JPS6018672Y2 - デイスクブレ−キ板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ディスクブレーキ板に関するもので、放熱効
果が高く、軽量であり成形が簡単でさらに安価に製作し
得るディスクブレーキ板を提供することを目的とするも
のである。

自動車輛、特に自動二輪車に取付けられるディスクブレ
ーキ板は、その制動力が強いこと、安定した制動動作が
得られること、機構が簡単で組付けおよび保持管理が容
易であること等の作用効果を有するものであるため、そ
の利用数は年々増大している。

しカルながら従来のディスクブレーキ板は、その主体が
鋳造製品であるために、放熱効果を高めるために中空構
造にしたり、重量を軽減したりすることが難かしく、ま
た鋳造設備に膨大な設備費が必要となると共に鋳造成形
に高度に熱線した技術が要求されるので、大重量でかつ
放熱効果がさほど優れてはおらずさらに高価なものとな
っていた。

本考案は、上記した従来例における不満点および欠点を
解消すべく考案されたもので、調走等の強靭な平板体か
ら平リング板状にプレス打抜ぎ成形された一対の摩擦板
の少なくともいづれか一方に多数の連結片を半抜き曲げ
加工により起立設し、この連結片により両摩擦板を電気
溶接で積重固着したものである。

以下、本考案の一実施例を図面に従って説明する。

本考案によるディスクブレーキ板は、鋼板等の強靭な材
料により成形された平板体から平リング板形状となった
一対の摩擦板２，３をプレス打抜き成形し、この摩擦板
２，３の少なくともいづれか一方に多数の連結片４，５
をプレス半抜き曲げ加工して放射状に起立設し、この連
結片４，５により両摩擦板２，３を、間隙をもって積重
して電気溶接により一体に固着して本体１を構成したも
のである。

平リング板形状にプレス打抜き成形された両摩擦板２，
３の少なくともいづれか一方にプレス半抜き加工により
成形された連結片４，５は、その基端を摩擦板２，３の
径方向に沿って位置させた幅広の舌片状をしていて、屈
曲して起立設されることによって摩擦板２または３の平
リング板部に放射状に位置することになる。

この各連結片４，５は摩擦板２または３に等中心角毎に
成形されるが、この連結片４．５は摩擦板２，３からプ
レス半抜き曲げ加工により成形されるものであるから、
摩擦板２，３にはこの連結片４，５を半抜き加工するこ
とによって通気孔６．７が開孔形成きれることになる。

図示実施例の場合、連結片４，５は、両摩擦板２．３に
成形されているが、必ずしも連結片４゜５を両摩擦板２
，３に成形しなければならないというものではなく、い
づれか一方だけに成形しても良いものである。

ただし、連結片４，５を半抜き曲げ加工することによる
摩擦板２または３単体の機械強度の低下、および通気孔
６または７の開孔による摩擦板２または３表面における
摩擦抵抗の増大、そして両摩擦板２，３の結合強度わよ
びブレーキシュー１３からの挟持力に対する本体１の充
分に大きい耐力を得る必要から、連結片４，５は、両摩
擦板２．３に均等に成形する方が有利である。

なお、連結片４，５の先端面には、電気溶接を良好に達
成するための突起８，９を一体に成形しておくのが良い
。

両摩擦板２，３のうちいづれか一方（図示実施例の場合
、摩擦板２）の内周端からは、中央に車軸（図示昇路）
が貫通する嵌入孔１１を開孔した組付は部１０が連設さ
れていて、この組付は部１０の嵌入孔１１の周囲には３
固ないし４個のボルト孔１２が開孔されていて、このボ
ルト孔１２を利用して本考案によるディスクブレーキ板
を車輪側に組付は固定する。

このように構成された両摩擦板２，３を同心状に重ね合
せ、各連結片４，５の先端面と、この先端面の突き当っ
た摩擦板３または２の内面との間をプロジェクション等
の電気溶接により一体に固着して本考案によるディスク
ブレーキ板が完成する。

それゆえ、本考案によるディスクブレーキ板のリング板
状となった本体１は、その外周面および内周面が開放さ
れた形態となり、かつ、この本体１における両摩擦板２
，３間には連結片４，５の高さと等しい間隙が形成され
、さらに連結片４゜５は放射状に位置することになるた
め、両摩擦板２．３間には径方向に連通した通路が形成
されることになる。

この本体１の内周面から外周面に連通した通路は、同時
に通気孔６．７にも連通しているので、本考案によるデ
ィスクブレーキ板が車軸と一体となって回転すると、こ
の通路内を外気が極めて円滑に通過することになり、こ
れによって制動時に発生するディスクブレーキ板の摩擦
熱は極めて効果的に放熱される。

また、本考案によるディスクブレーキ板は、平板体から
プレス打抜き成形およびプレス半抜き曲げ加工された両
摩擦板２，３を溶着して製作されるものであるので、従
来のディスクブレーキ板に比べてはるかに軽量となり、
このため車輛の床下荷重を大幅に低減させることができ
、これによって車輌の乗り心地を改良することができる
。

さらに、その成形はプレス加工と電気溶接だけであるの
で、製作が容易であると共に、特に熟練した技術を必要
とせず、さらに簡単な設備で成形製作できるので設備費
が膨大となることがなく、安価な製品を提供することが
できる。

所で、本考案によるディスクブレーキ板は、両摩擦板２
，３を連結片４，５だけによって結合して構成されるも
のであることから、機械的な強度に多少の不安がある。

このため、製作設計に際しては、連結片４，５の高さを
成る程度の放熱効果が得られる範囲でできる限り低いも
のとし、かつ摩擦板２，３単体の機械強度を劣化させな
い範囲でできる限り多数設けるのが望ましい。

また、各連結片４，５を完全に放射方向に沿った姿勢と
するのではなく、多少類いた姿勢に成形するもの機械強
度を増す１つの手段である。

この連結片４，５に関する事項から明らかな如く、連結
片４．５は比較的小さなものであることが望ましいこと
が理解できる。

このように連結片４．５を小さくすることは、ディスク
ブレーキ板の機械強度を増す他に、通気孔６，７が開孔
面積が小さくなることを意味しているので、本体１表面
に押付けられるブレーキシュー１３のこの通気孔６，７
への引掛りが少ないことになり、これにより本体１表面
に開孔された通気孔６，７の制動動作に及ぼす影響をよ
り小さなものとすることができる。

以上の説明から明らかな如く、本考案によるディスクブ
レーキ板は、放熱効果が高く、また極めて軽量であり、
さらに製作が容易で安価に提供し得る等多くの有益な作
用効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るディスクブレーキ板の分解斜視図
、第２図は正面図、第３図は第２図中■−ｍ線に沿って
切断矢視した断面図、第４図は第２図中におけるＩＶ−
ＩＶ線に沿って切断矢視した断面図である。 符号の説明、１：本体、２，３：摩擦板、４゜５：連結
片、６，７：通気孔、８，９：突起、１０：組付は部、
１１：嵌入孔、１２：ボルト孔、１３ニブレーキシユー
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平リング板形状にプレス打抜き成形された一対の摩擦板
   ２，３を積重固着したディスクブレーキ板であって、前
   記摩擦板２，３の少なくともいづれか一方に、複数の連
   結片４，５を半抜き曲げ加工して放射状に起立設し、該
   連結片４，５の先端を対向する摩擦板２または３の内面
   に電気溶接して両摩擦板２，３を一体に積重固着し、さ
   らに少なくとも一方の摩擦板２の内周縁から、中央に車
   軸への嵌入孔１１を開孔した組付は部１０を一体に連設
   して成るディスクブレーキ板。