JPS6029284Y2 - 管路形電気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は内部に導体が挿通された、例えば相分離母線
のような管路形電気装置の改良に関するものである。

近年、電気設備の縮小化を図る目的でＳＦ６ガス絶縁開
閉装置が広く使用されている。

この装置は一般に金属管状の外被内に絶縁スペーサを介
して充電部の導体が支持され、ＳＦ６ガスが充填されて
いる。

そして、外被は安全上から必ず接地されている。

この外被を２点以上の多点接地とすると、導体通電電流
による電磁誘導作用でケースにシース電流が流れる。

シース電流が流れると、外被に装着された外装形のブッ
シング形変流器は導体通電電流とシース電流とのベクト
ル和を検出するので、検出精度が低下する。

また、外被やフランジ部においてシース電流による発熱
を生じる。

したがって、適当な位置で外被のフランジ部を絶縁し、
あるいは外被を支持する架台や大地から外被を絶縁する
ことによって、絶縁ブロック毎に一点接地してシース電
流を流さないようにする方法がとられている。

ここで、従来の管路形電気装置を第１図及び第２図を用
いて説明する。

ＳＦ６ガス絶縁開閉装置の金属製外被１，２の端部に各
々フランジ１ａ、２ａを設け、このフランジｌａ、２ａ
間に絶縁スペーサ３を介在させ、これらをボルト６及び
ナツト７で締結する。

絶縁スペーサ３とフランジ１ａとの接触面間には外被１
，２内に封入されたＳＦ６ガスをシールするためにパツ
キン４を介在させている。

外被１の内部には母線（図示せず）が挿通され、絶縁ス
ペーサ３により支持されている。

第１図では、両フランジｌａ、２ａ間を絶縁するために
、一方のフランジ２ａとボルト６間に絶縁カラー５を介
挿している。

また、第２図では絶縁カラー５，９を介挿している。

上記構成のものにおいて、外被１，２内のしゃ断器（図
示せず）や断路器（図示せず）の開閉により、導体（図
示せず）にＫＨｚオーダのサージが伝播し、これが外被
１，２に誘導され、これに接続された他の外被（図示せ
ず）にも伝播して行く。

このとき、外被１，２間のように絶縁されていると開放
端となり、サージは２倍の振幅となって反射され、さら
に反対側の絶縁された開放端との間で反射増幅が繰返さ
れる。

そして、ついにはボルトとフランジとの間の絶縁カラー
の部分で、高電圧のために気中沿面放電を起こすおそれ
があるという欠点があった。

この考案は上記欠点を解消するためになされたもので、
外被相互間または外被と大地間に酸化亜鉛を主成分とす
る非直線抵抗素子を介挿することによって、外被の沿面
放電を防止できる管路形電気装置を提供することを目的
とするものである。

以下、図について説明する。

第３図において、１．２はフランジ部１ａ、２ａを有す
る円筒状の金属製外被であって、上記フランジ部１ａ、
２ａに取付穴１ｂ、２ｂを有しＳＦ６ガスが充填される
。

３は上記両フランジ部１ａ、２ａ間に配設された絶縁ス
ペーサであって、上記外被１に収納されしゃ断器（図示
せず）等に接続された導体（図示せず）を支持している
。

４は上記絶縁スペーサ３と上記両外被１，２間に介在す
るパツキン、１３は上記取付穴２ｂに挿入され上記フラ
ンジ部２ａと当接可能なつば部１３ａを有する中空状の
非直線抵抗素子であって、酸化亜鉛を主成分とし誘電率
が高く、良好な非直線性を有する。

６，７は上記非直線抵抗素子１３を介して上記外被２と
当接され、上記両外被１，２と、上記絶縁スペーサ３と
を固着したボルト・ナツトである。

つぎに作用について説明する。

第３図において絶縁スペーサ３に支持された導体（図示
せず）に所定の電流が流れている常規運転状態では、非
直線抵抗素子１３に流れる漏れ電流は数μＡ程度である
ので、外被１の外周に設置された変流器（図示せず）の
検出精度に影響を与えることがない。

また、フランジ１ａに高い電圧を発生することもない。

一方、導体（図示せず）や断路器（図示せず）が開放さ
れ、導体（図示せず）に開閉サージが伝播されると外被
１に誘導される。

しかし、非直線抵抗素子５のすぐれた特性によって、外
被１に発生した高周波サージ電圧は大幅に低減される。

なお、上記実施例では非直線抵抗素子１３はつば部１３
ａが設けられているが、第４図に示すように貫通穴８ａ
を有する板状の非直線抵抗素子８としボルト７に絶縁カ
ラー９を被せるように構成すると、非直線抵抗素子８の
製造が容易になる。

第５図は、この考案の他の実施例を示すもので外被１と
固着された取付脚９を絶縁板１０を介して架台１１上に
載置したもので、非直線抵抗素子８を介してボルト・ナ
ツト６．７で固着されている。

なお、１２は絶縁カラーである。上記実施例ではＳＦ６
ガス絶縁電気装置について説明したが、一般に導体と外
被とかはＳ゛同軸円筒状に配置され、各外被間が適宜絶
縁されたもので導体に開閉サージが伝播されるような管
路気中送電装置等にも容易に適用できる。

この考案によると、外被相互間または外被と大地間に酸
化亜鉛を主成分とする非直線抵抗素子を介挿することに
よって、外被に誘導された高周波サージを大幅に低減さ
せるので、外被に高電圧が発生するのを抑制できるため
、外被のフランジ部での気中沿面放電を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はそれぞれ従来の管路形電気装置の要
部断面を示す断面図、第３図はこの考案の一実施例の要
部断面を示す断面図、第４図及び第５図はそれぞれこの
考案の他の実施例の要部断面を示す断面図である。 図において、１，２は外被、６はボルト、７はナツト、
８，１３は非直線抵抗素子である。 なお各図中同一符号は夫々間−又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 導体が収納された容器状の第１の導電部材、この第１の
   導電部材と絶縁された第２の導電部材、上記両導電部材
   を締結するボルトおよびナツト、このボルトおよびナツ
   トで押圧されていずれか一方の上記導電部材と電気的に
   接続され、上記ボルトを通じて上記両導電部材を導通さ
   せる酸化亜鉛を主成分とする非直線抵抗素子を備えた管
   路形電気装置。