JPS6028610B2 - 金属切断用円鋸 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は鉄鋼及び非鉄金属を切断するに用いる円鏡に
関するものである。

従来、鉄鋼及び非鉄金属を切断するための円鋸は高速度
鋼等の工具鋼を主材とした円板状の合金外周部に等間隔
の三角状の突起からなる歯部を形成し、この歯部に適度
な角度、形状の切刃を形成したものが使用されていたが
、近年作業能率の向上と、被削材が高抗張力鋼等の高合
金鋼材及び大蓬部材の切断が要求されるに伴い、使用す
る切断機も剛性のある高能率で高速切断の加館なものが
必要とされ、このため従来の工具鋼に代って超硬合金を
ロー付したチップソー形式の円錠となり、さらに切刃の
形状が刃物の寿命に大きく影響することが判り、各種の
切刃形状のものが開発されている。

例えば、第１図に示すものは、切刃の形状が一歯毎に同
図Ａに示す形状の平刃イと面取り刃口が交互に配列され
、これが同図Ｂのように切刃イに対して面取り刃口が切
込み深さに相当する分ｈだけ刃先高さが高く（回転中心
に対して）形成してある。この切刃の切削過程は「先ず
面取り刃口で中央部を台形状（切断中１′３〜１／２）
に切削したのち「次の平刃イで両側の部分を切削するも
ので、切削暦は切断中により３分割に生成される。この
切刃の刃型では、切刃の中の約１′３〜１′２が交互に
作用するため、一定の切削量で使用した場合に、同一刃
形の切込量よりも、各切刃の切込量は２倍となる。ゆえ
に切刃に作用する単位長さ当り負荷が倍増するので、超
硬合金等の刃体の負荷容量の関係から切断能力が半減す
る。次に、第２図に示すＢのものは、同函Ｂのように各
刃先高さは一定であるが、同図Ａに示すように切刃の外
蚤ニゲ面に小径の円弧溝を形成したもので、円弧溝の位
置は刃体イ′，口′ごとに刃中に対して一歯毎に交互に
振り分けて形成してある。

この切刃の円弧溝は、切削時に生成する切削屑を２分割
する目的のもので、切削肩を２分割することによって切
削暦の排出を容易にしたものである。しかしこの切刃で
は、円弧溝のある部分は切削しないため、この部分のみ
が次の切刃では切込量が２倍となり局部的な高負荷が作
用して、刃体に損傷が生じ易すし、。以上、従来からあ
る刃形においては、いずれも、切削肩を分割して切削す
るため、前の切刃で残した部分を次の切刃で切削すると
き、その部分の切削量が２倍となり〜切刃に作用する切
削抵抗が倍増するので、切断能力が低下することあるい
は切刃が欠損を生じ易い等の欠点がある。

これに対しこの発明は「被削材が均質なじん性を有する
金属であっても「その切削肩を適当にカールさせながら
円滑に排出できれば、各刃体を同一形状に形成できる点
に着目し、上記欠点を除去したものであって〜この発明
の実施例を図面について説明すると「 まず、この発明
の金属切断用円鎖１は〜第３図に示すようにも円板状の
合金２の外周に等間隔で同形の刃体３を配設して構成さ
れ、刃体３は麓硬合金等の耐摩耗物質のチップを合金２
にロー付して一体化されているとともに「各刃体３……
………は「第傘，蜜図に示すように「中央部前面上部の
所定のスクィ角＆の第一スクィ面？と、このスクィ角Ｑ
より大きな値のスクィ角Ｑ′とりード角ッで後方に頭く
左右同形の第二スクイ面＆鱈からなるスクイ面母ならび
に、このスクィ面亀と「ニゲ角の外周ニゲ面によって形
成した切刃鯵で構成されている。

この場合〜スクィ面４に形成される第一スクィ面孔ま
ｔスクィ面ぱが、第二スクィ面８，蟹のスクィ角Ｑｒよ
り小さい（第５図Ｃのスクィ角偽 の′は負の角度であ
り絶対値としてはＱ′より大きい）ためも、必然的に逆
三角形状となる。なお、この第１スクィ面７１ま第６図
のように刃先６から歯底に向って凹状曲面に形成しても
よくふ この曲面の場合でも「刃先近辺の第一スクィ面
は所定のスクィ角はであり、第二スクィ面のスクィ角＆
′はＱより大きな値となっている。この発明は上記の構
成よりなり「鋼材等の被削材を切断するに当っては、円
鋸軍を所定の回転数（切削速度）で回転させ〜円鍵１あ
るいは被削材に所定の送り（切込量）を与えて、刃体３
の一刃一刃で定量的な切削を連続的に行なわせるもので
ある。

ところで、一般に被削材に工具を前方にくし、込ませ切
削を行う場合「帯状に連続して生ずる断面平板状の切削
屑は先端が工具の前方にたれ下がり工具前面に向ってし
うず巻状にカールされて行くのが普通である。この発明
においても切削屑は同機にカールされるがｖこの発明で
は前記したように特に刃体３のスクィ面４に、リード角
ｙで後方に懐く左右同形の第二スクィ面８を形成したた
め、切削暦は、第７図Ａに示す外形で、かつ断面形状が
同図Ｂのようにｔ両端部が第二スクィ面のりード角ソと
ほとんど同じ煩斜角ｙ′で折れ曲つた状態で作り出され
、したがって円滑に排出されるのである。その理由の第
一として、切削により生成され始めた切削屑は、スクィ
面上を通過する際勺摩擦熱により最大温度に達し、この
切削暦は最も膨張することになり、今までの切削により
形成された被削材の溝の両壁面によって、切削屑は中方
向の膨脹が拘束され、その反力によって切削暦は中方向
に力を受けることになるが、この場合、前記一般の断面
が平板状の切削肩では、直線の両端にこの直線に沿って
圧縮力を加えることになり、容易に変形することができ
ないが、この発明における切削屑は断面折曲線であるた
めも変形はこれをさらに内側に誉曲しようとする単なる
屈曲変形でよく、つまり刃体３によって生成された切削
肩は両端部が傾斜角ｙ′で折り曲がっているため、中方
向の力を受けると容易に曲がり変形を生じト壁面との接
触抵抗は非常にわずかとなる。この壁面との接触抵抗は
、切削屑の傾斜角ｙ′との関係が深くへ鏡斜角ｙ′が小
さくなる程接触抵抗は大きくなり「額斜角ｙ′が０‘こ
近づくと、すなわち直線状断面に近くなると切削屑を曲
げるには大きな圧縮強さを必要とするから、当然切削屑
は曲がり母こく〈「中方向に圧縮される状態となるため
ト壁面との接触抵抗は最も大きくなる。このように「切
削屑が曲がり変形をじることによって壁面との接触抵抗
は減少することになるがし ここで重要なことは「切削
肩が内側に曲がろうとする際、その変形が第二スクィ面
で拘束されないということであり、第二スクィ面のスク
ィ面ぱ′を第一スクィ面のスクィ角Ｑより大きくするこ
とによって、第５図Ａに明らかなように第１スクィ衛７
は底辺を上部とする逆三角系形であり、その頂点は第２
スクィ面８，８の突出境界部に一致しているため第一ス
クイ面の中が切削屑の流れにしたがい次第に小さくなる
ため、切削肩が第二スクィ面と接触しなくなり、切削肩
は容易に変形することができる。切削を開始して切削暦
がスクイ面上を離れるまでの間における壁面との接触抵
抗は、切削層が力ールする上で密接な関係があり、接触
抵抗が小さければ、切削暦は本来の状態のカール形状と
なるが、接触抵抗が大きくなると、切削肩がカールしよ
うとする力が接触抵抗によって弱められカールしにくく
なる。

切削屑は適度にカールしないと、切削肩が長くなった場
合に折れたりつぶれたりするため排出が困難となり切削
に支障をきたすことになる。

第二に、切削屑がスクィ面上を離れ、空間で冷却され始
めると、切削肩は収縮していくが、その際傾斜角ｙ′が
大きい程、切削肩の中ｗは刃体中Ｗ（第５図参照）より
小さくなりやすい傾向があに、切削暦の流出がより円滑
となる。以上の説明では、第二スクィ面のりード角ｙは
大きくなる程有利となるが、リード角ｙがあまりに大き
くなると、切削抵抗が増大し、切削屑は接触抵抗と関係
ないこカールし‘こくくなるため、リード角ｙの値は１
５０〜４００の範囲が適当である。

第三に、刃体３の形状が左右同形のため、切削屑は左右
均等に生成され、その後の流出過程で、切削屑は蛇行す
ることがない。この発明は、従来の金属切断用円鎖では
実現困難であった、すべての刃体を同一形状かつ左右対
称に構成することを目的としたもので、この結果、次の
ような利点がある。

｛１）従来の切刃は、切刃の一部の切削量が２倍となる
部分が必ず有していたのでその刃体にかかる単位長さ当
りの許容負荷はその２倍の切削量の部分によって限定さ
れるが、本発明では功刃全体が許容負荷までの切削量を
得ることができるので、一刃当りの切削量が倍増して作
業能率が大中に向上する。

‘２１ 各刃体に一定の切削量が切刃全面に均一に作用
するようにしたから、切刃の摩耗が一様となり耐久性が
増加する。

｛３｝ 切削荷重が切刃全面に均一に作用すること、及
び刃体の切刃形状が部分的に集中応力のかかる箇所がな
く全対に安定した強度を有するので、従来の円鋸によく
見られた刃体の一部が欠損することがない。

｛４｝ 刃体の切刃形状が左右対称であるため、刃体に
交番荷重が作用することがない。

したがって円鏡全体の振動もなく安定した切断が行なわ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂおよび第２図Ａ，Ｂはそれぞれ従来の装置
の各一例を示す刃体の正面図ならびに装置の一部側面図
、第３図はこの発明の円鋸の一部側面図、第４図は同刃
体の斜面図、第５図Ａ，Ｂ，Ｃは同刃体の正面図、平面
図、側面図、第６図は他の一例を示す斜面図、第７図Ａ
，Ｂは切削暦の状態図および断面図である。 なお、図中の符号、３は刃体、４はスクィ面、５は外周
ニゲ面、６は切刃、７は第一スクィ面、８は第二スクィ
面を示す。 第１図 第２図 第３図 第４図 第５図 第６図 弟フ図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 台金の外周に超硬合金等の硬質耐摩耗性チツプを等
   間隔に固着して、所定のスクイ角によるスクイ面とニゲ
   角の外周ニゲ面によつて形成される切刃を有する各同形
   かつ左右対称の刃体を配設した金属切断用円鋸であつて
   、これら刃体のスクイ面を、刃体中央部前面において所
   定の負のスクイ角αからなる第１スクイ面と、この第１
   スクイ面の両側にスクイ角αよりも大きな角度の同じく
   負のスクイ角α′と後方に傾斜したリード角γからなる
   左右同形の第２スクイ面とで形成するとともに、第１ス
   クイ面をその巾が刃先から歯底に向つて次第に減少する
   逆三角形の切取面に形成したことを特徴とする金属切断
   用円鋸。