JPH0136945Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、ソツクス、手袋のような筒状乃至袋
状の繊維製品に、ポイントマークなどの刺しゆう
を施すため、刺しゆうミシンに掛ける前工程とし
て行なわれる刺しゆう枠の枠張り作業に於いて、
作業台に履かせたソツクス等の被刺しゆう物Ｓ
（以下「ソツクスＳ」で説明する）の上方から上
枠を嵌込み、且つその履かせ部分を刺しゆう枠の
上枠と下枠の両鍔間にめくり返すための装置に関
する。

（従来技術） 本出願人は、上記作業の確実性と省力化を狙つ
た同一目的の装置を先に実用新案登録出願してい
る（実開昭60−97789）。

しかしこの先行技術にあつては、装置の台盤１
上に一つの枠張り作業台２を備えるものであるか
ら、一工程が終了するまで次の作業開始を待たな
ければならない。また工程内においても、上枠ハ
の真空パツト兼押さ板６への当込みと枠張り後の
取出しが手作業によるものであるため、作業性に
今一つの改善が望まれていた。

（考案が解決しようとする問題点） この考案は、このような観点から一つの装置に
一人作業で可能な交互追掛け方式を採用し、且つ
上枠のセツト及び製品の取出しを自動化すること
により、先行技術に比しより確実で且つ効率的な
作業を可能としたものである。

［考案の構成］ （実施例） 以下図面の実施例によつて説明すると、第１図
に装置総体が示される。

即ち、装置本体１の左右端に上枠操作アーム
２，２と上枠受け台３，３を備え、その内側に沿
つてソツクスのめくり爪装置４，４が設けられ、
さらにその内側稍々上方に二つの枠張り作業台
５，５が前記めくり爪装置４，４を各外側極限と
して左右間欠往復動可能に突設してあり、これら
の各動作が自動制御機構９により同一指令系統に
組込まれて構成される。

よりくわしく説明すると、まず上枠操作アーム
２は、同図に示すように水平回動アーム６の先端
に上下ストローク可能な真空パツト７が装着さ
れ、枠張り作業台５に対し外側90度位置を基点と
して前方へ行き90度、帰り180度間隔の間欠運動
が付与され、その90度相当位置に上枠受け台３が
設置されている。

次にめくり爪装置４は、同図及び第７図乃至第
９図に示すように引掛け鈎部８ａを有する爪８群
を、枠張り作業台５の下面に沿つて所定範囲の前
後移動可能に設けて成り、その作業台５が外側極
限位置にあり且つ真空パツト７により上枠ハが押
込まれた状態において前記爪８群が前方極限まで
移動するように制御されている。

そして枠張り作業台５は、同図に示すように上
面先端部に下枠嵌込み穴５ａを有する二つの作業
台を装置本体１より突設し且つそれらにめくり爪
装置４を外側極限とする左右間欠往復運動を付与
して構成される。

（作用） 今以上の構成の本案装置による枠張り作業を順
を追つて説明すると次のようである。

(1) 第１図の状態で、作業員が中央に位置してい
る左側作業台５の下枠嵌込み穴５ａ内に下枠
イ、バイリンロをセツトした上、ソツクスＳを
履かせる（第２図）。

(2) 次いで上枠ハを受け台３にセツトする（第３
図）。

(3) すると上枠操作アーム２が起動して（第４
図）、まず水平回動アーム６が前方90度位置即
ち上枠ハの直上に回動停止し、次の瞬間真空パ
ツト７が下動して上枠ハをキヤツチする（第５
図）。と同時に作業台５，５が連動してその左
方作業台５がめくり爪装置４直上部に移動停止
する（第４図、第５図）。

(4) 次いで回動アーム６がさらに90度（即ち基点
から180度）回動して停止（第６図）する。

そしてこの(3)と(4)の動作中右方の作業台５が
今度は中央に位置するので、作業員はこれに下
枠イ、バイリンロをセツトし（第５図）、さら
にソツクスＳを履かせる（第６図）。

(5) そして次の瞬間上枠ハをキヤツチした真空パ
ツト７が下動して（第７図）、上枠ハがソツク
スＳの上から下枠イ内に平均的押圧力で押込ま
れる（第８図）。

(6) そして次の瞬間めくり爪装置４が作動して、
爪８群が作業台５の下面に沿つて前方へ移動
し、その引掛け鈎部８ａがソツクスＳの履かせ
口をめくつていく。そして爪８が作業台５の突
端から外れた瞬間、履かせ口はめくり上げら
れ、その弾みにより上枠ハと下枠イの両鍔部間
に納まる（第９図）。

(7) そして次の瞬間回動アーム６の真空パツト７
が上枠ハを吸着したまま上動して、枠張り完了
製品を作業台５より取外し、次いで回動アーム
６が（180度逆戻りして）基点位置に戻る（第
１０図）。

(8) そして次の瞬間真空パツト７の作動が停止し
て製品を下方へ自然落下させ、同時に作業台
５，５が右方へ移動停止する（第１０図、第１
１図）。

(9) そこで今度は右側において作業員は、先と同
様の作業を繰り返す。

以上の連続動作と作業によつて枠張りが行なわ
れていく。

［考案の効果］ 本案装置は以上のようで、装置一台に作業員一
人が従事することは先行技術と同じであるが、上
枠嵌込みとソツクスのめくりかえし作業の自動化
に加え、なお煩作業として残つている上枠の真空
パツトへの当込み（キヤツチング）と枠張り後の
取出し作業を自動操作できるようにし、またなに
よりも上記各自動化による作業員の手隙を有効に
利用するため、作業台５を二つ並設してその交互
間欠動作中に、予備作業すなわち下枠イ、バイリ
ンロのセツト、ソツクスＳの履かせ作業を完了さ
せる方式としたから、作業性の著しい向上がもた
らされる。

【図面の簡単な説明】

図面は本案装置の実施例を示すもので、第１図
は斜視図、第２図乃至第１１図は作業工程順の各
作動状態を示す斜視図である。 １……装置本体、２……上枠操作アーム、３…
…上枠受け台、４……めくり爪装置、５……作業
台、６……水平回動アーム、７……真空パツト、
８……爪、８ａ……引掛け鈎部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 装置本体１の左右端に、水平回動アーム６の先
   端に上下ストローク可能な真空パツト７が装着さ
   れその内側に二つ並設した枠張り作業台５に対し
   外側90度位置を基点として内側へ行き90度間隔に
   二度、帰り180度一度の間欠回転運動が付与され
   た上枠操作アーム２を設け、また前記真空パツト
   ７の内側一度目の90度回転位置に上枠受け台３を
   横向きに設置し、さらに前記二つの枠張り作業台
   ５，５は連動して所定範囲の左右間欠往復動を可
   能とし、その枠張り作業台５，５の左右極限位置
   における直下部位に引掛け鈎部８ａを有する爪８
   群を所定範囲の前後移動可能に設けて成るめくり
   爪装置４を備え、 一方の上枠受け台３にセツトされた上枠ハを、
   内側へ一度目の90度回転をした水平回動アーム６
   の真空パツト７でキヤツチし、その一方側の外側
   極限位置に枠張り作業台５が連動停止すると真空
   パツト７がさらに90度回動して真空パツト７を下
   降させ、外側の枠張り作業台５にセツトした被刺
   繍物の上から上枠ハを押込み、次の瞬間爪８群が
   前記作業台５の下面に沿つて前方へ移動してその
   引掛け鈎部８ａが被刺繍物をめくり上げ、次の瞬
   間真空パツト７が上枠ハを含む枠張り完了品を吸
   着したまま上動して、今度は一度に180度逆回転
   して基点位置に戻り、枠張り完了品の吸着状態を
   解いて自然落下させ、この間他方の上枠受け台３
   は上枠ハを、また連動停止された内側の枠張り作
   業台５は下枠と被刺繍物を、夫々セツトできる解
   放状態に置かれ、次の瞬間他方側において先の一
   方側と同様の動作が開始され、以下左右両側で交
   互に同一動作が繰り返されるように、各動作を自
   動制御機構９を介して同一指令系に置いたことを
   特徴とする刺しゆう用枠張り装置。