JP2543824Y2 - ミシン装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はミシン装置に関し、特に布をミシン本体に対
しボタン間隔又はボタン穴間隔に対応したピッチで移動
させてボタン付け又はボタン穴の穴かがりを自動的に行
なうミシン装置に関するものである。

［従来の技術］ この種のミシン装置はインデキサと呼ばれている。イ
ンデキサには上記のように布をミシン本体に対してボタ
ン間隔又はボタン穴間隔に対応したピッチで移動する布
搬送機構が設けられる。布搬送機構は布を押えて移動す
る布押えを有している。布押えは布の押えとその解除を
行なうために昇降可能になっており、押えを解除させる
ための解除スイッチの操作により上昇し、押えを解除す
るようになっている。

［考案が解決しようとする課題］ ところで上記のインデキサにおいてボタン付けまたは
ボタン穴の穴かがりを行なうにあたって、まず作業者が
布をインデキサのテーブル上に置き、前後、左右の位置
決めをした後に、スタートスイッチを押すことにより上
述の布搬送機構の布押えが下降し布をテーブル上に押え
る。この押えが終了した時点で布の位置決めに不具合が
あった場合には上述した解除スイッチの操作により布押
えの押えを解除して布の位置決めの不具合を直すことに
なる。この作業を行なうにあたって作業者は専ら布押え
の近くに立つことになるが、その位置は布の搬送方向の
長さ、又はその布が紳士用か婦人用かの違いにより搬送
方向を変える場合によって異なる。

ところが、従来のインデキサの構成では上記の布の押
えを解除するための解除スイッチは装置の所定部位に固
定して設けられている。このため、作業者の立つ位置が
上記のように異なると、その位置によっては作業者から
みた解除スイッチの位置が相対的に遠くなり、操作しず
らい場合があるという問題があった。

そこで本考案の課題はこのような欠点を解消し、イン
デキサの操作性を向上することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記の課題を解決するため本考案によれば、布をミシ
ン本体に対しボタン間隔又はボタン穴間隔に対応したピ
ッチで移動させてボタン付け又はボタン穴の穴かがりを
自動的に行なうミシン装置において、布を押える布押え
部材を移動させて布を前記ピッチで移動させる布搬送機
構を有し、前記布押え部材による布の押えを解除させる
ためのスイッチを、前記布押え部材に付設されたカバー
の正面に設けた構成を採用した。

［作用］ このような構成によれば、ミシン装置を扱う作業者は
布の長さ又は搬送方向に関わらず専ら布押え部材の近く
に立つので、作業者にとって上記解除用のスイッチの位
置は常に近く、操作し易いものとなる。

［実施例］ 以下、図を参照して本考案の実施例の詳細を説明す
る。

図は本考案の実施例によるインデキサの構成を示して
いる。本実施例のインデキサはボタン付けを行なうイン
デキサとする。

図において符号１はボタン付けの縫いを行なうミシン
本体である。ミシン本体１の側方近傍にはボタン９をミ
シン本体１のボタン付けを行なう位置に自動的に供給す
るボタンフィーダ２が設けられている。

更にミシン本体１の前のテーブル３上でボタン９を付
ける布７をボタン間隔のピッチで移動させるための布搬
送機構が設けられる。ここでは布搬送機構は布７の両端
部を押える２つの布押さえ４、５を有している。布押さ
え４、５はアーム状に形成されており、先端が布を押え
る。そして布押さえ４、５は不図示のモータを駆動源と
する駆動機構の駆動によって布搬送方向のａ方向とその
逆のａ′方向に移動される。また布押え４、５は不図示
の駆動手段、例えばエアシリンダの駆動によって矢印b,
b′で示すように昇降されるようになっており、解除ス
イッチ６の操作に応じて上昇して布７の押えを解除し、
作業者の膝で矢印Ｃ方向に操作されるスタートスイッチ
８の操作に応じて下降して布７を押えるようになってい
る。

ところで符号4a,5aは布押さえ４、５のカバーである
が、従来と異なる点として前述の解除スイッチ６は図中
右側のカバー5aの正面に設けられている。カバー4a,5a
は布押え４、５と一体的にa,a′方向に移動する。

なお従来のインデキサでは上記の解除スイッチは例え
ば符号６′で示す位置（ここではボタンフィーダ２の側
部）に固定して設けられていた。

次に以上の構成における動作につき説明する。

ボタン付けを行なう場合、作業者が先ず布７をテーブ
ル３上の図示した位置に置き、不図示のゲージに合わせ
て布７を前後、左右に位置決めする。

次にスタートスイッチ８を押すことにより布押え4,5
が下降し、布７を押える。

次にスタートスイッチ８を離すことによりボタンフィ
ーダ２がボタン９を図示の位置に供給した後にミシン本
体１が駆動されボタン付けの縫いを行なう。

次に布搬送機構が駆動されて布押え４、５が予め不図
示の操作パネルの操作入力により設定されたボタン間隔
のピッチだけａ方向に移動し、これに伴って布７が同方
向に同ピッチ移動する。

次にボタン９の供給の後にミシン本体１に駆動されて
２個目のボタン付けが行なわれる。そして、このような
ボタン付けと布７の移動が予め設定されたボタン数の回
数だけ繰り返される。

このようにして布７の１枚のボタン付けが全部終了す
ると布押え４、５が上昇し、布７の押えが解除され、自
動的に布７が不図示のスタッカにスタックされる。布押
え４、５はａ′方向へ移動され、初期位置に戻される。

ところで、最初に布７をテーブル３上で位置決めして
布押え４、５の押えにより布７のセットを終了した時点
で作業者が布７の位置決めの不具合を発見した時に、そ
れを直すために布７の押えを解除する必要が生じた場合
には、解除スイッチ６を押すことにより布押え４、５が
上昇し、押えを解除できる。そして必要に応じて布７の
位置を左右に調整するなどして位置決めの不具合を直
す。

このときに作業者は布７自体の位置を調整するために
布押え５の近傍に立つことになり、解除スイッチ６は右
手近くの布押え５のカバー5aに設けられているので操作
し易い。布７のａ、ａ′方向の長さが異なっても作業者
が布押え５の近傍に立つことは同じで作業者から見た解
除スイッチ６の位置は常に右手の近くであり、操作し易
い。

即ち解除スイッチが例えば符号６′の位置に固定され
ていた従来のように作業者の立つ位置の違いにより解除
スイッチが作業者から遠くなることがなく、常に近くて
操作し易いものとなり、インデキサの操作性を向上でき
る。

なお、ボタン穴の穴かがりを行なうインデキサにおい
ても布押えの押えを解除させる解除スイッチについて本
実施例と同様に布押えに付設して同様に操作性を向上で
きることは勿論である。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように本考案によれば、布を
ミシン本体に対しボタン間隔又はボタン穴間隔に対応し
たピッチで移動させてボタン付け又はボタン穴の穴かが
りを自動的に行なうミシン装置において、布を押える布
押え部材を移動させて布を前記ピッチで移動させる布搬
送機構を有し、前記布押え部材による布の押えを解除さ
せるためのスイッチを、前記布押え部材に付設されたカ
バーの正面に設けた構成を採用したので、布の長さ又は
搬送方向に拘らず作業者にとって前記スイッチの位置は
常に近く、操作し易いものとなり、ミシン装置の操作性
を向上できるという優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例によるインデキサの構成を示す
斜視図である。 １……ミシン本体、２……ボタンフィーダ ３……テーブル、４、５……布押え 4a、5a……カバー ６……解除スイッチ、７……布 ８……スタートスイッチ ９……ボタン

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】布をミシン本体に対しボタン間隔又はボタ
   ン穴間隔に対応したピッチで移動させてボタン付け又は
   ボタン穴の穴かがりを自動的に行なうミシン装置におい
   て、 布を押える布押え部材を移動させて布を前記ピッチで移
   動させる布搬送機構を有し、 前記布押え部材による布の押えを解除させるためのスイ
   ッチを、前記布押え部材に付設されたカバーの正面に設
   けたことを特徴とするミシン装置。