JPS6017934Y2 - 増幅器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は不要な低域振動を除去した電力増幅器に関する
。

従来より、音楽信号を忠実に増幅、伝送するという目的
から、総合利得が低周波領域から直流領域まで平担な周
波数特性を有する電力増幅器が実用化されている。

この種の電力増幅器は、総合利得が直流領域まで平担で
あるために、大振幅の音楽信号が増幅、伝送される際に
生じる混変調、各半導体の温度変化（音楽信号のエンベ
ロープに追従する）及び電源電圧の変動により、増幅器
内で不要な低域振動（出力のドリフト等）が発生し、こ
れが低域ノイズとしてそのまま出力される欠点があった
。

本考案はこのような従来欠点を改良するとともに、増幅
器が電源投入直後から定常状態に達するまでの時間を短
かくして、ミューティング時間を短縮したもので、以下
図面について説明する。

第１図において、１は総合利得が低周波領域から直流領
域まで平担な電力増幅器で、その出力は帰還抵抗Ｒｆと
分割用抵抗Ｒ３とで分割されて入力側に負帰還される。

２は利得Ａ２の増幅回路３の反転入力３ａに直列接続し
た積分抵抗Ｒ工、Ｒ２を接続し、反転入力３ａ、出力３
ｂ間にコンデンサＣを挿入接続したミラー積分回路で、
上記増幅器１の出力をこのミラー積分回路３を介して超
低周波領域から直流領域における低域振動が検出、増幅
されて出力される。

即ち、ミラー積分回路２の時定数Ｔ＝Ａ２Ｃ（Ｒ工＋Ｒ
２）によって定まるカットオフ周波数ω１ω１＝Ａ２Ｃ
（Ｒ１＋Ｒ２） （Ａ２は利得）５ｄＢ１０ｃｔの高域
減衰特性によって定まる周波数領域の低域振動成分が検
出、増幅されて出力される。

この検出出力は位相反転回路４を介して位相反転された
後、帰還量の分割用抵抗Ｒ４を介して増幅器１の入力側
に負帰還されて、増幅型負帰還ループが形成される。

上記増幅器１の出力はリレースイッチ５の一方の固定接
点５ａを介して負荷（スピーカー）７に接続され、また
、他方の接点５ｂは上記直列接続した積分抵抗Ｒ１，Ｒ
２の接続中点に接続される。

このリレースイッチ５は公知の遅延回路６を介して駆動
され、電源投入時から所定時間を経過後にリレースイッ
チ５が動作して、その可動接点５Ｃが固定接点５ａに接
続されて、増幅器１の出力が負荷７に接続されるように
構成されている。

即ち、このような構成において、増幅器全体としての帰
還率βは、第２図に示すように、帰還抵抗Ｒｆによる帰
還率 βｆ＝−但−実ａ−・Ａ、（Ａ、は利得）Ｒｆ 十（Ｒ
３／ Ｒ４） と、ミラー積分回路２の直流領域における帰還率−一辺
ｉθ豆’ （ＡＩ・ん）（Ａ２は利β５Ｏ−Ｒ４＋
（Ｒ３／Ｒｆ） 得） 及びカットオフ周波数ω１から５ｄＢ１０ｃｔで減衰す
るスロープ特性によって定まる帰還率β５とを合皮とし
たものとなり、従って、ミラー積分回路２による帰還が
かかり始めるカットオフ周波数ω２は、近似的に 一見、 １ ” −Ｒｑ Ｃ（Ｒｔ＋Ｒｚ） となり、従って、増幅器全体としての仕上がり特性は第
２図に示すようになり、そのカットオフ周波数はω２と
なる。

具体的に、ミラー積分回路２の直流領域における利得は
増幅回路３の利得Ａ２にほぼ等しく通常１００〜１１０
ｄＢであり、仮にん＝１００ｄＢとし、Ｃ＝３．３μＦ
、 Ｒ１＝２７にΩ、Ｒ２＝ ２０にΩ、Ｒ３＝ ２２
０Ω、Ｒ４−３１にΩ、Ｒｆ ＝ ２２にΩとすると、
ミラー積分回路２の直流領域における帰還量Ａ１β８ｏ
は、Ａ２Ｂ、。

＝＝＝：１５７ （ｄＢ）ただし、増幅器１の利得Ａ工
＝１００ｄＢとした。

となる。

換言すれば、増幅器１の出力点からミラー積分回路２を
経て増幅器１の反転入力までの直流領域における利得は
約５７ｄＢとなる。

また、帰還率β〜は β５Ｏｆ−７０４ となり、１よりはるかに大きくなる。

また、増幅型負帰還ループの時定数りは Ｔ、＝町・Ｃ（Ｒ０十Ｒ２） Ｒ１ で与えられ、電源投入直後から増幅型負帰還ループが定
常状態に達するまでの時間は上記時定数Ｔ８に比例する
が、以上の構成によれば、電源投入直後から遅延回路６
が働いて、リレースイッチ５が動作するまでの間、リレ
ースイッチ５の可動接点５ｃは固定接点５ｂ側に接続さ
れ、ミラー積分回路２の積分抵初Ｂ１が短絡されている
ので、増幅型負帰還ループの時定数Ｔは、 Ｔ＝看・ＣＲ２ Ｒｆ となり、この時定数は上記の定常状態の時定数Ｔ８より
小さいために、短時間に増幅型負帰還ループが定常状態
となる。

その後、一定時間を経過後に遅延回路６が働いて、リレ
ースイッチ５の可動接点５ｃが固定接点５ａ側に接続さ
れ、増幅器１の出力が負荷に接続される。

本実施例では、Ｒｒ＝２２にΩ、Ｒ，＝３１にΩ、Ｃ＝
３．３μＦ、 Ｒ工＝２７にΩ、Ｒ２＝ ２０にΩとし
、カットオフ周波数を０．７３Ｈｚとし、また電源投入
直後の時定数を０．０９３３６Ｃ、定常状態の時定数を
０．２１８ｓｅｃとした。

以上の構成によれば、増幅器１の出力からカットオフ周
波数ω２以下の周波数成分がミラー積分回路２を介して
検出、増幅された後、増幅器１の入力側へ負帰還され、
不要な低域振動を含む超低周波数領域から直流領域にお
いて有効な増幅型負帰還がかかるので、不要な低域振動
が著しく減衰される。

また、電源投入後の一定時間、ミラー積分回路２の積分
抵抗Ｒ１を短絡して、増幅型負帰還ループの時定数を小
さくして、定常状態に達するまでの時間を短縮し、一定
時間経過後に、遅延回路６が働いて増幅器１の出力が負
荷７に接続されるとともに、増幅型負帰還ループの時定
数が所期の時定数となり、上記のように超低周波数領域
から直流領域において有効な負帰還がかかり、不要な低
域振動が減衰される。

以上のように、本考案は増幅器１の出力からミラー積分
回路２を介して不要な低域振動を検出、増幅した後、増
幅器入力側へ負帰還して増幅型負帰還ループを形成する
とともに、この増幅型負帰還ループの時定数を電源投入
後の一定時間小さくして、常常状態に達するまでの時間
を短縮し、かつ、一定時間経過後に増幅器１の出力を負
荷７に接続するようにしたので、超抵周波数領域から直
流領域における不要な低域振動が除去できるとともに、
ミューティング時間を短縮できる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の増幅器の構成を示す図、第２図は同、
特性を示す図である。 １は増幅器、３は増幅回路、３ａは反転入力、３ｄは出
力、Ｒ工、Ｒ２は積分抵抗、Ｃはコンデンサ、２はミラ
ー積分回路、５はリレースイッチ、５ａ、５ｂは固定接
点、５ｃは可動接点、７は負荷である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 増幅器１と増幅回路３の反転入力３ａに直列接続した積
   分抵柄Ｂ１． Ｒ２を接続してこれを入力と腰上記反転
   入力３ａ、出力３ｂ間にコンデンサＣを挿入接続したミ
   ラー積分回路２を具備し、上記増幅器１の出力を上記ミ
   ラー積分回路２を介して所定の周波数以下の低域振動成
   分を検出、増幅した後、上記増幅器１の入力側に負帰還
   して増幅型負帰還ループを形威し、かつ、上記ミラー積
   分回路２の直流領域における帰還率を１より大きくする
   とともに、上記増幅器１の出力をリレースイッチ５の可
   動接点５ｃ、一方の固定接点５ａを介して負荷７に接続
   するようにするとともに、他方の固定接点５ｂを上記直
   列接続した積分抵抗Ｒ工、Ｒ２の接続中点に接続して、
   上記リレースイッチ５の可動接点５ｃを電源投入直後の
   一定時間他方の固定接点５ｂに接続して積分抵抗Ｒ１を
   短絡するようにしたことを特徴とする増幅器。