JPS60165Y2 - 圧延材搬送用ロ−ラ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は圧延材の搬送に用いられるローラーテーブルに
おけるローラーの新規な構造に関するものである。

例えは、棒鋼、条材等の圧延設備において圧延材の搬送
用に使用されるローラーは第１図に示すように、筒状の
ローラーシェル１の両側端に端板２を溶接等の適宜手段
により固着し、これを回転軸３に嵌挿するとともに、端
板２と回転軸３とを溶接固着せしめ、軸受４により軸支
せしめ、さらにこの回転軸３に動力伝達用のプーリーあ
るいは歯車５をとりつけてなる構造が一般的に採用され
る。

ところで、かかるローラーにあっては、ローラーシェル
１が摩耗した場合には圧延材の搬送を円滑ならしめるた
め、あるいは、圧延材の表面疵発生を回避するためロー
ラーシェル１の補修を行うが、圧延設備の生産性を維持
するためには短時間にそれをなす必要があるが、図示す
る如くその構造上軸受４を分解しローラーを交換しなけ
ればならず、そのローラーの交換作業に極めて長時間を
要し、設備の生産性を阻害し、さらには、ローラーシェ
ル１が回転軸３に溶接固定構造をとるためにローラーそ
のものを廃却しなけれはならず、補修費の増大をもたら
す等欠点を有するものである。

本考案は前述の諸点に鑑みなされたもので、その特徴と
するところは、回転軸に、両側端部を外方に拡がるテー
パー面に形成してなるローラーシェルを遊嵌せしめ、複
数に分割され、外周を前記テーパー面に係合するテーパ
一部に形成してなるフランジをローラーシェルの両側方
より嵌挿するとともに、前記両フランジをバネを介して
連結桿せしめローラーシェルを回転軸と一体化せしめる
とともに、前記回転軸を軸支せしめた点に存するもので
ある。

以下図示の実施例にもとづいて本考案に係る搬送用ロー
ラーについて詳述する。

第２図および第３図において、１０は圧延材の搬送ロー
ラーを示し、このローラー１０は回転軸１１に圧延材を
支承する両側内周面に外方に拡がるテーパー面１３を形
成してなる筒状のローラーシェル１２を遊嵌し、このロ
ーラーシェル１２を回転軸１１に固定するために外周を
前記テーパー面１３に係合するテーパー形状とされた円
周方向複数に分割されたフランジ１４、図示の場合には
１４ａおよび１４ｂに２分割された半円形のフランジ１
４をローラーシェル１２の外方より嵌挿し、このローラ
ーシェル１２に嵌挿された両側に位置するフランジ１４
を連結するようにフランジ１４に設けてなる挿通孔１５
に一端に頭部１６ａを他端にねじ１６ｂを螺設してなる
連結枠１６を、両フランジ１４との間にバネ１７を介設
した状態のもとに挿通するとともに、ナツト１８により
一体的に結合するとともに、回転軸１１の回転をローラ
ーシェル１２に伝達するためにフランジ１４をキー１９
により回転軸１１に固定し、さらに、回転軸上における
軸方向位置を固定金具２０により固定する。

次いて、回転軸１１を架台２１に装架された軸受２２に
軸架せしめ、さらに回転軸１１の一端側に歯車あるいは
プーリー２３を固着する。

以上のように構成してなる本考案に係る圧延材搬送用ロ
ーラーにおいて、ローラー１０は、回転軸１１の回転が
キー１９を介してフランジ１４に伝達され、さらにフラ
ンジ１４とローラーシェル１２のテーパー面１３との摩
擦力によってローラーシェル１２に回転が伝達され、圧
延材の搬送が行なわれる。

また使用中においてローラー１０が圧延材の熱影響を受
け、そのローラーシェル１２に熱膨張を生起すると、フ
ランジ１４と連結枠１６との間に介設してなるバネ１７
により軸方向におけるローラーシェル１２の伸びが吸収
され、フランジとの間に強固な力が作用することを回避
する。

ローラー１０の使用によってローラーシェル１２が摩耗
した場合にあっては、架台２１から軸受２２を取付けた
状態で回転軸１１をはずし、その後連結稈１６に螺着し
であるナツト１８を緩め、フランジ１４とローラーシェ
ル１２との結合を解除すると、ローラーシェル１２を回
転軸１１に遊嵌状態となり、ローラーシェル１２の内径
が軸受２２の外径寸法より大きいため、回転軸１１に軸
受２２を残置したまま回転軸１１よりローラーシェル１
２を抜き取ることができ新らしいローラーシェル１２と
取り替えた後前述とは逆の手順でローラーシェル１２を
回転軸１１に固定し、架台２１上に軸受を介してローラ
ー１０を装架することによって迅速にローラー交換がて
きる。

以上から明らかなように、本考案に係る圧延材搬送用ロ
ーラーによれば、ローラーシェルとフランジとを組立構
造にしているため、ローラーの摩耗時において、フラン
ジとローラーシェルとの結合を解除することによって、
ローラーシエルヲ回転軸に対して遊嵌状態とするとがで
き、軸受を回転軸に残置した状態でローラーシェルを回
転軸から抜きとることができ、軸受を分解することなく
交換し得るため、迅速なローラー交換が可能となり設備
の休止時間を短縮するのみならず、また、バネを介設す
ることによって熱応力からローラを保護し得る等、その
奏する効果は大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のローラー構造を示す縦断正面図、第２図
は本考案に係る搬送用ローラーの縦断正面図、第３図は
第２図■−■線に沿った断面図である。 図において、１１は回転軸、１２はローラーシェル、１
４はフランジ、１６は連結枠、１７はバネである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転軸に、両側端部を外方に拡がるテーパー面に形成し
   てなるローラーシェルを遊嵌せしめ、複数に分割され、
   外周を前記テーパー面に係合するテーパ一部に形成して
   なるフランジをローラーシェルの両側方より嵌挿すると
   ともに、前記両フランジをバネを介して連結桿により結
   合せしめてローラーシェルを前記フランジを介して回転
   軸と一体化せしめるとともに、前記回転軸を軸受により
   軸支せしめたことを特徴とする圧延材搬送用ローラー。