JPS6025198Y2 - 超音波セラミックマイクロホン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は超音波の送・受信器に関するもので、特にパル
ス応答性を良くし、反響による影響を小さくした高性能
の超音波セラミックマイクロホンを提供しようとするも
のである。

従来例について第１図とともに説明する。

まず２枚の圧電磁器振動子（１枚は金属製振動板でも良
い）を貼り合わせてバイモルフ振動子１を構成腰結合軸
２を介して円錐状共振子３を前記バイモルフ振動子１の
中央部の穴に取付けて複合共振子４とした。

次いで、前記複合共振子４を端子板５の中央部取付台上
に弾性接着剤６を介して取付け、一端開孔口の内側にス
クリーン８を設けたケース７で前記複合共振子４と端子
板５を収納してなるものであった。

９および９′はバイモルフ振動子４の上下電極に接続さ
れたリード線、１０および１０′は端子板５に植設され
た端子で、リード線８，８′の他端に接続されている。

従来の構成の場合、ケース内で得られる空気の定在波共
振を利用して共振効率を向上させ、高感度をもったマイ
クロホンを提供していたが、パルス応答性に対しては残
響による影響を受けやすいものであった。

そして、複合共振子を励振させた場合その振動がケース
、端子板に伝わり、それ自体からも音波が発生する結果
となり、音波の干渉が発生しやすいものであった。

本考案は従来の欠点であるパルス応答性を改善した超音
波セラミックマイクロホンを提供しようとするものであ
る。

本考案の一実施例について第２図および第３図とともに
説明する。

まず２枚の圧電磁器振動子（１枚は金属製振動板でも良
い）を貼り合せたバイモルフ振動子１１の中央部に金属
製円錐状共振子１２を取付けて複合共振子１３を構成す
る。

次いで、リード線１４．１４’を前記バイモルフ振動子
１１の上下電極面に接続し、前記リード線１４．１４’
を介して電気信号を印加することによりバイモルフ振動
子１１がタワミ振動を起こす。

この振動が前記円錐状共振子１２に伝わり、音響出力を
得る構成となっている。

１５は端子板で、前記複合共振子１３を弾性接着剤１６
を介してその中央部に取付けている。

１７はケースで、その内側に複数個のリング状部材１８
を積み重ねて収納する。

そして、前記ケース１７の一端開孔口にスクリーン１９
を設置し、前記ケース１７の他端開孔口に前記端子板１
５上に設置した複合共振子１３を収納して構成されてい
る。

２０．２０’は端子板１５に植設された端子で、前記リ
ード線１４．１４’の他端が接続されている。

以上の本考案実施例によるマイクロホンによると、ケー
ス１７内にリング状部材１８を設置することにより直接
的な音波が該ケース１７に伝わらず、前記リング状部材
１８間で音波が吸収される。

したがってケース１７への入射音波が小さくなるため、
反射音波およびケース１７の振動が減少する。

このように前記リング状部材１８を設置することによっ
て反響を小さくシ、残響音が複合共振子１３に与える影
響を少なくし、無信号時の雑音を着るしく低下させるこ
とができる。

また、リング状部材１８の厚みをできる限り薄くしてケ
ース内容積を小さくせずに構成するため、音響抵抗をリ
ング状部材１８がない場合と比較してその差を小さく押
えることにより高感度特性を維持できるものである。

前記リング状部材１８の内径は自由に選択できるととも
に、その内径寸法によって超音波セラミックマイクロホ
ンの共振特性を調整する効果を有するものである。

これは前記リング状部材１８間で作る空間および内径で
決まる音響共振が台底されて、音響的フィルター効果が
現われるためである。

第４図は本考案の他の実施例を示し、ケース１７の内側
に吸音効果の高い吸音材２１を、前記リング状部材１８
間に設けて構成したことを特長としているものである。

この実施例によれば、振動吸収および残響音の吸音に対
して著るしい効果を得るものである。

すなわち、吸音材２１を収納しているため、複合共振子
１３より放射された音波のうち、広がり方向の音波は前
記吸収材２１で減衰され、直進方向の音波のみ放射され
ることになるため、鋭い指向性を得ることができる。

このためパルス音波を放射した場合、対象物に入射し、
その反射波が周辺の壁に当って帰る音波と、直接反射波
との時間遅れによる干渉が改善できる。

このように吸音材を収納することにより、パルスの応答
性を改善した超音波セラミックマイクロホンを提供する
ことができるものである。

本考案構成による超音波セラミックマイクロホンによれ
ば、近接スイッチへの応用やＴＶリモコンの多機能化と
して用いられるパルス方式の回路にマツチすると同時に
、新しい分野への応用が期待されるものであり、その実
用性は有用なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例における超音波セラミックマイクロホン
の断面図、第２図は本考案に係る超音波セラミックマイ
クロホンの一実施例を示す断面図、第３図は同セラミッ
クマイクロホンを構成するリング状部材の斜視図、第４
図は本考案の他の実施例を示す断面図である。 １１・・・・・・バイモルフ振動子、１２・・・・・・
円錐状共振子、１３・・・・・・複合共振子、１５・・
・・・・端子板、１６・・・・・・弾性接着剤、１７・
・・・・・ケース、１８・・・・・・リング状部材、１
９・・・・・・スクリーン、２１・・・・・！吸音材。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）圧電磁器振動子と圧電磁器振動子または金属製振
   動板とを貼り合わせてなるバイモルフ振動子の中央部に
   金属製または樹脂製の円錐状共振子を附加した複合共振
   子を端子板に弾性接着剤を介して取付けてなる超音波セ
   ラミックマイクロホンにおいて、筒状ケースの内側に突
   出するリング状部材を所定間隔で複数個積み重ねて配置
   味この筒状ケースの一端開孔口に網状のスクリーンを設
   けるとともに他端開孔口より前記複合共振子と端子板を
   収納してなる超音波セラミックマイクロホン。
2. （２）ケース内側に設けられたリング状部材間に吸音効
   果の高い材料を設けたことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の超音波セラミックマイクロホン。