JPS6023491Y2 - カバ−類の弾性支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエンジンなどにおけるオイルパン、あるいはシ
リンダへラドカバーなどをはじめとするカバー類の弾性
支持装置に関する エンジンカバー類、例えばオイルパンは、シリンダブロ
ック下面に剛性の高いガスケットを介して、ボルトによ
り固定されているため、シリンダブロックのスカート部
からエンジンの振動が、そのまま減衰することなく、オ
イルパンに伝達され、エンジン自体に膜振動を起こし、
大きな輻射台が発生し、エンジン騒音の大きな要因とな
っていた。

そのため従来は第１図に示すように、オイルパン１のフ
ランジ部２を、上部弾性体３と下部弾性体４とで挾み、
押え板５を介して、それらを貫通する段付ボルト（通常
のボルトでもよい）６に主すフランジ部２のボルト穴７
と段付きボルト６の間に、所定の間隙８を有するように
、オイルパン１をシリンダブロック９に対して、弾性的
に支持していた。

ところがこの弾性支持装置においては、シリンダブロッ
ク９に水平方向の振動が加わったり、あるいは、オイル
パン１に走行中に飛石などの外力が加わると、オイルパ
ン１に水平方向のズレが生じ、その結果、フランジ部２
のボルト穴７の内面と、段付ボルト６が金属接触して、
シリンダブロック９からの振動がそのまま減衰されるこ
となく伝達され、防振効果が著しく損われるという欠点
を有していた。

本考案は上記の欠点に鑑みて提案されたもので、その目
的はオイルパンがズした場合のボルトとフランジ部ボル
ト穴内面の金属接触を防止しようとするものである。

本考案は、凸部を上部弾性体と下部弾性体の一方に設け
て、カバー類のフランジ部のボルト穴に挿入し、このボ
ルト穴より突き出た凸部に嵌装される凹部を他の弾性体
に設けるとともに、小径部と大径部とからなる役付ボル
トを先の凹凸部に貫通させ、段付ボルト大径部の端面を
フランジ部の面と係合させたことを特徴とする弾性支持
装置である。

次に本考案の実施例を第２図及び第３図を参照しつつ詳
細に説明する。

図中、１１はシリンダブロックで、その下端の取付フラ
ンジ１２には、その全周にわたって、所定間隔をおいて
複数のねじ穴１３が穿設されている。

１４はオイルパンで、そのフランジ部１５には該シリン
ダブロック１１の取付フランジ１２のねじ穴１３と同数
でかつ同間隔に、段付ボルト１６の大径部２６の径より
も大きい径を有するボルト穴１７が設けられている。

上部弾性体１８はフランジ部１５に沿うように全周にわ
たって連続した適当な厚みを有し、下部弾性体１９はボ
ルト穴１７の周辺のみにあてがわれるべく略長方形をな
している。

そして、上部弾性体１８には、取付フランジ１２のねじ
穴３、及びオイルパンフランジ部１５のボルト穴１７に
対向する位置にボルト貫通穴２０が、下部弾性体１９に
はボルト貫通穴２１がそれぞれ設けられており、段付ボ
ルト１６により、両弾性体にてフランジ部１５を挾み、
一端２２が折り曲げられた押え板２３を介して、シリン
ダブ冶ツク１１の取付フランジ１２に弾性支持されてい
る。

また下部弾性体１９のオイルパンフランジ部１５に対向
する側に、ボルト貫通穴２１をとり囲むように円筒上の
凸部２４が設けられているとともに、ホノ叶穴１７に挿
入され、上部弾性体１８のオイルパンフランジ部１５に
対向する側には、フランジ部１５まり突き出た凸部２４
が嵌挿可能な円筒状凹部２５がボルト貫通穴２０に設け
られている。

上記構成によれば、オイルパン１４の組み付けに際して
は、オイルパン１４のフランジ部１５に上部弾性体１８
をボルト貫通穴２０とボルト穴１７が一致するように載
置し、さらにフランジ部１５の下面に、押え板２３を下
側に配した下部弾性体１９の凸部２４を、上部弾性体１
８の凹部２５に嵌挿するようにあてがった後、段付ボル
ト１６の小径部２７とフランジ１２のねじ穴により締結
できるので、位置決めがしやすくなり組み付けが容易に
できる。

またシリンダブロック１１の水平方向の振動、あるいは
飛石などの外力がオイルパン１４に加わったとき、オイ
ルパン１４が水平方向にズしても、下部弾性体１９の凸
部２４が設けられているので、オイルパン１４のボルト
穴１７が段付きボルト１６と金属接触することもなくな
り、吸振効果の低下が防止できる。

さらに、従来より下部弾性体を設けている理由は前述の
ように、ボルトからオイルパンに直接振動が伝達しない
ようにするためにほかならないことを考慮すれば、実際
にはボルト穴１７近傍以外は不要である。

したがって、本考案では最小限必要と思われるボルト穴
１７の近傍にのみ、前記下部弾性体１９を配したので、
コスト低減に寄与できる。

また下部弾性体１９の形状は本実施例においては、長形
であるが、円形やその他の形状でもよいのは言うまでも
ない。

しかし、実際には長方形あるいは正方形の方が、円形と
違って、隅部まで利用でき、フランジとの接触面が大き
くとれるので防振効果は向上できると考えられる。

その場合、押え板２２の形状は、上記弾性体の大きさを
カバーできるものであればよい。

また押え板２３の一端２２を折り曲げたため、段付ボル
ト１６にオイルパン１４をシリンダブロック１１に締め
付けて、下部弾性体１９が変形しても、その変形が阻止
され、圧縮性を高めるので、シール効果の向上が期待で
きる。

なお本実施例では、押え板２３の一端２２のみを折り曲
げているが、他の端面も折り曲げてよいのはもちろんで
あり、オイルパンフランジ部の外端を折り曲げることも
可能である。

なお本実施例では、段付ボルト１６を用いて、取付フラ
ンジ１２の面と大径部２６の端面を係合させ、締め付は
量を規制しているが、代りに通常のボルトの外周にスリ
ーブを設けてもよいし、あるいは通常のボルトのねじ部
の長さを、あらかじめ設定した締め付は量分だけ形成し
たものを用いてもよいことは言うまでもない。

以上のように、本考案によれば、オイルパンの組み付は
作用が容易になるとともに、オイルパンがズした場合に
も、オイルパンからの輻射音が低減できるという効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のオイルパン弾性支持装置を示す要部断面
図、第２図は本考案の実施例を示す要部断面図、第３図
は第２図の側面図である。 １４・・・・・・オイルパン、１５・・・・・・フラン
ジ部、１６・・・・・・段付ポルト、１７・・・・・・
ボルト穴、１８・・・・・・上部弾性体、１９・・・・
・・下部弾性体、２３・・・・・・押え板、２４・・・
・・・凸部、２５・・・・・・凹部、部、２７・・・・
・・小径部。 ２６・・・・・・大径

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カバー類のフランジ部を、第１の弾性体と第２の弾性体
   で挾むとともに、該第２の弾性体に押え板を介して、こ
   れらを貫通するボルトにより、取付基体に弾性支持され
   るようにしたカバー類の弾性支持装置において、凸部を
   前記両弾性体の一方に設けて前記フランジ部のボルト穴
   に挿入し、該ボルト穴より突き出た凸部に嵌装される凹
   部を他の弾性体に設けるとともに、小径部と大径部とか
   らなる段付ボルトを前記凹凸部に貫通させ、段付ボルト
   大径部の端面をフランジ部の面と係合させたことを特徴
   とするカバー類の弾性支持装置。