JPS6026148Y2 - 筒状乃至袋状繊維製品刺しゆう用枠の枠張り作業における被刺しゆう物めくり返し装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ソックス、手袋のような筒状乃至袋状の繊維
製品に、ポイントマークなどの刺しゅうを施すために、
刺しゅうミシンに掛ける前工程として行われる刺しゅう
枠の枠張り作業において、作業台に履かせた被刺しゅう
物Ｓの履かせ部分を、刺しゅう枠の上枠二と下枠イの両
鍔間にめくり返すための装置に関する。

従来の枠張り作業は、第１図乃至第５図に示すように手
作業によりなされていた。

即ち、第１図に示す下枠イ、バイリン口、パイリン押え
リング八、上枠二から成る刺しゅう枠を、まずその下枠
イを枠張り作業台２の下枠嵌込み穴２ｅ内に嵌込み、次
いでその上にバイリン口を載置し、その上からリング八
を押込んでバイリン口を固定する（第２図）。

そして次に作業台２の先端よりくっ下Ｓを履かせるよう
にして（第２図）、刺しゅうを施す位置がバイリン口の
位置と重なった状態で上方から上枠二を嵌込む（第３図
）。

そして次にくつ下Ｓの履かせ部分をめくり返して上枠二
と下枠イの両鍔部間におさめ、最後に刺しゅう枠全体を
下枠嵌込み穴２ｅより抜取ることにより（第４図・第５
図）、刺しゅうミシンにセットする前工程としての枠張
り作業が終了する。

ところがこの手作業の中で特に、履かせ部分のめくり返
しは、両手を使用して上枠二と下枠部間に確実におさめ
る必要があるため、労力に加え神経面での疲労を伴い、
相当な熟練工でも作業性が劣化する難点がある。

本発明は従来のか）る実情に鑑みてなされたもので、機
械触手により自動的にめくり返し作業を完了させること
が可能な装置を提供しようとするものである。

以下図面の実施例によって本発明装置の構成をその作用
と伴わせて説明すると、 第６図と第７図において、２が作業台取付部１に基端部
を固定した枠張り作業台で、その下方に作業台２の長手
方向に沿う案内軸７を設け、その案内軸７に前後（第６
図で左右）往復動する摺動台３が嵌合される。

そしてその摺動台３上面に設けた取付片４に、先端に引
掛鉤部５ａを形成した爪部材５を、その一側面が作業台
２の裏面に滑走可能に当接されるようにして引掛鉤部５
ａが水平外向きとなる状態に枢着しである。

この場合、第８図に示すように作業台２の裏面に案内Ｒ
２ａを設けて、その案内ｉ２ａに沿って爪部材５の一側
面が滑走できるようにすれば、爪部材５の滑走移動がよ
り確実に行われる。

他方、作業台２の先端部の上方には、刺しゅう周枠Ｆの
押え板６を上下ストローク自在に設けである。

そして、この押え板６が下降して刺しゅう周枠Ｓを押え
込んだ状態において摺動台３が外方向へ移動するよう自
動制御されるようにして本案装置は構成される（自動制
御機構は図示を省略）。

今、第６図に示すように押え板６が下降して上枠二を押
え込んだ状態において、摺動台３が従って爪部材５が外
方向へ移動してくると、その引掛鉤部５ａが被刺しゅう
物Ｓの履かせ口をめくって行く。

そして爪部材５が作業台２の突端から外れた瞬間、引掛
鉤部５ａには履かせ口のめくり即ち収縮によって生ずる
反発力が加わっているので、爪部材５は第７図に示すよ
うに取付片４の枢着部４ａを基点として作業台２の突端
面２ｃに沿ってそり返り（これによって引掛鉤部５ａは
上向きとなる）、履かせ口はめくり上げられ、その弾み
により刺しゅう枠Ｆの上枠二と下枠イの両鍔部間におさ
まる。

かくしてめくり返し作業の終了をもって枠張り作業を完
了する。

本案装置は以上のようで、従来手作業によっていた被刺
しゅう物のめくり返し作業が自動的に且つ正確に行え、
枠張り作業全体の能率向上に著しく貢献するものである
。

【図面の簡単な説明】

第１図は刺しゅう枠セットの斜視図、第２図乃至第５図
は手作業による枠張り作業手順を示し、第２図は下枠の
上にバイリンを固定した状態でくつ下を作業台に履かせ
ようとしている状態の斜視図、第３図は刺しゅうを施す
個所がバイリンと重なった位置で上方から上枠を嵌込も
うとしている斜視図、第４図は同じく上枠を嵌込んだ状
態の斜視図、第５図は枠底めが完了し、くっ下の履かせ
部分をめくり返して上下両枠の鍔間にまとめ、作業台よ
り取出した状態の斜視図である。 また第５図乃至第８図は本案装置の実施例を示し、第６
図が側面図（めくり前）、第７図が拡大斜視図（めくり
後）、第８図が第６図Ａ−Ａ線拡大縦断正面図。 ２・・・・・・枠張り作業台、２ａ・・・・・・その案
内溝、３・・・・・・摺動台、４・・・・・・取付片、
５・・・・・・爪部材、５ａ・・・・・・引掛鉤部、６
・・・・・・押え板。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）枠張り作業台２の下方に該作業台２の長手方向に
   沿って往復動する摺動台３を設け、その摺動台３上に設
   けた取付片４に引掛鉤部５ａを形成した爪部材５を、そ
   の一側面が作業台２の裏面に滑走可能に当接されるよう
   にして引掛鉤部５ａが水平外向きとなる状態に枢着し、
   作業台２先端部の上方には、刺しゅう周枠の押え板６を
   上下ストローク自在に設け、その押え板６が下降して刺
   しゅう周枠Ｆを押圧した状態において摺動台３が外方向
   へ移動するよう自動制御されるようにしたことを特徴と
   する筒状乃至褒状繊維製品刺しゅう周枠の枠張り作業に
   おける被刺しゅう物めくり返し装置。
2. （２）爪部材５の一側面が枠張り作業台２裏面に設けた
   案内溝２ａに沿って滑走可能とした実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の筒状乃至袋状繊維製品刺しゅう周枠の
   枠張り作業における被刺しゅう物めくり返し装置。