JPS601728Y2 - 芳香剤容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、芳香剤液を収容してこれを容器口部に装着し
た吸上げ芯により吸上げ、芳香を発散させるようにした
芳香剤容器に関し、自動車内での使用その他における不
必要なときの芳香剤発散の無駄をなくすため、吸上げ芯
が装着された容器口部に芳香剤発散用の窓を有する蓋を
冠着して、前記窓を必要に応じて任意に開閉できるよう
にした容器において、吸上げ芯の保持状態をその機能上
および使用上良好なものにし、自動車内等での使用に特
に好適な非常に優れた芳香剤容器を提供しようとするも
のである。

この種の芳香剤容器を自動車内や温暖な室内に設置使用
した場合には、激しい振動や温度差によって容器内の気
体が膨張する結果、吸上げ芯に吸上げられる芳香剤液が
過度に噴出することになる。

また自動車内等での使用の場合には激しい振動わ伴なう
ので、吸上げ芯はその振動に充分耐え得て容易に動かな
い状態に保持しておかなくてはならない。

本考案は、上記に鑑み、芳香剤液の噴出防止のために膨
張気体を逃がすことができる構造にして、しかも吸上げ
芯を安定よく確実に保持できるようなしたものであり、
その実施例を図面に基いて以下に説明する。

図において、１は容器胴部２の上部中央より上方へ突出
した筒状の口部であり、該容器口部１にはフェルト等よ
りなる吸上げ芯３が後述するように貫挿状態に装着され
ている。

４は前記容器口部１に螺合手段により着脱可能に冠着さ
れた蓋本体であり、該蓋本体４は容器口部１に対する螺
合筒部４１の上端にフランジ部４２が設けられるととも
にこのフランジ部４２の内周縁にキャップ状の上部４３
が連設されてなり、キャップ状の上部４３が容器口部１
の上端より上方にあって吸上げ芯３の上端部を蔽うよう
になっている。

蓋本体４は螺合筒部４１の下端に設けた凹部４６が容器
口部１の下端部に設けた凸部１′と係合し位置決めされ
る。

前記蓋本体４の上部４３にはこれに相応する天蓋５が摺
接回動可能に被嵌されており、図の場合、天蓋５の下面
中央に先細でかつ基部が若干くびれた形状の係合突部５
１を設けて該係合突部５１を前記蓋本体上部４３の中央
に有する孔４４に押入係合している。

前記の係合手段を利用する場合、天蓋５は蓋本体４の上
面部に相応する円盤状をなすものであってもよい。

前記蓋本体４の上部４３と天蓋５にはそれぞれ互に合致
する同形の芳香剤発散用の窓６および７が適数開設され
ている。

前記窓６および７は天Ｍ５の回動操作によって当該窓の
位置をずらせたり合致させることにより開閉できるよう
になっている。

そのため図示のように複数の窓６，７を周方向所要間隔
に配設する場合は相隣る窓６，７と６，７の間隔を少な
くとも窓６，７の幅より大なるよう設定しである。

芳香剤発散用の窓６，７としては、図のように上面部か
ら側面部に連続した扇形状に切欠形成したものが好適で
あるが、これに限らず、上記形状の窓６，７を上面部と
側面部とに桟にて仕切ったり、上面部に円形その他の窓
孔を開設する等、種々の実施が可能である。

８は上記容器口部１の内側に嵌着して吸上げ芯３を貫挿
状態に保持する吸上げ芯保持用の中栓である。

中栓８の容器口部１に対する嵌合部８１の下部には節部
８４を介して小内径部８２が連設されており、吸上げ芯
３はこの小内径部８２に嵌挿される。

前記嵌合部８１と小内径部８２の間または小内径部８２
等の個所に容器内部の膨張気体を逃がすための通気手段
９が設けられている。

この通気手段９としては図示する実施例のように芳香剤
液は殆んど通さないが通気のできる程度の１１ｒＩ！Ｉ
Ｌ前後の貫通孔を嵌合部８１と小内径部８２の間の節部
８４に設けたり、小内径部８２の内周面に縦方向のスリ
ットを設ける等、種々の構造による実施が可能である。

前記の貫通孔による通気手段９は径小孔にして複数個所
に設けてもよいが、図のように一個所に設けておくほう
が、容器転倒時等の芳香剤液の流出を防止でき好ましい
。

前記の小内径部８２は嵌合部８１の下部に延設するほか
、嵌合部８１の内方に設けることもできる。

さらに中栓８の小内径部８２の下端には吸上げ芯３を挾
持する保持脚１０が周方向所要間隔に垂設されている。

この保持脚１０としである程度幅があれば１８０° （
角）対向位置の二個所に設けるだけでもよいが、図示の
ように９０° （角）間隔の四個所等三方以上の個所に
設けるのが好ましい。

また中栓８の上端には容器口部１の上端面に載接するフ
ランジ８３が設けられており、その上面には吸上げ芯３
の上部に連接される径大の発散フェルト３１を保持する
保持爪１１が周方向所要間隔、例えば９０° （角）間
隔の四個所に立設されている。

保持爪１１は内側上端に突部１１ａが、また下部に段部
１１ｂがそれぞれ設けられ、この突部１１ａと段部１１
ｂとの間にその間隔に相応する厚みの発散フェルト３１
が嵌合されて中栓８上面より浮上状態に保持されている
。

吸上げ芯３より径大に形成される発散フェルト３１は吸
上げ芯３とは別形成されるのが普通であるが、これを吸
上げ芯３と一体形成しておくこともできる。

上記した蓋本体４の上部４３はこの発散フェルト３１を
蔽うように設けられる。

なお、上記した吸上げ芯３を保持する保持脚１０の下端
部の位置には前記下端部を連設するように容器口部１の
下部内径より若干径小の外径を持つリング状板１２が設
けられており、容器内部の芳香剤液が揺動して容器口部
１内上方へ上るのを防止できるようになっている。

即ち、本考案品を自動車内等に設置使用した場合、振動
によって芳香剤液がはね上り通気手段９等から直接的に
噴出するのを防止でき、使用上一層好適である。

前記の効果からいって、保持脚１０は中栓８を容器口部
１に嵌着した状態でリング状板１２を容器口部１の下端
部近傍に位置させ得る長さに形成するのが望ましい。

前記リング状板１２の内径は吸上げ芯３の外径と同程度
かもしくは僅かに径大に形成される。

１３は中央に開口１４を有しかつ該開口１４にすのこ状
等をなすメタルカバー１５が装着された透明体等よりな
る飾り蓋であって、開口１４の両側の垂設板１６．１６
をもって蓋本体４のフランジ部４２上に係合された天蓋
５を蔽うように被着されている。

４２’、１６’は係合部を示す。５２は天蓋５の回動操
作用のツマミであって、天蓋５の外周適所から垂設板１
６の切欠部１７を通して蓋本体４の外周に沿うように垂
設されている。

該ツマミ５２は特に蓋本体４の外周に有する切欠溝４５
に嵌入せしめられており、該切欠溝４５の幅によってツ
マミ５２の回動幅が定められ、芳香剤発散用の窓６，７
を全開、全閉できる角度の範囲内で天蓋５を回動操作で
きるようになっている。

本考案は上記のように構成されており、蓋本体４の上部
４３およびこれに嵌合した天Ｍ５に設けた芳香剤発散用
の窓６および７を、必要に応じて天Ｍ５を回動操作する
ことにより容易に開閉調整でき、例えば６，７を完全に
閉塞した状態のときは芳香剤発散が行なわれず、窓６，
７を開けると、吸上げ芯３により吸上げられた芳香剤は
吸上げ芯３の上端部およびこれに連接された発散フェル
ト３１より芳香を発し、その芳香が窓６，７を経て外部
に発散されるもので、窓６，７の開口度合を調整するこ
とにより発散の程度を適当に好みに合うように調整でき
、不必要なときの芳香剤発散や過度の発散をなくすこと
ができ、芳香剤の節約を図ることができる。

そして本考案の場合、吸上げ芯３を保持する中栓８が、
容器口部１に対する嵌合部８１の内方または下部に小内
径部８２を設けるとともに、容器内部の膨張気体を逃が
すための通気手段９を設け、さらに小内径部８２の下部
に吸上げ芯３を挾持する保持脚１０を周方向所要間隔に
垂設したものよりなるので、本考案芳香剤容器を自動車
内や温暖な室内に設置使用した場合において、仮に激し
い振動や温度上昇により容器内の気体が膨張しても、そ
の膨張気体は保持脚１０の間から中栓８の通気手段９を
経て排気されることになり、従って吸上げ芯３が過度に
膨潤することがなく、吸上げ芯３による芳香剤液の吸上
げ作用を常に一定の好適な状態に保ち、芳香剤発散を良
好に維持でき、芳香剤の浪費をなくすことができる。

しかも、本考案では上述したように小内径部８２の下部
の保持脚１０をもって吸上げ芯３を中間部の個所で挾持
しているので、小内径部８２が仮に吸上げ芯３を強く抱
持しないもの、つまり吸上げ芯３との間に僅かな間隙を
保有するものであっても吸上げ芯３の保持上句等差し支
えなく、吸上げ芯３の通気可能な貫挿状態にして安定よ
く保持できるのである。

その上、中栓８の上面には周方向所要間隔に保持爪１１
を立設して吸上げ芯３の上部に連接せる発散フェルト３
１を中栓８上面より浮上状態に保持しているので、この
発散フェルト３１の保持止定に伴なってこれに連接せる
吸上げ芯３の動き、特に上下方向の動きが規制され、吸
上げ芯３が振動等によって過度に突出したりするのを防
止でき、保持脚１０の挾持作用と相まって吸上げ芯３の
保持状態を一層確実にする。

従って本考案の芳香剤容器は激しい振動を伴なう自動車
内等においても吸上げ芯３を安定よく保持し得てその使
用に充分耐えることができる。

さらに本考案では、上記のように発散フェルト３１を周
囲所要個所で保持しかつ中栓上面より浮上状態に保持し
ているので、吸上げ芯３により吸上げられて発散フェル
ト３１に滲透する芳香剤は、発散フェルト３１の上面だ
けでなく周面および下面からも発散して外部へ流出し、
芳香剤発散を効率よく行なえ、芳香剤発散用の窓６，７
を開口した当初の室内の芳香充満を速める効果もある。

以上のように本考案は、芳香剤液の噴出防止効果に優れ
かつ吸上げ芯の保持状態の安定性良好なもので、自動車
内等で使用する芳香剤容器に特に好適である等、優れた
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであり、第１図は縦断正
面図、第２図は半部縦断側面図、第３図は分解斜視図で
ある。 １・・・容器口部、３・・・吸上げ芯、４・・・蓋本体
、５・・・天蓋、６，７・・・芳香剤発散用の窓、８・
・・中栓、９・・・通気手段、１０・・・保持脚、１１
・・・保持爪、１２・・・リング状板、３１・・・発散
フェルト、８１・・・嵌合部、８２・・・小内径部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 芳香剤液の吸上げ芯が装着された容器口部に蓋本体
   を冠着し、該蓋本体の上部に天蓋を摺接回動可能に嵌合
   し、前記蓋本体の上部と天蓋に互に合致する芳香剤発散
   用の窓を開設し、前記天蓋の回動操作により前記窓を開
   閉できるようにした芳香剤容器において、容器口部内側
   に吸上げ芯保持用の中栓を嵌着し、該中栓の容器口部に
   対する嵌合部の内方またはその下部には小内径部を設け
   るとともに容器内部の膨張気体を逃がすための通気手段
   を設け、前記小内径部の下部に吸上げ芯を挾持する保持
   脚を周方向所要間隔に垂設し、また中栓の上面には吸上
   げ芯の上部に連設せる発散フェルトを中栓上面より浮上
   状態に保持する保持爪を周方向所要間隔に立設してなる
   ことを特徴とする芳香剤容器。 ２ 各保持脚の下端部を連接するように容器口部の下部
   内径より若干径小のリング状板が設けられてなる実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の芳香剤容器。 ３ 中央に開口を有しかつ該開口にすのこ状のメタルカ
   バーを装着してなる飾り蓋が蓋本体の上部に天蓋を蔽う
   ように被着され、天蓋の外周適所から回動操作用のツマ
   ミが所要角度の範囲回動可能に垂設された実用新案登録
   請求の範囲第１項または第２項記載の芳香剤容器。