JPS6030129Y2 - 衝撃エネルギ−吸収ステアリングホイ−ル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車が衝突事故などに遭った場合を顧慮
して、ステアリングホイールに衝突したドライバーが受
ける衝撃を極力やわらげるべく配慮された衝撃エネルギ
ー吸収ステアリングホイールに関するものである。

一般に、この種の配慮をなしたステアリングホイールに
おいては、衝撃エネルギーを吸収する部分をステアリン
グコラム側に配設し、このエネルギー吸収部には、ホイ
ール側からの衝撃力を受けた場合に縮小するように変形
する機能をもたせる必要がある。

このような機能を要するエネルギー吸収部とホイール側
の構成部材とは別々に構成されるのが普通であり、その
ために構造が複雑となって、生産性ならびにコストの面
において不利であった。

このような事情にかんがみて、この考案は構造の簡素化
によって生産性の向上ならびにコストの低減を図り、し
かもエネルギー吸収部には、それに必要な機能を充分に
発揮させ得る衝撃エネルギー吸収ステアリングホイール
の提供を、その目的とするものである。

次に、この考案の構成を、図面で示す実施例に従って詳
細に説明する。

衝撃エネルギー吸収ステアリングホイールに主要構成部
品を表した第１図および第２図において、符号１はホイ
ール、３はスポーク、４はエネルギー吸収部、７はパッ
ド、８はカバーを示している。

ホイール１は通常よく知られているように金属製のリン
グ２の外周を樹脂材でおおうことによって構成されてい
る。

また、上記のスポーク３とエネルギー吸収部４とは、第
３図の外観斜視図からも明らかなように金属素材をプレ
ス加工することで一体に形成されている。

すなわち、エネルギー吸収部４は深絞りによって有底の
筒状に形成され、この吸収部４における外周の二個所の
外方に延びる上記のスポーク３は、その強度（曲げに対
する強度）を高めるために全長にわたって浅く絞られて
いる。

なお、各スポーク３の先端とホイール１のリング２とは
、このリング２を上述したように樹脂材でおおう前に、
あらかじめ溶接によって固定されるのである（第１図参
照）。

上記エネルギー吸収部４の周壁には複数個の孔５が打ち
抜きによって形成されているとともに、底面の中心には
図示されていないステアリングコラムのメインシャフト
に結合されるボス６が固定されている。

そして、このエネルギー吸収部４は上記の番孔５により
、ホイール１側からの衝撃力を受けた場合に潰れるよう
に変形するのである。

この変形によってホイール１に加わった衝撃を吸収する
のであるが、その特性は上記孔５の形状あるいは数の変
更によって調整し得る。

また、エネルギー吸収部４の変形ストローク、つまり衝
撃吸収ストロークは、この吸収部４の絞り深さを大きく
とることによって充分に確保することができる。

前記パッド７は、例えば合成樹脂で形成され、第１図で
示すようにボルト９と、パッド７側に予め固定されたナ
ツト１０とによってスポーク３に固定され、同じくカバ
ー８もボルト１１とナツト１２〃によってスポークに固
定されるのである。

以上のように、この考案はエネルギー吸収部とホイール
側の構成部分であるスポークとをプレス加工によって一
体に形成したことにより、生産性の向上ならびにコスト
の低減を図ることができ、しかもエネルギー吸収部に要
求される機能、つまり衝撃力を受けた場合の変形特性お
よび変形ストローク（衝撃吸収ストロ°−り）について
は充分に確保することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の実施例を示し、第１図はエネルギー
吸収ステアリングホイールの主要構成部品を表した第２
図の■−■線断面図、第２図は第１図を完全図とみなし
た状態での左側面図、第３図はエネルギー吸収部とスポ
ークとの一体構成品のみを表した外観斜視図である。 １・・・・・・ステアリングホイール、３・・・・・・
スポーク、４・・・・・・エネルギー吸収部、５・・・
・・・孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステアリングホイールのスポークと、このホイールの中
   心個所に構成されるエネルギー吸収部とをプレス加工に
   よって、このエネルギー吸収部が深い有底の筒状となる
   ように一体に形成し、このエネルギー吸収部には、前記
   ホイール側から衝撃を受けたときに、その作用方向へ変
   形するように複数のスリットや孔を形成したことを特徴
   とする衝撃エネルギー吸収ステアリングホイール。