JPS6022399Y2 - 電子楽器の音量制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電子楽器の音量制御装置に関し、特にエク
スプレッション・ペダルに足をのせた場合にはこのペダ
ルの操作に応じた音量制御を可能にすると共に該ペダル
に足をのせない場合には音量を所定レベルに設定するい
わゆるプリセット設定を可能にしたものである。

従来提案されている電子楽器の音量制御装置としては、
エクスプレッション・ペダルの踏込角に応じて楽音信号
通路の抵抗を制御することにより楽音信号の減衰量を変
化させて発生楽音の音量を制御するようにしたものが一
般的であるが、これには次のような欠点がある。

すなわち、第１に、例えばジョールーム等において電子
楽器を展示したような場合には、通常エクスプレッショ
ン・ペダルを踏むことなく押鍵してみることが多く、こ
の状況下では全く楽音が発生されない。

このため、操作者は楽器に対する興味をそがれることに
なり、音楽普及上好ましくない。

第２に、初心者が演奏練習を行なう場合、通常は手鍵盤
のみの練習に専念するが、このとき足は音量を一定にす
べく一定角度までエクスプレッション・ペダルヲ踏込ん
でいる必要がある。

このため、ともすると足の方に気をとられて手操作がス
ムーズに行なえないことが多く、演奏練習の妨げになっ
ていた。

そこで、この考案の目的は、上記した従来技術の欠点を
なくした新規な電子楽器の音量制御装置を提供すること
にある。

この考案による電子楽器の音量制御装置は、ペダル操作
に基づく音量制御手段の他に、ペダル上へ足をのせたこ
とを検知する検知手段と、発生される楽音の音量をあら
かじめ所定値に設定した音量設定手段とを設け、検知手
段からの検知信号に応じて上記音量制御手段と音量設定
手段とを択一的に作動させるようにしたことを特徴とす
るもので、以下、添付図面に示す実施例について詳述す
る。

第１図は、この考案の一実施例による音量制御装置をそ
なえた電子楽器の回路構成を示すもので、１０は多数の
鍵にそれぞれ連動するキースイッチをそなえ、特定の鍵
が押されるたびに押された鍵を示すキー状態信号ＫＳを
送出するキースイッチ回路、１２はキー状態信号ＫＳに
応じて操作鍵に対応した楽音信号ＭＳを猛威する楽音形
成回路であり、楽音信号ＭＳは、プリセットされた半固
定抵抗器１４及びゲート１６を介してサウンドシステム
側へ供給すれる一方、エクスプレッション用感光抵抗器
１８及びゲート２０を介してサウンドシステム側へ供給
されるようになっている。

感光抵抗器１８は、エクスプレッション・ペダル２２と
、このペダル２２で変位駆動されるシャツタ板２４と、
電源２６から給電されて点灯するランプの如き光源２８
と共にエクスプレッション装置を構成するもので、ペダ
ル２２が踏込まれないときは光源２８の光がシャツタ板
２４でさえぎられるので、高い抵抗値を示す一方、ペダ
ル２２が踏込まれたときはその踏込角に応じた量の光が
シャツタ板２４のスリット孔を介して入射するので、そ
の入射光量に応じた抵抗値を示すようになっている。

ゲート１６．２０を制御するための回路においては、電
源３０から給電されて点灯するランプの如き光源３２と
、この光源からペダル２２上を通過してくる光を検知す
るホトセンサ３４を有する足検知回路３６とが設けられ
ており、ペダル２２上に足をのせないときはホトセンサ
３４光源３２からの光を検知するので、検知回路３６か
ら送出される制御信号Ｃ３は高レベルとなり、ペダル２
２上に足をのせたときは光源３２からの光が足でさえぎ
られてホトセンサ３４に入射しないので、検知回路３６
からの制御信号Ｃ３は低レベルとなる。

制御信号Ｃ３はゲート１６に直接加えられる一方、ゲー
ト２０にはインバータ３８を介して加えられる。

こほため、ゲート１６は足が検知されず制御信号Ｃ３が
高レベルのときに導通し、ゲート２０は足が検知されて
制御信号Ｃ３が低レベルのときに導通する。

従って、ペダル２２上に足をおかないときは、半固定抵
抗器１４及びゲート１６を介してサウンドシステム側へ
楽音信号が供給され、ペダル２２上に足をおいたときは
、感光抵抗器１８及びゲート２０を介してサウンドシス
テム側へ楽音信号が供給されるようになる。

サウンドシステムにおいては、つまみ４０の操作量に応
じて抵抗値が変化するマスターボリューム用可変抵抗器
４２と、この可変抵抗器４２を介して楽音信号が入力さ
れるパワーアンプ４４と、このアンプ４４からの楽音信
号出力を音響に変換するスピーカの如き電気−音響変換
器４６とが設けられており、ゲート１６又は２０から導
出される楽音信号は可変抵抗器４２で適宜音量調整され
てからパワーアンプ４４で増幅され、電気−音響変換器
４６で楽音で変換される。

上記した構成によれば、ペダル２２上に足をのせないと
きは、半固定抵抗器１４でプリセットした音量で楽音を
発生させることができる一方、ペダル２２上に足をのせ
たときはペダル２２の踏込角に応じた音量で楽音を発生
させることができ、楽音の展示や練習にあたってペダル
操作なしに楽音発生が可能になる効果は大きい。

上記した第１図の実施例は、エクスプレッションに関し
て音量をプリセットしうるようにしたものであるが、マ
スターボリュームに関して音量をプリセットするように
してもよく、その場合の一実施例を第２図に示しである
。

第２図において、第１図と同一部分には同一符号を付し
てその詳細な説明を省略する。

第２図の音量制御装置が第１図のものと異なるものは、
マスターボリューム用可変抵抗器４２をエクスプレッシ
ョン用感光抵抗器１８とゲート２０との間に配置した点
にある。

なお、抵抗４８はアンプ４４の入力端を接地するための
固定抵抗である。

第２図のような構成によれば、エクスプレッションペダ
ルに足をのせないときは、エクスプレッションに関して
のみならず、マスターボリュームに関しても半固定抵抗
器１４でプリセットした音量で楽音を発生させることが
でき、しかもエクスプレッション・ペダルに足をのせた
ときは、エクスプレッション・コントロール及びマスタ
ーボリューム・コントロールが共に可能になるものであ
る。

以上の実施例において、あらかじめ発生楽音の音量を所
定値に設定しておく音量設定手段は、半固定抵抗器を用
いたが、これは、適当な固定抵抗であってもよい。

また、上記実施例において足検知手段は光制御方式等の
近接スイッチ方式のものを用いたが、これは、第３図に
示すようにエクスプレッション・ペダル２２上に貫通孔
を設け、そこにスイッチ操作子２２ａを設置し、この操
作子で作動するスイッチ２２ｂによって足検知を行なう
もの、もしくはエクスプレッション・ペダル上に足を軽
＜載せる程度の圧力で作動するいわゆるタッチスイッチ
で足検知を行なうものであってもよい。

以上のように、この考案の音量制御装置によれは、比較
的簡単な構成によってプリセット音量での発音とエクス
プレッション装置又はマスターボリュームの操作に基づ
く音量での発音とを択一的に行なわせることができ、電
子楽器の操作容易性を高める上で極めて有益である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実例による音量制御装置をそな
えた電子楽器の回路図、第２図は、この考案の他の実施
例による音量制御装置の回路図、第３図は、足検知部の
変形例を示す概略構成図である。 １４・・・・・・プリセット用半固定抵抗器、１６，２
０・・・・・・切換用ケート、１８・・・・・・エクス
プレッション用感光抵抗器、３６・・・・・・足検知回
路、４２・・・・・・マスターボリューム用可変抵抗器
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ペダルの操作に基づいて発生楽音の音量を制御する音量
   制御手段と、前記発生楽音の音量を所定値に設定する音
   量設定手段と、前記ペダル上に足がのせられたことを検
   知する検知手段と、この検知手段からの検知信号に応じ
   て足の検知があった場合には前記音量制御手段による制
   御を可能に且つ足の検知がなかった場合には前記音量設
   定手段による音量設定を可能にする制御回路とをそなえ
   たことを特徴とする電子楽器の音量制御装置。