JPS6023308Y2 - 真空炉内部ロ−ダ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は真空熱処理炉に於いて加熱室と冷却室との間で
被処理物を受渡しを行う内部ローダに関する。

第１図は従来の内部ローダを備えた真空熱処理炉を示し
、第２図イ９口は従来のローダの作動を示している。

先ず第１図に於いて真空熱処理炉の概略を説明し、次い
で第２図イ９口を併用して従来のローダを説明する。

真空炉外部１は、加熱用真空セル２と空冷用真空セル３
が気密に突合されることによって構成されている。

加熱用真空、セル２と空冷用真空セル３と境界には中間
ドア４が昇降自在に設けられ、該中間ドア４は外部１の
外部に設けられた中間ドア開閉シリンダ５に連結されれ
、開閉シリンダ５の駆動により、加熱用真空セル２の内
部と空冷用真空セル３の内部とを遮断し得る様になって
いる。

又、加熱用真空セル２内部には断熱材により構成された
加熱室６が設けられ、冷却用真空セル３内部にはローダ
７が設けられている。

ローダ７は外部１の中心線方向（水平方向）に被処理物
８を移送可能で且鉛直方向に下降可能である。

図示しない外部ローダで被処理物８を空冷用真空セル３
に装入すると、外部１内部が真空引きされる。

次に開閉シリンダ５により中間ドア４が開かれ、ローダ
７により被処理物８を加熱室６内の炉床９上方迄移送し
、ローダ７が下降して被処理物８を炉床９に載置して、
ローダ７の可動部は空冷用真空セル３側へ戻る。

中間ドア４は閉じられ、被処理物８は電熱器１０で熱せ
られる。

加熱後中間ドア４は開けられ、前記ローダ７により、被
処理物８は空冷用真空セル３側へ取出される。

而して、中間ドア４が閉じられ空冷用真空セル３には冷
却用不活性ガス（一般にはＮ２ガス）が供給され冷却フ
ァン１１により被処理物８が冷却されて、熱処理サイク
ルは完了する。

次に、第２図イ９口を併用して従来のローダについて説
明する。

空冷用真空セル３の内部、加熱用真空セル２との境界部
近傍に鋭直方向に延びる昇降ガイド１２が設けられ、該
ガイド１２には、ローラ１３を介してスライドブロック
１４が昇降自在に設けられ、該スライドブロック１４と
外部１上面に設けた昇降シリンダ１５とが連結されてい
る。

スライドブロック１４には水平に延びるローダレール１
６が固着され、該ローダレール１６には被処理物８を載
置可能なローダフォーク１７が車輪１８を介して設けら
れている。

シリンダ１９により揺動するローダ駆動レバ２０がロー
ダフォーク１７に係合して、ローダフォーク１７を水平
方向に移動させ得ると共に前記昇降シリンダ１５により
鉛直方向にも移動させる様になっている。

而して、昇降シリンダ１５、シリンダ１９を適宜駆動さ
せることによって被処理物８を前述した如く取扱うこと
ができる。

而し、斯かるローダでは以下に述べる欠点がある。

即ち、昇降ガイド１２は上述の如く被処理物８の重量に
よるモーメントを小さくする為加熱室６寄りに設けられ
ることが普通である。

その為、第２図イ９口に示す如く、被処理物８の移送に
伴いスライドブロック１４に作用するモーメントＭ１９
Ｍ２の向きが変化する。

従って、スライドブロック１４は昇降ガイド１２とロー
ラ１３との間隙性だけガタつき、該ガタつきはローダレ
ール１６、ローダフォーク１７を経て被処理物８に伝わ
り、被処理物８を振動させる。

ローダレール１６が片持梁となっており不安定であると
共に強度を確保する為には重構造とせねばならない。

被処理物の容積、重量が増加し、それに比例して、スト
ロークを増大させる必要がある為、可動部のガイド、支
持構造が大がかりなものとなる上、ローダフォーク１７
の水平を維持して、昇降、移送させることが困難となっ
てきた。

本考案は斯る欠点を解消すべくなしたものであって、内
部が加熱部と冷却部とに分かれた真空炉の冷却部にロー
ダレールが前記加熱部と冷却部を結ぶ炉中心方向に延び
る様装置し、ローダレールの一端を枢支すると共に他端
を傾動装置により支持せしめてローダレールを傾動可能
とし、更に被処理物を冷却部と加熱部に亘って移送し得
る様ローダフォークを前記ローダレールに設けてことを
特徴とするものである。

以下第３図〜第５図に基き本考案の実施例を説明する。

尚、第３図に於いて第１図と一構成要素のものには同符
号を付しである。

外部１の中心線方向（水平方向）に延びるローダレール
２１を空冷用真空セル３に設は該ローダレール２１の反
加熱用真空セル側端を枢支し、他端を傾動装置２２によ
り支持する。

傾動装置２２は、一端に前記ローダレール２１に当接す
るコロ２３が枢着された回動自在のレバ２４を有し、該
レバ２４を他端に取付けたシリンダ２５により回動せし
めることにより、ローダレール２１を傾動させることが
できるようになっている。

又、ローダフォーク１７を車輪１８を介しロータレール
２１に設け、ローダ駆動レバ２０にはピン２６を介して
係合する。

該ローダ駆動レバ２０は空冷用真空セル３に回転自在に
設けたシャフト２７に固着され、又シャフト２７の外部
１より突出した部分にはレバ２８が固着され、該レバ２
８には前記シリンダ１９が連結されている。

次に本考案のローダの作動について説明する。

ローダフォーク１７に載置した被処理物８を加熱室６へ
移送する場合、シリンダ２５によりレバ２４を介しコロ
２３を上死点に保持し、ローダレール２１を水平にして
、ローダ駆動レバ２０を揺動させ被処理物８を炉床９上
方に移送する。

シリンダ２５によりレバ２４を回動させればコロ２３が
下方に変位して、ローダレール２１、ローダフォーク１
７が傾動して、ローダフォーク１７の先端がｈだけ下り
、被処理物８を炉床９に載置し得る。

ローダレール２１を傾斜させた状態でシリンダ１９を縮
短させればローダ駆動レバ２０が揺動しして被処理物８
と干渉することなく、ローダフォーク１７を引戻すこと
ができる。

而して、コロ２３を上死点に戻せば、ローダレール２１
、ローダフォーク１７は平行となり、ローダは最初の状
態となる。

加熱室６より被処理物８を取り出す場合は記手順の逆を
行なえばよい。

尚、傾動装置は上記した例に限らず、レバ２４の枢着軸
をモータにより回転させてもよく、又レバ２４、コロ２
３の代りにカムを使用してもよく、シリンダ２５を鉛直
方向に設けてシリンダ２５により直接ローダレール２１
を傾動させてもよい等種々前えられる。

更にローダレール２１の下方に受は台を設はローダレー
ル２１の傾斜姿勢でローダレールを支持せしめ、コロ２
３をローダレール２１より逃すようにしてもよく、又ロ
ーダフォークの加熱室側を枢支する等支持状態を逆にし
てもよい。

更に又、ローダフォークをモータ、チェーンの組合せで
駆動する様にしてもよく、移送ストロークを大きくする
場合はローダフォークを所要段の伸縮方式としてもよい
等、本考案の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得
ることは言うまでもない。

以上述べた如く本考案によれば、 （ｉ） 被処理物等による荷重方向が常に一定してい
るので、ガイドと可動部間で振動が生ずることがない、 （ｉｉ） ローダレールは単に傾動するのみであるの
で支持機構は極めて簡潔である、 （ｉｉｉ） ローダレールを両端支持しているのでロ
ーダレールを軽構造とすることができる、 （ｉｖ） ローダレール支持機構には垂直力のみしか
作用しないので支持機構を軽構造とすることができる、 （ｖ）ローダレールの枢支構造をトラニオンとすればロ
ーダの横振れを規制できる、 （ｖｉ）昇降用のガイド、スライドブロックを設ける必
要がないので、冷却流を阻害することがでない、 等種々の優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の内部ローダを備えた真空炉の説明図、第
２図イ９口は従来の内部ローダの作動説明図、第３図は
本考案に係る内部ローダを備えた真空炉の説明図、第４
図は該ローダの概略斜視図、第５図は同ローダの作動説
明図である。 ２は加熱用真空セル、３は空冷用真空セル、６は加熱室
、７はローダ、８は被処理物、１７はローダフォーク、
２１はローダレール、２２は傾動装置を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部が加熱部と冷却部に分れた真空炉の冷却部にローダ
   レールが前記加熱部と冷却部を結ぶ炉中心方向に延びる
   様装置し、ローダレールの一端を枢支すると共に他端を
   傾動装置により支持せしめてローダレールを傾動可能と
   し、更に被処理物を冷却部と加熱部とに亘って移送し得
   るローダフォークを前記ローダレールに設けたことを特
   徴とする真空炉内部ローダ。