JPS5855430Y2 - ペダル鍵盤用タツチレスポンス装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電子楽器のペダル鍵盤のためのタッチレス
ポンス装置に関し、特に奏者からみたペダルキー位置に
より制御特性を異ならせることにより奏者からの見かけ
上のタッチレスポンス特性をペダル鍵盤全体でバランス
させるようにしたものである。

従来から、電子楽器においては、ペダル鍵盤にタッチレ
スポンス装置を組合わせることによりペダルキーの押鍵
速度ないし深さに応じて楽音の音色ないし音量を微妙に
制御する試みがなされている。

しかし、従来のこの種のタッチレスポンス装置では、ペ
ダル鍵盤上のすべてのペダルキーに関して一様に制御特
性が決定されるようになっているため、奏者が同じよう
な強さでペダルキーを押したつもりでもキー位置により
音色ないし音量に制御のばらつきが生ずる不都合がある
。

すなわち、ペダルキーは足で操作すること、各部寸法が
マニュアルキーより大型であることなどにより奏者から
みて真下に位置するキーと、左又は右にかなりはなれた
位置にあるキーとでは奏者が同じような強さで押したつ
もりでも実際には異なる力が作用する。

一般にペダルキーは左足で操作されるが、この場合、真
下又は左足の自然位置に最も近いキーが最も力が加わり
易く、左側低音域のキーがそれに次いで力が加わり易い
。

そして、最も力が加わりにくいのは右足よりも右側に位
置する高音域のキーである。

そこで、この考案の目的は、奏者からのみかけ上のタッ
チレスポンス特性をペダル鍵盤全体でバランスさせるこ
とのできる新規なペダル鍵盤用タッチレスポンス装置を
提供することにある。

この考案は、上記目的を達成するため、奏者からみたキ
ー位置により制御特性を適宜に異ならせるようにしたこ
とを特徴とするものであり、以下、添付図面に示す実施
例について詳述する。

第１図は、この考案の一実施例によるタッチレスポンス
装置をそなえた電子楽器を示すもので、１０は、例えば
３２個のペダルキーを有し、操作されたキーの音名を表
わすノート指定信号ＮＳを発生するペダル鍵盤回路、１
２は、ノート指定信号ＮＳによって指定される音名の周
波数信号、すなわち音源信号ＳＳを発生する音源回路、
１４は、例えば電圧制御型のフィルタやアンプを有し、
音源信号ＳＳに対して制御信号ＣＮに応じて音色特性や
振幅エンベロープ特性を付与して楽音信号ＭＳを発生す
る楽音形成回路、１６は、パワーアンプやスピーカを含
み、楽音信号ＭＳを楽音として発音させるサウンドシス
テム、１８は、ペダル鍵盤の各ペダルキー毎にその押鍵
速度ないし深さを検出してタッチ検出信号ＴＲを発生す
るタッチ検出回路、２ｏはノート指定信号ＮＳに応じて
各音名毎にタッチ検出信号ＴＲを適宜補正して制御信号
ＣＮを発生する信号補正回路である。

タッチ検出回路１８は第２図に示すような入出力特性を
有するもので、第２図において、Ａは一定の出力レベル
Ｘの第１の不感帯、Ｂは入力変化Δｐと出力変化Δｑと
の比Δｑ／Δｐで表わされる感度Ｍの能動領域、Ｃは一
定出力Ｖ （ｙ＞ｘ）の第２の不感帯をそれぞれ示す。

このように、タッチ検出回路１Ｂは一定の範囲Ｂ内での
み入力（押鍵速度ないし深さ）に感度Ｍで応答した出力
が得られるようになっており、範囲Ｂ外の弱い入力Ａ又
は強い人力Ｃにはそれぞれ一定レベル出力Ｘ又はｙで応
答するようになっている。

第３図は、信号補正回路２０においてペダル鍵盤１０Ａ
上のキー位置に応じてなされるべき信号補正の態様を例
示したもので、３０Ｍは感度Ｍの補正カーブを、３０Ａ
は不感帯幅Ａの補正カーブをそれぞれ示している。

すなわち、ペダル鍵盤１０Ａ上での前述した左足による
押圧力分布の不均一性を考慮して、信号補正回路２０に
は、ペダル鍵盤１０の左側に位置する低音域のキーにつ
いては中音域のキーより感度Ｍをやや高くすると共に不
感帯幅Ａをやや小さくする作用をもたせる一方、ペダル
鍵盤１０の右側に位置する高音域のキーについては低音
域のキーよりも感度Ｍをやや高くすると共に不感帯幅Ａ
をやや小さくする作用をもたせるようにしたものである
。

以上のような構成によれば、タッチ検出信号ＴＲが信号
補正回路２０において第３図のカーブにしたがって補正
される結果、ペダル鍵盤１０の各キー位置毎又は各鍵域
毎の押圧力の不均衡に対してほぼ一様なタッチレスポン
ス特性を得ることができる。

従って、奏者は、従来のように低音域か高音域かを殊更
に意識して押圧力を調整する必要がなくなり、低−中一
高の全音域にわたってほは゛同じと感しるような（実際
には異なっている）強さでペダルキーを操作すれば全音
域について一様なタッチレスポンス特性が得られること
になり、非常に演奏操作が楽になる。

次に、第４図を参照して第１図のタッチレスポンス装置
の一具体例を説明する。

ペダル鍵盤回路１０としては、キーを指示するテ゛ジタ
ルコード信号、すなわちキーコード信号ＫＣからなるノ
ート指定信号ＮＳを発生する型のものを用いるのが好ま
しいが、キー数分のオン・オフ信号からなるノー１〜指
定信号を発生する型のものでもよい。

タッチ検出回路１８は、例えばコンテ゛ンサの充放電を
利用してキースイッチの接点移行時間をアナログ電圧Ａ
Ｎに変換するタッチセンサ１８Ａと、アナログ電圧ＡＮ
をテ゛ジタルコード信号に変換するＡ／Ｄ変換器１８Ｂ
とをそなえたものであり、この場合、タッチ検出信号Ｔ
ＲはＡ／Ｄ変換器１８Ｂのデジタルコード出力からなる
。

なお、タッチセンサ１８Ａとして、接点移行時間をテ゛
ジタル的に測定してテ゛ジタルコード出力を発生するよ
うになっているタッチセンサを用いることもでき、この
ような場合には、Ａ／Ｄ変換器１８Ｂは不要である。

一方、信号補正回路２０はリード・オンリイ・メモＩＪ
（ＲＯＭ）で構成され、前述のノート指定信号ＮＳ
（ＫＣ）及びタッチ検出信号ＴＲはＲＯＭのアドレス指
定信号として利用される。

すなわち、ＲＯＭは押されたキーがどの位置のキーであ
るかに応じて異なるアドレスの記憶内容を読出すことに
よりタッチ検出信号ＴＲの内容を補正するように作用す
るものである。

なお、信号補正回路２０には、押されたキーが白キーで
あるか黒キーであるか判別する白・黒判別回路２２から
の判別信号ＷＢ、及び音色セレクト部からの音色選択信
号ＴＳをそれぞれＲＯＭのアドレス指定信号として加え
るようにしてもよい。

判別信号ＷＢに応じてタッチ検出信号ＴＲを補正するの
は、白キーと黒キーとの間でも左右のキーの間における
と同様な押圧力の不均衡があるので、かかる押圧力の不
均衡に基づくタッチレスポンス特性のばらつきをなくす
ためであり、音色選択信号ＴＳに応じてタッチ検出信号
ＴＲを補正するのは、例えばピアノ音であるかベースギ
ター音であるかなどに応じてタッチレスポンス特性を修
正するのが好ましいからである。

上記実施例の説明では、ＲＯＭを用いてデジタル的に信
号補正を行なう例を述べたが、これに限らず、例えばタ
ッチセンサからのアナログ電圧をキー情報に基づいて適
宜アナログ演算することによって信号補正の目的を達す
ることもできる。

以上に詳述したこの考案によるペダル鍵盤用タッチレス
ポンス装置は、自然な足感覚に基づくペダルキー操作に
よってペダル鍵盤の全キーについて見かけ上一様なタッ
チレスポンス特性を得ることができるので、演奏技術を
簡略化する観点から極めて有益なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例によるタッチレスポンス
装置をそなえた電子楽器のブロック図、第２図は、第１
図のタッチレスポンス装置におけるタッチ検出回路の入
出力特性を示すグラフ、第３図は、第１図のタッチレス
ポンス装置で採用されるペダルキー位置に応じた感度Ｍ
又は不感帯幅Ａの補正カーブを示すグラフ、第４図は、
第１図のタッチレスポンス装置の一具体例を示す回路図
である。 １０・・・ペダル鍵盤回路、１８・・・タッチ検出回路
、２ｏ・・・信号補正回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ペダルキーの押鍵速度ないし深さに応じたタッチ検出信
   号を発生するタッチ検出回路と、前記タッチ検出信号に
   応じて楽音の音色ないし音量を制御する装置とをそなえ
   たペダル鍵盤用タッチレスポンス装置において、押され
   たペダルキーがペダル鍵盤上でどの位置にあるかに応じ
   て適宜に前記タッチ検出信号を補正する信号補正回路を
   設け、この補正されたタッチ検出信号に応じて楽音の音
   色ないし音量を制御するようにしたことを特徴とするペ
   ダル鍵盤用タッチレスポンス装置。