JPS6023187B2 - 溶接性の優れた耐硫化物割れ厚肉鋼 - Google Patents

溶接性の優れた耐硫化物割れ厚肉鋼

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JPS6023187B2
JPS6023187B2 JP8767682A JP8767682A JPS6023187B2 JP S6023187 B2 JPS6023187 B2 JP S6023187B2 JP 8767682 A JP8767682 A JP 8767682A JP 8767682 A JP8767682 A JP 8767682A JP S6023187 B2 JPS6023187 B2 JP S6023187B2
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cracking
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sulfide
thick
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勇一 吉野
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は溶接性の優れた耐硫化物割れ厚肉鋼に関する。
石油、天然ガスの掘削、生産には井戸の抗口にウエルヘ
ツド、クリスマスツリー、フローアウトプリベンタなど
の広義の抗口装置、機器が必要であり、これら機器は、
産出する石油、天然ガスに硫化水素が随伴する。いわゆ
るサワー環境においては、爆贋事故あるいは漏洩事故の
重大この見地から、通常にも増してその機能を正常に発
揮できる信頼性が要求される。このためにこれら装置、
機器の本体を含む主要部分は留硫化水素に対し高い抵抗
力を有する材料で構成されなければならない。硫化水素
に起因する材料上の問題のうち、特にこれらの機器にお
いて重視されるのは硫化物割れである。
米国腐食学会(NACE)では硫化水素環境で使用され
る機器の製作にあたっては、硫化物割れを防止するため
にロックゥェルC硬度が2沙〆下でかつNi量が1%以
下の鋼材を使用することをNACEMROI−7宏量準
に定めている。抗口装置は、通常、米国石油学会(AP
I)規格に基づいて製作されるが、その製造工程におい
て溶接が含まれる場合があり、また正常な製造工程にお
いては含まれない場合でも、種々の理由により補修溶接
が必要となる場合も生じる。API規格によれば、高圧
部材にはAPI船Type針材料の使用が定められてい
るが、この材料に相当するものとして、従来よりMS1
4130,414横綱などの1%Cr−0.2%MO鋼
が暁入焼戻して使用されている。
しかし、これら材料は上記のNACE規準、API規格
に合致するものの硫化物割れ抵抗力は必ずしも満足でき
るものではなく、一層の改善が望まれている。
一般に、上記抗□装置は、肉厚100肋以上の厚肉材で
製造されるので、暁入深度を大きくするために鋼材の炭
素量を0.30〜0.45%と高くしている。
このため、これらの鋼材は、溶接時に溶接部が著しく硬
化し、溶接割れを起し易いという重大な欠点がある。ま
た炭素量が0.35%をこえると水暁入を行うと暁割れ
が不可能となり、その鋼材が本来有している焼入性を充
分活用しされないという不都合が生じる。そこで、溶接
性が優れかつ硫化物割れ感受性が低く、さらに焼入性の
確保された厚肉鋼の開発が望まれている。
本発明の目的は、上記現況に鑑み、溶接性の優れた耐硫
化物割れ厚肉鋼を提供するにあたり、その鋼は重量基準
でCO.15一0.25%、Sil.00%以下、Mn
o.50−1.50%、Nil.00%以下、Cro.
40一1.25%、Moo.25一0.75%、A〆0
.05%以下NO.012%以下を基本合金成分とし、
これにTio.05%以下、Nbo.05%以下、VO
.05%以下の一種あるいは2種以上を含有し、残部が
鉄および不可避的不純物よりなるものである。上記鋼を
用いることにより上記機器の性能の向上および製作技術
上の困難が解消される。
厚肉鋼を製造するには、暁入性の懐れた成分系のものを
選定することが必要であるがこのことは同時に溶接部の
硬下を伴うから、暁入性と溶接性とには相互に強い関連
性がある。
しかし、各合金元素の上記両特性におよぼす効果は必ず
しも同一ではなく、焼入性を確保した上である程度まで
溶酸性を改善することは可能である。発明者は、これま
での研究において、硫化物割れに対して抵抗力のある鋼
材を製造するにはCr量を制限し、Mo量を増加させる
ことが有効であることを確認し、さらにN量を制限する
ことによって溶酸性を損なうことなく焼入性を向上させ
ることができることを確認した。※ 本発明は上記の観
点と知見に基づき、嫌入性、溶接性、耐硫化物割れ性の
適切な組合せにより、上記目的を達成しようとするもの
である。
炭素量を減少させると、溶接性の向上以外に焼割れ感受
性を低下させるという大きい利点が生ずる。
一般に、炭素量が0.35%をこえると焼割れ感受性が
高くなるので、4133綱、414蟹剛ま油焼入れされ
るが、このためこれらの材料が本来保有する暁入性を完
全に利用し得ない。これに対し本発明鋼は炭素量を0.
25%以下に制限しているので、溶酸性のみならず、水
暁入による暁割れの問題も同時に解消され、鋼が本来保
有する嫌入性を最大限に利用することが可能である。鋼
の焼入性は一般に下記式{I}あるいは‘2’の炭素当
零j勢牢率髭群豊ぞ+学+学 。
)細・はceq=c%+幾十M弊+C肇十M弊+登十箸
十C弊 【2}上記両式から明らかなように、炭素量は
焼入性を支配する第1の要因である。
一方、溶接割れ感*受性を表現するのにいよいよ次式で
示される一種の炭素当量(PcM値)が用いられる。P
肌=C%+S享容+M髪%+Cu%2o十N号≧十C喜
多十M岸%十三巻十粥 ‘31このt3}式から溶接性
を改善するには、低炭素化が最も有効な手段であること
は明らかであるが、上言己(1),■式から明らかなよ
うに、単に炭素量を低下させれば、その分だけ焼入性を
損なうことになり、厚肉鋼材で所要の強度を確保するこ
とは不可能になる。
しかしながら、上記‘1},■式および{3}式より見
て、Mn,Cr,Mo,Njは、暁入性と溶接割れ感受
性に対する寄与が大きく異なる元素である。すなわち、
これらの元素は溶接性を大きく損なうことなく焼入性を
向上させることができる。従って、炭素量を低減する代
りにこれらの元素によって焼入性を補なうことができる
。しかし、Cr量の増加は硫化物割れの観点から好まし
くなく、またNi量の増加も同様の理由で制限されなけ
ればならない。
事実NACEMROI−75基準はNi量を1%以下に
限定している。一方、MnおよびMoの添加はこのよう
な弊害がなく、逆にMoは硫化物割れ抵抗性の増大に有
効な元素である。しかし、Moは高価であるため、多量
の添加は経済性の見地から望ましくなく、またMnの多
量添加による暁入性の増大には限度があり、靭性の点か
らもその添加量には限度がある。従って、C量の低減に
伴なう糠入性の低下をMnとMoのみによって補償する
ことは技術的にもあまり有効でない。N量の低減により
溶接性を損なうことなく煉入性を増大させることが可能
であるが、N量が0.005%以下になるとオーステナ
イト結晶粒の粗大化により籾性の著しい劣化を招く。し
かし、この場合Ti,Nb,Vなどの炭化物形成元素の
添加により紬粒化を計り、同時に析出硬化によって強度
を上昇させることが可能である。またTiの添加は耐硫
化物割れ性の点からも有効である。本発明は、上記の基
本的発想を具体化するもので、実際には4100シリー
ズ鋼の低炭素化クロム化、マンガンおよびモリブデンの
増加、低窒素化および炭素物形成元素の添加の5要素を
適切に組合わせることにより、最大20仇岬の肉厚の鋼
材の中心部でもAP16AType釘相当の強度を有し
「 かつ溶接性および耐硫化物割れ性に優れた厚肉鋼を
提供するものである。
つぎに、本発明鋼の成分範囲の限定理由について詳細に
説明する。
Cは焼入性を増し溶接性を阻害する元素であって、0.
15%未満では焼入性不足をきたし、0.25%をこえ
ると溶接性の改善効果は小さいので、0.15一0.2
5%とした。
Siは脱酸を目的として添加されるが、1.00%をこ
えると級性に悪影響をおよぽすため上限を1.00とし
た。
Mnは0.50%未満では必要な競入性と強度が得られ
ず、1.50%をこえるとその効果が飽和するとともに
靭性への悪影響が現われるので0.50一1.50%と
した。
Niは硫化物割れに対し有害であり、またNACEM旧
01一75基準によって1.00%以下に制限されてい
るので、その上限を1.00%とした。
Crは0.40%未満では焼入性および鋤性に不足をき
たし、1.25%をこえると溶接性および耐硫化物割れ
性能を劣化させるので、0.40−1.25%とした。
Moは0.25%未満では焼入性、強度、籾性に不足を
生じる外に硫化物割れ抵抗力も劣化する。一方0.75
%をこえると耐硫化物割れ性の改善効果は飽和し、SR
(応力除去)割れに悪影響を与えると共に経済的にも不
利であるので)0.25〜0.75%とした。Nは0.
012%をこえると暁入性への悪影響が著しくなるので
上限を0.012%とした。
Ti,NbおよびVはいずれもオーステナィト結晶粒を
微細化すると共に折出硬化により強度を高めるが、過剰
の添加は靭性を損ないSR割れ感受性高くするので、各
元素の上限を0.05%とした。
Aそは脱酸および結晶粒微細化の観点から必要な元素で
あるが、0.05%をこえるとアルミナ系介在物に起因
する欠陥を発生し易くなるのでその上限を0.05%と
した。本発明鋼は通常の溶解、精錬、脱ガス処理工程を
経て造塊され、鍛造又は圧延により鍛鋼品あるいは圧延
鋼板として製造される。
熱処理は通常のオーステナィト化温度から水競入れし、
Ac,点以下の温度で暁戻処理を施すものとする。炭素
含有量が大幅に低いために塚割れが発生せず、このため
414鶴飼のように油冷を必要とせず、水冷によって暁
入効果を最大限に利用できる点も本鋼の特徴の1つであ
る。つぎに、本発明の特性を実施例により従来鋼と比較
して説明する。
第1表はこの発明鋼と従来鋼の化学成分およびPcMを
示し、第2表は発明鋼と従来鋼の15仇吻厚さの鋼材を
擬入焼戻した場合の肉厚中心部における機械的性質およ
びロックウェルC硬度を示す。
但し、従来鋼のL,M鋼は油焼入であり、、他は全て水
暁入で、焼房処理は570〜690午0×仇rsの条件
でそれぞれAPI靴Typ3の強度を満足するようにし
た。第 1 表 発明鋼と従来鋼の化学成分とPcM値
,重量解第2表発明鋼と従来鋼の150柳厚鋼の 中心部の機械的性質と硬さ これら発明鋼および従来鋼について、第1図a,bに示
す試験片を用いて溶接割れ試験を実施した。
なお試験片の寸法はL=25物岬、W=150側、そ=
120側、W=40肋、T=20伽、t:11柳、T+
tニ3I側、dlニ6柳、d?ニ5側、Sニ1.5肌、
a=60oである。硫化物割れ試験はNACETMOI
−77規格に定める方法に準拠して実施し、20畑時間
での限界応力を求めた。硫化物割れ限界応力と溶接割れ
試験結果を第3表に示す。第3表 発明鋼と従来鋼の硫化物割れ限 界応力と溶接割れ防止予熱温度 第3表において、0印は割れが発生しなかったこと、×
印は割れが発生したことを示している。
溶接割れ試験においては、50〜200q○の温度に予
熱し、15000Jo山e/仇の入熱で溶接してから室
温で4報時間放置し、試験片を切断して割れの有無を観
察した。第3表により明らかなように、本発明鋼は硫化
物割れ限界応力は従来鋼より造に高く、また予熱温度が
低くても溶接割れが従来鋼よりも出難い。
即ち本発明鋼は従来鋼より溶酸性に優れかつ耐硫化物割
れ性も慶れている。
【図面の簡単な説明】
第1図aは溶接割れ試験片の斜視図、第1図bは第1図
aのA−A断面図である。 第1図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 重量基準でC0.15−0.25%、Si1.00
    %以下、Mn0.50−1.50%、Ni1.00%以
    下Cr0.40−1.25%、Mo0.25%−0.7
    5%、Al0.05%以下N0.012%以下を基本合
    金成分とし、これにTi0.05%以下、Nb0.05
    %以下、V0.05%以下の一種あるいは2種以上を含
    有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる溶接性
    の優れた耐硫化物割れ厚肉鋼。
JP8767682A 1982-05-24 1982-05-24 溶接性の優れた耐硫化物割れ厚肉鋼 Expired JPS6023187B2 (ja)

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