JPS6018269Y2 - クランプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はワークを押圧固定するクランプ装置に関するも
のである。

従来、例えばクランクシャフト等ワークに油孔をドリリ
ングする際、ドリリング作業中にワークが位置ずれしな
いようにクランプ装置でワークを固定している。

このクランプ装置としては、１形状のクランパーをその
下端部を支点として回動させ、クランパーの先端部内面
でワークをテーブルに押圧するものが一般的であるが、
この場合には、クランパーの押圧力がワークに対し斜め
方向に作用するため、ワークの位置が狂ったりワークを
損傷するという問題があった。

そこで、押え部材を先端に具えかつ長孔を有するアーム
を、上記長孔に移動可能に挿通した支持ピンによって支
持し、上記アームを上記支持ビン回りに回動させる往復
運動手段を上記アームの後端に連結したクランプ装置が
提供されている（実開昭５４−１６５３８１号）。

このクランプ装置では、押え部材がワークをほぼ上方か
ら押圧するため、ワークの位置が狂う心配はほとんどな
いが、アンクランプ時において押え部材がワークの上方
に位置しているため、上方よりワークの取付、取外しが
できない不便さがある。

また上記支持ビンを移動させる油圧シリンダと、上記往
復運動手段を作動させる油圧モータとを一定の順序で駆
動させるために、別個に油圧制御手段を設ける必要があ
り、装置が複雑かつ大型化するという欠点がある。

本考案はかかる欠点に鑑みてなされたもので、ワークを
上方から押圧してワークの位置ずれを防止するとともに
、ワークの取付、取外しが容易で、コンパクトなりラン
プ装置を提供することを目的とする。

以下、本考案を一実施例である添付図面にしたかって説
明する。

図面において、１は第１シリンダ装置、４は第２シリン
ダ装置で、これらはボルト等により一体的に固定されて
いる。

第１シリンダ装置１は内部に上下動可能な第１ピストン
２を有し、そのピストンロッド３が上面から突出してい
る。

一方、第２シリンダ装置４は内部に横方向に移動可能な
第２ピストン５を有し、ピストンロッド６の両端部が左
右側面より突出し、このピストンロッド６の第１図左側
端部６ａにはピン７が取付けられ、第１図右側端部６ｂ
にはリミットスイッチ等を操作する操作部材８が取付け
られている。

第１シリンダ装置１の上端部側壁および第２シリンダ装
置４の左端部側壁には、それぞれシリンダ内と外部とを
連通ずる第１、第２流体出入口９，１０が設けられ、こ
れら出入口は図示しない流体圧源、例えば油圧ポンプと
接続されている。

また、上記シリンタ゛装置には、第１シリンダ装置１の
上部と第２シリンダ装置４の右端部とを連絡する第１通
路１１、および第１シリンダ装置１の下部と第２シリン
ダ装置４の中央部とを連絡する第２通路１２が設けられ
ている。

なお、第２シリンダ装置４の側壁の第２流体出入口１０
と対称な位置には、第２図、第３図に示すごとく第１シ
リンダ装置１と第２シリンダ装置４とを連絡する第３通
路１３が設けられ、この第３通路１３には流体（例えば
圧油）が第１シリンダ装置１から第２シリンダ装置４へ
のみ流入し得る一方向チェックバルブ１４が設けられて
いる。

１５は第１シリンダ装置１の一側部に設けた支軸１６を
支点として揺動自在なりランプアームで、その下端部に
設けた係合溝１７に第２シリンダ装置４のピストンロッ
ド６のピン７が摺動自在に係合している。

クランプアーム１５の先端部には枢軸１８によりクラン
プ片１９が揺動自在に枢着されており、このクランプ片
１９の先端部１９ａがワークＷ上面と、後端部１９ｂが
第１シリンダ装置１のピストンロッド３とそれぞれ当接
可能である。

クランプアーム１５とクランプ片１９との間には２本の
バネ片２０．２１が設けられ、これらバネ片２０．２１
によってクランプ片１９は第１図右回り方向に付勢され
ている。

そのため、クランプ片１９の後端部１９ｂは第１シリン
ダ装置１のピストンロッド３と常時当接している。

なお、これらバネ片２０．２１に代えて、クランプ片１
９の後端部１９ｂを先端部１９ａより重量大とし、クラ
ンプ片１９に第１図右回り方向のモーメントを付与して
もよい。

つぎに、上記構成のクランプ装置の作動を説明する。

まず、アンクランプ時においては、第１ピストン２は下
降した位置にあり、第２ピストン５は第１図左方に位置
している。

そのため、クランプアーム１５は図中二点鎖線で示すご
とく傾斜し、クランプ片１９は退避した位置にある。

ワークＷをクランプする時には、第２流体出入口１０よ
り第２シリンダ装置４内に圧油を送り込み、第２ピスト
ン５を第１図右方へ移動させると、ピストンロッド６を
介して連結されたクランプアーム１５は第１図左回り方
向に回動する。

そして、第２ピストン５が第２通路１２を開くと、圧油
の一部はこの第２通路１２を介して第１シリンダ装置１
内に入り、第１ピストン２が上動し始める。

第２ピストン５はそれ以後、若干右方へ移動するが、第
１ピストン２が第１通路１１を閉じるとともに第２ピス
トン５の移動が停止する。

このとき、クランプアーム１５は直立位置にある。

第１ピストン２の上動につれてクランプ片１９は第１図
左回り方向に回動し、クランプ片１９の先端部１９ａで
ワークＷを直上方から押圧し、この押圧力が所定値に達
すると圧油の流入が停止し、ワークＷはクランプされる
。

ワークＷをアンクランプする時には、第１流体出入口９
より第１シリンダ装置１内に圧油を送り込み、第１ピス
トン２を下動させると、クランプ片１９は第１図右回り
方向に揺動味ワークＷへの押圧力を解除する。

そして、第１ピストン２が第１通路１１を開くと、圧油
の一部が第１通路１１を介して第２シリンダ装置４中に
入り、第２ピストン５が第１図左方に移動し始める。

第２ピストン５が第２通路１２を閉じると、第１ピスト
ン２下部の圧油は第３通路１３の一方向チェックバルブ
１４を介して第２ピストン５の左側に流入し、第２流体
出入口１０から排出される。

そして、第１ピストン２は最下端位置まで下動し、同時
に第２ピストン５も左端位置まで移動し、クランプアー
ム１５およびクランプ片１９は第１図中２点鎖線で示す
状態に復帰する。

なお、上記実施例では、第１シリンダ装置１と第２シリ
ンダ装置４とを一体に結合し、かつクランプアーｌ、１
５を第１シリンタ゛装置１の側部に取付けたので、これ
ら部品を一体に持ち運びすることができ、コンパクトな
りランプユニットを構成する。

そのため、各種のワークのクランプに適用できる。

以上のように、本考案によれば、クランプ時にはまずク
ランプアームをワーク方向へ揺動させ、一定時間遅れて
クランプ片がワークをクランプする一方、アンクランプ
時にはまずクランプ片がワークへの押圧力を解除し、一
定時間遅れてクランプアームが退避方向に揺動するよう
に構成したので、クランプ片のワークへの押圧力は常に
直上方から作用し、ワークが位置ずれすることなく、か
つワークを損傷することもない。

また、アンクランプ時にはクランプ片がワークの側方に
退避しているため、ワークの取付、取外しを上方から行
なうことができ、特に長大なワークのクランプには最適
である。

からに、第１シリング装置と第２シリング装置とを通路
で連絡するだけで、クランプアームとクランプ片とを一
定の順序で揺動させることができ、複雑な油圧制御手段
は不要であり、クランプ装置全体をコンパクト化できる
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるクランプ装置の縦断面図、第２
図は第１図■−■線断面図、第３図は一部断面右側面図
である。 １・・・・・・第１シリンダ装置、４・・・・・・第２
シリンダ装置、１１・・・・・・第１通路、１２・・・
・・・第２通路、１３・・・・・・第３通路、１５・・
・・・・クランプアーム、１９・・・・・・クランプ片
、ｗ−−−−−−ワーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワークに対して進退方向に揺動自在に中間部を枢着した
   クランプアームと、クランプアームの上端に中間部を枢
   着され、ワークをクランプする方向に揺動自在であると
   ともに、一端がワークをクランプするクランプ部となり
   、他端がワークに対してクランプを行う際の力点となる
   クランプ片と、このクランプ片の他端に係合し、クラン
   プ片を揺動させる第１シリンダ装置と、クランプアーム
   の下端に係合し、クランプアームを揺動させる第２シリ
   ンダ装置とからなり、上記第１シリンダ装置と第２シリ
   ンダ装置とは、クランプアームを中心としてワークと相
   対する位置で、かつ、クランプ片の下方に設けられると
   ともに、アンクランプ時には、流体圧源より第１シリン
   ダ装置に作用する流体圧を時間遅れで第２シリンダ装置
   に作用させる通路と、クランプ時には流体圧源より第２
   シリンダ装置に作用する流体圧を時間遅れで第１シリン
   ダ装置に作用させる通路とで連絡されていることを特徴
   とするクランプ装置。