JPS6019438Y2 - 超音波セラミックマイクロホン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、超音波セラミックマイクロホンに関するもの
で、特に振動のＱを下げ、高感度で、パルス応答性の優
れた超音波セラミックマイクロホンを提供するものであ
る。

この種のマイクロホンについて、従来例を第１図ととも
に説明する。

図に示すように２枚の圧電磁器振動子を貼り合せてなる
バイモルフ振動子１の中央部に結合軸２を介して金属製
または樹脂製の円錐状共振子３を接着固定して複合共振
子４を構成する。

５は端子板で前記複合共振子４を弾性接着剤６を介して
その中央部に取付けている。

７はケースで、前記複合共振子４、端子板５を収納する
ものである。

このような従来構造によれば、円錐状共振子のＱが高く
、音響変換効率を高くするために材厚を薄く構成してい
る。

このため高次共振点が多数発生しやすいため、パルス応
答性が悪いものであった。

また、図で８は網状スクリーン、９及び９′はリード線
、１０及び１０′は端子である。

本考案は従来の欠点を改良し、広帯域で、パルス応答性
の優れた超音波セラミックマイクロホンを提供しようと
するものである。

以下、本考案の一実施例について第２図とともに説明す
る。

まず、圧電磁器振動子を貼り合せてなるバイモルフ振動
子１１の周縁上面にゴムあるいはコルク材等よりなるリ
ング１２を設置し、前記バイモルフ振動子１１の中央部
に金属製（または樹脂製）の円錐状共振子１３を取付け
、前記リング１２と円錐状共振子１３の傾斜面とを弾性
接合させて構成して複合共振子１４をつくる。

前記リング１２の取付位置はバイモルフ振動子１１の節
円近傍が望ましいが、取付位置は本考案の目的とする効
果を得るために重要視しなくてもよいものである。

さらに、リング１２の形状の均−性及び材厚を調整する
ことにより、音響特性上のＱ及び帯域幅を変える効果を
有するため、必要性能に合わせてリング１２の材質、形
状、厚みを選定することができる。

１５は端子板で、前記複合共振子１４を弾性接着剤１６
を介してその中央部に取付けている。

１７及び１７′はリード線で、前記バイモルフ振動子１
１の上下電極と前記端子板１５に植設した外部入出力用
の端子１８．１８’とを接続して電気信号の入出力を行
う。

１９はケースで、−部に内部保護と電気シールド効果を
もつ金属製の網状スクリーン２０を固定し、他端開孔口
に前記複合共振子１４を取付けた端子板１５を収納し固
定してなるものである。

以上の実施例の超音波セラミックマイクロホンによれば
、バイモルフ振動子１１と円錐状共振子１３間に吸音効
果が高く音響抵抗の小さい材質よりなるリング１２を設
けることにより、円錐状共振子１３の形状より発生する
高次共振をこの吸音材であるリング１２により吸収し、
バイモルフ振動子１１への影響を断ち、円錐状共振子１
３をバイモルフ振動子１１とリング１２を介して連結し
ていることによって、円錐状共振子１３の振動がバイモ
ルフ振動子１１の振動と一体化されるため、バイモルフ
振動子１１のもつＱに近似することになり、複合共振子
１４としてのＱを低下させることができる。

また、Ｑを低下させる方法としては、金属製円錐状共振
子及びバイモルフ振動子全体を弾性接着剤で覆うことが
考えられるが、その時はＱは低下するものの感度が著る
しく低下し、安定性がない。

本考案のりング１２を用い、バイモルフ振動子１１と円
錐状共振子１３との一部分で接続しているため、高感度
で広帯域の周波数特性を示すと同時にパルス応答性の優
れた超音波セラミックマイクロホンを提供することがで
きる。

第３図は本考案の他の実施例を示す。

これはケース１９の内側に吸音材２１を設け、複合共振
子１４と端子板１５を収納してなる超音波セラミックマ
イクロホンである。

この実施例のマイクロホンによれば、バイモルフ振動子
１１より端子板１５を介して機械振動が伝達されケース
１９が振動し、ケース１９から音波が発生すると同時に
該ケース１９内の反響が複合共振子１４に伝わることに
よってパルス応答性が悪化するが、この反響をケース１
９内の内側に吸音材２１を設けることにより、音響共振
による影響を前記吸音材２１で吸音し、パルス応答性を
改善することができるものである。

以上本考案によれば、吸音リングを複合共振子に内蔵す
ることにより、パルス応答性に優れ、高感度な超音波セ
ラミックマイクロホンを提供することができ、パルス方
式を利用する距離計センサーとしての応用が期待される
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の超音波セラミックマイクロホンの断面
図、第２図は本考案に係る超音波セラミックマイクロホ
ンの一実施例を示す断面図、第３図は本考案の他の実施
例を示す断面図である。 １１・・・バイモルフ振動子、１１２・・・・・・リン
グ、１３・・・・・・円錐状共振子、１４・・・・・・
複合共振子、１５・・・・・・端子板、１６・・・・・
・弾性接着剤、１９・・・・・・ケース、２１・・・・
・・吸音材。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）圧電磁器振動子を貼り合せてなるバイモルフ振動
   子の中央部に金属製または樹脂製の円錐状共振子を附加
   するとともに該バイモルフ振動子上面と前記円錐状共振
   子の傾斜面間を音響抵抗の小さいゴムあるいはコルク材
   等の材質よりなるリングで接続してなる複合共振子と、
   前記複合共振子を弾性接着剤を介して取付ける端子板と
   、前記端子板、弾性接着剤を収納するケースとよりなる
   超音波セラミックマイクロホン。
2. （２）ケース内側に吸音材を設けてなる実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の超音波セラミックマイクロホン。