けを至極簡単に行うこと
ができる。

さらにまた、本考案はリテーナを利用してフックおよび
保合ピンを取り付けるように構成したものと異なり、リ
テーナに相当する支持板をロータケースに一体に形成し
たものであるから、その分だけ部品点数が減少しそれに
伴い製作工数も少くなってコストが安価となりかつコン
パクト化される利点を有するものである。

さらに、本考案はロータの回転運動をフックに中継する
ためのロックプレートを、枠体内に該枠体の裏面に接触
した状態で摺動可能に内嵌せしめて該ロックプレートを
枠体にて覆うとともに、ロックプレートの摺動をロータ
ケースに形成した案内溝にて案内するようにしたので゛
、ロックプレートトの摺動面に対するほこりや異物の噛
み込みが防止されるとともに取扱い中に起り得るロック
プレートの損傷が未然に防止され、かつロックプレート
はガタッキを生ずることなく円滑に摺動するものである
。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は錠前の分解斜視
図、第２図はロータケースの支持板にフックおよび保合
ピンを組み付けた状態の斜視図、第３図は扉に組み付け
られた錠前の解錠状態を示す側断面図、第４図は同じく
施錠状態の側断面図、第５図は錠前の正面図、第６図は
第５図におけるＡ−Ａ線断面図である。 １：枠体、１ｂ：側板、３：開口部、４：シリンダ錠、
５：ロータケース、６：支持板、９：フック、１２：ピ
ン、１３：係合ピン、１７：ロックプレート、１８，１
９ ：係合溝、２０：ロータ、２１：係合突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダ錠におけるロータケースには対向する２枚の支
   持板を一体に突出形威し、この支持板間にフックの基部
   をピンにより回動可能に取り付けるとともに、該フック
   の基部に貫設した長孔と前記支持板に貫設した長孔とに
   保合ピンを挿通せしめてロータケースとフックと保合ピ
   ンとの３部材を結合し、しかしてこれら結合された３部
   材を方形状に形成した枠体内に収容して前記係合ピンを
   枠体の対向する側板によって抜は止めしがっ前記フック
   を枠体に設けた開口部に臨接して同枠体の内外への回動
   変位ができるように配置する一方、前記枠体内には、一
   端部に形成した係合孔または係合溝が前記ロータケース
   内に嵌合されたロータの保合突起と係合しかつ他端部の
   両側板に形成した係合孔または係合溝が前記係合ピンと
   係合するロックプレートを、上記の如く結合された３部
   材の枠体内への収容に際して枠体の裏板に接触した状態
   で摺動可能に内嵌せしめて該ロックプレートを枠体にて
   覆うとともに、ロックプレートの両側板にて前記フック
   支持用のピンを抜は止めするとともに、前記ロータケー
   スを枠体に固着し、さらに前記ロータケースの一端には
   ロックプレートの側面に係合して該ロックプレートの摺
   動を案内する案内溝を設けたことを特徴とする雇用錠前
   。