JPS6025734Y2 - エンドレス式テ−プカセツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエンドレスに構成された磁気テープをカセット
ケーシング内に収納して成るエンドレス式テープカセッ
トに関する。

短時間で終了するような映像番組を繰返して再生するた
めに、この映像を記録したエンドレスな磁気テープをカ
セットケーシング内に屈曲させて収納するようにしたエ
ンドレス式テープカセットが利用されている。

第１図および第２図はこの種のテープカセットの一例を
示すものであって、このカセットは第１図に示すように
家庭用ＶＴＲに用いられるテープカセットとほぼ同一の
偏平な直方体状のケーシング１を具備している。

従ってこのテープカセットは家庭用のカセット式ＶＴＲ
に装着され得るように構成されている。

第２図はこのテープカセットのカセットケーシング１の
上ハーフヲ取徐いて、テープカセットの内部を示すもの
であって、このカセットケーシング１内には巻取りリー
ル２と円筒状のリール軸収納ガイド３とが左右に所定間
隔を隔てて配されている。

巻取りリール２の外周面には摩擦係数の大きなゴム４等
が貼付されており、このゴム４の貼付されたリール２の
外周面に対して、圧着レバー５の先端に支持されている
低摩擦部材６によって磁気テープ７を圧着しながらこの
リール２を第２図において時計方向に回転駆動する。

するとカセットケーシング１の外に引出されていた磁気
テープ７はテープ引み用開口８から引込まれる。

そしてこのリール２との摩擦によって引込まれた磁気テ
ープ７はテープ排出部材９によってリール２の外周面か
ら離間されて、テープ案内用壁部１０に沿って屈曲させ
なからカセットケーシング１内に蓄積されるようにして
いる。

なお開口８から引込まれた磁気テープ７は一対のテープ
ガイド１１．１２によって案内されるように構成されて
いる。

また上記テープ排出部材９は逆転防止レバー１３と交錯
するように係合しており、リール２が逆転するとテープ
排出部材９とリール２との摩擦によって第２図において
上方にこの排出部材９が移動し、これによって逆転防止
レバー１３の先端がリール２の周面に喰い込むように係
合してこのリール２の逆転を防止する。

またこのテープカセットにおいては、前面側にほぼＶ字
状をなす凹部１４が形成されており、この凹部１４は壁
部１５によってカセットの内部と区画されている。

この壁部１５の左側には上記テープ引込み用開口８が形
成されており、また右側にはテープ引出し用開口１６が
形成されている。

そして磁気テープ７はこのＶ字状の凹部１４を横切るよ
うに掛渡されている。

なおこの凹部１４を横切る磁気テープ７は通常は第１図
に示す開閉蓋１７によって保護されており、このテープ
カセットがＶＴＲに装着されると開閉蓋１７が開かれて
、この部分の磁気テープ７が引掛けられてＶＴＲ本体の
テープ走行路に架装されるように構成されている。

この種テープカセットの欠点は、上記逆転防止レバー１
３が必すしも正しく作動しないことにある。

すなわち巻取りリール２はカセットケーシング１に対し
て所定のクリアランスをもって配されてねり、これによ
ってＶＴＲに装着されたテープカセットとＶＴＲ本体側
のリール軸との間の寸法の誤差等を吸収するようになっ
ている。

従ってリール２は第２図において、上下および左右の方
向に一定の範囲内てカセットケーシング１に対して移動
可能になっている。

これに対して逆転防止レバー１３はカセットケーシング
１に植設された支点ビン１８によって支持されているた
めに、カセットケーシング１に対して支点位置が移動す
ることはない。

リール２が第３Ａ図に示すように正しい位置にある場合
に、このリール２が逆転（同図において反時計方向の回
転）しようとすると、テープ排出部材９が上方に移動し
、これに連動して逆転防止レバー１３がビン１８を中心
に時計方向に回転して、このレバー１３のナイフェツジ
状の先端がリール２の外周面のゴム４に喰込んで、リー
ル２の逆転が阻止される。

しかしリール２がレバー１３の支点ビン１８に近ずく方
向に移動すると、第３Ｂ図に示すように逆転防止レバー
１３の先端部はリール２の外周のゴム４に喰込まずに、
リール２の外周面に対して相対的にスリップじて、巻取
りリール２の逆転を防止することができなくなってしま
う。

なお第３０図に示すようにリール２が支点ビン１８から
遠ざかる方向に移動した場合には、逆転防止レバー１３
の長さが適正であれば、このレバー１３の先端はゴム４
に喰込んで同り−ル２の逆転が防止される。

本考案は上記の如きリール２の逆転の防止の動作をより
確実に行うようにしたテープカセットを提供することを
目的とするものであって、リール駆動軸と係合して回転
駆動されるテープリールと、エンドレスに接続されたテ
ープをカセットケーシング内に引込むために前記テープ
リールの外周面に巻装された摩擦部材と、このテープリ
ールの近傍に回動可能に配されかつ先端が前記テープリ
ールの外周面に臨むように設けられた逆転防止レバーと
、この逆転防止レバーと連動可能に係合されかつ先端が
前記リールの外周面に接触するように配された排出部材
とをそれぞれ具備し、前記テープリールが正転されると
前記排出部材が引込まれたテープをこのリールから離す
とともに、前記テープリールが逆転されると前記排出部
材の移動に連動して前記逆転防止レバーが回動して前記
テープリールの外周面と接触し、このテープリールの逆
転が防止されるようにしたテープカセットにおいて、前
記逆転防止レバーの先端に複数の接触部を設け、前記テ
ープリールの位置の変化に応じて異る接触部がこのテー
プリールの外周面と接触するようにしたことを特徴とす
るエンドレス式テープカセットに係るものである。

以下本考案を一実施例につき図面を参照して説明する。

第４図および第５図はこの実施例のエンドレス式テープ
カセットを示すものである。

なおこのテープカセットにおいて、第１図〜第３Ｃ図に
示す従来のテープカセットと対応する部分には同一の符
号を示すとともに、従来のものと同一の構成の部分につ
いてはその説明を省略する。

第４図および第５図に示すように、この実施例のテープ
カセットにおいては、先端の鋭角状に折曲片１９を具備
した逆転防止レバー１３が用いられている。

なおこのレバー１３は例えば合成樹脂によって一体に成
形されたものであってよく、その基端に形威された軸孔
がカセットケーシング１にマウントされたピン１８と嵌
合して、カセットケーシング１に回動可能に支持されて
いる。

そしてこのレバー１３の下端部には特に第５図に示すよ
うにコ字状に切欠き２０が形威されており、この切欠き
２０が排出部材９の上側部に形成されているコ字状の切
欠き２１と係合されて、両者は互に交差する如く配され
るとともに、互に連動するように構成されている。

次にこのように構成された逆転防止レバー１３によって
リール２の逆転を効果的にかつ確実に防止する動作を第
６Ａ図〜第６Ｃ図につき説明すると、第６Ａ図に示すよ
うにリール２が正方向すなわち時計方向にリール軸によ
って回転駆動されている場合には、圧着レバー５によっ
て磁気テープ７がリール２の外周面のゴム４に対して圧
着される。

従って磁気テープ７とコム４との摩擦力によって磁気テ
ープ７がカセットケーシング１内に引込まれることにな
る。

しかもこの磁気テープ７はテープ排出部材９によってリ
ール２の外周面から離されて、テープ案内用壁部１０に
沿って移動しながら屈曲して、リール２と円筒状ガイド
３との間の空間内に蓄積されることになる。

このときに排出部材９はリール２の回転に伴ってゴム４
によって第６Ａ図において下方に押される。

従ってこの排出部材９と係合している逆転防止レバー１
３は同図においてピン１８を中心として反時計方向に回
動され、このレバー１３の先端部はリール２の外周面か
ら離れている。

従ってこのレバー１３がリール２の回転を阻止すること
はない。

次にリール２が正しい位置で逆転した場合には第６Ｂ図
に示すように、リール２の回転によって、コム４か排出
部材９を同図において上方に移動させる。

するとこの排出部材９と一対の切欠き２０．２１によっ
て係合している逆転防止レバー１３はピン１８を中心と
して同図において時計方向に回転し、このレバー１３に
設けられている折曲片１９の先端部の近傍がリール２の
外周面のゴム４と接触して、リール２の回転を防止する
。

またリール２がピン１８に近い位置で逆転した場合には
、第６Ｃ図に示すように逆転防止レバー１３は同じくピ
ン１８を中心に時計方向に回動するとともに、このレバ
ー１３の折曲片１９の先端がリール２の外周面のゴム４
と係合してリール２の逆転が阻止される。

次にリール２がレバー１３の支点ピン１８から遠い位置
にあって逆転した場合には、第６Ｄ図に示すように、レ
バー１３の折曲片１９の基端部がリール２と係合して逆
転を防止する。

以上のように本実施例のテープカセットによると、逆転
防止レバー１３の先端に折曲片１９を連設し、クリアラ
ンスによって巻取リリール２がカセットケーシング１に
対して移動すると、これに応じて上記折曲片１９の異る
位置でリール２と接触するようにしたものであるから、
リール２の回転位置にかかわらず、このリール２の逆転
を確実に防止することができる。

なお巻取りリール２の逆転防止レバー１３の形状は第４
図〜第６Ｄ図に示すものに限定されることなく、他の形
状に変更可能である。

例えば第７Ａ図に示すように、円弧状に湾曲した形状の
折曲片１９であってもよい。

あるいはまた第７Ｂ図に示すように、積極的に複数の接
触部を形成するように、湾曲した折曲片１９に凹凸２２
を形成してもよい。

あるいはまた第７Ｃ図に示すように折曲片１９とレバー
１３との結合がほぼＴ字状になるようにするとともに、
凹凸２２をさらにこの折曲片１９に形成するようにして
もよい。

もちろん第４図〜第６ＤＩＩに示す形状のレバー１３の
折曲片１９に凹凸２２を形威し、第７Ｄ図に示すように
構成してもよい。

以上に述べたように本考案は、エンドレスカセットのテ
ープ引込み用のテープリールの逆転を防止する逆転防止
レバーに複数の接触部を形成するようにしたものである
。

従ってテープリールの位置の変化に応じて異る接触部が
このテープリールの外周面と接触することになり、テー
プリールがクリアランスによってカセットケーシングに
対して移動しても、確実に逆転を防止することでき、ト
ラブルを未然に防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエンドレス式テープカセットの外観斜視
図、第２図はこのテープカセットの上ハーフを取除いて
内部を示す平面図、第３Ａ図〜第３Ｃ図はテープリール
の逆転防止動作を示すテープカセットの要部平面図、第
４図は本考案の一実施例のテープカセットの上ハーフを
取除いて内部を示す平面図、第５図は同要部分解斜視図
、第６Ａ図〜第６Ｄ図はこのテープカセットにおけるテ
ープリールの逆転防止の動作を示す要部平面図、第７Ａ
図〜第７Ｄ図はそれぞれ逆転防止レバーの変形例を示す
平面図である。 なお図面に用いた符号において、１・・・・・・カセッ
トケーシング、２・・・・・・巻取リリール、４・・・
・・・コム、７・・・・・・磁気テープ、９・・・・・
・テープ排出部材、１３・・・・・・逆転防止レバー
１９・・・・・・折曲片である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リール駆動軸と係合して回転駆動されるテープリールと
   、エンドレスに接続されたテープをカセットケーシング
   内に引込むために前記テープリールの外周面に巻装され
   た摩擦部材と、このテープリールの近傍に回動可能に配
   されかつ先端が前記テープリールの外周面に臨むように
   設けられた逆転防止レバ７と、この逆転防止レバーと連
   動可能に係合されかつ先端が前記リールの外周面に接触
   するように配された排出部材とをそれぞれ具備腰前記テ
   ープリールが正転されると前記排出部材が引込まれたテ
   ープをこのリールから離すとともに、前記テープリール
   が逆転されると前記排出部材の移動に連動して前記逆転
   防止レバーが回動して前記テープリールの外周面と接触
   し、このテープリールの逆転が防止されるようにしたテ
   ープカセットにおいて、前記逆転防止レバーの先端に複
   数の接触部を設け、前記テープリールの位置の変化に応
   じて異る接触部がこのテープリールの外周面と接触する
   ようにしたことを特徴とするエンドレス式テープカセッ
   ト。