JPS6026224Y2 - キヤブレタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、プライマリ側が固定ベンチュリ式、セカンダ
リ側がエアバルブ式の２バレル２ステージキヤフレタに
おける、高温高速時に発生する泡によるプライマリ側エ
アベントの閉塞を防止したキャブレタに関するものであ
る。

一般的にプライマリ側が固定ベンチュリ式、セカンダリ
側がエアバルブ式の２バレル２ステージキヤブレタ型の
キャブレタにおいては、セカンダリスロットルバルブが
開くような高速運転を高温時に行なうと、フロート室へ
流入する燃料量が多くなるとともにフロート室の燃料の
泡立ちが多くなる。

更にその状態が進行すると、フロート室の燃料はエアベ
ントからエアバルブの上流の通路に燃料の泡となって吐
出し、間欠的に空燃比がリッチとなり、また力不足、サ
ージング、エンストの問題を生じる他、燃料の消費量が
大となる等の問題を生じる。

本考案は上に述べた従来の問題を解消するために、２バ
レル２ステージキヤブレタ型キヤブレタのフロート室内
に空気の流れを形成してフロート室内を冷却することに
より、高速時におけるエアベントからの燃料吐出を阻止
したキャブレタを提供することを目的とする。

以下に本考案のキャブレタの一実施例を図に従って説明
する。

図はプライマリ側が固定ベンチュリ式、セカンダリ側が
エアバルブ式の２バレル２ステージキヤブレタで、一方
のセカンダリ側を概略的に示したものである。

前述のキャブレタには、常時規定量の燃料をたくわえて
いるフロート室１と、このフロート室１内にあって燃料
量を調整するための調整弁２を備えたフロート３と、フ
ロート室１底部の燃料吐出調整弁４を介してエアバルブ
下流側に連通、開口したメインノズル５と、このメイン
ノズル５の上流側に設けられたエアバルブ６と、エアバ
ルブ６及びメインノズル５の下流側に回動可能に設けら
れているセカンダリスロットルバルブ７と、フロート室
１とチョークバルブまたはエアバルブ６の上流側とを連
通ずる第１のエアベント８とが設けられている。

このエアベント８は管内通路面積がほぼ一様であり、絞
り部を有しない構造になっている。

フロート室１には、更に、エアバルブ６の下流とフロー
ト室１とを連通してエアバルブ下流に開口した第２のエ
アベント９が設けられる。

このエアベント９は前記エアベント８と同様に管内通路
面積がほぼ一様であり、絞り部を有しない構造になって
いる。

このエアベント９はその一端が、フロート室１内の燃料
液面りより高い位置に開口されており、他端はフロート
室１内のエアバルブ６とセカンダリスロットルバルブ７
との間の吸気通路の横断面のはＳ゛中夫吸気の流れ方向
に対し平行となるよう開口されている。

これによって、エアバルブ６の上流側と該バルブ６の下
流側とは、第１のエアベント８とフロート室１内の空間
部１ａと第２のエアベント９とを介してバイパスされる
。

なお、第１のエアベント８のエアバルブ６の上流側に開
口した口部８ａは、吸気の流れによる動圧を受けやすく
するために、吸気の流れに直交させて、かつチョークバ
ルブまたはエアバルブ６の上流側に向くように開口する
のが望ましい。

叙上のように構成したキャブレタにあっては、高速運転
時のセカンダリスロットルバルブ７が略全開に近くなる
ようなセカンダリ作動域では、エアバルブ６が全開でな
いある開度の位置に保たれるので、エアバルブ６上流側
のはＳ゛大気圧に比べてエアバルブ６下流側には負圧が
発生する。

このため、エアバルブ６の上流側より下流側に流れる空
気流の一部は第１のエアベント８、フロート室１内の空
間部１ａ、第２のエアベント９を通って流し、エアベン
ト９の口部９ａからエアバルブ６の下流側に吸出される
。

この吸気のバイパス流によってフロート室１内は冷却さ
れて燃料の泡立ちが本質的に抑止され、泡によって第１
のエアベント８が閉塞したり、その閉塞の結果第１のエ
アベント８を通って燃料泡が吐出するようなことはない
。

また、第１のエアベント８の口部８ａは上流側に向けて
開口しているので、第１のエアベント８の口部８ａには
吸気流の動圧も作用し、その分だけバイパス径路には余
分の圧力差がかかるので、バイパス径路には強くバイパ
ス流が流れ、上記の冷却効果が促進される。

このように本考案のキャブレタによるときは、フロート
室とエアバルブ下流側とを第２のエアベントにより連通
したので、フロート室を通るバイパス流を形成すること
ができ、この空気流により、高速高温時であってもフロ
ート室の燃料を冷却することができるので、燃料の泡は
吹き消されて、従来のようなバルブの上流側に開口する
エアベントからの泡の吐出を防止することができる。

また、このことにより、空燃比がリッチとなり、かつ力
不足、サージング、エンスト等の原因を解消することが
できる他、燃料消費量の節減も図ることができるという
効果も得られる。

また、この場合、エアバルブ上流側に開口されるエアベ
ントの口部をエアバルブ上流側に向けて吸気の流れ方向
と直交するように形成したことにより、吸気の流しの動
圧が前記エアベントにかかるので、前述のエアバルブの
上流側に開口するエアベントからエアバルブ下流側に開
口するエアベントに向う流れを促進することができ、前
述の効果を促進することができる。

特に、本考案の第１および第２のエアベントは、その通
路面積がほぼ一様であり管内の空気の流れが絞られない
ので、該空気の流れの勢いが抑制されず、燃料飛沫を即
座に消失させることができ、同時にフロート室内の換気
が効率良くスムーズに行われるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図は、本考案のキャブレタの一実施例に係る概略拡大断
面図である。 １・・・・・・フロート室、１ａ・・・・・・空間部、
６・・・・・・エアバルブ、訃・・・・・第１のエアベ
ント、８ａ、 ９ａ・・・・・・口部、９・・・・・
・第２のエアベント、５・・・・・・セカンダリ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プライマリ側が固定ベンチュリ式、セカンダリ側がエア
   バルブ式の２バレル２ステージキヤブレタにおいて、セ
   カンダリ側に、フロート室とエアバルブの上流側吸気通
   路とを連通させかつ管内通路面積がほぼ一様な第１のエ
   アベントを設けると共にフロート室とエアバルブの下流
   側吸気通路とを連通させかつ管内通路面積がほぼ一様な
   第２のエアベントを設け、前記第１のエアベントはその
   吸気通路側開口端を吸気の流れ方向と対向しかつ該流れ
   方向に対して直交するように形成し、前記第２のエアベ
   ントはその吸気通路側開口端をエアバルブとセカンダリ
   スロットルバル１間の吸気通路において吸気の流れ方向
   に対して平行となるように形成したことを特徴とするキ
   ャブレタ。