JPS6024561Y2 - ベニヤ単板の移送堆積装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンベヤ上を順次に移送されてくる例えば定尺
に満たない小幅のベニヤ単板の所要数を自動的に所定の
幅に整えて、受台上に堆積する装置に関する。

合板製造工程においては、合板を構成する素材である単
板を前段の工程で加工し、半製品として整えて搬送コン
ベアで間欠的に順次に繰り出して移送し、その小幅のベ
ニヤ単板の複数を移送装置で送り込んで所定幅に整えた
後、これを受台上まで移送して堆積する。

この堆積作業において、その単板群を姿態よく堆積する
ことはきわめて重要なことで、この堆積姿態が良好であ
ると、次段の工程における処理が容易となり、以後の工
程がきわめて有利に展開されるものである。

ところが、低質原木から得た単板の移送堆積をも可能に
するため開発された従来の摩擦移送方式を採用した装置
においては、ガイドバーの上面とこれに対設する無端帯
の下面とが入り組むようにして、間欠的に回動する無端
帯の垂下重量に頼ってベニヤ単板を挟持して堆積装置に
受入れるようにしたものであったため、ベニヤ単板が柔
軟で薄く、また滑り易いので、無端帯の間欠的回動の都
度ベニヤ単板がその慣性により思わぬ方向にずれ曲った
り、あるいは互いに衝突して折重りや、破損するなど、
種々の障害を生じて乱雑に堆積され、次段の処理を困難
にして人手を煩わして、作業効率を低下させた。

また、他の手段として、無端帯に多数の針状体を付設さ
せ、これら突刺体によって、ベニヤ単板を刺着搬送する
手段がある。

この刺着搬送方式にあっては、被搬送物の完全な刺着保
持が必要であり、ベニヤ単板が、その刺着に耐え懸吊保
持され材質強度、板厚等が当然要求される。

従って、近時、合板製品に活用されるようになった低級
木材より削り出されるベニヤ単板においては、殆ど前記
刺着保持に応対出来ないのが実状であり、結局、この刺
着による搬送は、緻密な良質単板のみに限定される。

本考案は、上記従来の摩擦移送方式による装置の欠点を
除去し、搬入されるベニヤ単板のずれや姿勢の乱れをな
く腰各ベニヤ単板が相互平行に密接した状態の移送形態
を保持したままで所定幅に姿態よく堆積できるようにし
たものである。

この考案を実施例について説明すると、第１図において
、１は堆積機の機枠、２は所要の形に整えられたベニヤ
単板３を堆積機１に搬入するための搬入コンベア、４は
搬入されるベニヤ単板３の上面に沿い、ベニヤ単板３の
搬入の都度、駆動装置５により公知の手段で間欠的に駆
動されるようにした無端リンクチェーンで、この無端リ
ンクチェーン４には、送入される単板に当接する面（無
端リンクチェーンの外周面）にベニヤ単板の厚みよりは
るかに小なる高さの突起８，８・・・・・・が多数突設
され、その突起８には余り鋭くない先端８１または鋸歯
状部８２が形成されている。

６は滑動バーで、ベニヤ単板を堆積する堆積部の受台７
の上方両側部に装置される。

滑動バー６は、その上に搬入された単板３が滑動バー６
の上面と無端リンクチェーン４とに挟まれて、無端リン
クチェーン４の移動につれて滑動バー６上を滑動しなが
ら移送されるもので、上面の平滑な滑り易いパイプ製バ
ーやベルト等の棒状体又は回転自在なローラを水平に並
列させたローラキャリヤ等が使用される。

そして、滑動バー６上を搬送される単板３ ａ、 ３
ａ、・・・・・・の幅が所定の幅に達したとき、図示
しない装置の信号等により公知の駆動装置の作動で左右
に（第１図において紙面に対して直角方向に）開いて、
単板を下方の受台７上に堆積させるように装置されてい
る。

上記のように構成された本考案装置の作用は次のとおり
である。

搬入コンベア２によって送られてきた小幅のベニヤ単板
３の前端縁が検知器（図示せず）を作動させるとそれま
で停止していた無端リンクチェーン４の送行を開始させ
る。

無端リンクチェーン４の重量は大であるから、無端リン
クチェーン４の外周面とベニヤ単板３の上面との間に摩
擦力が発生すると共に、無端リンクチェーン４の外周面
にベニヤ単板の厚みよりはるかに小なる高さの突起８を
多数設け、その突起８に形成された余り鋭くない先端８
１または鋸歯状部８２が単板の表面に浅く食い込み、前
記の摩擦力と、浅く食い込んだことに基づく移送力とに
よって単板は無端リンクチェーン４の移動方向へ移送さ
れる。

単板の後端縁が搬入コンベア２を離れても単板は移動を
続け、その後端縁が前記の検知器を通り過ぎると無端リ
ンクチェーン４は停止する。

後続の小幅単板３が搬入コンベア２によって送られて来
て検知器を作動させると無端リンクチェーン４は再び起
動し、単板の後端縁が検知器を通り過ぎると無端リンク
チェーン４は停止する。

この過程を繰り返して、送り込まれた小幅のベニヤ単板
３ａ、３ａ、・・・・・・が所定の幅に達すると、滑動
バー６が左右に開いて単板を落下堆積させる。

本考案のような突起８を有せず摩擦力のみに頼って単板
を移送する従来の装置の場合には、単板に凹凸や反りが
あるために当接面に発生する垂直抗力に大小があったり
、単板の乾燥度合や単板表面の性状（平滑かけば立って
いるか）に応じて摩擦係数に大小があり、単板に働く摩
擦力の大きさが場所によって異なるので、その結果、移
送中に単板の方向が曲がる（単板の前端縁が搬送方向と
直交しなくなる）ことは避けられなかったのであるが、
本考案により、従来の装置の難点を解消することが可能
になった。

本考案の効果は次のとおりである。

■ 本考案は、無端リンクチェーン４の外周面にベニヤ
単板の厚みよりはるかに小なる高さの突起８を多数突設
し、その突起８に形成された余り鋭くない先端８１また
は鋸歯状部８２が単板の表面に浅く食い込むので移動中
にチェーン４と単板との間にすべりが生じることがなく
、単板を確実に移送することができる。

■ 本考案は、余り鋭くない先端８１または鋸歯状部８
２が単板の表面に浅く食い込んでいるだけであるから、
滑動バー６が左右に開けは単板は自重により簡単に落下
するから、単板を叩き落とすための叩打装置を別に設け
る必要がない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置を示し、第１図は側面図、第２図は無
端リンクチェーンの一部の拡大図、第３図は他の実施例
の拡大図である。 ２・・・・・・搬入コンベア、４・・・・・・無端リン
クチェーン、５・・・・・・駆動装置、６・・・・・・
滑動バー ７・・・・・・受台、８・・・・・・突起、
８１・・・・・・先端、８２・・・・・・鋸歯状部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 小幅のベニヤ単板を堆積させる受台７の上下両側部に装
   置された滑動バー６と、小幅のベニヤ単板の搬入の都度
   駆動装置５により間欠的に駆動される無端リンクチェー
   ン４とを備え、無端リンクチェーン４の外周面にベニヤ
   単板の厚みよりはるかに小なる高さの突起Ｂ、訃・・・
   ・・を多数突設し、該突起８は余り鋭くない先端８１ま
   たは鋸歯状部８２を有しており、無端リンクチェーン４
   の下面とベニヤ単板の上面との間に生ずる摩擦力と、突
   起８がベニヤ単板の表面に浅く食い込むことに基づく移
   送力とによってベニヤ単板を間欠的に移送し、かつその
   ままの姿勢で受台７上に落下させて堆積することを特徴
   とするベニヤ単板の移送堆積装置。