JPH0713861Y2 - クランプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はプレス機のベッド上などに取付けるプレス型
などを固定するクランプ装置に関するものである。

〔従来の技術〕

プレス機において、そのベッド上に金型あるいはダイセ
ットの下枠などを固定するクランプ装置は公知である。

この公知のクランプ装置において、そのクランプ爪を作
動させる駆動手段として、油圧シリンダを用いるものも
公知であり、この公知のものはクランプ爪の駆動用油圧
シリンダが基板上に設けられている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記のような従来のクランプ装置はクランプ爪や油圧シ
リンダなどの全ての部分が基板上に取付けてあるから、
その分だけ、ベッド上の有効面積が小さくなる。

クランプ爪が前後に移動できないものでは、クランプ爪
を弛めた状態で、金型やダイセットの下部の突縁を基板
とクランプ爪の先端の間に横から挿入したのち油圧シリ
ンダを働かせてクランプ爪の先端を突縁に押し付けると
いう複雑な操作が必要となる。

また、クランプ爪を前後に移動させるようにしたものも
あるが、クランプ爪を進退させる機構とクランプ爪を揺
動させる機構が必要なため、構造が複雑となる。

この考案の課題は上記のような従来のクランプ装置の問
題点に鑑みて、基板の上部にはクランプ爪やその駆動用
油圧シリンダなどの一切を取付けないクランプ装置を提
供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するために、この考案はプレス機の基
板の側部に突出せしめて固定したブラケットにクランプ
爪を横軸によって揺動自在に取付けるとともに、その上
端内側には基板上の被加圧部材の押え部を設け、基板の
側部から設けた凹孔内には、上記横軸と直交する方向の
油圧シリンダをその外端が基板の側面とほぼ一致するよ
うに水平にはめ込み固定し、このシリンダに嵌装したピ
ストンと一体のピストンロッドを上記油圧シリンダの外
端から突出させて上記クランプ爪の下部のロッド受部に
臨ませるとともに、このロッド受部のロッド側のロッド
受面を上記ピストンロッドに押し付けるようにクランプ
爪に回転力を付与するバネを設け、ピストンロッドが引
込んだとき、上記クランプ爪の上端の押え部が基板の外
方に退避する位置となるように上記ロッド受部のロッド
受面を傾斜させたクランプ装置を提供する。

〔作用〕

この考案は上記の構成であり、このクランプ装置の複数
をプレス機の基板の両側に適当間隔で設け、各油圧シリ
ンダに通じる油圧回路を連通させて各クランプ爪が一斉
に駆動されるようにする。

そして、各クランプ爪が、その上端の押え部が基板の外
方に位置するように傾斜し、各ピストンロッドが引込み
位置になっている待機位置で金型やダイセットなどの被
加圧部材を基板上に載せる。

つぎに油圧回路を切換えて、各ピストンロッドを進出さ
せると、各クランプ爪の下部のロッド受部の傾斜したロ
ッド受面が上記ロッドに押されてクランプ爪の下部が押
し出されるので、同爪の上端の押え部がその下側の被加
圧部材を加圧して基板上に固定する。

〔実施例〕

図面に示す実施例において、１はプレス機のベッドとな
る基板で、この基板の側部にボルト止めなどの手段でブ
ラケット２を固定する。

上記ブラケット２は左右２個で一組であり、この両ブラ
ケット２の間に横軸５によりクランプ爪４を揺動自在に
支承する。

上記横軸５はクランプ爪４に固定し、この軸５を左右の
ブラケット２の軸孔に回動自在にはめ、一方のブラケッ
ト２の外側に突出した軸５にコイル状のバネ６をはめ、
その一端をブラケット２、他端を横軸５に固定してクラ
ンプ爪４に、第１図に向って左回り方向の回転力を付与
する。

上記クランプ爪４の上端内側には基板１上に臨む押え部
７を一体に設け、クランプ爪４の下端はピストンロッド
の先端を受けるロッド受面を有するロッド受部８とす
る。

両ブラケット２間に位置する基板１の側部内には、横軸
５と直交する方向の凹孔９を設け、ここに油圧シリンダ
10をはめて固定する。

上記油圧シリンダ10内にはピストン11を嵌装し、その前
部に一体に設けたピストンロッド12をシリンダ10の前部
のロッド挿通孔に液密を保って挿入して基板１外に突出
させ、その先端を受部８のロッド受面に接触させる。

14、15は基板１内に設けた油路で、この油路14、15の一
端部は基板１の一端部に達し、第４図に示すニップル1
6、17により送油管、電磁弁、油圧ユニットなどからな
る油圧制御回路（図示省略）に接続される。

そして、上記油路14は分岐路18によりシリンダ10の後部
内に通じ、油路15はシリンダ10の外周を囲むように凹孔
９内に設けた周溝19に通じ、この周溝19とシリンダ10内
の前部とを、シリンダ10に設けた連通路20により連通さ
せて、シリンダ10内の前部を油路15に連通させている。

また、各クランプ爪４は、その複数を第４図に示すよう
に基板１の両側部に一定の間隔で相対向せしめて配置す
る。

上記実施例の作用を説明すれば、各ピストン11が後退し
ているとき、各クランプ爪４はバネ６の作用により第１
図の鎖線のように外方に傾斜して待機位置となってい
る。

この状態でプレス型などの被加圧部材21を基板１上に載
せ、その側縁22を各クランプ爪４に臨ませる。

つぎに、油圧制御回路を切換えて、油路14に圧油を流入
させ、油路15を油タンクに通じると各ピストン11が前進
し、そのピストンロッド12が各クランプ爪４の受部８を
押し出すので、各クランプ爪４は軸５を中心に回転し
て、その押え部７により側縁22を基板１上へ押圧して固
定する。

第１図、第４図は側縁22を基板１上へ固定した状態で、
この状態から油圧回路を切換えて油路15に圧油を送り油
路14を油タンクに通じるとピストン11とともに、ピスト
ンロッド12が後退するのでクランプ爪４はバネ６により
第１図の鎖線のように待機位置に戻り、側縁22の押圧を
解く。

〔考案の効果〕

この考案は上記のようにプレス機の基板の側部に固定し
たブラケットにクランプ爪を横軸によって揺動自在に取
付けるとともに、その上端内側には基板上の被加圧部材
の押え部を設け、基板の側部に設けた凹孔内には、上記
クランプ爪の下部を外方に押すピストンロッドを有する
油圧シリンダを設けたものであるから、基板上にシリン
ダなどが全くなくなる。従って、基板の上面全面を有効
に利用でき、シリンダは基板に水平にはめ込んで固定す
るものであるから、基板はシリンダの外径より僅かに厚
ければよい。従ってシリンダを取付けるために基板を厚
くする必要がないので小型のプレス機に取付けても基板
上の有効高さが低くなるおそれはない。また、各クラン
プ爪が不作用位置のとき、クランプ爪は基板の外方に退
避した位置となるので、基板上一ぱいの大きさの被加圧
部材でも基板の上方から基板上へ載せることができる。
従って、ロボットなどの自動操作による金型などの装着
が容易であるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す一部切欠拡大縦断側
面図、第２図は同上の正面図、第３図は同じく平面図、
第４図は上記実施例を取付けた基板の全体を示す側面図
である。 １……基板、２……ブラケット、４……クランプ爪、５
……横軸、６……バネ、７……押え部、10……油圧シリ
ンダ、11……ピストン、12……ピストンロッド、14、15
……油路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プレス機の基板の側部に突出せしめて固定
   したブラケットにクランプ爪を横軸によって揺動自在に
   取付けるとともに、その上端内側には基板上の被加圧部
   材の押え部を設け、基板の側部から設けた凹孔内には、
   上記横軸と直交する方向の油圧シリンダをその外端が基
   板の側面とほぼ一致するように水平にはめ込み固定し、
   このシリンダに嵌装したピストンと一体のピストンロッ
   ドを上記油圧シリンダの外端から突出させて上記クラン
   プ爪の下部のロッド受部に臨ませるとともに、このロッ
   ド受部のロッド側のロッド受面を上記ピストンロッドに
   押し付けるようにクランプ爪に回転力を付与するバネを
   設け、ピストンロッドが引込んだとき、上記クランプ爪
   の上端の押え部が基板の外方に退避する位置となるよう
   に上記ロッド受部のロッド受面を傾斜をさせたクランプ
   装置。