JPS6022899Y2 - 過熱防止型電力可変炊飯器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、炊飯量の多少に対応させた適量の電力を調節
設定することのできる電力可変炊飯器の改良に関する。

従来の電力可変炊飯器は、炊飯量に対応した最適電力を
選定して炊飯を行なうことができる利点があるが、もし
、電力を過大な方向へ設定ミスしたような場合には、却
って炊飯器を損傷させる危険があり、特に炊飯器を仕掛
けたまま戸外に出たりするような場合には、火災等の水
事故を招くおそれさえあり得る。

しかも前記のような設定ミスを完全に回避することは極
めて困難である。

何故ならば、電力設定にはしばしば錯誤を伴ない、また
、主婦等の知らないうちに、子供等かものめずらしかっ
ていたずら操作をする場合等があり得るからである。

本考案は、上記の如き従来の電力可変炊飯器における欠
点を解消することを目的とするものであって、仮に電力
設定を過大な方向へ設定ミスするようなことがあっても
、そのことによる危険や事故を未然に防止することがで
きるよう措置したものでる。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて説明する。

なお、本明細書において１電力可変炊飯器ヨの語は、電
力可変炊飯ジャーをも含む意味に用いられる。

第１図は、本考案に係る電力可変炊飯器（以下、本案炊
飯器という）の断面図である。

同図に示す如く、本案炊飯器は、肩部材等を構成する部
材１の近傍に自己復帰型の感温素子２を設け、該感温素
子２の感温動作によって炊飯ヒータ３への通電を制御し
、もって前記部材１の熱による劣化を防止するものであ
る。

本実施例において、感温素子２を肩部材の近傍に設けた
のは、該肩部材が塩ビ、ポリプロピレン等の比較的熱に
弱いプラスチックで形成されており、本案炊飯器が過熱
した場合に、最も早く劣化する傾向があり、この部分を
過熱による劣化から防止すれば、他の部分の防護もまた
自ずから全うされるからである。

このことからも解るように、本考案は感温素子２の設置
位置を限定するものではない。

要は、部材１の材質にもとづく耐熱性とそれが炊飯ヒー
タ３から受ける熱影響との関係に起因して、劣化の開始
が炊飯器中で最も早く生ずる部材の近傍に感温素子２を
設けることにある。

従って感温素子２の設置位置は、部材１の耐熱限界温度
が炊飯ヒータ３の設置場所が異なる等の如く、具体的な
実施態様の異なるに応じて一様ではない。

感温素子２は、前記熱劣化が早い部材１の安全度を見込
んだ耐熱限界温度に上昇したとき開切動作腰御飯の炊き
上り温度よりやや高い温度に降下したとき閉成動作する
自己復帰機能を備えたものを用いる。

即ち、熱劣化が早い部材１の耐熱限界温度に達したとき
炊飯ヒータ３への通電を遮断して、それ以上温度が上昇
するのを阻止する一方、温度が御飯の炊き上げに支障と
なる温度まで降下しすぎるのを防いで、炊飯が続行でき
るよう配慮している。

図において、５は可変抵抗であって、炊飯量の多少に応
じて炊飯ヒータ３への電力を調節する。

なお、１３は可変抵抗５を調節するつまみ、６は炊飯ス
イッチ、７は炊飯スイッチ６をオンオフするレバー、８
は保温素子、１５は飯器である。

前記感温素子２により、炊飯ヒータ３への通電を制御す
る手段としては、公知の通電制御回路を用いることがで
きると共に、新規な電気回路を利用することもてきる。

例えば第２図に示す電気回路はそれであって、感温素子
２としてブレーク型ＴＲ３２０を用い、炊飯ヒータ３は
トライアック９を介して交流電源ＡＢ間に接続されてい
る。

１０は、コンデンサ１２と可変抵抗５とダイアック１１
がスター状に結線された公知のトライアック駆動回路で
ある。

前記可変抵抗５及びコンデンサ１２は、ＴＲ３２０及び
炊飯ヒータ３を介して、電源Ａ、 Ｂ間に接続されてい
る。

また、ダイアック１１の自由端子１１ａは炊飯スイッチ
６を介して前記トライアック９のゲート端子９ａに接続
されている。

８は保温素子、１４は雑音防止回路である。

なお、感温素子２により、炊飯ヒータ３への通電を制御
する手段としては、前記ＴＲ３２０を、ダイアック１１
の自由端子１１ａとトライアックゲート端子９ａとの間
、若しくはトライアック９と電源端子Ａ、 Ｂのいずれ
かとの間に挿入接続した電気回路、又は前記炊飯スイッ
チ６を、トライアック９と炊飯ヒータ３との間に接続し
た電気回路を用いることももちろん可能である。

上記の如き構成に戊る本案炊飯器は、レバー７を押し下
げて炊飯スイッチ６を閉成すると、炊飯ヒータ３は通電
され、該炊飯ヒータ３は、予め可変抵抗５によって設定
された大きさの電力で飯器１５の内容物を加熱し始める
。

その際、該電力が最適値を遥かに上廻る大きさに誤って
設定されている場合には、御飯が沸騰するまでに、炊飯
器の各部の温度が異常に上昇するが、プラスチック製肩
部材等の如く、熱劣化の最も早い部材１が耐熱限界温度
になると、その雰囲気温度を感温素子２が検知し、第２
図に示す如く電気回路によって炊飯ヒータ３への通電を
制御し、前記部材１の過熱を防止する。

そして、該部材１が劣化するおそれのない温度に降下し
たときは、再び炊飯ヒータ３へ通電が行なわれ、御飯が
炊き上るまで炊飯が続行される。

第２図のＴＲ３２０よる通電制御は、次に如く行われる
。

すなわち、炊飯スイッチ６の閉成直後の、炊飯初期にお
いては、ＴＲ３２０の温度は十分に低いので、ＴＲ５２
Ｑは閉成状態にあり、トライアック駆動回路１０は可変
抵抗５により設定されたタイミングでトリガパルスを出
力する。

従ってトライアック９は炊飯ヒータ３の消費電力を位相
制御する。

ＴＲ３２Ｇの温度が上昇し、前記動作温度に達すると、
ＴＲ３２０は開切し、トライアック駆動回路１０は機能
しなくなり、炊飯ヒータ３への通電は停止する。

従って、熱劣化が防止されるのである。

以上述べた如く、本案炊飯器は、炊飯電力の過大な設置
ミスがあっても、熱劣化が早い部材の過熱による劣化を
防止できるので、炊飯器全体を過熱から碧護し得ると共
に、過熱に起因する火災の発生をも防止し、かつそのま
ま炊飯を続行することができるという利点がある。

また炊飯ヒータの消費電力の制御手段として、第２図に
示す如きトライアックを用い、トライアック駆動回路に
流れる小電流を制御する場合は、感温素子及び炊飯スイ
ッチの容量が小さくてすみ、また炊飯スイッチに火花が
散らないという利点を有する。

【図面の簡単な説明】 図面はいずれも本案炊飯器の実施例を説明するためのも
のであって、第１図は本案炊飯器の断面図、第２図は本
案炊飯器の電気回路の一例を示す回路図である。 １・・・・・・熱劣化が早い部材、２・・・・・・感温
素子、３・・・・・・炊飯ヒータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炊飯量の多少に対応させて炊飯電力を調節設定すること
   のできる炊飯器において、炊飯ヒータから受ける熱影響
   と材質的な耐熱性との関係に起因して過熱による劣化が
   最も早く生じる部材の近傍に前記炊飯ヒータへの通電を
   制御する自己復帰型の感温素子を設けてなり、該感温素
   子の動作温度は前記熱劣化が早い部材の耐熱限界温度よ
   りも低くかつ御飯の炊き上り温度よりもやや高いことを
   特徴とする過熱防止型電力可変炊飯器。