JPS6027779Y2

JPS6027779Y2 - ラジエ−タサイレンサ−装置

Info

Publication number: JPS6027779Y2
Application number: JP1977023508U
Authority: JP
Inventors: 義正郡山
Original assignee: キャタピラ−三菱株式会社
Priority date: 1977-02-28
Filing date: 1977-02-28
Publication date: 1985-08-22
Also published as: JPS53118933U; US4121683A

Description

【考案の詳細な説明】本考案は土工車輌のエンジン騒音を防止するためのラジ
エータサイレンサー装置に関する。

通常の土工車輌のエンジン室の囲いは、一般にフード、
エンクローザ（サイドカバー）、ダツシュボード、ラジ
ェータガード及びアンダーガードから構成されている。

この囲いの主な目的は、エンジン及びその付属装置を岩
、木枝等の損傷物から保護すること及びエンジン騒音を
防止することである。

しかし、最近我が国の騒音規制が住民運動の影響も受け
てか、一段と厳しさを増してきている。

こと土工車輌に関してもその影響を受けてスペクテイタ
ーノイズ（ＳｐｅｃｔａｔｏｒＮｏ１ｓ）−還境騒音
例えは土工車輌の静止状態で３０ｍ離れた地点において
ハイアイドルで６５ｄＢ（Ａ）、稼働状態で３０ｒＴＩ
離れた地点において７５ｄＢ（Ａ）以下といった非常に
荷酷な条件を負わされている。

従って当業界でも騒音対策に対して日夜真剣に取り組ん
でいるのが現状である。

本考案に関するエンジン騒音の防止対策としては、従来
から自動車業界でフードの内側に吸音材を取り付ける方
法、フロア−マットを入れる方法、必要個所に消音材を
装着する方法等が考案せられている。

これらの技術は当業界にも随所に取り入れられて騒音防
止が試みられているが、吸音ないし消音対策を施した遮
音壁は弱くて破損しやすく、しかも車輌全体の寸法を増
大せしめる。

エンジン室の側面及び前面に完全に包囲すれば騒音は実
質的に除去されるに違いない。

しかしエンジン室のダツシュボード及びアンダーガード
は本来閉じられていて空気の出入口がないため、側面及
び前面を完全に閉させばエンジンの冷却システムが大巾
に制限せられる。

側面及び前面を除去すれば、エンジン冷却特性は良好と
なろうが騒音が著しく増加する。

従って、好適な冷却条件と好適な騒音減衰特性との間に
妥協点が存在することになる。

この妥協点の比較的近いと思われる公知例として特許第
７７６１２５号（特公昭４９−４０１６９号）及び実開
昭５１−０３７３３が知られている。

前者はラジェータ前方のラジェータマスクの形状を、エ
ンジンの騒音空気を上方に導く如く上方にのみ開いた形
状とし該マスクの内部に吸音材を貼着せしめたものであ
り、後者はラジェータの前方部に開口部を形威し該開口
部を上方にのみ排出口を有する内部に吸音材を貼着せし
めたダクトにより覆うようにしたものである。

両者はいずれも騒音対策としては良好であるが、ラジェ
ータマスク（前者）なりダクト（後者）なりが取り外し
がきかない上に開口部が上方にのみしか存在しないため
該開口部から浸入した小石、土砂、雨水等が内部の吸音
材を汚染損傷せしめ、更にはエンジンルームにまで浸入
するといった欠点を有している。

実公昭５２−１０５は上記の欠点を補うためにラジェー
タマスクの上方及び下方に開口部を設けたものであるが
、該開口部が大口径に形威せられているためファンの風
圧の影響を受けて下方開口部から急速に吹き出た空気が
地面に当って塵埃を巻き上げたりするばかりでなく、耳
ならず騒音が反射する欠点を有する。

本考案は上記の事情に鑑みなされたもので、その目的と
するところは、土工車輌のラジェータガードの前方にラ
ジエータサイレンサーを設けることで該車輌のエンジン
騒音を低減せしめるラジェータサイレンサー装置を提供
することにある。

本考案の別の目的は、ラジエータサイレンサーの取付を
ヒンジタイプにすることで、該サイレンサーの開閉と着
脱を可能にしたことによりラジェータ等の保守点検を容
易ならしめるラジエータサイレンサー装置を提供するこ
とである。

又本考案の他の目的はラジエータサイレンサーの内部に
吸音材を装着することで、該サイレンサーを通過するエ
ンジン騒音を吸音せしめるラジェータサイレンサー装置
を提供することである。

更に本考案の目的はラジエータサイレンサーの上方及び
下方に空気排出口を設けることで、該すイレンサーの上
方からの小石、土砂及び雨水等の浸入を下方に排出可能
にするラジエータサイレンサー装置を提供することにあ
る。

本考案の特徴を概説するならば、冷却用ファンとラジェ
ータと該ラジェータの前方に開口して空気排出口とを具
えた土工用車輌に於いて、前記空気排出口に適宜間隔を
置いて形威したブラケットと、該ブラケットに取付自在
にせられたラジェータグリルと、及び該ラジェータグリ
ルの前方を覆う如く対設したラジエータサイレンサーと
、該ラジエータサイレンサーは上方及び下方り空気排出
口を形成する為に該サイレンサーの上方開放端に向って
次第に排出面を広げるよう上方端を広巾に、下方開放端
を巾狭く制限した如くなさしめると共に、更に、前記サ
イレンサーの内方周壁部に周設する吸音材と、該吸音材
の外方を覆うパンチングプレートからなるラジエータサ
イレンサー装置である。

本考案の好適な実施態様を添附図面に基づき説明する。

図１には土工車輌１０の全形が示されており、該土工車
輌１０のエンジンエンクローザ１８の前方側にラジェー
タガード１２が示されている。

ラジェータガード１２は図２のＡで示す通り、エンジン
ルーム２８に装着するラジェータ１４と、該ラジェータ
１４の前方にエアー排出口１９を有している。

このエアー排出口１９のところは適当な間隔をおいて対
設したブラケット１６が複数個設けられである。

該ブラケット１６は図２のＢで示すラジェータの外方を
保護するためのラジェータグリル２４がボルト等の係止
部材を介して取着自在に入りせられる。

附号１７及び２６はブラケットとグリルに開口したボル
ト孔である。

ラジェータガード１２の側方即ちエンジンエンクローザ
１８．１８に上下方向に適当な間隔をおいて対設したヒ
ンジ部材を附号３２で総称して示しである。

このヒンジ部材３２は左右の上方側ヒンジプレート２０
Ａ、２０Ｂで、下方側ヒンジプレート２ＧＡ’、
２０Ｂ’で示し、溶接等の公知の方法でエンジンクロー
ザ１８のサイドプレートの前方側端部に夫々固定せられ
る。

又上記ヒンジ部材３２は夫々ヒンジピン２２Ａ、２２Ｂ
を備えである。

尚同図では下方側ヒンジプーレト２ＧＡ’、２０
Ｂ’ヒンジピンは省略しである。

次に、ラジェータグリル１４の前方に取り付けられるラ
ジエータサイレンサー３０は図２の０１図３及び図４に
詳記しである。

ラジエータサイレンサー３０は、ラジェータグリル２４
の前方を大きく開けると共に一定の斜傾角度、好ましく
はラジェータガード１２の前面部より上方開放端に向っ
て略２０〜３０度位の角度を有するよう該ガード１４を
覆う如く形成した前方壁面板３０″と、該前方壁面板３
０″より略直角に屈曲した左右一対の側方壁板３０’、
３０’と底板４４′を備えた一体型に構成した半伏盃形
状の構造のガードフレームで構成し、該ガードフレーム
の上方及び下方には上方排出口３４と下方排出口３６と
を形威しである。

該サイレンサー３０の上方排出口３４は前記した毒通り
、前方壁面板３０″の斜傾角度にそって広巾に開口して
おり、後述する吸音材４２及びパンチングプレート４０
等に囲繞せられる騒音が上方空間に向って仕向するに適
した開度を保持している（図４参照）。

更に、前方壁面板３０″並びに左右の側方壁板３０’、
３０’の内方壁面４６にはグラスウール等の部材より構
成する吸音部材４２が内装せられている。

この吸音部材４２の周面外方を保護するかの如く肉厚の
薄いスチール製の多孔プレート又はパンチングプレート
若しくは網目状の部材４０によって覆われている。

該パンチングプレート４０は、少くとも４０％位の開口
率を保有した細孔をほどこしたプレートであって、吸音
部材４２の汚染を防止すると共に、浸入する介在物又は
異物によって吸音部材４２の損傷を防ぐのと、騒音の一
部を上方へ効果的に反射せしめる役割を果たす上で重要
である。

吸音部材４２は肉厚が厚い程吸音上好ましいが、本考案
では２５〜５０ＴｒｒＩｎ内外の肉厚があればエンジン
騒音を吸音する本考案の目的を遠戚できる。

次に、パンチングプレート４０はボルト３８等によって
容易に取り外すことが出来るように内方壁面４６に所定
間隔をおいて固設したピンボス４８に軸支せられる。

従って、該ボルト３８を取り外すことによってパンチン
グプレート４０の洗浄、交換や吸音部材４２の洗浄、交
換等の作業が簡単に行える。

再度図２のＡ、Ｃ及び図３に戻り説明をすると、ラジ
エータサイレンサー３０の着脱を容易にする為、前叙し
たエンジンエンクローザ１８に対設したヒンジ部材３２
正確には一対のヒンジプレート２０Ａ、２０Ｂ、２０Ａ
’、２０Ｂ’に収容することができるしンジプレート３
２Ａ、３２Ｂ、３２Ａ’、３２Ｂ’を該サイレンサー３
０の側方壁面板３０’、３０’の周端部の上下方向に離
隔して設けである。

通常は一対のヒンジピン２２Ａ、２２Ｂによって軸支せ
られているので該サイレンサー３０を開扉式に開閉する
ことは出来ない。

しかし、−刃側のピン２２Ａ、２２Ａ’を抜き取ること
によって、他方側のピン２“２Ｂ、２２Ｂ′を回転軸と
して開閉することが出来るようになっている。

又上記した動作の反対も可能である。依って、叙述した
サイレンサー３０の修理や、エンジングリル２４、ラジ
ェータ１４及び図示しない冷却ファン並びにその他のエ
ンジン装置の保守点検が極めて容易に実施できる多大な
メリットがある。

更にその上、サイレンサー３０には下方排出口３６を設
けであるので、上方排出口より浸入する小石、土砂、雨
水やエンジンルーム２８よりの送風によって付着する介
在物質を下方へ排出することが容易である。

加えて、該下方排出口３６は、図３に示す如く、ラシェ
ークサイレンサー３０の短手方向に対して■］寸寸法を
制限的に巾狭く形成することが本考案にとって好ましい
。

その理由は、巾寸法ｄを大きく取ると下方排出口３６よ
り急激に吹き出される風圧によって該排出口直下の地面
の土砂を巻き上げる等の不具合を発生する。

従って、該下方排出口３６の望ましい寸法は約３０ｍｍ
内外の巾に開口せられるのが好適である。

図３では下縁部４４“を直線状に図示しであるが、ラジ
ェータガード１２の前面が円弧状に形成せられているの
で、サイレンサー３０の底板４４′の下縁部４４″を予
め円弧状に形威しておくことも好適な実施例の態様に包
含せられる事項である。

附号４４は上蓋板で、吸音部材４２の上部を保護する役
割を果たす。

上記の説明から更に補足すると、ラジェータガード１２
前方に設けたサイレンサー３０は上方に適宜な角度を形
成する上方排出口３４を形威しであるので、エンジンル
ーム２８から出たエンジン騒音の大部分は該サイレンサ
ー３０のパンチングプレート４０の細孔より吸音部材４
２に浸透し消音される騒音であり、他の一部は該パンチ
ングプレート４０に反射して上方空間へ仕向腰そこで拡
散せしめられるといった消音効果を奏する。

また該サイレンサー３０は下方にも最適なりリアランス
を維持した排出口３６を有してなるので、サイレンサー
３０の上向きな反射角度の形成によって極く僅かに残音
する騒音しか下方へは漏出しない。

その上下排出口開口の効果全体として介在物を下方へ排
出するといった優れた効果を具有する。

斯くて、本考案は騒音対策を施こせる土工用車輌として
騒音規制地域で稼働することが可能になった効用は極め
て大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係るラジエータサイレンサー装置を
装備した土工用車輌の側面図、第２図は、土工用車輌の
正面図的部分図であって、第２図のＡが、ラジェータガ
ード１２の部分のみを図示する正面図、第２図のＢは、
ラジェータガード１２のところに取着するラジェータグ
リル２４の部分的正面図、第２図のＣは、ラジエータサ
イレンサー装置の正面図、第３図は、エンジンエンクロ
ーザの前方端側を示した部分的平面図であって、パンチ
ングプレート４０の一部を切欠して示しである、第４図
は、第３図のＩＶ−ＴＶ線断面図で、エンジングリル２
４の部分を二点鎖線の想像線で示しである。附号の説明、１０は、土工車輌、１２は、ラジェータガ
ード、１４は、ラジェータ、１８は、エンジンエンクロ
ーザ、２４は、ラジェータグリル、２８は、エンジンル
ーム、３０は、ラジエータサイレンサー、３４は、上方
排出口、３６は、下方排出口、４０は、パンチングプレ
ート、４２は、吸音部材、４８は、ピンボス、ｄは、巾
寸法。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

（１）冷却用ファンとラジェータと該ラジェータの前方
に開口して空気排出口とを具えた土工用車輌に於いて、前記空気排出口に適宜間隔を置いて形成したブラケット
と、該ブラケットに取付自在にせられたラジェータグリ
ルと、及び該ラジェータグリルの前方を覆う如く付設し
たラジエータサイレンサーとを備え、該ラジエータサイ
レンサーはそれぞれ上方及び下方に巾広及び巾狭に開口
せる空気排出口を形成する為に該サイレンサーの上方開
放端に向すて次第に排出面を広げるよう上方端を広巾に
、下方開放端を巾狭く制限した如くなさしめると共に、
更に、前記サイレンサーの内方周壁部に周設する吸音材と、該
吸音材の外方を覆うパンチングプレートからなり、該サ
イレンサーを車輌前部にて開閉可能にヒンジ止めしたこ
とを特徴とするラジエータサイレンサー装置。
（２）実用新案登録請求の範囲第１項に記載せるラジエ
ータサイレンサーに於いて、該ラジエータサイレンサーは前方板と左右一対の側方板
と、及び、底板と、該底板に下方排出口を形成した一体
化に構成した半伏盃形状の構造を有しており、前記前方
板のみがラジェータガードの前面部より上方開放端に向
って２０度から３０度内外の傾斜角を形成するように構
成したことを特徴とするラジエータサイレンサー装置。
（３）実用新案登録請求の範囲第１項に記載せるラジエ
ータサイレンサーに於いて、該サイレンサーの底板に開口する下方排出口の短手方向
の巾寸法がラジェータガードの前面部より少くとも３−
内外の巾に開設することを特徴とするラジエータサイレ
ンサー。
（４）実用新案登録請求の範囲第１項に記載せるラジエ
ータサイレンサーに於いて、サイレンサーの内方周壁部に内装せられる吸音部材、及
び該吸音材を外方より保護するパンチングプレートから
なり、前記吸音部材、パンチングプレートをボルト等の
係止手段を介して自在に取り外すことができることを特
徴とするラジエータサイレンサー。
（５）実用新案登録請求の範囲第１項に記載せるラジエ
ータサイレンサーに於いて、該サイレンサーの両側外方で且つ、上下に適宜間隔を置
いて固設した一対のヒンジプレートと、エンジンエンク
ローザの両側外方に前記一対のヒンジプレートを収容す
る上下に一対のエンクローザ側のしンジプレートを固設
して、前記各ヒンジプレートを軸支せしめる一対のヒン
ジピンを介在することによって一方側のヒンジピンを取
り外すことにより該サイレンサーが他方側を軸として開
閉自在にしたことを特徴とするヒンジタイプラジエータ
サイレンサー。
（６）実用新案登録請求の範囲第４項に記載するサイレ
ンサーの吸音部材はグラスウール等の吸音部材で構成せ
れ、且つ、該サイレンサーの内方壁面に略２５〜５ｏｒ
ｒｒ！ｎ内装せられていることを特徴とするラジエータ
サイレンサー。
（７）実用新案登録請求の範囲第４項に記載するラジエ
ータサイレンサーのパンチングプレートは開口率が略４
０％のスチール製の部材で構成したことを特徴とするラ
ジエータサイレンサー。