JPH0341660Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は供給された材料片の両側を折込み、そ
れをミシンのベツド上に載置された加工布に縫着
するミシンのための材料片折曲げ装置に関する。

［従来技術］ 従来、この種の装置としては、例えば特公昭38
−20934号公報及び特公昭40−26628号公報に記載
されているように、材料片折曲げ用の型板と、そ
の型板上に材料片を供給する供給装置と、型板上
に供給された材料片をその型板に向けて押圧保持
する材料押えと、保持された材料片を前記型板の
周りに折曲げる材料折曲げクリツプとから構成さ
れており、材料片を型板の周りに折曲げた後に加
工布上に供給して縫着を行つていた。

［考案が解決しようとする問題点］ そのような従来装置において、材料片は供給装
置により型板上に供給されて材料押えにより押圧
されていた。この時、材料片は単に型板上に載置
されているにすぎないので型板上で移動し易いだ
けでなく、自身の撓みやすべりの為に材料押えに
よる押圧により保持される位置がずれやすく、材
料片を所望のように折曲げることができずに仕上
り品の品質が低下してしまう問題点があつた。

［考案の目的］ 本考案は従来の問題点を解決するためになされ
たものであり、その目的は材料片の位置ずれを防
止し得るミシンの材料片折曲げ装置を提供するに
ある。

［問題点を解決するための手段及びその作用］ 本考案は、材料片折曲げ装置の型板上に位置決
め部材を設けると共に、その位置決め部材９０を
前記材料片Ｂの位置決めを行う規制部９２と、そ
の規制部９２から材料片Ｂの上方に張出す張出部
９３と、その張出部９３から前記材料片Ｂの供給
側に向けて延び、供給される材料片Ｂを前記型板
４５と前記張出部９３との間に案内する案内部９
４とから構成したことにより、材料片の型板に対
する位置ずれを防止し得る。

［実施例］ 以下に本考案をラベル付ミシンに具体化した一
実施例を示す図面を参照してその詳細を説明す
る。

図において、ミシンの機枠のアーム頭部１に
は、取付板２がその開口部を覆うようにねじ３に
より固定されており、その取付板２には、材料片
としてのラベルＢを折曲げるための折曲片１５
と、その折曲片１５を作動させるためのエアシリ
ンダ２０，２３等からなる材料片折曲げ装置と、
その材料片折曲げ装置にラベルＢを所定量送つた
後に切断するラベル供給装置Ｓが取付けられてい
る。この材料片折曲げ装置及びラベル供給装置Ｓ
は本願出願人による実願昭59−161525及び実願昭
59−161526に記載されているので詳細な説明はそ
れらの出願を参照されたい。

ベツド面９上には送り装置としての送り台４０
が設置されており、この送り台４０は上下動され
る針３９に対し前記ベツド面９上を相対移動され
る。この送り台４０には送り板４１が固定される
と共に、この送り板４１に対し布押え４２が上下
動可能に支持されており、この送り板４１と布押
え４２により加工布Ａが挟持される。前記送り台
４０には押え足４３が針逃げ用の公知の反転装置
４４を介して前記ベツド面９に対し上下動可能に
支持されている。更に、前記送り台４０には一対
のエアシリンダ８８が固定されており、その作動
軸８９には型板４５が固定されている。この型板
４５は前記押え足４３が前記ベツド面９に対し離
間した状態において、その間隙中の支持位置に進
退可能である。

この型板４５には、第３図に示すように、位置
決め部材９０が一対の貫通長孔９１を介してねじ
９８により固定されており、その固定位置はラベ
ルＢの幅に応じて変更可能である。また、位置決
め部材９０には、ラベルＢの供給方向Ｆに沿つて
延び、ラベルＢの側縁の位置を規制する規制部９
２と、その規制部９２からラベルＢの上方に張出
す張出部９３と、その張出部９３からラベルＢの
供給源側に向けて突出形成され、かつ上方に湾曲
されており、供給されるラベルＢを前記型板４５
と張出部９３との間に案内する案内部９４とが形
成されている。

次にその作用を説明する。

まず、作業者は加工布Ａを送り板４１上に位置
決めした後に布押え４２を下降させて加工布Ａを
挟持させる。この時、布押え４２の加工に連動し
て型板４５が加工布Ａと押え足４３との間隙中に
侵入し、支持位置に待機する。

次に、ラベル供給装置によりラベルＢが型板４
５に向けて送り出される。この時、ラベルＢは位
置決め部材９０の案内部９１により張出部９３と
型板４５との間に円滑に侵入し、所定量供給され
た後に切断される。この時、ラベルＢの側面は規
制部９２に当接しており、その静止位置が保持さ
れ得る。ここで、ラベルＢに撓み等がある場合に
おいては、ラベルＢは型板４５と張出部９３との
間へ撓みが矯正されつつ侵入するので、切断され
た後でかつ押え足４３による押圧前の、ラベルＢ
の不安定な時期においても、その静止位置は変化
しない。

また、押え足４３による押圧時に際し、ラベル
Ｂは移動し易いが、規制部９２によりラベルＢが
無制限に移動されてしまうことがなく、折曲げ終
了後に、折曲げられたラベルＢの両端がラベルＢ
の下方から外部に露出してしまうことがない。

この後、折曲げられたラベルＢは、公知の態様
にて加工布Ａ上に移送されて縫着される。

［考案の効果］ 以上のように本考案の材料片折曲げ装置におい
ては、材料片が、案内部に案内されて型板と張出
部との間に円滑に侵入し、押え足による押圧前の
材料片の不安定な時期においても、正確に規制部
により位置決めされ、従つて、押え足と型板によ
る材料片の挟持に際し、材料片が折曲げられるべ
き適性な位置から大幅にずれて保持されることが
防止され、材料片が適正な状態にて折曲げられる
ので仕上り品の品質を向上させることができる産
業上有益な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を具体化した一実施例の正面
図、第２図は一部を破断すると共にラベル供給装
置Ｓを省略して示す側面図、第３図は型板に設け
られた案内部材を拡大して示す斜視図である。 ２……取付板、９……ベツド面、３９……針、
４０……送り装置、４１……送り板、４３……押
え足、４５……型板、９０……位置決め部材、９
２……規制部、９３……張出部、９４……案内
部、Ａ……加工布、Ｂ……材料片である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 上下動される針３９と、 ミシンのベツド面９上に配置され加工布Ａを
   載置し得る送り板４１と、その加工布Ａ上に供
   給された材料片Ｂを前記送り板４１及び前記ベ
   ツド面９に向い押圧するための押え足４３とを
   含み、前記針３９に対し相対移動される送り装
   置４０と、 その送り装置４０に設けられると共に、前記
   押え足４３が送り板４１に対し離間した状態に
   おいて、その間隙中に進退可能な前記材料片Ｂ
   の折曲げ用の型板４５とを備え、 その型板４５と前記押え足４３との間に供給
   された材料片Ｂを型板４５の周りに折曲げた後
   に前記加工布Ａ上に移送押圧して縫着するよう
   に構成されたミシンにおいて、 前記型板４５に設けられると共に、この型板
   上に供給される材料片Ｂを位置決めするための
   位置決め部材９０を有し、 更に、前記位置決め部材９０は、前記材料片
   Ｂの位置決めを行う規制部９２と、その規制部
   ９２から材料片Ｂの上方に張出す張出部９３
   と、その張出部９３から前記材料片Ｂの供給側
   に向けて延び、供給される材料片Ｂを前記型板
   ４５と前記張出部９３との間に案内する案内部
   ９４とから構成されていることを特徴とするミ
   シンの材料片折曲げ装置。 ２ 前記位置決め部材９０は前記型板４５に対す
   る固定位置を変化可能に設けられていることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   のミシンの材料片折曲げ装置。