JPS60211638A - 磁気記録媒体の作成方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、高分子成形物基板上へ磁気記録面に対して垂
直方向に磁化容易軸を持つ垂直磁気記録媒体を作成する
方法に関する。

〔従来技術〕

従来、高分子成形物基板上への垂直磁気記録媒体の製造
方法とし、蒸着・スパッタ等の薄膜製造技術が用いられ
てきた。蒸着・スパッタで垂直磁気記録媒体を製造する
場合、出来るだけ基板湿度を高温にすれば磁気特性上良
好な垂直磁気記録媒体が得られ、磁性膜の密着強度の向
上が耐られる。

しかしなから、これら蒸着・スパッタ法は、真空中で高
エネルギーの金属原子を基板に衝突させることで磁性膜
を形成するため、基板はさらに高温になる。つまり、溶
融あるいは昇華あるいは分解温度を持つ高分子成形物基
板では、無制限に基板温度を高くすることはできず、通
常これら溶融・昇華・分解温度より１００℃程度低い温
度が上限である。

ところが、高分子成形物基板には、組成中に未反応の単
量体や低量今度の重合体（以下、オリゴマーと呼ぶ）が
必ず含まれているため、高温に保持した時、このオリゴ
ヤ−が基板表面に析出し、その上に軟磁性膜（パーマロ
イ・０ｏＴｉ−Ｏ。

Ｔａ・０６ＺｒＨｂ等）や垂直磁化膜（ａｏａｒ、　Ｏ
ｏ　Ｗ　、　Ｏａ　Ｍ　ｏ　、　Ｏｏ　Ｖ等）を作成し
た場合、基板表面のオリゴマーの悪影響、つまり凹凸に
より膜そのものにも凹凸が生じるため、媒体−ヘッド間
のヘッドタッチが悪くなり再生出力の劣化が生じる。又
、この凹凸により軟磁性膜は磁壁のピンニングをうけ磁
気特性の劣化が生じる。さらに回転する媒体上の凸部は
、ヘッドとの衝突部分を作るため、媒体へのキズ・膜ハ
ゲの原因になり耐久性の非常な劣化となる。そして、こ
の凹凸によるヘッドタッチの不安定は、媒体からの磁束
のヘッドへの吸収の不安定要因ともなり、エンベロープ
特性の著しい劣化・記録密度特性Ｄ５０の劣化ｅｔｃ　
、はなはだしい悪影響を及ぼすものであった０ 尚、このオリゴマーは、高分子成形物基板を製造するた
めに製法上避けられないだけでなく、フィルムに加工す
る際の延伸性の伺与のため意識的に含まれているもので
ある。

従来は、膜形成した後オリゴマーによる凹凸を無くすた
め、バフ研磨によって突起を削って平滑度を向上させて
いたが、膜の連続性を損うのみか、摩耗粉でさらに膜面
を傷つけるという欠点を有していた。

〔目　的〕

本発明は上記の点に鑑み、膜形成前に全ての面で悪影響
を及ぼすオリゴマーを除去し、膜形成後の処理をするこ
となく、平滑性・磁気特性・耐久性・再生出力・エンベ
ロープ特性・記録密度特性等の優れた垂直磁気記録媒体
を得ることを目的とするものである。

〔概　要〕

本発明は、垂直磁気記録媒体において、前記媒体の高分
子成形物基板を前記基板の溶融あるいは昇華あるいは分
解の温度以下で熱処理を行ない、前記基板に析出したオ
リゴマーを溶剤で洗浄した後、磁性層を形成し凹凸の非
常に少ない磁気記録媒体を作成しようというものである
。

〔実施例〕

以下、図・表とともに本発明の実施例について述べる。

本実施例として、高分子成形物基板にはＰＥＴ（ポリエ
チレンテレフタラート）を用い、溶剤としてアセトンを
用いた。この溶剤は他に、トリクレン・キシレン第１図
は本発明の媒体作成のための工程の流れ図である。まず
ＰＩＩＣＴを１８０℃１時間恒温槽の内へ入れておき、
オリゴマーの析出した上記ＰＥ１Ｔをアセトンに浸す。

次にＰＥＴ上にアセトンの蒸発残りを無くすためアルコ
ールに浸す。その後ＰＥＴ上に残ったアルコールを吹き
つけ窒素にて吹き飛ばし、スパッタ装置内にＰＥＴをセ
ットし、その上に軟磁性膜とし’Ｔ：　Ｏｏ　Ｔ　ｉ、
垂直磁化膜としてａｏｃｒ膜を基板温度１５０℃でスパ
ッタした。第２図の（ａ）は本発明によって出来た垂直
磁気記録媒体であり、１はオリゴマーを析出した後アセ
トン処理をしたＰＥＴ、２はＣ０Ｔｊ軟磁性膜０５μｍ
ｓ３は０ｏＯｒ垂直磁化膜０５μｍである。第２図の（
ｂ）は従来法の媒体である。つまりＰＥＴをそのままス
パッタ装置にセットし、基板温度１５０℃でスパッタし
たものである。４はＰ］’ＣＴ、２は０ｏＴｊ膜、３は
ｃｏｃｒ膜・５は析出したオリゴマーである。表１に上
記媒体の表面荒さを示す。

表　１ これら第２図、表１から明らかなように本発明による媒
体の表面性は従来法から比較して、非常に平滑であるこ
とがわかる。また表２に磁気特性を示す。

表　２ これからも、わかるように本発明による媒体は垂直磁化
膜として良い特性を示している。次に第６図・第４図で
再生出力・記録密度特性・エンベロープを示す。これら
はすべて媒体回転＠３０Ｏｒｐｍ、線速度２７）Ｉ　／
　ｓヘッド主磁極膜厚０５μつで測定したものである。

第５図は記録密度特性で（ａ）が本発明による媒体、（
ｂ）が従来法による媒体である。この第６図のデータを
表６にまとめる。

表　に れら第５図・表３かられかるように再生出力では、本発
明媒体は２倍の出力が出ている。また、出力が半分にな
る記録密度り、。も６倍近く伸びている。第４図はエン
ベロープ特性を示す。（ａ）は本発明媒体、（ｂ）は従
来法媒体である。このエンベロープは記録密度が５ＫＢ
Ｆ王のものである。本発明による媒体は非常に良いエン
ベロープ特性を示している。Ｅｐは出力、ｔは時間を表
す。一方従来法による媒体のエンベロープは再出出力に
太きなバラツキがあり、媒体の欠陥である信号のドロッ
プアウトも２カ所見られる。最後に耐久性では本発明媒
体は同一トラック１０００万パス後も媒体に傷が見られ
なかったが、従来法媒体は１００万バスの時点で傷・膜
ハゲが生じてしまった。

〔効　果〕

以上述べたごとく、本発明による垂直磁気記録媒体は従
来法に比較して、種々の効果ある。以下にその効果をま
とめる。

◎再生出力の向上 ◎記録密度特性の向上 ◎エンベロープ特性の向上 ◎媒体欠陥の減少 ◎耐久性の向上 さらに、真空槽内にＰＥＴをセクトする前に、オリゴマ
ーを処理しているため、真空度の向上につながり、また
所定真空度に達する時間の短縮になりコストダウン出来
るものである・又、真空槽　−内へ汚れも激減するとい
う効果も併せ持つ。

なお、本実施例では、高分子成形物基板とじてＰ］’Ｇ
Ｔを使用したが、アラミド・ポリイミド等の耐熱高分子
成形物基板の場合でも本発明は有効である。又、本実施
例に使用した溶剤は、アセトン・トリクレン・キシレン
等であるがこれらをアルコール類で希釈して用いても本
発明は有効である０さらに、上記溶剤を蒸気で用いても
一層の効果かある。又、本実施例は軟磁性膜として０ｏ
Ｔｊ・垂直磁化膜としてＣｏＣｒ膜を使用したが、これ
ら以外の軟磁性膜（パーマロイ、０ｏＴａ　、０ｏＺｆ
Ｎｂ等）・垂直磁化膜（ａ　ｏ　ｗ　、　ｃ　ｏ　Ｖ　
）でも本発明は有効である。さらに、２層膜媒体以外に
ＣＯＣγ単層でも有効であり、Ｂα−Ｆｅｒｒｉｔｅ塗
布型垂直磁気記録媒体でも効果がある。また、本実施例
は、７０ノビ−用媒体として作成したが、１６＃　Ｖ　
Ｔ　Ｒ用テープ、　８Ｍ　Ｖ　Ｔ　Ｒ用テープ・オーデ
ィオ用テープとしても同様の効果を発揮する０尚・本実
施例ではＰＥＴを恒温槽で１８０℃１時間保持している
が、温度は溶融・昇華・分解湿度以下であれば何度でも
よく、また時間は保持温度、ＰＦｉＴの種類・ＰＥＴの
厚みで変わるものであり一層に言えない。

また、本実施例ではＰＥＴを恒温槽で熱処理することに
よりオリゴマーを析出させているか、真空中で熱処理を
すればオリゴマーの析出時間の短縮になる。また、本実
施例では析出したオリゴマーの除去に溶剤を用いている
が、超音波・紫外線照射・荷電粒子照射・オゾンによる
酸化も有効である０

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による垂直磁気記録媒体の作成のため
の製造工程図である。第２図（σ）　、　（ｂ）はそれ
ぞれ本発明媒体・従来法媒体の断面図である。 第３図は記録密度特性、第４図はエンベロープを示す。 １・・・・・・オリゴ・マーを析出した後アセトン処理
をしたＰＥＴ ２・・・・・・０６Ｔｉスパツタ膜 ６・・・・・・ａｏａｒスパッタ膜 ４・・・・・・ＰＥＴ　（何も処理をしていないもの）
５・・・・・・オリゴマー （ａ）・・・・・本発明による媒体 （１，）・・・・・・従来法による媒体以　上 出願人　株式会社諏訪精工舎 代理人　弁理士　最上　務 第１図 ％／ 第２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 磁気記録面に対して垂直方向に磁化容易軸を持つ垂直磁
   気記録媒体において、前記媒体の高分子成形物基板を前
   記基板の溶融あるいは昇華あるいは分解のいずれかの温
   度以下で熱処理を行ない、前記基板表面上の析出物を除
   去した後、前記析出物を除去した高分子成形物基板上に
   磁性層を形成することを特徴とする磁気記録媒体の作成
   方法。